私のHPの目的は「演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現する」ことにありますが、そのため重要な因子として、再生装置の周波数特性、歪率 の他にダイナミックレンジがあります。平たく言えば、どれだけ静かな環境で(どれだけ微弱な音まで聴きとれるかが決まる)、どれだけ大きな音が出せるかということです。現在のオーディオ装置では、大きな音は比較的簡単に出せますが、静かな環境を得ることが難しく、かつ周りに迷惑をかけずに大きな音が出すのが難しい。結局の所、リスニングルームの防音・遮音がどれほど完全に出来るかということにかかってきます。
本題に入る前に音の大きさの定義について書いておきます。公式的には、1000Hzの音に対して、人が聴き取れる最小の音圧レベルを0 dB(=20μPa)として、これとの音圧の比をdB単位で測ったものです。といってもこれではわからにので、具体的な例の概略値を挙げると、静かな住宅内[30dB]、都会の住宅地[50dB]、地下鉄内[80dB]、3m前方での車の警笛[100dB]、ロックバンド、オーケストラの最強音[120dB]といった目安です(周波数が違うと耳の感度が異なるので、その補正を施したものをphon とよびます)。
120dBは無理として、せめて100dBの音を出そうとしても、隣室の音を50dBまで落とそうとすると50dBの遮音が必要となり、そのためには、ここに書いてあるように、分厚い(150mm程度)のコンクリート壁が必要となります。この場合、逆に外の騒音がかなりやかましい60dB程度あっても室内は極めて静かになるので、100dB程度のダイナミックレンジは実現出来そうです。
従って、オーケストラの最強音から再弱音を満喫しようとすると、極めて強力な遮音を施さないと近所迷惑、というより犯罪行為になってしまいます。いや、その前に家人から文句が出るでしょう。ということで、ここでの会話は落ちつくところへ落ちついたようです。
ダイナミックレンジの件 投稿者:OB 投稿日:2007年 4月27日(金)12時51分29秒
ダイナミックレンジについて、実際どのくらいで録音されているのかを、プレーヤーからイコライザー(Behringer DEQ2496)へデジタル入力して、ピークレベルメーター(-80〜0dB)の値を調べてみました。
録音・販売:年.月です。
曲目:例えば「ベ第5-1」はベートーベンの運命第一楽章、などです。
最小:演奏開始直前のレベル[dB]を調べてみました。ただし一瞬なので
±5dB位の誤差があります。これよりは小さいだろう、という程度です。
最大:ピークレベルメーターのピークホールド値[dB]です。プレーヤーの
ピークサーチ機能も使いました。
レンジ:最大−最小 [dB]です。これよりは広いだろう、という程度です。
ビット:1bit=6dB(=20log2?)だそうなので、レンジ[dB]を6で割った値[bit]
としました。これ以上は必要だろう、という程度です。
バーンシュタイン&ウィーンフィル(全てADD)
録音 販売 曲目 最小 最大(左 右) レンジ ビット
77.9 04.? ベ第5-1 -55 -2.4 -2.1 53 8.8
ベ第5-4 -1.3 -0.8 54 9.0
79.9 04.? ベ第9-1 -50 -1.1 -1.9 48 8.0
ベ第9-4 -0.7 -1.0 49 8.2
カラヤン&ベルリンフィル(ボレロ以外DDD)
66.3 90.5 ボレロ[ADD] -50 -0.6 -0.3 50 8.3
82.11 03.9 べ第5-1 -61 -0.2 -0.3 61 10.2
83.9 93.5 ツァラ序章 -55 0.0 0.0 55 9.2
83.9 02.9 べ第9-1 -55 -0.6 -0.1 55 9.2
小澤征爾&ベルリンフィル(DDD)
88.6 94.9? カルミナブラーナ -55 -1.1 -1.4 54 9.0
小澤征爾&サイトウキネン(DDD)
00.9 00.12 ベ第5-1 -50 -0.3 -1.8 50 8.3
02.9 02.11 ベ第9-1(ライブ) -47 -0.8 0.0 47 7.8
フジ子ヘミング
88.6 03.2 ラ・カンパネラ -40 -3.4 -1.7 38 6.3
99.4? 03.2 ラ・カンパネラ -50 -2.1 -1.0 49 8.2
佐渡裕&シエナウインドオーケストラ(吹奏楽、通常CD、24bit/192kHz録音)
02.1 02.? ロス五輪テーマ -57 clip clip 57 9.5
-60dBあたりに、下限の壁があるように思いました。
カラヤンの82.11録音が-61[dB]で最小でした。-51でなくて明らかにレベルの上がり方が他と違いました。最近発売の物はノイズ低減などされているのでしょうか?
