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イコラーザーによるf特補正

定在波の発生をはじめとして、オーディオ装置の音響特性は部屋の影響を強く受け、特に周波数特性(f特)を実際に測ってみるとうんざりするほど凸凹がある。これに対する対策の1つとしてグラフィックイコライザーにより聴取位置での周波数測定をフラットにするという方法が古くから知られている。これには色々問題もあり、賛否両論だが最近の議論を収録しておく。なお、定在波については以前にもここ議論されている

Re: スピーカーと完成度 RE 投稿者:NJ 投稿日:2009年 4月 1日(水)01時46分33秒 BMさん

> オーディオ機器の中でスピーカーの完成度が低いとは思いますが、そのスピーカーを使ってしか音楽が聴けない、楽しめないのも現実なんですよね。ですから完成度の低いスピーカーの持っている性能を少なくとも出し切って使う事が、今出来る最善の聴き方と思います・・

それ故グライコやDSPを活用してスピーカの特性を補助しようと言うことですが、ピュアオーディオを標榜する人の中にはそれすら拒絶反応を示す人がいるようですね。

じゃあ、彼らの言う「良い音」とはどういう音なのだろうと、理解に苦しみます。このBBSに投稿される方々の中には、そう言う「迷信」に囚われている人はいないと思いますが。

グライコやDSP 投稿者:BM 投稿日:2009年 4月 1日(水)16時19分21秒  
NJさん

私もあまり使いたいとは思っていません、使ってる知り合いも近くに居ますが、苦労しています、使えば簡単に良い音楽が確約されるのなら考えますが?部屋の状態やスピーカーの特性で山谷が出来てる物を、それらで補正したとしても良い音質に成るとも思っていないのですよね・・・

Re:グライコやDSP 投稿者:MK 投稿日:2009年 4月 2日(木)10時25分0秒  

グライコやDSPの効果に関してですが、私の耳では十分な効果です。

これでハード遊びは終わりで、あとは音楽を楽しむばかりです。と言えば極端過ぎでしょうが。何しろ良くなると思います。初期の実験では、38cmウーハーを裸で立てて、ラウドネスコントローラ、トーンコントローラを総動員して、それにグラフィックイコライザも追加していました。これらを順次に入れていくと、ウーハーが段々と高級(?)スピーカに変身するように聴こえました。

スピーカの間隔は1m以下で、聞く場所も近くです。ただ、測定装置は必要です。ナショナルのワーブルトーン発振器とマイクが一緒になったものが便利でした。ナショナル以前は測定器の製作もしましたが、今ではパソコン+フリーソフトで簡単に出来ますので、マイクを揃えれば何とか出来ますね。何もしなくて、良い音が出れば、それが一番であることは間違いありません。

Re:グライコやDSP 投稿者:BM 投稿日:2009年 4月 2日(木)15時58分31秒  
MK さん

私も友人にお願いしてパソコンソフトでの部屋の特性は調べてもらったのですが、当然デコボコは有るのですが、気に成るピークも感じないので、まー良いかと思っています、テストはしてみたいですね。でも近くの友人も使ってましたが、とうとう外してますから、グライコやDSP を使いこなすのは結構難しいと感じてます。

SS誌に時々石井式のオーディオルームが紹介されて部屋の特性も記載されていますが、結構デコボコしてます。フラットな部屋を作るのはとても難しいのだと思いますし、又測定で見られるデコボコも少々では気に成らないのかも?とも感じます。

Re:グライコやDSP 投稿者:MK 投稿日:2009年 4月 3日(金)11時01分20秒  
BMさん、皆さん、こんにちは。

グライコの設定は慣れてくると、そう大した事はありませんが、1〜2回/年しかやりませんので、やり方を忘れてしまい、毎回、思い出すのに苦労しています。まあ、楽しんでいるのでしょうね。ピークだけでも潰すと効果的だと言うのが一説です。
 趣味にコストパフォーマンスを持ち込むのも無粋なんでしょうが、グライコは、他に比べ高コストパフォーマンスだと思います。アンプを変えて音が良くなったと言うレベルではないですからね。

インパルス応答までも補正するDSPもあるようですが、まだ40万円以上もします。これが4〜5万円になれば実験したいですね。今は、大雑把な周波数振幅特性だけで満足していますが。

