目次へ戻る

グラフィックイコライザー(グライコ)

きっかけは、下のグラフィックイコライザーの接続位置についての質問に始まるが、聴く位置によるf特の変化、位相回転の問題に発展していった。

グライコの接続位置 投稿者:AS 投稿日:2011年 4月 8日(金)10時33分2秒      

私はアナログのグライコを使っています。アナロググライコの接続位置としては、

(1)プリアンプとパワーアンプとの間
(2)REC OUT と MONITOR (PLAY) との間(アンプの機種によっては、プロセッサー IN と OUT との間)

の2通りがありますが、(1)の場合ですと、プリアンプのヴォリューム回路を通って減衰させられた信号がグライコに入力され、それを補正処理することになります。一方、(2)の場合では、ソースの信号は先にグライコで処理されてからプリアンプのヴォリューム回路へ進みます。ノイズや歪の点からは(2)の方が有利だと考えますが、物理の専門家の方のご意見はいかがでしょうか?

Re: グライコの接続位置 投稿者:KZ 投稿日:2011年 4月 9日(土)23時19分31秒 ASさん

基本的にグライコは(2)が適しています。

プリアウトですと、グライコのノイズがそのままパワーアンプに入りますので、グライコのノイズが大ききくなります。

Re: グライコの接続位置
投稿者:AS 投稿日:2011年 4月10日(日)09時34分0秒 KZさん

ありがとうございます。

使っておりますグライコは dbx のもので、OUTPUT LEVEL インジケータが ch あたり4つ(-10, 0, +10, +18dBu)ついていまして、取説ではクリップレベルは +21dBu となっています。アンプのヴォリュームを同じにして聴きますと、(1)ではたまに -10dBu のインジケータが光る程度ですが、(2)では 0dBu もしょっちゅう点きます(+10dBu は点きません)。

ノイズについてですが、(1)ではアンプのヴォリューム位置に関係なく、一定の大きさのノイズが出まして、部屋の静寂性が非常に良い時には、リスニング位置(スピーカーから2mちょっと)でも微かですが聴き取れるほどです。

(2)では、アンプのヴォリューム位置に応じてノイズが変化しますが、通常聴いておりますヴォリューム範囲では、ノイズはリスニング位置では全く聴こえず、トゥイータ―に耳を近づけてやっと聴こえる程度です。

近年、入出力回路設計がシンプルなアンプが増えて、(2)の接続が出来ない製品が多いですね。

(1)の接続法しか出来ない場合には、ノイズの点からしましてグライコはデジタルにせざるを得ないでしょうか。

デジタルグライコでは、よほど高価な製品でない限り、ほとんどの製品が IIR フィルターを使っていますからアナロググライコのように位相回転は生じますし、また、入出力がアナログのみのデジタルグライコでは、再A/D変換の問題もありますね。

Re: グライコの接続位置 投稿者:MK 投稿日:2011年 4月11日(月)00時53分14秒 ASさん、KZさん、皆さん、こんにちは。

私は(1)プリ(コントロール)アンプ=>GEQ=>パワーアンプの接続でやってきました。パワーアンプにレベル調整のVRがあればGEQの雑音は問題ないと思います。利得が極端に大きなパワーアンプでVRがない場合は、外付けのVRが必要です。いろんなGEQを使ってきましたが大丈夫でした

Re: グライコの接続位置 投稿者:AS 投稿日:2011年 4月11日(月)09時24分52秒 MKさん

ありがとうございます。

かつてのパワーアンプには、レベル調整つまみがついているのが結構ありましたね。今では、フロントパネルにメーターもつまみもなく、ただ電源スイッチだけがついたのっぺらぼうなデザインのパワーアンプばかり。

「余分な回路/抵抗を通すと音の鮮度が低下する」との主張が蔓延り、ホームオーディオからグライコが消え、トーンコントロールがプリアンプ/プリメインアンプから削除されていった経過とダブっていますね。

グライコ、かつてオーディオグランプリの部門賞を取った Technics の SH-8075 とかお使いになってこられたのでしょうか?