あと、最後のCDは、24bit/192kHz録音とはっきり書かれており、客無しホール録音なので、-70dBとかになるかと思ったのですが、やっぱり-60dB近辺でした。
ボレロは、冒頭(スネア&弦)で-45〜-40dB、フルートが入って-40〜-30dB位でした。もっとずっと小さいと思っていたのですが、私には予想外に大きかったです。
で、60dB=10bitあれば十分、ということではなくて、-60dBの極小音の表現にさらに何ビットか必要なのだろうと思ったのですが、どのくらいあればよいのでしょうか?
しかし私の環境では、そんな極小音を聞くにはボリュームを上げなければならず、するとノイズも大きくなってしまいます。よほど静かなオーディオルームと高級機器がないとそれ以下の極々小音の有無はあまり意味がないのかな、と思いました。
4/15にDVD-Aさんが「鳴りが悪い」とおっしゃっていたCDは、1970年前後の録音のようです。同時期のバーンシュタインのADD録音しか持っておりませんが、演奏の巧拙ではなくて、明らかに音がおかしい(この楽器がこんな音を出すわけがない!)ように聞こえます。この頃の機材(マスターテープやADC、マイクの集音周波数域?)では仕方がなかったのか?と思っていますがいかがでしょうか。
最近、Audacityというフリーソフトでサウンドスペクトラムを取ることを覚えましたが、まだ使いこなせていません。これだと視覚的に差を明示できるのでは、と思っております。
Re: ダイナミックレンジの件 投稿者:NS 投稿日:2007年 4月27日(金)15時22分41秒
OB さんへ
市販のソフトから測定するのは意味がありません。コンプレッサーや、デジタル録音でのハードクリップ、オープンテープによるテープサチュレーションによるコンプレッサーなど、一体何をソフト会社側でやっているか分かりません。クラシックでもCD一枚に付き約100カ所ぐらい手を入れています。
また、最大ピークレベルから、音が無くなったと判断する音圧はどうやって測るのですか?
