目次へ戻る Top

スピーカーあれこれ

上下に2個のウーファーを配置し中央にトゥイターやスコーカーを置くシステムをバーチカルツイン型と言うそうである。この膨大なやりとりのきっかけは、2つの同じスピーカーシステムを上下に重ねて置き擬似的なバーチカルツインを試みる話題から始まり、スピーカー全般にわたって盛り上がった。あまりに多くの話題が平行して論じられたため、テーマ毎に再構成してあります。取り上げたテーマは、

直列結合の電磁制動力バーチカルツインの効用:低音増強効果?ダブルウーファーの効果ダブルウーファーか大口径シングルか?音量測定スピーカの選択は結局好みの問題

直列結合の電磁制動力(並列結合か直列結合か?)

並列と直列 投稿者:KNN 投稿日:2009年 2月17日(火)22時22分54秒  

同じ3ウエイSPセット(8オーム)を2組利用してバーチカルツイン構成で使用しているのですが、各チャンネルSPセットを並列駆動する場合と直接駆動する場合の違いです。

使用AMPの負荷インピーダンス上は、並列の4オームでも直列の16オームでも問題なく駆動しているようですが、SPのネットワークなどの関係を含み違いは有るのでしょうか?

単純化して、複数SPの並列と直列駆動の違いということでも結構です。ご意見をお願いします。

Re 並列と直列 投稿者:志賀 投稿日:2009年 2月18日(水)09時33分28秒  
KNN さん

半導体アンプを前提とするなら、やはり並列駆動が基本でしょうね。直列だと、(1)アンプのパワーが有効に使えない。(2)ダンピングファクターが低下する。(3)複数のスピーカー同士がネットワークを含め電気的に干渉する。等のデメリットがあるのに対し、並列だとアンプのパワーにある程度余裕があればこれらのことは問題にならないはずです。 ただ、どういう目的で複数SPを使われるのか分らないのでそれ以上のことは分りません。

KNNさん バーチカルツイン 投稿者:NJ 投稿日:2009年 2月25日(水)14時30分26秒     

MJ誌の連載で、「小型スピーカーの設計と製作(小澤隆久氏)」というのがあり、3月号に第11回としてバーチカルツインの実験結果が細かく紹介されています。参考になると思われます。それに、ハッキリとは書いてありませんが、ウーファーを16オームとすると書いてあり、直列接続しているのではないかと思われます。これは雑誌の編集部(あるいは編集部を介して著者に)照会されると答えが得られると思います。

これによれば、16cmのフルレンジスピーカーを3ケ、真ん中のをツイーターにし、上下をウーファーにして、フィルターを色々換えて試験したデータが面白いです。

Re バーチカルツイン 投稿者:志賀 投稿日:2009年 2月25日(水)17時25分5秒   KNNさん, NJ さん

実は私も今日本屋でMJの最新号のその記事「小型スピーカーの設計と製作(小澤隆久氏)」を見ました

これは実用のためでなく、あくまで実験(測定)用のもので、同じフルレンジスピーカシステムを横に密着して置き、中央のSPをトゥイターとして使い、左右のSPをウーファー用として使うといったシステムです。2つのウーファーはトゥイターと音圧レベルを揃えるため直列で繋いでいます。この号の本来の目的は、ネットワークの違いによる音の繋がりを調べることですが、話題になった低音増強効果も分ります。

これはその雑誌を見ないとわからないわけですが図1が中央のSPをフルレンジで鳴らした時のf特で、図2が左右のスピーカーをやはりフルレンジとして鳴らしたf特です。従って、この2つの図の低音部を比べればどの程度低音が増強されているかが分ります。結果はほぼ予想通りでしたが、予断を与えないようにこれ以上はコメントしないことにします。手元にあるわけでなく記憶に基づいて書いていますのであるいは間違いがあるかもしれません。ご自分でご覧になって確かめて下さい


MJの記事 投稿者:志賀 投稿日:2009年 2月27日(金)20時33分51秒  

この記事手に入れました。以前言ったことは少し間違っており、図2がバーチカルツインの低音増強効果を見るのに適しています。原図をトレースした図を付けておきますが、赤線は中央のトゥイター用フルレンジのf特、青線が両脇のウーファー用フルレンジの合成f特です。2つのウーファーは直列結合なので全体の音圧出力が落ちており、中音域のレベルが合うよう青線は約2dBほどかさ上げしています。