Re: グライコの接続位置 投稿者:MK 投稿日:2011年 4月12日(火)12時08分4秒 ASさん、皆さん、こんにちは。

>「余分な回路/抵抗を通すと音の鮮度が低下する」との主張が蔓延り、ホームオーディオから>グライコが消え、トーンコントロールがプリアンプ/プリメインアンプから削除されていった経過とダブっていますね。

グライコ消えたのは、これを有効に使われると、アンプやスピーカ等が売れなくなるためではないかと思っています。

> グライコ、かつてオーディオグランプリの部門賞を取った Technics の SH-8075 とかお使いになってこられたのでしょうか?

はい、使ったことがあります。設定VRのスライドが長くて使い易いと思います。ちょっと大きすぎますね。その他、ビクター、山水、ベーリンガー等を使いました。

Re: グライコの接続位置 投稿者:AS 投稿日:2011年 4月12日(火)13時12分55秒 MKさん、こんにちは。

>グライコ消えたのは、これを有効に使われると、アンプやスピーカ等が売れなくなるためではないかと思っています。

グライコは、有効に使えればこれに勝るツールはないと思います。有効に使いきれない人もいらっしゃいますけどね。

アンプの REC OUT と MONITOR(PLAY) の端子間にグライコを置いたことでノイズの問題は解決しましたし、グライコ使用による位相回転の問題なんて、音場補正と好みの特性で聴けるメリットからすれば私には微々たるものです。

>>グライコ、かつてオーディオグランプリの部門賞を取った Technics の SH-8075 とかお使いになってこられたのでしょうか?

> はい、使ったことがあります。設定VRのスライドが長くて使い易いと思います。ちょっと大きすぎますね。その他、ビクター、山水、ベーリンガー等を使いました。


私のグライコも3Uの高さがあり使い易いです。いろんな機種を使ってこられたんですね〜。一番お気に入りの機種は何でしょう?

この話題には私はコメントしていませんが、要するに、皆さんのいわれるとおりS/N がよい方につなげばよいということです。これを調べるには無音のCDを作り、耳をスピーカー(トウイター)に近づけ、ボリュームをあげノイズを聴き、ノイズが少ない方にすればいいということです。ノイズが聴こえない、あるいは、どちらでもほとん変らないなら、どちらでもいいということです。

自動補正と聴く位置でのf特

Re: グライコの接続位置 投稿者:MK 投稿日:2011年 4月13日(水)00時22分19秒 ASさん、皆さん、こんにちは。

> 有効に使いきれない人もいらっしゃいますけどね。

まあ、自分の耳を過信してはいけないと言うことでしょうね。とは言うものの、一昨日、失敗しました。東芝のIC TA7252AP(約5W)を使って、DEQで自動補正(平坦化)して聴いていましたが、最大出力不足でクリップしてしまいました。そこで、トライパスのTA2020-020(約20W)に置き換えるため、ついでに比較試聴しました。聴感で音量を揃えると違いが分からなくなり、いつもと同じだなあと思いました。信号をピンクノイズとしたら、後者のアンプの方が明らかに高域が上がっていることが分かりました。いいいよ、私もパワーアンプの違いが分かるようになったかと思いました。マイクからの信号をDEQ内臓のレベルメーターで計ったら、後者のレベルが高くなっていました。そこでレベルメーターで見て両アンプのレベルを合わせてみました。そうしたら、先ほど高域の違いが分からなくなりました。自信はあったのですが、やっぱり、音量レベルの調整は難しいなあと思い知らされました。

> 一番お気に入りの機種は何でしょう?

