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サブウーファーのつなぎ方

サブウーハーの接続方法 投稿者:SHT 投稿日:2009年10月 1日(木)10時06分6秒

はじめまして。最近アクティブサブウーハーを導入し、2.1ch で主にクラシックを楽しんでいる音楽好きです。

アンプとサブウーハーの接続方法は、何の疑いもなくプリアンプ(ステレオ)⇒(モノーラル)サブウーハーとすべきと思っていたのですが

http://www.ippinkan.com/audiopro_B227_MK2.htm

によると、プリアンプのステレオ出力では、逆電流(or 逆電圧?)が発生して音質を低下させるので、片チャンネル出力とすべきであるというテスト結果が掲載されています。

そう言われれば確かに、左右どちらかの出力電圧が高ければ低い方のチャンネルに電流が逆流し、メインスピーカーのプリアンプ出力にも影響が出そうな気もします。

しかし、プリアンプの経年変化を考えると片チャンネルだけに負荷をかけ続けるのには若干抵抗感があります。もちろん、私のシステムでもテストをして大きな差があるようなら考えなおすつもりですが、どちらの接続方法が適切なのか科学的な知見があればご教示いただけると幸いです。

ちなみにサブウーハー無しに比べて、現状プリアンプ(ステレオ)⇒(モノーラル)サブウーハー接続の場合、メインスピーカーの音のバランス、定位の変化は全く感じられません。

Re:サブウーハーの接続方法 投稿者:TM 投稿日:2009年10月 1日(木)16時37分48秒

ご提示のページでは「逆起電流」、ご質問では「逆電流(or 逆電圧?)」となっていますが、どちらも間違いで逆起電力といいます。

コイルを鉄心やコアに巻いたものに電流を流すと磁束が発生します。流す電流を変化させると磁束も変化します。これを自己誘導といいます。自己誘導による磁束は流した電流に逆らう向きに発生します。すると反対向きの起電力が生まれます。これは「変化はしないでほしい」とブレーキをかけるように働きます。これを誘導起電力または逆起電力といいます。

一般に使用されるダイナミック型スピーカーには必ずコイルが永久磁石の回りに巻かれており、コイルに電流を流すと(音楽信号のこと)磁力が発生します。この磁力が永久磁石の磁力に引かれたり反発するように自由に動けるコイルを動かします。コイルには振動板(いわゆるコーン紙)がくっついていて、結果的に振動板を振動させ、空気に伝わり、耳に入ってきます。

コイルと芯があるためダイナミック型スピーカー(以下SP)は必ず逆起電力が発生しますが、それはアンプが吸収します。

サブスピーカーの接続に悩んでいるようですが、提示のページではSP−SPのような直列に接続したり、アンプ2個をつなぐ並列つなぎをしていますが、SPにはインピーダンスというものがあります。昔は16や8Ωが多かったですが最近は6Ω、4Ωが多いようです。直列につないだ場合は抵抗が大きくなりアンプの負荷は軽くなりますが、並列つなぎをすると負荷が大きくなり、出力(音量)によってアンプにダメージを与えることがあります。(ただし、アンプ側にSP接続端子が複数あり、それぞれにつなぐ場合は問題ありません)

ですから使用するアンプに適合するインピーダンス(以下imp)以上の値(大きい値)になるように使用してください。特にパワーに真空管アンプを使用しているととんでもない負荷がかかって出力管が短命になったり、大きな電流により出力トランスが断線したりします。

impとは交流抵抗値のことです。普通、抵抗というと直流に対するものです。交流は周波数により抵抗が変わる場合があり、SPもその典型です。なお、直列はimpの加算ですが、並列はimp*imp/(imp+imp)で計算します。

>左右どちらかの出力電圧が高ければ低い方のチャンネルに電流が逆流し、アンプ内では片側にしか信号が流れていない瞬間がたくさんあります。そんなときもう片方に電流が流れて同じ音量が両方からでるのなら、それはクロストークが最悪のアンプであり、常にモノラルになってしまいます。片側しか使用していなくてもプリアンプはまず問題は出ないでしょう。心配なら1KΩ(何Wでも可)のダミーをかませばよいです。パワーアンプで真空管アンプの場合、8Ω10W〜20W程度のダミー抵抗が必要になる場合があります。
でもなぜ片側なのか理解に苦しみますが・・。片側にしか低音は入っていないのでしょうか?