この図を見ると確かに60Hz辺りのレベルが上がっています。私の解釈は、直列結合によるDFの低下によりf0のピークが強調されたためではないかとにらんでいます。こんな具合にです。

http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/DFandftoku.html

ただ、並列結合の場合のデータとの比較がないので断定は出来ません。


Re: MJの記事 投稿者:MM 投稿日:2009年 3月 2日(月)10時58分32秒  
志賀さん

SPを直列にすればインピーダンスが2倍に、DFも2倍になると思っていますが、下記の部分では逆にDFが低下すると書かれています。その辺りはどうなのでしょうか?

Re:2MJの記事 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 2日(月)13時04分50秒    MM さん

おっしゃる通りでした。アンプの出力インピーダンスが変わらなければDFの定義式に従えば直列に繋げばDFは倍になりますね。ここで、DFという言葉を使ったのは間違いでした。言いたかったことは電磁制動力が低下するのではないかと言うことです。単純に考えると1つのスピーカから見て、もう一つのスピーカーを純抵抗と考えアンプ側の内部抵抗と見なせばDFは1と大幅に低下しますね。しかし、実際には純抵抗でないのでそう単純ではないですね。実効電磁制動力がどう変化するかが問題ですが、アンプが完全定電圧駆動になっておれば変らないともいえそうだしちょっとよくわからないところです。 あまり教科書には載っていないようですがどう思われます?

私は、閉回路の全抵抗値が倍になるので、やはり電磁制動力は低下するんではないかと思うんですが? 如何でしょう?

Re: 2MJの記事 投稿者:MM 投稿日:2009年 3月 2日(月)15時11分37秒    志賀さん

早速ご回答ありがとうございます。何かお考えがあっての記述ではないかと思っていました。実のところ、私は直列にした時の挙動について良く判っていません。

一般に単発ウーハーではDFが1まで低下すれば、周波数レスポンスは低いほうへ向かってかなり上昇傾向が見られます。したがって、MJ誌の例のように60HZ付近のみが上昇している現象は不自然な気がしています。

直列時、fo付近のみ電磁制動力が低下し、その他の範囲ではあまり変化しないと考えればよいのでしょうか? 全体的に電磁制動力が低下すればもっと広い範囲が上昇するはずです。

Re3: MJの記事 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 2日(月)15時54分30秒    MM さん

>全体的に電磁制動力が低下すればもっと広い範囲が上昇するはずです。

いえそんなことありませんよ。そもそも制動を必要とするのは振動板の自由振動を止めるためでf0付近で特に強く影響します。

MJのデータではDFをそれほど変えていないのではっきりしませんが、もっと極端に変えると

http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/DFandftoku.html

こんな風に変化します。これを見ると、中音域でも影響していますが恐らく分割振動の制動にも影響するんだと思います。

Re: Re3: MJの記事 投稿者:MM 投稿日:2009年 3月 2日(月)19時59分30秒  
志賀さん

電磁制動力は全域で低下するが、fo付近での影響が強く出る訳ですね。納得しました。

訂正 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 3日(火)22時24分15秒  
MMさん、皆さん

以前のレスで、「・・・・言いたかったことは電磁制動力が低下するのではないかと言うことです。単純に考えると1つのスピーカから見て、もう一つのスピーカーを純抵抗と考えアンプ側の内部抵抗と見なせばDFは1と大幅に低下しますね。しかし、実際には純抵抗でないのでそう単純ではないですね。実質電磁制動力がどう変化するかが問題です。 あまり教科書には載っていないようですがどう思われます?

私は、閉回路の全抵抗値が倍になるので、やはり電磁制動力は低下するんではないかと思うんですが? 如何でしょう?」

と書きましたが、どうもこれは間違いのようです。

そもそも電磁制動力は


http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/helmholtz.htm#damp

に書いたように、ボイスコイルが動いたときに生じる誘導起電力(逆起電力)が引き起こす電流が運動にブレーキをかけることによって生じます。従って、起電力が一定なら回路の抵抗値が小さいほど強い制動力が働きますが、同じスピーカーを2つ直列に繋いだときは抵抗は倍になりますが電圧も倍になり、他の部分の抵抗が0なら電流は変わりません。つまり制動力は同じはずです。他の部分の抵抗が一定の純抵抗なら、電圧が倍になる効果が勝ち制動力がわずかながら増加するはずです。

何か見落としている点があるかもしれませんが如何でしょう?


