表紙へ戻る

ダンピングファクター(DF) 2007.3.11 追加分

こちらも、きっかけは励磁型スピーカーに関する質問でしたが内容はスピーカーの制動力についてです。ここでダンピングファクター(DF)という言葉が登場しますがこれは紛らわしい言葉です。オーディオ界ではアンプの出力インピーダンスZ ) を表す指標として使われ、DF=R/Z (R :スピーカーの公称インピーダンス、)で定義される量です。確かにこれはスピーカーの電磁制動力に関係しますが DF=∞ でも決して完全な制動が得られるわけではありません(過渡歪みが0になるわけではない)。なぜなら、スピーカの直流抵抗、ケーブルの直流抵抗があるからです。(詳しくは http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/helmholtz.htm#damp
を参考。

フィールドスピーカ  投稿者:KK 投稿日: 2007年2月 3日(土)20時54分43秒

フィールドスピーカーの磁気回路は、パーマネント磁石のものより優れていると言われていますが、本当なんでしょうか。

また、「起電力を発生する交流磁束は磁気囲面の磁気抵抗(リラクタンス)が大きいと弱くなり、阻止作用も当然弱くなります。このリラクタンスは磁性体そのものの透磁率(μ)に影響されます。」
http://www.******.com/reiji.html より
フィールドスピーカでは、透磁率の高いコアだからよいという結論です

どうなんでしょうか

Re フィールドスピーカ 投稿者:志賀 投稿日: 2月 3日(土)21時48分40秒
KK さん:

もしここに書いてあることが本当なら、他の高い技術力を持ったメーカーも競って励磁型スピーカーを採用すると思いませんか?

ただ、最後に書いてある、「このことにより、励磁(フィールド)型スピーカーは電圧を調節することにより、音質を変えることが容易にできオーディオマニアの皆様を飽きさせることがありません。」は本当です。ですが、これはより忠実な再生(具体的には過渡特性の良い低音再生)から遠ざかる方向で調整可能と言うことです。

この件については、特定の業者のサイトなのでこれ以上は言及しないことにします。

とりあえず、スピーカーに使う磁石の優劣や磁気回路については

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/magnetcirc.htm

に書いてある通りです。


Re: フィールドスピーカ 投稿者:HF 投稿日: 2月 4日(日)01時54分25秒

<フィールドスピーカーの磁気回路は、パーマネント磁石のものより優れていると言われていますが、本当なんでしょうか。 また、「起電力を発生する交流磁束は磁気囲面の磁気抵抗(リラクタンス)が大きいと弱くなり、阻止作用も当然弱くなります。このリラクタンスは磁性体そのものの透磁率(μ)に影響されます。」>

 面白いものがまだあったんですね。でもガラスの割れた裸電球と同じでスピーカの磁気回路の電源が切れたら、はかない命が一瞬に消えるのでしょうね、あの細いボイスコイルでは。

 それと、リニアアンプに繋いだ状態のスピーカーに逆起電力って発生するものなのでしょうか?音楽信号は正負双方向に電流が流れるので常に起電力がかかっているのでは?もっとも今流行のPWM制御のデジタルアンプなら当然発生しますが。

Re2: フィールドスピーカ 投稿者:志賀 投稿日: 2月 4日(日)06時31分3秒
HF さん:

特定の業者のサイトなので言及しないと言ったばかりですが一般論としての発言です。


<また、「起電力を発生する交流磁束は磁気囲面の磁気抵抗(リラクタンス)が大きいと弱くなり、阻止作用も当然弱くなります。このリラクタンスは磁性体そのものの透磁率(μ)に影響されます。」>

スピーカーの磁気回路の磁気抵抗値と音質との関係は、かなり昔、さる外国のスピーカーメーカーの技術者が言い出したことのようで、最近ではこの考えは否定されていると思います。これについては、

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/magnetcirc.htm

の、スピーカーの磁気回路の項で茶色文字のコメントで触れています。


<それと、リニアアンプに繋いだ状態のスピーカーに逆起電力って発生するものなのでしょうか?音楽信号は正負双方向に電流が流れるので常に起電力がかかっているのでは?もっとも今流行のPWM制御のデジタルアンプなら当然発生しますが。>

この逆起電力というのは、スピーカーの振動板の自由振動(慣性力)により発生する見かけの起電力のことで、f0での電気インピーダンスの上昇の原因と考えているものではないでしょうか? つまり、インピーダンスの上昇で電流が流れにくくなるのを、アンプの出力電圧をこの逆起電力が打ち消すためと考えるわけです。

