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リスニングルームの定在波対策

この前のテーマでアンプとスピーカーの歪みと音質を論じましたが、結局最後の決め手は部屋の問題ということになりそうです。ここでは主に定在波とその対策についての議論です。

理想の部屋 投稿者:BM 投稿日:2009年 1月30日(金)11時30分21秒    

志賀 さんの理想と、お考えの部屋は、どんな物でしょうか?石井式とは、違ったお考えがおありですか? 私もオーディオで一番重要なのは部屋(20畳程度)、次がスピーカー(できるだけ大型)と感じてます・・・

オーディオルーム(原題変更)  投稿者:NJ 投稿日:2009年 1月30日(金)13時55分55秒    
TBさん

私もオーディオの中で部屋が一番重要だと思います。しかし部屋は大変です。本気でやれば他のオーディオ装置全部合わせたくらいの費用が掛かるでしょう。素人には難しく、コンサルに相談しないとまずうまくゆきません。新築の時に一緒にやらないと、後でやるのは大変です。私のところは築70年以上の古屋で、二階を充てておりますが、新築なら一階としたでしょう。二階は不利です。それなりに床、壁、天井を強化し、カチンカチンにしましたが、周波数テストCD(オーディオ協会の定番のもの)スウィープでは20〜100Hzくらいまであちこちが共振します。コンパネ・シナベニヤ二重張りでも十分でない。さらに悪いことに、この部屋はオーディオ専用でなく、客間兼用なので、食器棚やサイドボードが震えます。中のカップなどもカチャカチャ言います。実際に音楽を聴くときはそういう現象はありませんが、映画などでは気になります。ともかく部屋はキリがありません。

スピーカーについては、今売られている殆どのものには興味がありません。多分10"未満のウーファーでは十分な音圧が出ないでしょう。能率90dB/W(1m)と称しているさる「ハイエンドスピーカー」も、雑誌に出ていた特性からはそんなに高くなく、85dBくらいのもの。300Wのアンプが必要です(理由は別の機会に説明させて頂きますが、聴取位置でSPL110dB欲しい)。だけど実際そんなパワーを入れて壊れないか??です。良いと思うものもありましたが、ペアで高級車(国産車でない)程しますので、ばからしい。40年以上前、ある本にスピーカーの特性測定結果が載っており、それと今のもの(ハイエンドと称するもの)とを比べたら、能率が10dBも下がって、得たものは下限の再生領域が5〜8Hz拡大された、ということです。そういうことですから私はこれら市販品は無視して40年前のアルテックA-4にしたわけです。(まあ、SPユニットやホーンが手持ちに有ったこともありますが)今更何で?と仰るかも知れませんが。

Re 理想の部屋 投稿者:志賀 投稿日:2009年 1月30日(金)15時34分14秒    
BM さん

>志賀 さんの理想と、お考えの部屋は、どんな物でしょうか?石井式とは、違ったお考えがおありですか? 私もオーディオで一番重要なのは部屋(20畳程度)、次がスピーカー(できるだけ大型)と感じてます・・・

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/roomacoustics.html#listeningroom

一応ここに書いておいたんですが? もちろん現実はそうはいきません。

Re 理想の部屋 投稿者:BM 投稿日:2009年 1月30日(金)15時51分39秒    

お返事有難う御座いました、お示しのページの妥協案的な物では無くで滋賀さんの考えられている理想の部屋をお聞きしたかったのです?新たにオーディオルームを作るとして、壁や床の構造、材質とか広さとか吸音材の入れ方とかです?石井式との、ご意見の違いとかは有りますか?

Re2 理想の部屋 投稿者:志賀 投稿日:2009年 1月30日(金)18時31分18秒    
BM さん

>お示しのページの妥協案的な物では無くで志賀さんの考えられている理想の部屋をお聞きしたかったのです?新たにオーディオルームを作るとして、壁や床の構造、材質とか広さとか吸音材の入れ方とかです?

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/roomacoustics.html#listeningroom

に「理想のリスニングルーム」という項目で一応書いているつもりなんですが? もっと具体的にということですか? それなら、申し訳ないですが、実現不可能なことをこれ以上真面目に考える気になりません。

>石井式との、ご意見の違いとかは有りますか?

石井式というのはよく聞き、ネット上でも見られますが、何処がポイントなのかよく理解していません。 ご存じなら簡潔に教えて下さい?