マイク付きで自動で平坦化してくれる機種がいいですね。ワーブルトーン発振器を作ったり、手書きのグラフを描いたりと、さんざん苦労(まあ、楽しみでもありますが)しましたからね。入門者とベテラン、老若男女なんの区別もなくやってくれますので自動ですね。これで得られた結果を出発点とすれば、かなりの高レベルから出発できると思います。
自動補正と集音マイクの位置

Re: グライコの接続位置 投稿者:志賀 投稿日:2011年 4月15日(金)05時59分58秒 MKさん,ASさん、皆さん、

お気づきかもしれませんが、イコライザーによる補正については以前にも何回か話題になっています。

http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/86soundcompensation.html

http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/76standingwaves.html

自動補正もずいぶん進化しているようですが、私がいつも気になるのは、集音用のマイクの位置と、聴取位置でのf特等の差です。原理的には、集音位置でフラットでも、聴取位置では凸凹になることもあり得ると思うんですが実際にはどうなんでしょう?

どなたか測定された方おられませんか?


Re: グライコの接続位置 投稿者:AS 投稿日:2011年 4月15日(金)09時30分20秒 志賀さん

私の部屋(10畳ちょっとの洋間、ほぼ正方形)で、左右SP間は1.8m、SPからリスニング位置までは2m少しです。

私は1/3オクターヴ分割のスペクトラムアナライザ(Phonic PAA3)を使用しています。
リスニング位置にリスニングチェアを置き、両耳高さの位置に三脚でPAA3を固定して測定しています。

まず左chを補正、次に右chを補正、そして両ch一斉でおかしくなっていないかを確認しています。

測定位置を数cmずらせばF特が再補正が必要なほど変化するのかなと表示を見たりしますが、私の部屋ではそのような事はありません。

私の部屋以外では補正した経験がないものですから断定はできませんが、数cmずらしただけで再補正が必要なほど変化する部屋には、よほどの問題があるのではと思うのですが(定在波の凸凹が異常に大きい部屋であるとか)

グライコ 投稿者:MK 投稿日:2011年 4月16日(土)08時28分16秒  

PC限定ですが、こういうのがあります

http://www.winamp.com/plugin/equalizer-v1-6/222149

256band equlizer

http://www.frieve.com/frieveaudio/

Frieve Audio M-Class (自動補正機能付きプレイヤー \3200)

PC限定ですが、こういうのもあるようです

Re: グライコの接続位置 投稿者:MK 投稿日:2011年 4月16日(土)23時50分15秒 志賀さん,ASさん、皆さん、こんにちは。

> 自動補正もずいぶん進化しているようですが、私がいつも気になるのは、集音用のマイクの位置と、>聴取位置でのf特等の差です。原理的には、集音位置でフラットでも、聴取位置では凸凹になることもあり得ると思うんですが実際にはどうなんでしょう?

> どなたか測定された方おられませんか?

GEQによる自動補正(周波数特性の平坦化)後の各場所での周波数特性を示します。

これは4月4日に設定したものを今日4月16日に測定した結果です。両スピーカとも中央(補正点)に正面を向けて設定しています。次の測定は右チャンネルだけでの特性です。

ファイル1の上より、中央(補正点)、中央より50cm前、ファイル2の上より50cm左、50cm右での結果です。

6畳間の長辺の中央から約20cm左寄せてスピーカ中心を設置。スピーカ間の距離は
160cm。両スピーカと中央(補正点)間は180cmです。

聴感でも良く分かるのですが、50cm前は低域が落ちています。

私は中央でしか聴きませんので、いろんな点の特性は気にしないのですが、一応測定して見ました。

ピンクノイズ発生器が2台あれば、両チャンネル同時再生で測定したほうが良いかも知れません。

  
        ファイル1                            ファイル2

Re: グライコの接続位置 投稿者:志賀 投稿日:2011年 4月17日(日)06時41分21秒 MKさん

速有難うございます。まさにこういうデータが知りたかったのです。

部屋やセッティングによって異なるでしょうが、一般的には、自動補正を使っても聴取位置が異なればかなり(聴感でも分かる程度の)凸凹が生じると考えておいた方がよさそうですね。逆に言えば、f特をフラットにする目的でグライコを使う場合、集音位置と聴取位置を出来るだけ近づけて聴かないと意味がないということになりそうですね。

