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ドップラー歪み

ドップラー歪とやら 投稿者:HK 投稿日: 2006年2月15日(水)09時10分5秒

「非直線性と歪」の項に
>ドップラー歪(低音信号に高音信号が重なった時後者がドップラー効果により変調される)とあります。(1)本当に存在するか、再考を勧めます。(2)本当に存在するのならば、測定方法と予想される結果を教えて下さい。(3)なぜ、後者が変調され、前者が変調されないのか(物理法則的に対称のはず)、
宜しければご説明を頂きたい。私が実験した範囲では、入力した2信号の再生音のフーリエ解析による周波数成分は、元々の信号と高調波歪のみでした。

Re ドップラー歪とやら 投稿者:志賀 投稿日: 2月15日(水)09時52分15秒
HK さん

<(1)本当に存在するか、再考を勧めます>

原理的には間違いなく存在します。スピーカーで問題になるほどかどうかは議論の余地があります。
このことは、佐伯多聞著「スピーカー・エンクロージャー百科」(p.30)にも書いてあります。参考にして下さい。


<(2)本当に存在するのならば、測定方法と予想される結果を教えて下さい。>

原理的には、ユニットが受け持つ最低音と最高音のサイン波を同時に入れ、出てきた音のフーリエ成分を取ると、高音成分がブロードニングを起こす現象として観測されます。実際に観測されるほどになるかどうかは、信号の大きさ・純度、そのスピーカーの性能(特に低音成分で動く速度)と測定装置の分解能によります。

<(3)なぜ、後者が変調され、前者が変調されないのか(物理法則的に対称のはず)、宜しければご説明を頂きたい。>

高音成分は周波数のずれとして観測されるのに対し、低音成分は周波数のずれは起こしません。厳密に言えば相互変調歪みの一部として現れると思います。(物理的に対称な現象ではありません)

<私が実験した範囲では、入力した2信号の再生音のフーリエ解析による周波数成分は、元々の信号と高調波歪のみでした。>

高音成分の分解能が不足しているんだと思います。ただし、並の測定器で観測されるほどの効果が期待できるかどうかは私にも分かりません。低音成分で駆動される振動板の速度が分かれば当然計算できることではありますが。

Re2 ドップラー歪とやら 投稿者:HK  投稿日: 2月15日(水)10時56分56秒  

問題になるかどうかが不明なレベルでしたら、不毛ですので議論は止めたいと考えます。

私の聴感では問題にならないし、(低音をON/OFFしても変調は感じられない)歪を回避するには、単一ユニットからは単一音しか発生させられないので非現実的です。

なお、波形再現を目指す立場からすると、「原理」なるものが矛盾するのは自明です。また、物理的に対称でない(99Hzと100Hzと101Hzで場合によって振る舞いが異なる)のも理解の範囲を超えます。

Re3 ドップラー歪とやら 投稿者:志賀 投稿日: 2月15日(水)14時41分36秒
HK さん、皆さん

<問題になるかどうかが不明なレベルでしたら、不毛ですので議論は止めたいと考えます。>

せっかくですので、まあそう言わずにもう少しおつきあい下さい。

ちょっと計算してみました。低音 30Hz で振動板の振幅が前後に 1mm 振れるくらいの振幅で振動するスピーカーに、5000Hz の高音成分を重ねて入れます。すると、最大 ±3Hz ほど高音成分の周波数が変調される計算になります。ものの本によると、5000Hz 付近の周波数弁別閾値は±10Hz 程度です。これだと、ちょっと検出不可能ですが相対的な変化なら分かるかもしれません。

そこで、このような実験を提案します。裸のフルレンジスピーカー、2つの周波数を同時に出力できる低周波発信器あるいは2台の低周波発信器、アンプを用意します。

初めに聴きやすい音量で 5000Hz(高音で比較的耳が敏感な周波数)を出しておき、30 Hz を加えます。30Hzを選ぶのは裸のスピーカーなら音としてほとんど聴こえず、5000Hz の音に集中できるからです。強度は振動板を目で見て少なくとも±1mm くらいは振動しているくらいにします。出来るだけ強い方がいいですが、強すぎるとスピーカーを壊す恐れがありますのでほどほどに。

これで、5000Hz の音に変化があれば検出可能なドップラー歪みが有るということです。
出来ればブラインドでも試した方がいいですが。

HKさんに限らず、こういう実験が出来る資材をお持ちの方は是非試みて下さい。結果の投稿をお待ちしています。


ドップラー歪 追加 投稿者:志賀 投稿日: 2月15日(水)15時32分8秒
HK さん、皆さん

下の実験で低周波発信器が必要といいましたが、

http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se097634.html
(WaveGene)

このソフトを使えばパソコンで作り出すことが出来ます。


Re4 ドップラー歪とやら 投稿者:HK 投稿日: 2月15日(水)15時55分4秒

追試をなさる方へ
・TestToneの生成には、efuさんのWaveGeneとWindowsPCが楽です。3音まで合成できます。
・ASIO出力を推奨します。分からない方は普通で十分です。
・振幅±1mmは極大音量になります。我慢できる範囲にとどめましょう。
・SPによっては単音で濁る周波数がありますので、そこは避けてください。
・5KHzでは分割振動域に入っていますので、即断なさらずにいろいろな周波数の組み合わせで試されるとよろしい。
・暇な方は因果律について考察されることをお勧めします。

Re5 ドップラー歪とやら 投稿者:志賀 投稿日: 2月15日(水)16時09分52秒
HKさん 皆さん

<・振幅±1mmは極大音量になります。我慢できる範囲にとどめましょう。>

振幅±1mm は30Hz の音についてなので裸のスピーカーでは音としてはほとんど聴こえないはずです。ただし、しっかり固定はしておかないとがたつきますのでまずいですが。

むしろ、スピーカーを壊さないことに注意して下さい。とういより、出来れば壊れてもいいスピーカーで試して下さい。

ドップラー歪 修正 投稿者:志賀 投稿日: 2月15日(水)18時05分9秒
皆さま

下で提唱したドップラー歪みを聴感で検出する実験に問題点があることに気付きました。5000Hz が変調されて聴こえても、これがドップラー歪みか、非直線性による相互変調歪みかを聴感で聴き分けるのは極めて困難と思われます。やはり、高分解能のFFTで高音信号のブロードニングを測定する必要がありそうです。が、しかし、これはわざわざ測定するまでもなく必ず観測されるはずですね。

失礼しました。

スピーカーのドップラー歪みは原理的には当然存在するはずでありテキストブックにも書いてあります。しかし、それが測定上どのように現れ、聴感で感じることが出来るのかについてはあまり見かけません。そこでHKさんの投稿をきっかけに考えてみました。結論は上の通りで結局聴感上は混変調歪みと区別して聴き分けることが難しいようで、大山鳴動して・・・・・の観があります。しかし、両者を含めた歪みが感じられるかどうかは試してみる価値があるかもしれません。壊れてもいいスピーカーをお持ちの方試してみませんか?

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