実際に家で聞いている音量と、実演での音量はあまりにもかけ離れているし、判断に困るでしょう。そういうことを考えると、あまり意味がないと思いますがいかがでしょう。
Re: ダイナミックレンジの件 投稿者:OB 投稿日:2007年 4月27日(金)18時12分3秒
< クラシックでもCD一枚に付き約100カ所ぐらい手を入れています。>
ななな、なんと!!!恥ずかしながら全く存じませんでした。
どうしてフジ子ヘミングのピアノソロのレンジが50dBもあるのに、フルオーケストラがたった 60dB 位しかないのか?、良くパンフレットにオーケストラの100dB以上のダイナミックレンジに対応云々とあるのに、どうなっているのか??・・・、コンプレッサーでレンジを圧縮しているから(かも知れない)、ということですね。
また、あるCD解説に「この超難曲が編集無しの一発録音とは驚きである」とか書いてあり、何のことだろうと思っておりましたが、謎が解けました。
<また、最大ピークレベルから、音が無くなったと判断する音圧はどうやって測るのですか?>
そこで、演奏開始直前の無音(と言ってもモソモソ・ギシギシはありますが)のレベルを最小レベル参考値として調べました。しかし
<そういうことを考えると、あまり意味がないと思いますがいかがでしょう。>
はい、仰るとおりと思いました。
強いて申し上げれば、おかげで上の事実を知ったこと、私の環境ではせいぜい60dBくらいのレンジまでしか聞けないことを確認した、あたりでしょうか。また、DEQ2496にはコンプレッサー・エクスパンダー機能もあり、ただ利用には心理的抵抗があったのですが、試してみようという気になりました。いったい完璧な試聴用機器が出来たとしても、元ソース自体に手が入っていてはHi-Fiってなんだろう、と言う気が致します(涙)。
以前お勧めいただいた小型アナライザーphonic PAA-3があれば実地調査もできるのですが、現在、新品購入は極めて難しい状況で、残念ながらヤフオクの出品待ち状態です。測定用マイクBehringer
ECM8000等で自宅調査しています。
Re ダイナミックレンジの件 投稿者:志賀 投稿日:2007年 4月27日(金)20時08分42秒
OB さん:
<ダイナミックレンジについて、実際どのくらいで録音されているのかを、プレーヤーからイコライザー(Behringer DEQ2496)へデジタル入力して、ピークレベルメーター(-80〜0dB)の値を調べてみました。>
ダイナミックレンジについては過去にこんな議論をしています。
http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/43compression.html
最近のCDでは最大レベルはほぼフルビットに近い所まで詰め込まれているようです。問題は、意味のある情報を含む最小レベルを決めるのが至難だということです。ちょっと素人の手には負えないのではないでしょうか?
オーディオシステムのダイナミックレンジについて参考になるデータをUpしておきました。
http://shigaarch.web.fc2.com/dynamicrange.html
ちょっと説明不足でわかりにくいですが、よく見ると何が言いたいかが分かってくると思います。 各段階で最大レベルは歪みで規制され、最小レベルはノイズレベルで決まるというものです。いずれにせよCDの、16bit 96dB というダイナミックレンジは十分満足すべき値だと思います。
ダイナミックレンジの件 投稿者:DA 投稿日:2007年 4月28日(土)12時15分47秒
OB さん
昔のCDには、スピーカーの鳴りの悪いものが多いと思われるでしょう。しかし、そんなにネガティブに思ってはいません。CDの進歩はあまりにも急速で、試行錯誤が追いつかなかったのだと思います。レコードに比べて、格段の利便性があり、また、その後価格破壊といえるほど安価になった点、CDの功績は大きいと思います。
そころで、ダイナミックレンジの件ですが、一口に100dBといっても、生の音(体積音源)とスピーカー(実質、点音源)では、聴こえ方がかなり違うと思います。点音源で100dB(針の落ちる音から、爆弾の炸裂音)を至近距離から聴かされたらたまったものではないと思います。
スピーカーは、一種の楽器ですから、ホーンの特性ばかりでなく、筐体の共鳴など、むしろ機械的特性が重要かもしれません。楽器の上手な人の特徴は、音が大きいことですが、ただ大きいのではなく、楽器を上手く共鳴させて、効率よく大きく聞かせるところにあります。
CDやレコードなどのソースも基本的にそれが言えると思います。音の大きなソースは、基本的に良いソースですが、音の大きさがダイナミックレンジで決まっているとは思えません。音が大きく聴こえるということだと思います。
測定されるなら、機械的な方法がよいかもしれません。私は、紙コップに水やアルコールを入れて、スピーカーの上に置き、液面の振動の違いを計測できないか、試しています。
本格的な振動計などを使えばよいのでしょうが、高価だし購入するにも手間がかかって、誰でもできるというわけにいかない。できるだけ簡易で、効果が目視できるような方法がよいと思っています。音質は、主観が入り、好き嫌いもありますから、粗くてもよいからできるだけ単純明快に結果が出せないと、なかなか互いの意図を理解できないと思います。
このサイトで、同様な試みが紹介されているのであれば、ぜひとも教えて欲しいし、良いアイデアがあれば思いつきで結構なので、教えていただければ幸いです。
小ホールで、10人くらいで鑑賞するのなら100dBのダイナミックレンジが必要かもしれませんが、普通の部屋で聴くぶんには、60から80dBも十分だと思います。
そういう意味では、志賀さんがおっしゃるCDの規格、16ビット-44.1KHZで十分というのはうなずけるのですが、24ビット−192KHZには、もう少し違った利点があると思っています。それについては、後ほど、お知らせしたいと思います。
Re: ダイナミックレンジの件 投稿者:HD 投稿日:2007年 4月28日(土)18時42分36秒
DA さん:
<CDやレコードなどのソースも基本的にそれが言えると思います。音の大きなソースは、基本的に良いソースですが、音の大きさがダイナミックレンジで決まっているとは思えません。音が大きく聴こえるということだと思います。>
質問なのですが、ここで言われる「音の大きなソース」の意味ですが、「平均録音レベルが高い」のか、録音レベルはあまり高くないのに「音が豊かに聞こえる」のか何れでしょうか?