定在波の補正(原題変更):DY 投稿日:2009年 1月30日(金)19時40分41秒    
志賀さん

定在波なら最近のAVアンプは電気的に抑制してくれます。部屋をいじるより手っ取り早く現実的です。私はこの機能のお世話になっており満足してます。

Re 定在波の補正 投稿者:志賀 投稿日:2009年 1月30日(金)20時28分50秒    
DY さん

>定在波なら最近のAVアンプは電気的に抑制してくれます。部屋をいじるより手っ取り早く現実的です。私はこの機能のお世話になっており満足してます。

そうなんですか。AVアンプの世界は進歩してますね。視聴位置でマイクで収録しDSPで補正するんですね?

ところで、実際に定在波が生じていると、その周波数では場所によって音圧が大幅に変わりますがそこら辺りはどう処理されているんでしょうか?

Re 定在波の補正  投稿者:NJ 投稿日:2009年 1月30日(金)21時10分45秒    
DYさん

> 定在波なら最近のAVアンプは電気的に抑制してくれます。 部屋をいじるより手っ取り早く現実的です。 私はこの機能のお世話になっており満足してます。

当方只今定在波で悩んでいます。聴取位置のレスポンスはデジタルグライコで何とかなりますが、部屋全体でみると定在波の影響はとりきれません。グッドリスニングポイントが狭いのです。何Hzかは分かっておりますが、したがって最後の手段としては定在波の音圧が最も大きくなる場所にヘルムホルツ共鳴箱を取り付けようと検討中です。定在波は52Hz、あとは何とか退治しました。DYさんの仰るAVアンプで、部屋全体に亘って定在波が消され、グッドリスニングポイントが広がることが期待できますでしょうか。

Re: 定在波の補正 投稿者:KZM 投稿日:2009年 1月30日(金)22時27分18秒    
志賀さん

> ところで、実際に定在波が生じていると、その周波数では場所によって音圧が大幅に変わりますがそこら辺りはどう処理されているんでしょうか?

基本は単一視聴位置の補正です。ある程度広い範囲で補正したいときは測定位置を三箇所くらい設定して平均的に処理するができるものがあります。

http://pioneer.jp/components/avamp/lx90/soundquality.html
(これは機能の紹介)

pioneer SC-LX90の説明書のP88に「多点測定」の記載があります。

Re2: 定在波の補正 投稿者:志賀 投稿日:2009年 1月31日(土)05時36分26秒    
KZM さん

http://pioneer.jp/components/avamp/lx90/soundquality.html
(これは機能の紹介)

うーん、これは凄い。目から鱗です。これまで議論してきたことが全て解決できそうな機能ですね。

>pioneer SC-LX90の説明書のP88に「多点測定」の記載があります。

こちらの方はネットでは見られないんですね?

定在波対策 投稿者:志賀 投稿日:2009年 1月31日(土)08時05分49秒    
NJ さん、DYさん、KZM さん、

定在波対策には皆さん苦労しておられるようですね。我が家でも苦労しています。


http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/roomacoustics.html#listeningroom

マイクとオシロで位置を動かしその影響を見ていますが、節の位置でのディップはかなり激しいものです。我が家の測定例ではないですが、定在波の影響の位置依存性の見事な測定例がここで見られます。

http://web.archive.org/web/20070212163555/http://www12.ocn.ne.jp/~seppotl/te0.html

特に、よく視聴位置として使われる後部中央の(4) の位置では、約67Hzの定在波によるディップが-20dB にも及びます。もし1個のサンプリングマイクをこの位置に置き、グラフィックイコライザーやDSPで補正すると、他の位置で聴くととんでもない音になることが予想されます。周波数特性のみならず、ある特定の周波数でスピーカーの振幅が極端に大きくなり非直線歪み成分が増大します。多点収音してもやはり根本的な解決にならないでしょう。

根本的な対策は、もちろん定在波をなくすことですが、これが難しいのはご存じの通りです。私の対策は、出来るだけ平坦な位置を見つけて聴くという受動的な方法です。

NJ さん
ヘルムホルツ共鳴器で吸収するという方法はよく提唱されているんですが実際に効果があるという測定例はご存じでしょうか? 少なくとも1個だけ設置してもたいした効果がないような気がしますが如何でしょう? 出来れば、実験をしてみて下さい。