Re:サブウーハーの接続方法 投稿者:TM 投稿日:2009年10月 1日(木)16時54分56秒
訂正
>自己誘導による磁束は流した電流に逆らう向きに発生します → 自己誘導による磁束は流した電流で生ずる磁束に逆らう向きに発生します

>アンプ2個をつなぐ → アンプにSP2個をつなぐ

追加
クロストークはどのようなアンプでも大なり小なり発生しています。それはごく少量であり、電圧の変化でそうなるのではなく、主にコンデンサーに左右の信号が流れたときに交錯することにより発生します。また入力セレクタの微小容量(要はコンデンサー)によっても同様に発生します。

Re2: Re:サブウーハーの接続方法 投稿者:SHT 投稿日:2009年10月 1日(木)19時01分16秒
TMさん

質問者の SHT です。

> ご提示のページでは「逆起電流」、ご質問では「逆電流(or 逆電圧?)」となっていますが、どちらも間違いで逆起電力といいます。

質問の仕方がまずかったかもしれません。引用しました http://www.ippinkan.com/audiopro_B227_MK2.htm の追加テスト(1) の解説の結線図(黄色と赤のイラスト配線)をご覧ください。ステレオ⇒モノラル変換ケーブルでは、アクティブサブウーハーに信号が入力される以前にL+とR+が一緒になり、L-とR-が一緒になります。仮にL+の電圧がR+より高くなるとL+からR+に電流が流れる(つまりR+側に逆の電流が流れる)ことになるのではないかという質問です。このような現象が実際に起こるとすると、プリアンプ側への影響が懸念されるので、質問した次第です。

>片側しか使用していなくてもプリアンプはまず問題は出ないでしょう。心配なら1KΩ(何Wでも可)のダミーをかませばよいです。パワーアンプで真空管アンプの場合、8Ω10W〜20W程度のダミー抵抗が必要になる場合があります。

なるほど、解りました。ありがとうございます。

> でもなぜ片側なのか理解に苦しみますが・・。片側にしか低音は入っていないのでしょうか?

サブウーハーの受け持ち周波数は50Hz以下なので、左右どちらでも低音は変わらないというのが、巷の定説のようですが。。。これも間違いでしょうか?
http://panna.dyndns.org/

Re3: Re:サブウーハーの接続方法 投稿者:HD 投稿日:2009年10月 1日(木)20時12分57秒
SHTさん:

>ステレオ⇒モノラル変換ケーブルでは、アクティブサブウーハーに信号が入力される以前にL+とR+が一緒になり、L-とR-が一緒になります。仮にL+の電圧がR+より高くなるとL+からR+に電流が流れる(つまりR+側に逆の電流が流れる)ことになるのではないかという質問です。

> このような現象が実際に起こるとすると、プリアンプ側への影響が懸念されるので、質問した次第です。

「ステレオ⇒モノラル変換ケーブル」の回路構成(少なくともL,Rそれぞれに数KΩ以上の高抵抗は入っている筈)によってプリ側への影響が違うと思います。

>> でもなぜ片側なのか理解に苦しみますが・・。片側にしか低音は入っていないのでしょうか?

引用されたサイトのサブウーファのアンプの詳細が判らないのですが、1個しかないRCA入力端子は、多分AVアンプのサブウーファ出力を受ける為の端子と思います。そうならばAVアンプでLとRが合成された信号が出力されますから端子は1個で良い訳です。

> サブウーハーの受け持ち周波数は50Hz以下なので、左右どちらでも低音は変わらないというのが、巷の定説のようですが。。。これも間違いでしょうか?

超低域の音の定位が判らない(変らない?)のは正しいと思いますが、「音の大きさ」は左右同じとは限りません。ですからサブウーファへはL,R合成された信号を送る方が良いかと思います。 スピーカ端子からL,Rをそれぞれ入れると、サブウーファのアンプがL、Rを合成する筈です。


Re: サブウーハーの接続方法 投稿者:志賀 投稿日:2009年10月 1日(木)20時49分33秒
SHTさん

私もHDさんとほぼ同じ回答を用意していたところです。サブウーファー側に左右チャネル用のピンコード入力があるなら躊躇なくステレオで繋ぐべきです。もしまともな設計がしてあるサブウーファーであれば、例えばオペアンプで一旦受けてから左右信号をミックするするなど、クロストーク対策が取ってあるはずです。それでも気になるなら、例えば左チャネルだけに信号を入れたとき、右チャンネルのメインスピーカー出力に影響が出るかどうか調べられると思います。

それから、片チャンネルだけの信号でサブウーファーを駆動したときの問題は、低音では指向性はないとはいえ、音量差はあり得ます。ソフトによっては人工的に左右の差が強調してあるのもあります。そのようなソフトの場合、片チャンネルの信号のみを利用すると音のバランスがくずれるんではないでしょうか?