Re2 グライコやDSP 投稿者:志賀 投稿日:2009年 4月 3日(金)12時20分18秒  
MK さん、皆さん

>グライコの設定は慣れてくると、そう大した事はありませんが、1〜2回/年しかやりませんので、やり方を忘れてしまい、毎回、思い出すのに苦労しています。まあ、楽しんでいるのでしょうね。ピークだけでも潰すと効果的だと言うのが一説です。

以前にも議論しましたが、

http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/76standingwaves.html

グライコでの定在波対策の問題点を指摘しておきます。

(1) 位置により定在波の影響が大きく変わること。従って、普段のリスポジで補正しておいても聴く位置が変わると大きく変わることがあり、場合によっては何もしないより悪化すること。

(2) ディップを補正するためその周波数の電圧出力を大きくすると、振動板の振幅が増大し歪みが増える。

(3)定在波による音の遅れ、


http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/subwoofer.html#70Hz

ここに示したように、定在波が発生すると音の減衰時間が長くなる。f特補正はこれに対しては全く無力である。

といった所でしょうか。

ということで、やはり、吸音物(適当な家具も有効)などで対策を立てるのが正道でしょうが、確かにこれが難しい。私の推薦は、少なくとも普段のリスポジで最も影響が出なくなるような対策をする。あるいは、そのような位置を見つける。といった所です。当然簡便なf特測定装置が必要となりますが。

一応、HPの室内音響のページをリンクしておきます。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/roomacoustics.html#standingwave

Re: グライコやDSP 投稿者:NJ 投稿日:2009年 4月 3日(金)12時25分27秒    
MK さん

>グライコの設定は慣れてくると、そう大した事はありません。

設定は大したことはありませんが、やる度にデータが違うので困りものです。

>ピークだけでも潰すと効果的だと言うのが一説です。

一説どころか定説になりつつあります(参考=ステレオサウンド168号)。私のグライコはBehringer DEQ2496で、1/3オクターブ31バンドで3万円台で、KZM さんに訊いたら安かろう悪かろうのメーカーらしいですが(1月31日、12°33'24"、KZM さんから私への投稿)、今のところ機能には特に不都合も有りません。結構使えます。ただ、細かい技術的な質問には対応してくれません。BehringerJapanにも資料が無いそうです。本国に訊いても対応してくれそうにないです。

ところで、ピーク、特に定在波が原因のものはQが大きくてグライコ、PEQでは無理です。FBD(フィードバックデストロイヤー)が良いです。Behringerのはバンド幅は1〜1/60オクターブ、減衰量(FBDは減衰だけ、増強は出来ない)は-6dB刻みで-60dBまで可能です。当方は100Hz以下に定在波が5波ありますが、今は聴感での調整ですが28Hzのみ-24dB、あとは-18dBで収まっています。測定は機材準備が整ったら行おうと考えています。

>趣味にコストパフォーマンスを持ち込むのも無粋なんでしょうが、グライコは、他に比べ高コストパフォーマンスだと思います。アンプを変えて音が良くなったと言うレベルではないですからね。インパルス応答までも補正するDSPもあるようですが、まだ40万円以上もします。これが4〜5万円になれば実験したいですね。今は、大雑把な周波数振幅特性だけで満足していますが。

趣味とはいえ工業製品で、絵画や骨董品ではないのでコストパフォーマンスを考えるのは当然です。というより私は今の「ハイエンド」には理不尽な価格だと不信感を持っております。トータルシステムチューニングにおいて、グライコは高コストパフォーマンス、その通りです。DSPを上手く使えば、アンプどころか、数百万かかる部屋の改造にもそこそこ匹敵します。村田さんの言われるDSPはオーストラリアのDEQXのことでしょうか?あれは高価であるが評判が良いようです。少し勉強してみたいと思っております。

Re: Re2 グライコやDSP 投稿者:NJ 投稿日:2009年 4月 3日(金)15時00分48秒
志賀さん

>グライコでの定在波対策の問題点を指摘しておきます。

>(1) 位置により定在波の影響が大きく変わること。従って、普段のリスポジで補正しておいても聴く位置が変わると大きく変わることがあり、場合によっては何もしないより悪化すること。

>(2) ディップを補正するためその周波数の電圧出力を大きくすると、振動板の振幅が増大し歪みが増える。

>(3)定在波による音の遅れ、


(1)については、定在波はQが大きく、グライコでの補正は困難です。

T(残響時間)=2.2Q/f・・・・(永田穂:建築音響)