Re: 訂正 投稿者:MM 投稿日:2009年 3月 3日(火)23時59分54秒  
志賀さん

昔、「ウーハーは直列ではなく並列で使用しなければならない」との記事を読んだ記憶があります。同型のSPでもfoやその他の特性が微妙に異なっている2個を直列にしたとき、fo付近の特性はどのように変化するのでしょうか。

Re:Re: 訂正 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 4日(水)05時26分6秒    MM さん

>昔、「ウーハーは直列ではなく並列で使用しなければならない」との記事を読んだ記憶があります。

やはりそうですか。実は私もそう思っており、この話題が出た最初のレス(2009年 2月18日(水)09時33分28秒)に、「半導体アンプを前提とするなら、やはり並列駆動が基本でしょうね。直列だと、(1)アンプのパワーが有効に使えない。(2)ダンピングファクターが低下する。(3)複数のスピーカー同士がネットワークを含め電気的に干渉する。等のデメリットがあるのに対し、並列だとアンプのパワーにある程度余裕があればこれらのことは問題にならないはずです。 ただ、どういう目的で複数SPを使われるのか分らないのでそれ以上のことは分りません」と答えました。この内、(2)が間違いではないかと気づいたわけです。

>同型のSPでもfoやその他の特性が微妙に異なっている2個を直列にしたとき、fo付近の特性はどのように変化するのでしょうか。

そうですね。これは問題ですね。先の返答で「電磁制動力はほとんど変わらないか、むしろ増加する」といったのは2つのスピーカーのf0 が完全に同一であることを仮定しています。f0ではインピーダンスが極端に大きくなるので、少しでもずれているとf0付近でアンプ出力の 2つのスピーカーに対する電圧配分が大きく異なることになり変な干渉が起こりそうです。これが、音圧周波数特性や過渡特性にどんな影響を及ぼすかは分りませんが、(1),(3) の理由と合わせ、やはり並列駆動が基本ではないかと思っています。

Re2 訂正 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 4日(水)17時22分1秒    
NJ さん

>>そもそも電磁制動力は「ボイスコイルが動いたときに生じる誘導起電力(逆起電力)が引き起こす電流が運動にブレーキをかけることによって生じます。・・・・・従って、起電力が一定なら回路の抵抗値が小さいほど強い制動力が働きますが、同じスピーカーを2つ直列に繋いだときは抵抗は倍になりますが電圧も倍になり、他の部分の抵抗が0なら電流は変わりません。つまり制動力は同じはずです。他の部分の抵抗が一定の純抵抗なら、電圧が倍になる効果が勝ち制動力がわずかながら増加するはずです。」<

>つまり、インピーダンスが2倍で能率約3dBアップのウーファー1基を使ったのと等価と考えれば良いのですか?

いえ、それは違います。振動系、つまりスピーカーが違ったら比較の対象になりません。
私の考察は単純な、制動力(速度に比例する逆方向の力)のある強制単振動系の運動方程式によるものです。減衰係数は質点の質量と制動係数により決まりますが、この場合制動力は閉回路に流れる電流に比例しますが、ボイスコイルの巻数や形状、ギャップ磁場の強さにも依るので、スピーカーが違うと比較の対象となりません。

全く同じスピーカー2つ直列に繋いで駆動する場合と1個のみの場合の減衰係数を比較するわけですが、他の条件が同じなら、摩擦力は回路に流れる電流により決まり、ボイスコイルの抵抗(R)が同じなら当たり前のことですが、1個の場合は I=V/R、2個の場合も I=2V/2R=V/R となり変わりません。しかし、さらに直列に アンプの内部抵抗 rが入ると1個の場合は i1=V/(R+r)=2V/(2R+2r) となりますが、2個の場合は i2=2V/(2R+r) となり、i2>i1 となります。なお並列に2個繋いだ場合は、音圧は2倍(+3dB)なりますが減衰係数は同じと考えています。

>ダンピング時間の定義を、入力を与えていた時のレベルから「一定レベル音圧が下がる迄の時間」と定義するならば、「他の部分の抵抗が一定の純抵抗なら、電圧が倍になる(スピーカーインピーダンスが2倍)効果が勝ち制動力がわずかながら増加するはず」ですが、一方音の残留感(人間が感じ得る最小の音圧になるまでの経過時間)は長くなったと感じるのでは?(並列接続でも同じかな)