だとすると、これはアンプとは関係なく発生します。この場合、DFの小さい定電流駆動に近いアンプだとSPのインピーダンスが上昇すると端子電圧が上昇し、f0での音圧ピークが増幅され制動の効かない音になってしまいます。そのため、最近のアンプはNFBによりDFを大きくし(見かけの出力インピーダンスを小さくし)電磁制動を効かすよう、いわゆる定電圧駆動に近づけるように設計されているのはご存知のことだと思います。これについては一応ここに書いています。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/helmholtz.htm#damp

ここに書いてあるように、いわゆるアクティブサーボシステムでは電流正帰還によりこのいわゆる逆起電力をキャンセルし無限大の制動力を得ることが可能だと言うことになっています。

PWMタイプのデジタルアンプの場合もアナログNFBが掛けられるのでDF値は大きくすることは可能で実際そうなっているようです。しかしいわゆる1bitデジタルアンプの場合NFBによりDFを大きくすることは困難でDF値は公表されていないと思います。1bitアンプの問題点の一つです。

これに関連したことが以前に議論されており、


http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/NFandDF.htm

に収録されています。


Re:3フィールドスピーカ 投稿者:HF 投稿日: 2月 4日(日)14時33分9秒
志賀 さん:

< だとすると、これはアンプとは関係なく発生します。この場合、DFの小さい定電流駆動に近いアンプだとSPのインピーダンスが上昇すると端子電圧が上昇し、f0での音圧ピークが増幅され制動の効かない音になってしまいます。そのため、最近のアンプはNFBによりDFを大きくし(見かけの出力インピーダンスを小さくし)電磁制動を効かすよう、いわゆる定電圧駆動に近づけるように設計されているのはご存知のことだと思います。これについては一応ここに書いています。>
>
DFの量により本当に制動のきかない音になるのでしょうか? 真空管アンプはDFが低い、物によっては負帰還をかけていないものもありますが、制動の利かない音には聞こえないのですが、尚PWM制御のデジタルアンプでもフィルターレスの場合は出力段から負帰還をかけていないものもあります(コンパレーターによるPWM信号化以降の出力インピーダンスは電源インピーダンスに依存することと、PWM信号を負帰還をかける為にアナログに変換するのにどうしても高減衰率のフィルターが必要なのですがこれによって位相がずれてしまう事が大きな要因だと思います)。

スピーカーの制動には電気的や磁気的なもの以外に力学的ダンパーや、圧力(音圧)による制動、特に音圧は制動と言うより主に仕事量なんでしょうけど、起電力時に正圧がかかると逆起電力時に負圧がかかる訳で更に密閉型だと正、負圧が同時に逆方向にかかる訳ですから、この音圧のエネルギーに比べればボイスコイルの音楽信号の緩やかな振幅による逆起電力は無視できる値なのでは無いかと思うのですが、違いますでしょうか?

Re:4 フィールドスピーカ 投稿者:志賀 投稿日: 2月 4日(日)21時46分59秒
HF さん:

<DFの量により本当に制動のきかない音になるのでしょうか?>

制動の効かない音をどう捉えるかは個人差もあるので何ともいえませんが、データ的にはかなり違ってきます。手元にある、DFを1から100くらいまで変えたときの周波数音圧特性のデータでは、DF=1の場合は f0で5dB程度のはっきりしたピークが生じますが、10くらいになればほぼピークは抑えられます。恐らくDFは20くらいあれば十分なんだと思います。

参考のため、DF値の違いにより、スピーカーシステムのf特がどれくらい変化するかの一例をここにUpしておきました。

http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/DFandftoku.html

<・・・・・。尚PWM制御のデジタルアンプでもフィルターレスの場合は出力段から負帰還をかけていないものもあります(コンパレーターによるPWM信号化以降の出力インピーダンスは電源インピーダンスに依存することと、PWM信号を負帰還をかける為にアナログに変換するのにどうしても高減衰率のフィルターが必要なのですがこれによって位相がずれてしまう事が大きな要因だと思います)。>

確かにフィルターレスだとアナログ負帰還をかけるのは難しいと思います。PWMアンプについていつも参考にするのは、F社の技術資料ですが、これにはフィルターは不可欠と書いてあります。携帯用は別として、オーディオ用のPWMアンプでフィルターを使っていないのはあるんでしょうか?