Re: ダイナミックレンジの件 投稿者:NS 投稿日:2007年 4月29日(日)00時43分54秒
HDさん、
<「音が豊かに聞こえる」ってあまりにも観念的でよく分からないのですが。>
私がしている記録する、のと、CDなどのメディア自体をひとつの作品にするのとは意味がちがいますからねえ。
プロの人は強弱があるように聞こえれば良いと言っていますからね。気持ちよく聞こえれば可派。それであるからこそ、CDで聞き慣れた曲を初めて実演を聞いたらダイナミックレンジの大きさにぶったまげる。
また、実演で感動したダイナミックな曲、たとえばローマの松など、あの感動をもう一度と思ってCDを購入して聞くとダイナミックさが全然感じられないなど肩すかし。BS放送も同じ。私は古くからのHi-Fi派ですから、絶対に彼らと意見が交わらないでしょう。
よく、演奏会の収録をしますが、16bitでは足りません。低レベルでは音の艶が減退します。量子化歪みが原因でしょうね。ビット数をあげる効果は、余韻と遠近感。サンプリング周波数をあげる効果は、高音域の伸びは副次的な効果であり、定位感覚がはっきりする。これも周波数を倍にすると量子化歪みは3dB減少(量子化歪み≒量子化ノイズ)。相乗効果として会場の雰囲気が濃厚に記録されます(アンチエリアシングフィルターの周波数が上に上げる、つまり可聴帯域内の位相がフラットに近づくため?可聴帯域内の波形再現性が良くなるからでしょうか)。従って、リアルになります。
以上は、22kHzまでしか収録できないマイクです。しかし使用マイクは歴史がある有名メーカーのマイクです。
可聴帯域以上を保証しているマイクは数えるほどしか種類がありません。
たとえ、DVD-AやSACDなどに大編成のオケをコンプレッサー無しにダイナミックレンジが120dBもあるように納めた製品があったとしても、小さな音でならした場合、ダイナミックレンジは小さく感じます。たとえば、再生の最大ピークを50dBSPLとしたら、20dBSPLが静かな最小に聞き取れる音量ですから、たった30dBのダイナミックレンジになるではないですか。ですから、検知可能な最小音量から考えると、ビット数は16bitで十分ともいえないのではないかと思います。
このごろは、ゲネプロ時に吊りマイク直下で音圧を測定し、同時に収録をしています。そのままレベルをいじらずに本番を収録し、家で同じ音圧レベルで再生したら、自分の装置の破綻が見える。部屋の不都合も露呈する。また、実にリアルになります。
オーディオの目標のひとつはリアリティです。目標のひとつが達成できそう。
ついでに鬼嫁とリアルにケンカしています。
音の大きなソース 投稿者:DA 投稿日:2007年 4月29日(日)07時55分59秒
HD さん
誤解を恐れずに単純に言い切れば、録音レベルが高い、ということでしょう。もちろんケースバイケースです。
アナログ録音でも、楽器の演奏でも、同じだと思います。音われや歪を恐れて、小さい音で、チマチマやっても、誰も感動しない。思い切りよくということで、全てに通じることだと思います。
「音が豊かに聞こえる」は、それからの話ではないでしょうか。いくら大胆に思い切りがよくても、下手ではやかましいだけで、騒音と変わりません。
定量的な説明になっていなくて申し訳ないのですが、この程度しか答えられません。ただ、万事共通することが多いので、普遍性があるのかなと思っています。
古いレコードをあらためてPCM録音すると、印象に残っているものは、例外なく録音レベルが高く、ボリューム調整をやり直すことが多々あります。