ダンピングの定義は力学でははっきりしています。あくまで、物理的な運動の減衰係数を議論しているのであって残留感なるものについては全く分りません。


>ただ、「直列」の場合、必ずしもf0やZ0が揃っているとは考えにくいので、f0のずれによる最大逆起電力を発生する周波数のズレは無視できないと思います。つまり、極論すれば一方のスピーカーが最大逆起電力を発生しているとき、他方は単に直列負荷になっているだけということも考えられます。この場合はダンピングが悪化するのではないでしょうか。

恐らくそうだと思います。

>議論の発端は「直列」か「並列」か、ということで、私は2基のウーファーのf0やZ0が揃っていなくても互いに影響し合うことが少ない並列がよいと思っています。極端な場合、ダブルウーファー1基につきアンプ1台(ステレオアンプを2台)としたこともあります。

これについてもその通りだと思います。MMさんへのレス(投稿日:2009年 3月 4日(水)05時26分6秒)にもそう答えています。

バーチカルツインの効用:低音増強効果?   Top へ

Re: RE2 並列と直列 投稿者:NJ 投稿日:2009年 2月19日(木)13時10分56秒  
志賀さん

> バーチカルツインの意味は分りました。 ところで、その目的は何なんでしょう? 疑似同軸効果? あるいは低音の増強?

両方です。

疑似同軸効果

 二つのウーファーの中間にスコーカーを挟んだ形式のものがそれです。タテ方向の指向性には欠陥が生じますが、水平方向は同軸的な効果を期待できます。ただし、スピーカーから聴取位置まで十分距離を取り、ツインウーファーの中間点の軸上に耳の高さを合わせないと二つのウーファーの音の干渉で変なことになるはずです。また、ウーファーに数百ヘルツまで、あるいは2kHzくらいまで受け持たせているものが多く、ツインのスピーカーの特性がよほど揃っていないと違和感が生じる虞があります。

低音の増強

一般にバーチカルツインのウーファーは小口径のものが多い。(一部には12"クラスのものもあり)例えば、15"のウーファー1基の代わりに10"を2基とすれば(B&Wの手法)振動板面積は同じ。ハコの容積は1/2。(ご存知のようにハコ容積は振動板直径の4乗に比例するから)小さいハコで低域を得ようとするための一つの合理的手法と言えます。

Re3 並列と直列 投稿者:志賀 投稿日:2009年 2月19日(木)16時52分13秒     
NJ さん

同軸効果の方は個人がどう感じるかの問題なのであまり議論は出来ないですが、低音増強なら測定可能なのでやってみられたらいかがと言いたかったわけです。私はあまり期待できないと思ってるんですが。

ただし、これははじめからそのように設計されたシステムではなく、「KNN」さんががやっておられる既存のシステムを上下逆にして2個置くという方法についてです。


RE3 並列と直列 投稿者:KNN 投稿日:2009年 2月19日(木)21時41分39秒  
NJさん、志賀さん、

>バーチカルツインの目的は何なんでしょう?

最初使用していたSPは、28cmウーファーの少し箱が小さめの3ウエイ密閉式ブックシェルフに落着いていたのですが,ある程度パワーを入れるとまだ良いのですが、いかんせん小音量時に低域が物足りないので、YDS80か100というサブウーファーを導入し効果を得たのですが、HPに以前話題になったように思いますがYDSのソフトさが気になっておりましたところ、偶然に使用機種とおなじSPが入手出来た為、遊ばせるのも良くないので、普通に並列接続でセティングを詰める過程で擬似バーチカルツインになりました。

ほぼ同じF特のSPセットが増えるだけですので、能率が上がるだけかと思ってはいたのですが、結果サブウーファーを使用せず聴感上満足できるようになったのです。(ウーファーだけ追加したわけではないので低域が改善されたのが不思議で質問の動機の一部になっています)

元々ツイーターを床上110cmにしていたので、NJさんのお話のとおりバーチカルに重ねないと良い聴感がられませんでした。

目的ではなく結果としてですが、NJさんのお話のとおり 1低域のレスポンス改善 2擬似同軸効果(定位感の向上 が得られた様に感じています。(パワーリニアテイーが悪いのが改善されてのかも)