もちろん、そんなことは気にせず、大らかに音楽を楽しむのもまた有りでしょうが。


Re: グライコの接続位置 投稿者:志賀 投稿日:2011年 4月17日(日)06時59分33秒 ASさん

>・・・・断定はできませんが、数cmずらしただけで再補正が必要なほど変化する部屋には、よほどの問題があるのではと思うのですが(定在波の凸凹が異常に大きい部屋であるとか)。

MKさんの測定でも分かるように、ずれの原因はやはり定在波ですね。そうすると、波長はメートルのオーダーなので数センチのずれではあまり差はでないでしょう。いつも、ほぼ同じ位置で聴いておられるなら気にすることはないと思います。あえて言うなら、1mくらいはなれた位置で調べて見られたらいかがでしょう。それでも差があまりないなら安心して聴けることになりますから。

Re: グライコの接続位置
投稿者:MK 投稿日:2011年 4月17日(日)10時07分28秒 志賀さん,ASさん、皆さん、こんにちは。

聴取点(測定点)から、1m前、左、右の周波数特性を測定しました。

6畳間で1mのズレ幅は大きく、測定には物の移動が必要で手間がかかりました。やはり、前方への移動では低域が減少することが分かります。高域はドーム型スピーカなので大体良い特性のようです



Re: グライコの接続位置
投稿者:OM 投稿日:2011年 4月17日(日)21時38分27秒 志賀さん、ASさん、MKさん

仕事でボイスを録音するために買ったマイクしか持ってないので、周波数特性の方は、まともな測定ができませんでした。

そこで、単一周波数(1kHz)に絞って、実験を行いました。

上の図は、リスニングポイントから横に80cmほどマイクを移動して行った時の音量です(単一指向性のマイクですが、マイクを正面に向けた場合でも、天井に向けた場合でも、ほぼ同じ結果でした。)。

計算すると、
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/position.htm#table

20cm、64cmの位置で、逆位相になるはずです。20cmの位置のディップは、それほど明瞭ではありません。これは、壁からの反射波の影響だと思われます。

64cmの位置のディップは、はっきりと出ています。また、センター位置よりも2つのディップの間で音量が高くなっていますので、定在波の影響が有ると思われます。

こちらは予想の範囲内だったのですが、驚いたのが前後の移動です。



下の図は、リスニングポイントから前に1mほど移動して行った場合です。なお、鋭いスパイクは、アーチファクトです。



スピーカーからの距離が等しくなるように、マイクを移動したにも関わらず、音量が大きく変化しています。

これは、壁からの反射波が逆位相になった個所だと推定されます。なお、リニアスケールなので大きな減衰に見えますが、ログスケールで見ると、10〜12db程度の落ち込みです。ログスケールで見るとマシと言いつつも10db以上の落ち込みですから、聴感に影響が有ることは、疑う余地が無いと思いま

Re: グライコの接続位置 投稿者:AS 投稿日:2011年 4月18日(月)10時09分2秒 OMさん、どうもありがとうございます。
志賀さん、MKさん、おはようございます。

>MKさんの測定でも分かるように、ずれの原因はやはり定在波ですね。そうすると、波長はメートルのオーダーなので数センチのずれではあまり差はでないでしょう。いつも、ほぼ同じ位置で聴いておられるなら気にすることはないと思います。

私は、リスニングチェアを置いた時のチェアの脚の位置にマークしてありますので、耳の位置は数cmほどのズレに収まっていると思います。

ということで、グラフィックイコライザーで周波数を平坦にしても聴く位置がずれると、移動距離によってはf特にかなりの凹凸が出るということです。

inserted by FC2 system