これで我が家を計算すると、32〜63HzでT=0.50〜0.42sec、したがってQは32Hzで7.3、63Hzで12となり、可成り鋭い共振です。PEQでも難しいので、ディップ補正は諦めてピーク補正のみ大きなQの得られるFBD(フィードバックデストロイヤ)で行うのが良い様です。

(2)先ほどのFBDは減衰機能のみ、増強は出来ません。PEQやGEQではQが小さいので適切な補正は不可能です。何かの本で、人間の耳はピークには敏感、ディップには鈍感とありましたので、ディップ補正は諦めてピーク補正のみ行えば良いと思い、私はそうしております。

(3)FBDでピークを処理するとき、思いっきり減衰量を大きくすれば、深い谷が出来るでしょうが1/60オクターブの幅なら人間は感知出来ません。共振の振動源を取り去ってしまえば良いと思います。私の経験では1/60oct、-24dBで効果が有りました。

> ここに示したように、定在波が発生すると音の減衰時間が長くなる。f特補正はこれに対しては全く無力である。

とは思いますが、部屋の改造などが困難な現状では、間に合わせかも知れないが鋭いQのFBDで共振源を取り去ると言う考えも成り立つのでは?

Re3 グライコやDSP 投稿者:志賀 投稿日:2009年 4月 3日(金)22時52分50秒  
NJ さん

>> ここに示したように、定在波が発生すると音の減衰時間が長くなる。f特補正はこれに対しては全く無力である。

>とは思いますが、部屋の改造などが困難な現状では、間に合わせかも知れないが鋭いQのFBDで共振源を取り去ると言う考えも成り立つのでは?

FBD(フィードバックデストロイヤ)というものの動作原理をよく知らないので何ともいえませんが、減衰時間は定在波のQ値で決まるので、もし選択的にナローレンジでレベルを落とすだけならあまり効果は無いでしょうね。音自身を消してしまうのなら別ですが。

Re: Re3 グライコやDSP 投稿者:KZM 投稿日:2009年 4月 3日(金)23時18分33秒 志賀さん

> FBD(フィードバックデストロイヤ)というものの動作原理をよく知らないので何ともいえませんが、減衰時間は定在波のQ値で決まるので、もし選択的にナローレンジでレベルを落とすだけならあまり効果は無いでしょうね。音自身を消してしまうのなら別ですが。

フィードバックデストロイヤーはPAのハウリング対策で使うもので、発振を検知してノッチフィルタを自動的に作動させるものになっています。PAでは必需品ですが、これはあくまでハウリング用の保険です。

Re: Re3 グライコやDSP 投稿者:NJ 投稿日:2009年 4月 4日(土)00時34分27秒 志賀さん

> FBD(フィードバックデストロイヤ)というものの動作原理をよく知らないので何ともいえませんが、減衰時間は定在波のQ値で決まるので、もし選択的にナローレンジでレベルを落とすだけならあまり効果は無いでしょうね。音自身を消してしまうのなら別ですが。<

FBDというのはDSPの機能の一つで、ホールなどでマイクを使用するとき、ハウリングを防止するためのもので、私も動作原理は知りません。しかし、取説を読んでみたら、極めて狭いバンド幅の減衰機能を備えた、一種のイコライザのようなもので、ハウリング周波数の自動計測・調整機能があるようです。

自動でなく、手動で定在波周波数と減衰値をセットすれば、あるいはごくナロウレンジで定在波の周波数成分を限りなくゼロに近くする(最大-60dBの減衰が可能である)ことが出来れば、聴感にはその周波数成分が無い事が分からず、かつ定在波は抑えられるのではないか、と試してみたところ、一定数値以上の減衰をかけると定在波レベルが下がるように感じました。

レスポンスの測定は未だ行っておりません。定在波のレベルをどうしたら正確に掴めるかがよく分からないので、これから文献を探そうとしているところです。多分純音で測定することになると思います。

私の室の定在波のQを試算すると、かなり高いので、測定器(発振器)に可成りの精度が必要だと感じております。また、逆に定在波の影響を除外したレスポンスの測定も必要です。或る本に(またはある人が言うことに)、ピンクノイズで測定すれば定在波の影響は受けないと言う説が有りますが、私の経験ではピンクノイズによる測定の場合でも、マイクの位置によりレスポンスが全く変わるので、定在波の影響を受けているとしか考えられません。この辺は、少し時間を掛けて専門書を探してみます。