<スピーカーの制動には電気的や磁気的なもの以外に力学的ダンパーや、圧力(音圧)による制動、特に音圧は制動と言うより主に仕事量なんでしょうけど、起電力時に正圧がかかると逆起電力時に負圧がかかる訳で更に密閉型だと正、負圧が同時に逆方向にかかる訳ですから、この音圧のエネルギーに比べればボイスコイルの音楽信号の緩やかな振幅による逆起電力は無視できる値なのでは無いかと思うのですが、違いますでしょうか?>

もちろん、機械的な制動も重要です。しかしデータを見る限り電磁制動はかなり大きな寄与をします。また、スピーカーユニットの振動板を手で叩いたとき、端子をオープンにした場合と短絡した場合、反応(振動音)がずいぶん違ったのを記憶しています。残念ながら手元にSPユニットがないので確かめられませんがお持ちなら確かめてみて下さい。

「特に音圧は・・・・」以降は何をおっしゃりたいのかもう一つよく分かりませんが、制動力は、振動板の速度に比例した逆方向の力(摩擦力)ですが、逆起電力による力は振動板がどの方向に動いていようとブレーキを掛ける方向に働きます。また、大きな振動には大きな制動力(逆起電力)、小さな振動には小さな制動力が働くわけで絶対値が小さいからと言って無視出来るものではありません。密閉型の背圧はバネ定数を変えるだけで制動には効かないはずです。

Re: 4 フィールドスピーカ 投稿者:AR 投稿日: 2月 5日(月)10時23分31秒

<アンプにつなぐと、閉回路を形成し回路に電流が流れる。この電流はやはりローレンツ力を受け、振動板の変位を阻止する方向に働く。つまり、制動力が働く。 もし、R=0 なら、無限大の電流が流れ、振動板はびくともしない。この場合、入力電圧Vをかけると振動板は振動するが、電圧を0にした瞬間に運動は停止する。すなわち、過渡歪みは生じない。>

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/helmholtz.htm#damp よりの引用

勝手に引用してしまって申し訳ないのですが、この文章のうち入力電圧をかけると振動板は振動するが....は誤りではと考えます。R=0では、振動板はまったく動かないのではないでしょうか。原理的には無限の大きさまで電流が流れてブレーキがかかってしまうのですから。そして逆起電圧は振動板が動けば必ず生じます。
そもそもスピーカー端子の両端を短絡すれば振動板は動きません。なぜ、入力電圧をかけると、振動板は動くのでしょうか?もし、この世に出力インピーダンス0のアンプ(=DF無限大のアンプ)があれば、スピーカーから音は出て来ないのではないでしょうか?

つまり、DFが大きいことは、ほんとうに好ましいことか?ということです。DFによる制動はスピーカーに必要と考えますが、効き過ぎはよくないと思います。そもそも、電圧が0になった瞬間に、その時だけ、急制動がかかる制御なんて、とっても難しいのではないでしょうか?

アンプの動作を考えてください。 投稿者:NS 投稿日: 2月 5日(月)13時03分36秒
AR さん

<そもそも、電圧が0になった瞬間に、その時だけ、急制動がかかる制御なんて、とっても難しいのではないでしょうか?>

スピーカーにアンプを接続した状態を考えてください。アンプの電源を入れた状態で無音時にスピーカーを指の腹で軽くポンポンと叩いてみてください。また、アンプの電源を切った状態(スピーカー端子開放)で同様の操作をしてみてください。コーン紙からの音が違いますし、指の腹に当たる感触も異なります。

つまり、アンプはスピーカーの動きを制御しているのがわかります。入力信号は無音。しかしスピーカーが動いていると感知。→スピーカーの動く方向とは逆の信号を発生して無音位置を保とうとする。

アンプはどこでスピーカーの動きを検出しているのかを考察してみてください。

Re: アンプの動作を考えてください。 投稿者:AR 投稿日: 2月 5日(月)15時39分49秒
< →スピーカーの動く方向とは逆の信号を発生して無音位置を保とうとする。>

まったく、その通りだと思います。だから、その状態では、電圧をかけても振動板は動かないのです。

つまりDFが無限大のアンプ(現実には、そんなもの存在しないですが)は、音がならないのではないですか?
DFが大きくなればなるほど振動板は動かない。DFが0のアンプは制動がないので自由に動きます。そして現実のアンプは0と無限大の中間のいずれかの値をもちます。