たしか、東京カテドラルでは天井にたくさんのヘルムホルツ共鳴器を置き定在波を押さえ込んでいるという話をどこかで見た記憶があります。

Re: Re2: 定在波の補正 投稿者:TK 投稿日:2009年 1月31日(土)10時37分17秒    

> >pioneer SC-LX90の説明書のP88に「多点測定」の記載があります。
>
> こちらの方はネットでは見られないんですね?

http://www3.pioneer.co.jp/manual/manual_pdf.php?m_id=3139

にあります。2ch で DSP 部分だけで製品化してくれると嬉しいのですが…

Re: 定在波対策 投稿者:NJ 投稿日:2009年 1月31日(土)12時03分46秒    
志賀さん

> ヘルムホルツ共鳴器で吸収するという方法はよく提唱されているんですが実際に効果があるという測定例はご存じでしょうか? 少なくとも1個だけ設置してもたいした効果がないような気がしますが如何でしょう? 出来れば、実験をしてみて下さい。

これは、古来からの日本の知恵です。例えば、能舞台の床下には沢山の甕が埋め込んであると観世流の先生から聞きました。大小様々な甕が沢山だそうですが、なにぶん分野が分野えだけにデータというより”感じ”の世界でして・・・・。我が家の問題としては、要は何Hzか、・・・・これは測定済み。何処が腹か。・・・・これも大体見当がつきますが、トライするなかでなお詰めてゆく必要があります。どのくらいの大きさまたは数量か、・・・・これはカットアンドトライ。できればサラウンドにタンノイを使い、いまのアルテックのハコを利用して・・・・と思っています。その他、不要のスピーカーのユニットを取り外して共鳴箱にしようと考えています。皆バスレフなのでそのまま使えます。チューニング周波数がすこしづつずれているでしょうが、むしろその方が良いと思っています。ともかくやってみるつもり。結果が出たらご報告しましょう

Re: Re2: 定在波の補正 投稿者:DY 投稿日:2009年 1月31日(土)12時25分51秒    
TKさん

> 2ch で DSP 部分だけで製品化してくれると嬉しいのですが…

2chのDSPとして使用すればいいのでは? 私はそのようにして使ってます。マルチchと兼用ですけどね。DSPで補正した後の音を聞いたら補正無しには戻れなくなりました。同じスピーカーとは思えない激変ぶりです。これは試した人にしか分らない事ですけどね。それからマルチchでゲームをした時に、頭の上をヘリコプターが通過していくのを感じた時にはぶっ飛びました!

志賀さん

>もし1個のサンプリングマイクをこの位置に置き、グラフィックイコライザーやDSPで>補正すると、他の位置で聴くととんでもない音になることが予想されます。周波数特性のみならず、ある特定の周波数でスピーカーの振幅が極端に大きくなり非直線歪み成分が増大します。多点収音してもやはり根本的な解決にならないでしょう。

我が家では視聴位置を変えてもとんでもない音にはなりません。とてもいい音に変身します。

NJさん

>DYさんの仰るAVアンプで、部屋全体に亘って定在波が消され、グッドリスニング
ポイントが広がることが期待できますでしょうか。


先ほど部屋の中で色々視聴位置を変えてみましたが、場所の違いによる大きな変化は感じませんでした。私の部屋は110Hz、220Hz、250Hzにピークがあるようです。それぞれの補正量は3.5、4.5、5.0dBと表示されます。私のAVアンプは定在波補正だけでなく、色々な音場補正をやってくれるのでその効果が大です。この辺が参考になるかと思います。

http://pioneer.jp/components/avamp/mcacc.html

Re3: 定在波の補正 投稿者:志賀 投稿日:2009年 1月31日(土)16時01分23秒    
DY さん

>我が家では視聴位置を変えてもとんでもない音にはなりません。とてもいい音に変身します。

ちょっと言葉足らずだったかもしれませんが、とんでもない音になる可能性があるというのは、例に挙げたような極端なディップを補正しようとした場合です。元々、集音位置でそれほど強いディップなどがなければいい結果が出ると思います。