ところで、以前、Pioneerなどで室内音場調整の機能を備えたAVアンプがあるという投稿がありました。SONYでも同様のものが有ります。これらの動作原理をご存知の方は居られませんか。私はSONYの関係者にメールで質問したのですが、部外秘らしいです。

Re4 グライコやDSP 投稿者:志賀 投稿日:2009年 4月 4日(土)06時17分49秒  
KZM さん

>フィードバックデストロイヤーはPAのハウリング対策で使うもので、発振を検知してノッチフィルタを自動的に作動させるものになっています。PAでは必需品ですが、これはあくまでハウリング用の保険です。

了解しました。それなら動作原理もある程度想像がつきます。

Re5 グライコやDSP 投稿者:志賀 投稿日:2009年 4月 4日(土)06時23分22秒  
NJ さん

>FBDというのはDSPの機能の一つで、ホールなどでマイクを使用するとき、ハウリングを防止するためのもので、私も動作原理は知りません。・・・・

了解しました。動作原理は分りませんが想像は出来ます。KZM さんにも教えて頂きました。

>自動でなく、手動で定在波周波数と減衰値をセットすれば、あるいはごくナロウレンジで定在波の周波数成分を限りなくゼロに近くする(最大-60dBの減衰が可能である)ことが出来れば、聴感にはその周波数成分が無い事が分からず、かつ定在波は抑えられるのではないか、と試してみたところ、一定数値以上の減衰をかけると定在波レベルが下がるように感じました。

レベルそのものは低下するでしょうね。

>・・・或る本に(またはある人が言うことに)、ピンクノイズで測定すれば定在波の影響は受けないと言う説が有りますが、私の経験ではピンクノイズによる測定の場合でも、マイクの位置によりレスポンスが全く変わるので、定在波の影響を受けているとしか考えられません。この辺は、少し時間を掛けて専門書を探してみます。

実は私も以前はホワイト(ピンクでも)ノイズでは定在波は生じないものと思っていました。なぜならその定義に、パワースペクトルが均等で、かつ「自己相関が無い」ということだったからです。しかし、実測するとそうでもなく、あるいは、ホワイトノイズにも種類があるのかもしれません。発生のアルゴリズムを調べる必要があります。

なお、純音との比較を公開されている素晴らしいサイトがあり、これを見ると明らかで、サイン波との差はほとんど見られません。

http://web.archive.org/web/20090508103306/http://www12.ocn.ne.jp/~seppotl/zht02/teizai.html

こちらです。

Re: Re3 グライコやDSP 投稿者:HD 投稿日:2009年 4月 4日(土)09時03分33秒 NJ さん:

>また、逆に定在波の影響を除外したレスポンスの測定も必要です。或る本に(またはある人が言うことに)、ピンクノイズで測定すれば定在波の影響は受けないと言う説が有りますが、私の経験ではピンクノイズによる測定の場合でも、マイクの位置によりレスポンスが全く変わるので、定在波の影響を受けているとしか考えられません。この辺は、少し時間を掛けて専門書を探してみます。

ワーブルトーンが反射波による干渉や定在波の影響を受け難いというのが昔からの定説のようです。
(1)
http://scitation.aip.org/getabs/servlet/GetabsServlet?prog=normal&id=JASMAN000003000004000562000001&idtype=cvips&gifs=yes
(2)
http://scitation.aip.org/getabs/servlet/GetabsServlet?prog=normal&id=JASMAN000022000005000674000006&idtype=cvips&gifs=yes

今でもワーブルトーンのスイープ信号が入っているテストCDがあると思います。

Re: Re4 グライコやDSP 投稿者:KZM 投稿日:2009年 4月 4日(土)09時20分4秒
志賀さん

> 了解しました。それなら動作原理もある程度想像がつきます。

ご想像の通り、当然マイクとスピーカーを同時に使うときに入れるものです。まあ参考までに

http://www.behringer.com/EN/Products/DSP110.aspx

それでこれが定在波抑制に使えるかといえばもちろん使えませんが、ノッチにより定在波によるブワブワという音質の濁りが抑制されるとすれば聴覚上は意味はあると言えるかもしれませんし、GEQによる定在波のレベル低減は手元でもやっていたことがありました。
その後DSP補正の方がずっと簡便とわかりましたのでGEQはやめました。