もう少し実際に起こることをかくならば、スピーカーはアンプから供給される電流に比例する力をうけて動きます。逆起電力は、その電流に対する反作用で、電流を減らす方向に流れます。DFが無限大のアンプでは、わずかな逆起電圧で大きな打ち消し電流が流れ、それはアンプから供給される電流が0になるまで大きくなるでしょう。正確には逆起電圧を完全に打ち消すためアンプは電流を0にしてしまう動作をするということです。これでは振動板は動きません。

これは、もちろん現実には、ありえないことです。DFが無限大のアンプ(出力インピーダンスが0のアンプ)なんて作れません。仮想の産物です。
でも、これはDFが多くなれば振動板はうごきにくくなることを表しています。現実のアンプでDFを大きくしすぎることは好ましいことであるとは思えません。

水のなかで振動するスピーカーを想像してみてください。振動板の動きが鈍くなるのが想像できるでしょう。これは空気より水の方が粘性が高いためで、そのためダンピングが大きいのです。
(これは違います。水の中に入れると動きが鈍くなる主因は重たい水を動かす必要があるため振動板の実効質量が極端に大きくなるためです)
逆起電力がおこしていることは、これとは違いますがダンピングが大きい状況は、これと良く似ています。

もう何10年も昔から、DFが大きいほど、優れたアンプだ、という記述が見られますが、これは、ほんとなのでしょうか?僕はDFが大きくなれば、ますます、振動板が動きににくくなると思います。これは良いこととは思えません。

逆にDFが0のアンプ(出力インピーダンス無限大のアンプ。これも現実には存在しません)は逆起電圧が生じても打ち消し電流は流れません。実際はアンプが電流を変化しないように電圧を制御するからです。
これは好ましい状況に思えますが必ずしも、そうとは言えないと思います。スピーカーに適度なダンピングを与える必要があり、その理由は、このページで述べられていることなので、あえてふれませんが僕も賛成です。

つまり、アンプのDFつまり出力インピーダンスは大きすぎず小さすぎず適度な値でなければならないのです。

電磁制動力 投稿者:志賀 投稿日: 2月 5日(月)15時49分33秒
AR さん:

すこしHP内の説明が悪かったのか、だいぶ誤解をされているようです。(少し見直しておきます)


<<・・・ もし、R=0 なら、無限大の電流が流れ、振動板はびくともしない。この場合、入力電圧Vをかけると振動板は振動するが、電圧を0にした瞬間に運動は停止する。すなわち、過渡歪みは生じない。>>

<R=0では、振動板はまったく動かないのではないでしょうか。原理的には無限の大きさまで電流が流れてブレーキがかかってしまうのですから。>

そうですね。完全に0 ならそもそもオームの法則が使えませんね。Rは十分小さく、電流は非常に大きいと読み替えて下さい。そうしてもう一度考え直して下さい。

このように極端な条件でシステムの動作を考えてみるのは物理の常套手段で完全に0にしてしまうとあちこちで発散が生じ具合が悪くなります。


<DFによる制動はスピーカーに必要と考えますが、効き過ぎはよくないと思います。>

実際にアンプのDFがどの程度がよいかは全く別の話です。

<そもそも、電圧が0になった瞬間に、その時だけ、急制動がかかる制御なんて、とっても難しいのではないでしょうか?>

ちょっと説明がまずかったかもしれません。上に書いた入力電圧は交流電圧のことで、これに従って運動していた振動板が、その入力電圧を0にした直後から運動は停止する。つまり自由振動はしない、という意味です。別の言い方をすれば、ボイスコイルが入力電圧が命ずる位置(ローレンツ力と振動板の復元力が釣り合う位置)からずれた運動をしようとすると元に戻そうとする強い力がかかるといってもいいでしょう。

従って、高忠実度再生を良しとするなら、アンプのDFは大きい方がいいというわけです。ただし、DF=1000 のアンプであっても、スピーカーコードの直流抵抗のため実質的には簡単に100以下になってしまいます。


Re: アンプの動作を考えてください 投稿者:NS 投稿日: 2月 5日(月)16時12分36秒
AR さん

そこまで言うのなら負性インピーダンスアンプを作成すべきです。1950年代アメリカで発表されましたが、
発振の恐れがあると言うことで一般的にはなりませんでした。YAMAHAならASTとか言う奴です。