他のサイトのことはあまりいいたくないのでコメントしませんが、科学的な方法に沿っているかどうかよく考えて下さい。


Re4: Re:サブウーハーの接続方法 投稿者:SHT 投稿日:2009年10月 1日(木)20時49分52秒
HDさん

> 「ステレオ⇒モノラル変換ケーブル」の回路構成(少なくともL,Rそれぞれに数KΩ以上の高抵抗は入っている筈)によってプリ側への影響が違うと思います。

ということは、数KΩ以上の高抵抗が入っているケーブルであれば、プリ側への影響は無視できる程度と考えていいということでしょうか?

> 引用されたサイトのサブウーファのアンプの詳細が判らないのですが、1個しかないRCA入力端子は、多分AVアンプのサブウーファ出力を受ける為の端子と思います。そうならばAVアンプでLとRが合成された信号が出力されますから端子は1個で良い訳です。

私のアンプは、普通のプリメインアンプ(DENON PMA1500AE)ですので、プリアウト(L & R)からの出力としています。

> 超低域の音の定位が判らない(変らない?)のは正しいと思いますが、「音の大きさ」は左右同じとは限りません。ですからサブウーファへはL,R合成された信号を送る方が良いかと思います。

私もそのように思います。

>スピーカ端子からL,Rをそれぞれ入れると、サブウーファのアンプがL、Rを合成する筈です。

確かにサブウーハーにはスピーカー端子からの信号を受ける入力端子が付いています。しかし一度パワーアンプを通った信号をもう一度サブウーハーのパワーアンプに通すよりは、プリからの信号をサブウーハーのパワーアンプに直接送る方がいいのではと考えているのですが、あまり音質には関係ないでしょうか? まあこれは自分で確かめれば済む話ですね。

Re: サブウーハーの接続方法 投稿者:SHT 投稿日:2009年10月 1日(木)21時17分54秒
志賀さん

> 私もHDさんとほぼ同じ回答を用意していたところです。サブウーファー側に左右チャネル用のピンコード入力があるなら躊躇なくステレオで繋ぐべきです。

残念ながら安物のサブウーハーなので、スピーカー出力端子からの入力端子は左右チャネルを持っていますが、ピンコード入力はモノーラルだけです。

>もしまともな設計がしてあるサブウーファーであれば、例えばオペアンプで一旦受けてから左右信号をミックするするなど、クロストーク対策が取ってあるはずです。

安物ですからオペアンプがあるかどうか?ですね。中を開けて見たところで、私には多分わからないと思います。

>それでも気になるなら、例えば左チャネルだけに信号を入れたとき、右チャンネルのメインスピーカー出力に影響が出るかどうか調べられると思います。
> 他のサイトのことはあまりいいたくないのでコメントしませんが、科学的な方法に沿っているかどうかよく考えて下さい。

基本的にはL+Rミックスでいくとして、スピーカー出力とプリアウト(ステレオ⇒モノーラル変換)をテストして決めたいと思います(片チャンネル入力も参考までにテスト)。あまりネット上の情報に振り回されないようしたいものですが、結局引用したサイトと同じテストを自分のシステムでやることになりそうですね。

Re: Re:サブウーハーの接続方法 投稿者:KZM 投稿日:2009年10月 1日(木)22時12分49秒
SHTさん

大体回答は得ているようですので、こぼれている部分のみコメントします。

> ということは、数KΩ以上の高抵抗が入っているケーブルであれば、プリ側への影響は無視できる程度と考えていいということでしょうか?

まず、このような接続方法で問題になるのはモノラル→ステレオ分配ケーブル(抵抗なし)を使っているときです。プリアウトの出力インピーダンスは、1kΩ以下と比較的低いので、受け側にこれが並列に入り想定以上に負荷が上がるとプリアウトに過大電流を要求するために原理的にはよくありません。

もちろん、この程度の負荷増大で破綻するようなアンプは欠陥品ですが、わざわざ無理な使い方をする必要もないわけです。これを回避するためには抵抗入りケーブルである必要があります。

しかし、このような紛らわしいケーブルを使うよりも入力側にミキサーを用意した方がはるかに安全かつ合理的ですし、実際の製品を何度か分解した経験では、入力部には大抵加算アンプが入っています。

なお、引用先に「超高価な製品にしかステレオ→モノラル演算回路は入っていない」という記述がありますが、加算アンプ(サムアンプ)はオペアンプ一個で作れるので高価なものでもなんでもなく、入っていない製品を見たことがありません。

もしこのようなテストで問題が出るとすれば上述した抵抗なしのモノラル→ステレオ変換ケーブルを使った場合のように思います。引用先にはケーブルの内容のチェックをしたという記述がありません。

> しかし一度パワーアンプを通った信号をもう一度サブウーハーのパワーアンプに通すよりは、プリからの信号をサブウーハーのパワーアンプに直接送る方がいいのではと考えているのですが、あまり音質には関係ないでしょうか?