RE4 並列と直列 投稿者:志賀 投稿日:2009年 2月19日(木)22時04分56秒  
KNN さん

>目的ではなく結果としてですが、NJさんのお話のとおり 1低域のレスポンス改善 2擬似同軸効果(定位感の向上 が得られた様に感じています。(パワーリニアテイーが悪いのが改善されてのかも)

そのように感じられたと言うことはもちろん否定しようがありませんが、本当に物理的に低音が充実したかどうかは測定すればすぐ分ることですよといいたがっただけです。

RE5 並列と直列 投稿者:志賀 投稿日:2009年 2月20日(金)05時52分15秒     
KNN さん

>言葉が足らなかったようですね、志賀さんの測定のお話ですが、(自分も興味が有るので自分で)試してみたいので、ぜひ(測定方法のお話を)お願いします。

>本当に何が変わったのか、わかれば良いと思います。

了解しました。

まず、信号の発生と、解析はパソコンソフトで対応できます。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/brain.htm#ear

ここに書いた2つのソフトです。最も簡単にはWaveGeneでホワイトノイズを発生させ、WaveSpectra で解析するといいでしょう。

問題はマイクとPCへのインターフェースです。測定用のマイクといわゆるUSBオーディオプロセッサーを使えばいいわけですが結構高く付くので、最近出ている高音質のICレコーダーを使うのが賢明かもしれません。30Hz くらいまではフラットな特性がほしいところなのでそこそこの価格のものが必要ですが。ネットで探せば2〜3万円のものが見つかると思います。

それから、バーティカルツインの低音増強効果ですが、確かにKZMさんのレスの通り放射インピーダンスが少し稼げるので効果かないわけではないですが、考えてみるとステレオ装置では左右に2個使っているわけですね、100Hz以下の低音ではほとんど指向性がないので左右ほぼ同レベルで録音されているはずですが、ステレオにすることにより低音特性が大きく改善されるということはないのと違いますか? あまり効果が期待できないだろうといった理由です。ただし、聴感で大きく改善されるということはあり得ますが、やはり実測してみないと分らないということです。


以下はすでに取り上げた投稿ですが、MJの記事にスピーカーを2個使ったときの測定結果が出ており、ほぼこの問題は決着が付きました。

MJの記事 投稿者:志賀 投稿日:2009年 2月27日(金)20時33分51秒  

実は、この記事手に入れました。以前言ったことは少し間違っており、図2がバーチカルツインの低音増強効果を見るのに適しています原図をトレースした図を付けておきますが、赤線は中央のトゥイター用フルレンジのf特、青線が両脇のウーファー用フルレンジの合成f特です。2つのウーファーは直列結合なので全体の音圧出力が落ちており、中音域のレベルが合うよう青線は約2dBほどかさ上げしています。

この図を見ると確かに60Hz辺りのレベルが上がっています。私の解釈は、直列結合によるDFの低下によりf0のピークが強調されたためではないかとにらんでいます。


まだ議論は続きますが、単にウーファーを2つ使うだけなら、f特上の低音再生限を下げる効果はあまり期待できないと言うことのようです。ただし、振動板の面積が2倍になるので放射効率が上がることは確かなので無意味というつもりはありません。以下はバーチカルツインシステムを含め、実際のスピーカーシステムについてウーファーを2個使うことの功罪を議論しています。

ダブルウーファーの効果          topへ

ダブルウーファーを使う理由 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 4日(水)05時28分21秒皆様

以前バーティカルツインシステムを使う目的として疑似同軸効果と低音の増強の2つをあげましたが、低音の再生限界を低下させるという目的には音圧周波数特性を見る限り大きな効果は期待できないようです。

それとは別に、ダブルウーファーを使う理由として、低音の再生限界を下げるというよりウーファーの放射能力を高めるという目的があるんではないでしょうか? 特に、高能率大音量が必要で、中、高音にホーンを使うと、ウーファーを大口径にするか、2個使わないと、能率の点でアンバランスが生じると思います。事実、例のステサン誌のスピーカー特性測定集をみると、


http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/subwoofersusume.html

に書いたように、大口径スピーカー(38cm)でも、例えば30Hz の音圧出力は中高音の平均音圧に対して必ずしも高くありません。如何でしょう?