2つ程有名なサイトが有りますが、ご自身で探してみてください。一つはMFBの考察や負性インピーダンスアダプターを考案した人。SPの制動に関して豊富なデーターが提示されています。もうひとつは上のサイトを基にして負性インピーダンスアンプや電圧NFBアンプ、電流出力アンプの動作比較をしたところです。金田式をよく作成されている方です。

ダンピングファクターとスピーカーの動作制御については上の2サイトで、ほぼカタが付きます。

Re: アンプの動作を考えてください。 投稿者:AR 投稿日: 2月 5日(月)21時19分42秒

申し訳ありません。負性インピーダンスと検索してみると、たくさんのサイトがヒットしてしまって、よくわかりませんでした。

ただ、僕はDF 2-10くらいが最適値では、ないかと考えてまして、その点からすると、この中では金田式がもっとも理想にあてはまると思います。

電流出力アンプは、つまり出力インピーダンスが大きくDFが0に近いアンプですね。これを支持する方は多いのですが、僕はダンピングが、もっと必要(出力インピーダンスが、もっと小さい)と考えております。

負性インピーダンスアンプは考えてもいなかったのですが、逆制動(逆起電圧によって、電流が増加するようにアンプが動作するわけですから振動が増幅される)が、はたらくわけですから、なんらかのダンピングの要素がないと、発振してしまうのではないでしょうか。YAMAHAはスピーカの低域カットオフ領域で利用することを思いついたので、うまくいったのでは。

Re: アンプの動作を考えてください。 投稿者:NS 投稿日: 2月 6日(火)09時37分41秒
AR さん
自作FETアンプとスピーカー 製作・著作 Λコン
http://www.geocities.jp/mutsu562000/root/MFB/htm/hp448K.htm
上の3番。ここのホームページはくまなく目を通した方がよいです。スピーカーの動作制御がよく分かるかと思います。

http://www.sm.rim.or.jp/~konton/Current%20PFB-1.html
上のMFBアダプターのアンプ動作と金田式を考察しております。この御方たちは金田式を製作された方です。

おそらくこれらを目を通されたかと思いますが、MFBアダプターは簡単なのでぜひとも制作してみてください。

ただし、最近のLUXやマランツ、アキュフェーズなどの電流NFBアンプは試していませんが、どのようになるか不明です。また、当然ながらデジタルアンプも?。

わたしは、電圧NFBアンプのパワーアンプを持っていなかったので、色々と町中を放浪していたら、質流れ品に30W+30WのテクニクスDCパワーアンプを3000円で入手。ミキサーをプリに見立てて使用してみました。チマタに安い中古が転がっているかもしれません。(このごろの廃品回収のステレオセットは日本製のデキがよいので中国に輸出しているそうな。よい中古が見当たらない。)

このMFBアダプターの欠点はゲインもさることながら、SPの高域のインピーダンス上昇に伴い、周波数特性が下がってきます。インピーダンスの上昇に伴い、帰還量が増えるからでしょう。対策として、ラジオ技術の巳波氏も書いていましたが、インピーダンス補正回路(スナバ)を挿入すれば、高域ダウンということは無くなります。どうぞ、お試しください、といってもスピーカーとアンプを壊さないようにしてください。以上、この話題については話を控えます。

Re: アンプの動作を考えてください。 投稿者:TS 投稿日: 2月 6日(火)18時53分30秒
<負性インピーダンスアンプは考えてもいなかったのですが、逆制動(逆起電圧によって、電流が増加するようにアンプが動作するわけですから振動が増幅される)が、はたらくわけですから、なんらかのダンピングの要素がないと、発振してしまうのではないでしょうか。>

負性抵抗アンプは駆動動作に対しては不安定になる要素があります。しかしその要素はスピーカーの制動力とは関係がありません。駆動源(アンプ)側の駆動電流と駆動信号に対抗する逆起電力・外乱による逆起電力では電流の流れる方向が逆です。つまり、外部の逆起電力から電流が流れると外乱を止める方向に機械的な力が生じます。これがダンピングする要素です。こういう性質を利用するのが負性抵抗駆動アンプの目的です。ではどう利用するのかと言うと...普通のアンプの状態から説明します。普通のアンプのDFが仮に1000あったとしても、よく考えてみると制動を阻害する要素は、アンプの内部抵抗とシリーズに接続されているスピーカーのボイスコイルのDCRなのですね。アンプの内部抵抗が仮に0でもスピーカーがシリースに接続されている限りは、ボイスコイルのDCRがはるかに大きい値で支配的です。ですから無限大の電流は絶対にながれません。逆起電力とボイスコイルのDCRでほぼ決まる電流値となります。アンプの内部抵抗が0でも、ボイスのDCR6Ω弱がありますから、ちょっとしか制動しませんね。だから制動力の為にはボイスのDCRが邪魔なのですよ。そこで負性抵抗アンプが登場します。ボイスのDCRを見かけ上キャンセルすると理屈上は制動力無限大です。これが狙いです。更に、ここからわかることは、現在アンプの性能指標に使われるDFはほとんど意味がないということも言えます。