Re: 音の大きなソース 投稿者:HD 投稿日:2007年 4月29日(日)09時44分59秒
DA さん:
<誤解を恐れずに単純に言い切れば、録音レベルが高い、ということでしょう。もちろんケースバイケースです。>
<アナログ録音でも、楽器の演奏でも、同じだと思います。音われや歪を恐れて、小さい音で、チマチマやっても、誰も感動しない。思い切りよくということで、全てに通じることだと思います。>
音楽のジャンルによって違うようですが、クラシックの場合その時期の録音メディア(テープ、LPへのダイレクトカッティング等)や記録媒体(LP、CDなど)のS/N比から決まるダイナミックレンジをなるべく大きく取れるようにレベルを決めていると理解しています。 1曲(あるいは複数曲なら1シリーズ)の中の最大レベルの「音」がクリップ寸前になるようにレベル並びにコンプレッションの程度を決めているのではないかと思います。
再生する場合は平均レベルでボリュームコントロールする場合が多いと思いますので、バイオリンの無伴奏と大編成オーケストラではボリューム位置が大きく変りますね。
Re2: ダイナミックレンジの件 投稿者:志賀 投稿日:2007年 4月29日(日)11時05分13秒
NS さん:
<また、実演で感動したダイナミックな曲、たとえばローマの松など、あの感動をもう一度と思ってCDを購入して聞くとダイナミックさが全然感じられないなど肩すかし。BS放送も同じ。>
同感ですね。たまたま先週の木曜に大阪フェスティバルのメイン、大植英次指揮のブルックナー8番を聴きにいきました。大変な熱演で感動しました。前から3列目ということもあって迫力満点でした。、
後で、BSから録った、スクロバチェフスキ指揮のザールブリュッケン放送交響楽団(東京オペラシティーコンサートホール)の演奏を聴いてみましたが,当たり前ではありますが、まるで別物ですね。
<オーディオの目標のひとつはリアリティです。目標のひとつが達成できそう。>
我が家で何とかリアルに聴けるのは室内楽とピアノくらいでしょうか。最大のネックは部屋ですね。
<ついでに鬼嫁とリアルにケンカしています。>
これも身につまされます。
Re: ダイナミックレンジの件 投稿者:HD 投稿日:2007年 4月29日(日)13時44分2秒
NS さん:
<HDさん、「音が豊かに聞こえる」ってあまりにも観念的でよく分からないのですが。>
言葉でうまく書けないのですが、1例を紹介します。
もう何年か前ですが、ブロムシュテット指揮、ゲヴァントハウス・オケのベートーベンプログラムで「エグモント序曲」を聴きました。オーチャードホールA席(かなり後ろの前から2/3位の席)でした。演奏も良かったですが「音色」が低域が厚く音量も十分で、かなり興奮しました。ホールの音響特性もあるでしょうし、聴いた位置的にも間接音の割合も大きかったのではないかと思います。 「エグモント序曲」のCDは何枚か持ってますが、内ハイティンク指揮のアムステルダム・CGOのCD(ADD)の再生音がこの時の音色に最も似てます。こういう音色を「豊か」と言うとしますと、カラヤン・ベルリンフィルのDDDのは音色が「淡白」に聞えます。 この差は指揮者のオケの鳴らし方、録音場所(ホールの音響)の差、間接音を含めたミキシングの差などが考えられます。 実際にソフトを作っておられるNSさんはこのあたりの状況をよくご存知と思います。