バーチカルツイン 投稿者:EV 投稿日:2009年 3月 1日(日)15時54分16秒  

バーチカルツインはダブルウーハーを縦配置にしたもので、'70年代末ウエストレイクオーディオのスタジオモニターに替わる物として米パイオニアのTADブランドで製品化(Model 2401)したのを縦型にアレンジし(RM-7V 後レイオーディオ製)コンシューマー市場に投入したと記憶しております。

なお、ダブルウーハーはダイレクトラジエターとコンプレッションラジエターの能率差を解消する手段としてプロオーディオでは採用されています。低域ユニット(コーンウーハー)は良くて能率が101dB/w.m(JBL 2220等)なので、97dB/wのTAD TL-1601だと1本では最大約122dB/mの音圧しか出せません。ホーンユニットだと組み合わせるホーンにもよりますが110dB/w.mぐらいの能率がありますのでTAD TD-4003だと1本で最大約128dB/mの音圧があります。

ウーハーが2本だとほぼ+3dBになるので最大音圧を近づけることができます。さらに、ご存じのようにバスレフのスピーカーボックスを最適に設計すると低域が伸びます。

縦に配置しようが横のままであろうが、Boxの容積などが同じならスコーカーの正面では同じ音ですね。TADのサイトに納入実績の写真があります。

コンシューマーオーディオ向きの考えとは言い難いです。

http://tad-labs.com/prounits/popup_result.html

ウーハーは直列ではなく並列 投稿者:MK 投稿日:2009年 3月 4日(水)10時45分22秒 志賀さん、皆さん、こんにちは。

「ウーハーは直列ではなく並列」にしています。直列にすると、2つのスピーカが逆相でぶらぶらするのではないでしょうか。

並列で4Ωになりますので、中音ホーンに8Ωを並列に入れたところ、レベルがほぼ一致しました。アッテネータ不要になりました。

38cmダブルにしても、志賀さんが仰るとおり、最低域が不足で左右にSWを入れています。SWを入れるくらいなら、メインのSPは小型にしておけば良かったかなあと、ちょっと後悔しています。長年の流れで、こうなってしましましたが、今からやるとすれば小型SP+SWにするでしょうね。

Re: ダブルウーファーを使う理由 投稿者:NJ 投稿日:2009年 3月 4日(水)16時03分10秒    
志賀さん

私はダブルウーファーを使って5〜6年になりますが、次のような利点があります。

1.低域の音圧が約2倍になる。歪みを抑え、最大音量を稼ぐため必要。

2.パワーを入れられるので、グライコを使って低域の増強がしやすい。ただしf0までなので、f0の低いウーファーを選ぶ。

3.スピーカーユニット単体の細かいピーク・ディップを互いに補完する。これは私の所の特殊事情か知れませんが、30年以上前のウーファーなので、マグネットが減磁していたり、振動板が変質している可能性もあり、元々の個体差もあるだろうから、ダブルで互いに補わせる効果を期待しております。

ダブルウーファーを使う理由として、低音の再生限界を下げることもあります。直接効果というより、グライコで低域を増強しやすいと言うことです。従って、低域入力を増大させても「歪まない」ものでなければならず、f0も低くなければならない。40Hzくらいではダメ、30Hz以下が必要です。

ところで、最近のハイエンドと称するスピーカーは大概ダブルウーファーになっているようです。それも10"とか8"とか、比較的小口径のもの。これはもっといじましい理由と見ております。つまり、小型化です。ハコを小さくして、スペースを取らないようにしようというのだと思いますが、ウーファー一台ではさすがに音圧がとれないので2台にしているのではないか。大体バーチカルに配列して指向性が悪化する遙か手前でクロスオーバーしているようです。メーカーによって、ウーファー1ケを独立した区画に収納したり、そうでないものもあったりで、メーカーが何を狙ってダブルウーファーにしているかは、私には上記のほかは分かりません。

Re: Re: ダブルウーファーを使う理由 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 4日(水)19時38分14秒  
NJ さん

>私はダブルウーファーを使って5〜6年になりますが、次のような利点があります。

>1.低域の音圧が約2倍になる。歪みを抑え、最大音量を稼ぐため必要。
>2.パワーを入れられるので、グライコを使って低域の増強がしやすい。ただしf0までなので、f0の低いウーファーを選ぶ。
>3.スピーカーユニット単体のの細かいピーク・ディップを互いに補完する。これは私の所の特殊事情か知れませんが、30年以上前のウーファーなので、マグネットが減磁していたり、振動板が変質している可能性もあり、元々の個体差もあるだろうから、ダブルで互いに補わせる効果を期待しております。