定在波を検知して残響特性を補正するには周波数-音圧二次元解析(要はGEQ/PEQと同じ)では不十分で、更に時間を加えた三次元スペクトログラム解析をやって定在波を見つけることになります。

http://pioneer.jp/components/avamp/mcacc.html

残響特性を考えなくてよいなら十分な性能のDSPが3000円で入手できますが、残響込みとなると現状では上のようなシステムを導入するのがベストかと判断しています。逆に定在波などどうでもよいヘッドフォンなら3000円+αで済むわけで、これは現在実験中です。

Re: Re3 グライコやDSP 投稿者:NJ 投稿日:2009年 4月 4日(土)11時04分24秒
HDさん

> ワーブルトーンが反射波による干渉や定在波の影響を受け難いというのが昔からの定説のようです。今でもワーブルトーンのスイープ信号が入っているテストCDがあると思います。

そうですよね。私もピンクノイズが定在波の影響を受けないというのはヘンだと思っておりました。ワーブルトーンは、この前KZM さんに教えて頂いたフリーソフトに有ったように思います。

ただ、今はオッシロもUSBも持っておりませんので、グライコのピンクノイズによるRTAで測定するしか有りません。いずれオッシロとUSBを手に入れたいと思っております。

Re6 グライコやDSP 投稿者:志賀 投稿日:2009年 4月 5日(日)06時17分55秒  
KZM さん

>定在波を検知して残響特性を補正するには周波数-音圧二次元解析(要はGEQ/PEQと同じ)では不十分で、更に時間を加えた三次元スペクトログラム解析をやって定在波を見つけることになります。

http://pioneer.jp/components/avamp/mcacc.html

これは面白そうですね。ちょっと読んでみましたが、時間補正は各スピーカ間の位相のズレを補正するのが目的で、定在波の発生そのものを電気的に押さえることは無理と思いますが? つまり、定在波の発生による立ち上がり、減衰の遅れまで補正は出来ないんではないでしょうか?

Re: Re6 グライコやDSP 投稿者:KZM 投稿日:2009年 4月 5日(日)10時06分26秒
志賀さん

>時間補正は各スピーカ間の位相のズレを補正するのが目的で、定在波の発生そのものを電気的に押さえることは無理と思いますが? つまり、定在波の発生による立ち上がり、減衰の遅れまで補正は出来ないんではないでしょうか?

まず一言で言うと志賀さんの指摘は当たっています。誤解されやすい話なので改めて内容を整理すると、Advanced MCACCは定在波を消す技術ではありません。二次元EQによるノッチの精度を上げるための技術であって、定在波発生による残響時間の制御まではできません。

ある狭い時間窓での二次元解析では時間軸上の周波数特性のうねりが考慮されないので、これを基にフラットに調整しても定在波によるピーク/ディップは残ります。三次元解析で帯域による残響時間差を取得すると、どこの時点での周波数特性がいわば「本当の周波数特性」かがわかるので、それを基に調整すれば定在波に影響されにくい補正が可能になります。

ただし、これはあくまでレベル補正ですから実残響時間は変わりません。一般に定在波が立つとブワブワと特定の帯域が膨れ上がりますから、定在波があっても少なくともレベルは適正であれば聴覚上の改善は見込めるということでしょう。
前書いたように手動でGEQでやったことはあり、確かに音質の濁りはかなり解消されました。「定在波コントロール」という言い方は非常に誤解されやすく、「定在波の影響を排除した周波数特性コントロール」という方が適切です。

本質的に定在波による残響を抑制するなら、部屋の形はそうそう変えられないので現状ではスピーカーのレイアウトを工夫して壁を吸音構造にするくらいしかないのではないでしょうか。

以下は関連して、YAMAHAの自動音場補正システムについての解説です。後半の赤文字で示した部分に低音補正の問題点が書いてあります。

Re: AVアンプによるサブウーファー設定(2) 投稿者:HD 投稿日:2009年 4月13日(月)09時05分33秒  

オーディオ調整用ピンクノイズは20Hzから20KHzの1/3オクターブバンドは色々なテストCDに収録されていますが、ピンクノイズのスイープは見た事が無いです。先のレスは外国のYPAOの動作の解説で割りと詳しいのから引用したのですが、この部分長いですが全文紹介しておきます。

「Yamaha YPAO Operational Details

Operation Frequency: 63Hz - 16kHz 1/3 Octave resolution
Qfactor: .5 - 10
Level: -20dB to +6dB +/-.5dB increments
Frequency Bands: 10 bands per channel, 2 sub bands for a whopping total of 94 bands!

The RX-Z9 utilizes a total of eight (8) 32bit processors, and reserves four (4) of them for YPAO!