前者の動作をするものをHi-Lowコンバータといい、カーオーディオなどでたまに使われます。それで破綻するほど問題が出ることはまずありませんが、配線が面倒になったり気分の問題で無駄な増幅段は排除したいところですから、プリアウトを使う方が無難です。

それから、サブウーファの左右差が気になるようであれば、もし可能なら左右独立に用意して2.2chとし、モノラルにミキシングした場合と比較してみてはいかがでしょうか。

Re2: サブウーハーの接続方法 投稿者:志賀 投稿日:2009年10月 1日(木)22時15分0秒 SHTさん

> 残念ながら安物のサブウーハーなので、スピーカー出力端子からの入力端子は左右チャネルを持っていますが、ピンコード入力はモノーラルだけです。
>

そういうタイプもあったんですか。勉強不足で失礼しました。

となると、やはりミックス用のケーブルの規格が気になるところですね。あるいは、片チャンネルだけを繋ぐのもいいかもしれません。元々、メインスピーカーで出ていなかった、指向性を考えなくてよい超低域を補充するわけですから音量のバランスだけを考えればいいわけで、サブウーファーの方にゲインコントロールがあれば(ひょっとしてこれもないですか?)これで調整すればいいわけです。

ちなみに、超低域でも左右に音量差が有るかどうかは、少しましなカナル型イヤホンで聴けばわかります。クラシックでは殆ど無いですがポピュラーだと結構差が有るのがあるようです。


補足 投稿者:KZM 投稿日:2009年10月 1日(木)22時25分31秒
SHTさん

お使いのSA-W3000の仕様を見ないまま書き込んでしまいました。確かにコレにはラインレベルはモノラルのようです。

2.2chの件もHPに記載があるようで、蛇足でした。

サブウーハーの接続方法 投稿者:SHT 投稿日:2009年10月 1日(木)23時08分30秒

以下、私なりに理解した点をまとめさせていただきます。

1.当初質問した、ステレオ⇒モノーラル変換ケーブルのクロストークの問題は、抵抗入りケーブルであればさして問題ないと理解しました。
2.入力信号は基本的に L+R の方がいい(左右チャンネルで無視できない差のあるソフトがある)
3.スピーカー出力(L,R)を入力する場合、サブウーハー側にはオペアンプが必要。なければ加算アンプの入ったミキサーを経由する。

あと、志賀さんのご質問「サブウーファーの方にゲインコントロールがあるかどうか?」⇒安物ですがこれはあります。現在はMaxヴォリュームの 95〜100% 位で使用しています。

Re: サブウーハーの接続方法 投稿者:志賀 投稿日:2009年10月 2日(金)06時24分15秒
SHTさん

サブウーファーの繋ぎ方の件、ほぼ一件落着ですね。

ちょっと補足させて頂きます。

一般的にはプリ出力を利用すればいいと思いますが、実は以前の投稿でプリ出力を利用するとメインシステムからハム音が出るという現象が報告されています。どうも、サブウーファー側の電源からもれたハム音がピンケーブルを逆流しメインアンプで増幅され生じたものと推定されますが、多分設計ミスというわけでなく何らかの不具合が生じているのではないかという話でした。私自身のところではハム音は全く聴こえません。

それからHPを覗かせてもらいました。実は、現在のサブウーファーを購入する前はHPで言及しておられる長岡氏設計のパッシブサブウーファーを自作して使っていました。これでサブウーファーの威力を知った次第です。これは、向かい合わせて取り付けたウーファーユニットを逆相に駆動しメカニカルに左右信号をミックスするという面白いアイデアです。LPFを付なくてもダクトからはほとんど中高音は聴こえませんでした。バスレスタイプの音圧の計算をするとダクトの音圧出力は共鳴周波数以上でかなり強く減衰するので大丈夫のようです。


http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/9903enclosurev2.pdf
のW-7図

ただ、音量調整やカットオフ周波数調整が簡単には出来ないのと、何よりも少々目障りなので、現在のものを購入しました。

「オーディオの科学」 http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm#subwoofer

に書いたようにサブウーファーは1個でよく通常は左右信号をミックスして使う。多くの市販のアクティブサブウーファーはL,R 2個の入力端子を持っており内部でミックスするが、最近のAV用として売り出されているサブウーファーの中には専用のAVアンプを使うことを前提に、ミキシングはアンプ側で行ない、入力端子はモノラルとなっているものがあるようだ。これを、通常のステレオアンプで使うときの繋ぎ方が話題になったわけだが、結局片チャネルの出力だけを利用するのが簡単で無難のようである。特殊なソフトでない限り音量バランスは問題にならないだろう。

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