<オーディオの目標のひとつはリアリティです。目標のひとつが達成できそう。>
私の目標もそうです。CD再生でも許される状況時には、かなり音量を上げてます。マーラー#2のクライマックスではリスポジでピーク時のSPL(Cカーブ)110dB出す時もあり、ライブ録音ではよりリアルに聞えますね。ピアノ独奏では、ピーク95dB位(曲にもよりますが)が良いです。
Re: ダイナミックレンジの件 投稿者:NS 投稿日:2007年 5月 1日(火)09時15分24秒
<この差は指揮者のオケの鳴らし方、録音場所(ホールの音響)の差、間接音を含めたミキシングの差などが考えられます。 実際にソフトを作っておられるNSさんはこのあたりの状況をよくご存知と思います。>
いえいえいえ。他人がやっていることはわかりません。一番大きな差は録音エンジニアの差です。
<<オーディオの目標のひとつはリアリティです。目標のひとつが達成できそう。>>
これは奢りたかぶった言葉でした。鬼嫁を含め、困難。金棒ならぬホウキと掃除機を持ってあばれそうなので壊されないかと心配です。ウソだと思っているのなら、家に帰ったら、全部捨ててあるのを覚悟しろとタンカを切られましたから。あの嫁ならばやりかねん。ついでに子鬼共も家庭内デモクラシーを標榜し始めたので、かなわん。
オーディオというのは科学だけではなく、人間関係の心理学も学ばねばならんでしょう。
Re: ダイナミックレンジの件 投稿者:OB 投稿日:2007年 5月 2日(水)12時54分58秒
みなさま:
私は学生時代、吹奏楽・オーケストラで打楽器演奏をしておりました。当然毎日100dBSPL以上(?)にさらされておりました。たまにワンポイントステレオマイク+DATで録音するとまったく違った感じになり、プロの方の市販CDの録音はずっとすばらしく、しかし実演を聞くとやっぱり別物に感じられていました。この問題は機材や視聴環境を改善すればいずれ(それなりに)解決するのだろうと思っておりました。
しかし何十(百)万円の再生機材を用意しても、オーディオルームで制限されてしまうこと、さらにその上を目指すなら実演を聞きに行く方が遙かに安上がりかな(オーディオではなくなりますが)、と思い至りました。
「オーディオの科学」トップページでリスニングルームの重要性が第一に挙げられているのはそういうことなのですね。しかし、最重要なのにおいそれと交換出来ず、しかも桁違いに高額になるのが悩ましい・・・。
現在都内ワンルームマンション在住で、再生前約40dBSPL(WeightC)、かなり大きいと感じる音で約65dBSPL(同)でした。また離れた位置に置いたペルチェ素子冷蔵庫は16dBと取説にあり、これが少し気になるくらいです。どうがんばっても
60dB 程度のダイナミックレンジしか私の方では扱えないようです。HDさんのように 95 とか 110 dBSPL とか出すことは残念ながらとても出来ません(うらやましい!!!)。
録音される側で大変すばらしい作業をされていても、そういうメディアができても、CD/SACD/DVD-Aにかかわらずこれではだめだ、と思い知った次第です。
鬼嫁 投稿者:DA 投稿日:2007年 5月 2日(水)12時57分54秒
NS さん
<オーディオというのは科学だけではなく、人間関係の心理学も学ばねばならんでしょう。>
鬼嫁の件、ともに同感です、私も、Aクラスの下程度で、禁治産者呼ばわりです。リアリティの壁の前に、女房の壁。
以下、ダイナミックレンジ U へ続く