Re2: アンプの動作を考えてください。 投稿者:志賀 投稿日: 2月 6日(火)20時13分51秒
TS さん:

<・・・・・・・更に、ここからわかることは、現在アンプの性能指標に使われるDFはほとんど意味がないということも言えます。>

おっしゃる通りアンプのダンピングファクターというのは誤解を招く言葉ですね。DF無限大だと完全な制動が得られると誤解している人もあるようですね。

直接的ではないですがこのことはHPでも触れています。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm#DCR

Re3: PWMアンプ 投稿者:志賀 投稿日: 2月 6日(火)22時24分13秒   引用  編集済
HF さん:

横からですがPWMアンプのDF値についてちょっとコメントと質問です。


<・・・・・NFBをかける事自体が本来無意味なのでは。理由は負荷によって電圧は変化しない基本的にスイッチですから(電源が変動しなければですが)パルス幅は理論上負荷によって変化しない(軽負荷の時に寄生容量によって変化する時はありますが、スピーカーの抵抗値が変化する事は無いでしょうから)>

基本的にスイッチといっても、ON時のスイッチング素子の内部抵抗は0ではないですね。これがDFを決めるんだと思いますが?

フィルター付きでアナログNFBをかけるとDFをいくらでも(発振しない範囲で)大きくすることが出来るというということだと思いますが。具体的にはDF=200くらいの中級機があるようです。

以前このことが話題になったことがありますが、結局NFB無しの場合のDF値がどれくらいになるか分かりませんでした。ご存知なら教えて下さい。

http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/NFandDF.html

ここです。


Re: Re2: フィールドスピーカ 投稿者:KK 投稿日: 3月 2日(金)12時11分52秒
2月4日のレスについての疑問です。

<<また、「起電力を発生する交流磁束は磁気囲面の磁気抵抗(リラクタンス)が大きいと弱くなり、阻止作用も当然弱くなります。このリラクタンスは磁性体そのものの透磁率(μ)に影響されます。」>>

< スピーカーの磁気回路の磁気抵抗値と音質との関係は、かなり昔、さる外国のスピーカーメーカーの技術者が言い出したことのようで、最近ではこの考えは否定されていると思います。>

JBLのサイトでは、磁気抵抗による歪みがあり、フェライトではショートリングで改善したとあります。
http://www.harman-japan.co.jp/enjoy/tech/jbl_02.html
磁気変調歪みの改善 の項

「アルニコ磁気回路の場合はポールピース直下に透磁率の低いマグネット素材があるため、この相互作用は小さく、歪みも低レベルになります。しかし、フェライト磁気回路ではここに透磁率の高い鉄素材があるため、この相互作用による磁気変調が大きな歪みとなって表れるのです。この歪みは100Hzから1kHzの帯域において、5dB〜10dB程もアルニコ磁気回路よりも大きくなります。」

磁気抵抗が問題になるとJBLは考えているのでしょうか

Re3: フィールドスピーカ 投稿者:志賀 投稿日: 3月 2日(金)15時39分59秒   引用  編集済
KK さん:

私も磁気抵抗は問題にならないといっているわけではないですよ。

2月3日にKKさんが引用されたサイトでは、「フィールドスピーカでは、透磁率の高いコアだからよいという結論です」といっていますね。一方、JBLのサイトでは「透磁率の高い鉄素材があるため、この相互作用による磁気変調が大きな歪みとなって表れるのです。」とまさに正反対のことをいっていますね。つまり、前者は透磁率が高い、すなわち磁気抵抗は低い方がいい、後者はその反対です。

否定されているといったのは前者の考えです。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/magnetcirc.htm

にも書いていますが、要は磁場発生源がコイルであろうと、アルニコあるいはフェライト磁石であろうと、それに応じた適正な磁気回路の設計が必要だということです。

inserted by FC2 system