Re: Re3: 定在波の補正 投稿者:NJ 投稿日:2009年 1月31日(土)16時41分9秒    
志賀さん

>とんでもない音になる可能性があるというのは、例に挙げたような極端なディップを補正しようとした場合です。

何かの本で、”人間の耳はピ−クには敏感だがディップにはそれほどでない”と有ったように思います。ディップはあまりいじらないようにしていますが、ディップがあるということはどこかにピークがあると言うことで、そこを探して共鳴箱で処理しようと思っています。取り敢えずとしては、我が家でディップの生じている周波数帯域(50Hz 1/3oct)を、グライコでレベルアップしようとせず、逆のようですがレベルを下げました(-9dB)。結果、50Hz帯のレベルが大幅に下がったことは気にならず、他の周波数帯域の音も良くなった様な気がします。いずれ計測しようと思っています。

Re: Re2: 定在波の補正 投稿者:NJ 投稿日:2009年 1月31日(土)17時36分46秒    
DYさん

> 先ほど部屋の中で色々視聴位置を変えてみましたが、場所の違いによる大きな変化は 感じませんでした。 私の部屋は110Hz、220Hz、250Hzにピークがあるようです。 それぞれの補正量は3.5、4.5、5.0dBと表示されます。 私のAVアンプは定在波補正だけでなく、色々な音場補正をやってくれるのでその効果が大です
>
使ってみたいですねえ。ただし、メインアンプは今までのものを使いたいので、プリ部分だけ使うことになると思いますが、随分お高いようで、私にとってはパワー部がオーバースペックです。パイオニヤがプリだけ作ってくれると良いのですけどねえ。AVの世界でそう言う製品が造られていて、いわゆるピュアオーディオの世界には全くないという、まあ部分的にはアキュフェーズなどがありますが、トータルのものがない。突っ込んでゆくとプロ用途の世界になってしまうと言うのは寂しい限りです。ピュアオーディオというのはかけ声ばかり、中身はバブリーで空っぽなんでしょうか。

Re: Re2: 定在波の補正 投稿者:DY 投稿日:2009年 1月31日(土)18時26分57秒    
NJさん

最高級品は高いですが、安い製品もあります。例えばこれ

http://www3.pioneer.co.jp/product/product_info.php?product_no=00002430&cate_cd=030&option_no=1

私の場合安いAVアンプを購入して、フロントSP(左右)には別のパワーアンプ用意しました。用意したと言っても手持ちの物を使ったのですが。AVのプリ出力をパワーに入れてフロント左右を鳴らしています。フロントセンターとリアはAVアンプで鳴らしております。つまりAVアンプのパワー部2ch分が余っています。ちょっともったいない。

AVアンプにフロント左右を直接繋いでみたのですが、好みの音ではなかったのでこの構成になりました。AVの世界では一般的に行われている使い方だと思います。以前使っていたピュアオーディオのプリアンプも使えるようにしてありますが、最近は全然出番がありません。補正前後の特性をPCで見られるのですが、これを見ちゃうと口があんぐりです。私の知人もAVアンプを導入して音場補正を行って、その凄さに驚いたと言っておりました。
その人はアンプ自作したりしてピュアオーディオ派だったのですが・・ 技術が進歩したお陰で手軽にいい音が聴ける様になりました。

Re: Re2: 定在波の補正 投稿者:NJ 投稿日:2009年 1月31日(土)21時18分36秒    
DYさん
>
> 最高級品は高いですが、安い製品もあります。

成る程。大変食指が動きます。私のところは、今はSONYのAVアンプSTR-DB1070という大変古いものをプリとして使っており、仰るようにメインは使っておりません。このアンプにはデジタルコンサートホールという機能があり、2CHのソースを擬似的に5.1としてコンツェルトヘボーホールおよびウィーンムジークフェラインザールのサラウンドを出してくれるので重宝していましたが、近頃はBSなどで優秀な5.1サラウンドの放送があり、無理に2CHソースをサラウンド付きにしなくても良いかなと思い始めておりました。新しいものは、5.1どころか7,1、9.1とSPが際限なく増えるので、私みたいに4CHでも調整に苦労するわけですから9.1なんてキカイの助けがなければどうにもならないと思います。遊んでいるSPやアンプもあるので、7.1位やってみようかなとも思い、大変だろうと二の足を踏んだりしておりました。良いことを教えて頂きました。

いわゆるピュアーオーディオの分野はスピーカーを除き技術的にはすでに飽和しており、後は心理効果を狙う「あの手この手」が横行し似非科学の世界に入り込んでいますが、DSP(Digital Audio Processor)技術を駆使するAVの世界はブラインドによる評価もされているようで、現在も盛んにまともな開発が行なわれているようですね。

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