人間の聴覚は位相歪みは聴き分けられないといわれている。これは、オーム・ヘルムホルツの法則とよばれ古くから知られている。
ここでは実際に音源を作り比較聴取してみよう!
音源はWaveGeneを用い、-6dB 1000Hzの基音と-10dB 2000Hz の高調波(いずれもサイン波)を混ぜ、基音の位相を0°、45°と変えて作り、これをAudacityで切れ目なくつなげた。波形やスペクトルはいずれもAudacity の画面です。
前半が基音の位相が 0°、後半が45°遅らせた音でいずれも5秒間つづく。下図はつなぎ目付近の波形である。左が前半部で、右が後半部で波形は全く異なっている。上下は左右チャネルの波形で、上が左チャネル、下が右チャネルで左右の位相差は0である。
では早速聴いて見よう。
ここをクリックして下さい。 (WAVファイルにリンクしています。メディアプレーヤなどが立ち上がり聴けるはずです)
どうです、違いがわかりましたか?
なお注意深く聴くとつなぎ目でプチ音が聴こえます。スムーズにつないだのにはっきり聴こえるのは驚きです。
その原因はつなぎ目では波形の勾配が不連続的に変化し周波数領域のスペクトルが広がるためです。実際には下図のようになっています。いずれも 0.1秒
間のFFTスペクトルです。 (a) は前半、(b)はつなぎ目 (c) は後半です。
この解析と聴感を合せ考えると、人間の聴覚は時間領域の変化には鈍感だが、周波数領域の変化には敏感だということが分かる。(少なくとも私には)
比較のため、1000Hz の純音(サイン波)もアップしておきました。 ここです。
皆さんはどう感じられましたか?