It is important to note that the microphone used for the RX-Z9 is specifically calibrated to work with the internal microphone preamp within the RX-Z9. It is not advisable to use an aftermarket microphone (even if of higher quality) or even the supplied microphone of another model Yamaha receiver (IE. RX-V1400/2400) with this unit .

Note : In order to toggle PEQ on/off in the OSD you must enter the "Basic Sound" menu and select "Graphic EQ". Yamaha claims this will be updated in future products to be more intuitive.

Not enough tone controls? You can engage PEQ, Cinema EQ and Tone Controls simultaneously!

A Note About the YPAO Yamaha Room Correction System

The YPAO system uses pink noise sweeps to map the response of the room at the listening position for each speaker. Pink noise delivers constant power per octave and the YPAO attempts to equalize the magnitude response accordingly. However, in attempting to achieve a "Flat" frequency response, this can have deleterious affects on impulse response and also reduce dynamic headroom in the amplifier if certain frequencies are boosted as opposed to being attenuated. If for example, the YPAO equalizes a +6dB gain centered around 3kHz, then the amplifier would be tasked to produce up to four times the power for that frequency band, thus reducing headroom and potentially causing compression, and/or distortion. Additionally, if the YPAO system attempts to compensate for a speaker deficiency by creating a boost because of improper crossover design and/or some other speaker anomaly or strange impedance characteristic, when coupled to an amplifier this can actually create a dangerous effect as it can potentially drive some amplifiers into oscillation when boosting under these circumstances. However, if the speaker is flat in performance and the amplifier is not taxed at the frequencies being boosted, then the this scenario is unlikely to occur, with the only possible penalty of compensating for the direct sound of the speakers as opposed to resolving a deficiency in ambient or reflected energy in the room. Ideally, these mid and high frequency issues should be dealt with at the source, namely the room (assuming the speaker and amplifiers are designed correctly).

If you consider the basic relationship of sound and propagation through air given the following formula:

l = v / f (where v = velocity (speed of sound =1140 ft/s STP and f = frequency (Hz) )

then we see the wavelength of sound for 63Hz = 18 ft and for 16kHz = .86 inches!

Thus altering high frequency room response will affect only a very small listening area above a couple of hundred Hertz. High frequency harmonics are generally close together, if not overlapping, and their corresponding intensities are far less than the fundamental, making them more dependent on listening position. Another issue to consider with high frequency room correction is that the measuring microphone may not accurately measure direct to reflected sound. The goal of room correction is to correct for room anomalies, not the loudspeakers (again assuming the loudspeakers are of sound design). Altering the frequency response of the loudspeakers in this fashion changes the direct sound to compensate for a deficiency in the ambient or reflected sound field caused by the room. This may in fact alter the direct to reflected sound at the listening position further deteriorating imaging of the loudspeaker and corrupting the critical first arrival of sound. Ideally active room correction would best be applied at frequencies below 200Hz where sound is more difficult for the listener to localize and where room modes are difficult to resolve with room treatments. Utilizing a more precise parametric equalizer may be applied to analyze room modes to construct notch filters to reduce the excessive room decay times (RT60- # of milliseconds it takes for a sound to decay by 60dB).

Alternatively, a point to consider is that some room correction systems actually do address speaker non-linearities as well as room interaction affects. The problem is that most systems are not able to distinguish between the non-linearities of the speaker versus the non-linearities induced by the room. In some cases in may not really matter. For instance, in the bass frequencies smoothing out the response may involve changing phase and gain at certain frequencies. As long as the correction is made for the listening position we probably don't care how much of the problem is speaker or room related. For that matter, I can understand why the Yamaha YPAO system does not attempt correction at very low frequencies. It would take much more reserve power than the receiver is capable of delivering. In this respect limiting the correction to a moderately low frequency is understandable and in fact quite necessary. Of course that doesn't change the fact that we would all like compensation down to the very lowest frequencies. Practically speaking Yamaha could NOT put a correction filter on the LFE output because the power necessary for correction would way overtax most subwoofers (amplifier and driver excursion). It may however behoove Yamaha to introduce their own active servo subwoofer integrating low frequency room correction with a system much like many of Velodyne's Digital Series latest product offerings. A system that initially measures near field power response of the speaker as well as impulse response and then takes into consideration a measurement which showed room decay time would probably make for an even more accurate correction system. Now if only a manufacturer would build such a system affordably :」

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