1.2.については異存ありません。3.についてはよく分かりません。

>ダブルウーファーを使う理由として、低音の再生限界を下げることもあります。直接効果というより、グライコで低域を増強しやすいと言うことです。従って、低域入力を増大させても「歪まない」ものでなければならず、f0も低くなければならない。40Hzくらいではダメ、30Hz以下が必要です。

これも異存はないですが、NJさんはご自分のシステムのf特を実測されたんですか? 実測されたとしたら、この図のように定義して、例えば30Hz でどの程度落ちていますか?

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/subwoofersusume.html

>ところで、最近のハイエンドと称するスピーカーは大概ダブルウーファーになっているようです。それも10"とか8"とか、比較的小口径のもの。これはもっといじましい理由と見ております。つまり、小型化です。ハコを小さくして、スペースを取らないようにしようというのだと思いますが、ウーファー一台ではさすがに音圧がとれないので2台にしているのではないか。

これもNJさんの持論ですね。そうかもしれませんが、アンプの出力に頼るなら必ずしも大きな箱を必要としない技術は色々開発されているようですよ。

ダブルウーファーか大口径シングルか?   Top へ

以下はダブルウーファーそのものに話でなく、振動板の面積が2個合わせたのと同じ大きさを持つ大口径シングルウーファーとの低音再生能力優劣についての議論です。

この議論を理解するためダイナミックスピーカーの低音再生能力を決める要因について復習しておきます。簡単のため、無限大バッフルを使った場合についてです。

まず、低音再生能力の下限は振動板の共振周波数f0 で決まります。f0は振動板が重いほど、また、エッジやダンパーのコンプライアンス(柔らかさ)が大きいほど低くなります。

音圧放射能力は振動板の半径の4乗に比例するので大口径ほど有利になります。

そのため、低音再生限は口径が大きいほど低くなるわけではありませんが、小口径ウーファーでは、同じ音圧を得るために振幅を大きくする必要があるので歪みが発生しやすくなります。逆に、大口径の場合は分割振動によるf特の乱れなどが生じやすくなります。

Re: Re2 訂正 投稿者:NJ 投稿日:2009年 3月 4日(水)19時34分16秒  
志賀さん

・・・・
話が別の方向へ行きますが、スピーカーが違うことも考えに入れた上で、例えば10"のダブルウーファーと15"一発を比べると、振動板面積はおおむね同じでも低域再生能力は15"一発の方が優れているように思います。

大口径は自然とf0が低くなるが、口径の小さいものをf0を下げようとすると振動板が重くなって能率が下がるのみならず、中口径ウーファーの利点である中音域の再生能力が悪化し、これをコンペンセートしようと磁束密度を上げると能率は上がりますが、同時にf0があがり、中音域の再生能力は悪くなりっぱなしというイタチゴッコ。

また、大口径の方が振動板やボイスコイルは重くなるでしょうが、磁束密度が同じとしても総磁束数は大口径の方が俄然大きい。従って「振動によりボイスコイルが切る磁束数の変化」すなわち逆起電力は大口径の方が大きいと言えるでしょう。小口径のウーファーで磁気回路とボイスコイルだけバカでかいものもあるようですが、そんなことをするくらいなら大口径にした方が良いと思います。

また、空気負荷も大口径の方が良く掛かる。欠点は大口径の方はハコの容積が大きくなることですが、それさえ問題なければ大口径一発の方が良いと思っています。

Re3 訂正 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 4日(水)20時47分3秒  
NJ さん

しかし、実際のデータを見ると必ずしもそうはいえないようですよ。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/subwoofersusume.html

>大口径は自然とf0が低くなるが、

「自然と」というのはどういう意味でしょう? 結局振動板が重いからではないですか?

>口径の小さいものをf0を下げようとすると振動板が重くなって能率が下がるのみならず、中口径ウーファーの利点である中音域の再生能力が悪化し、これをコンペンセートしようと磁束密度を上げると能率は上がりますが、同時にf0があがり、中音域の再生能力は悪くなりっぱなしというイタチゴッコ。

大口径では分割振動の面で不利という面もありますよ。

>また、大口径の方が振動板やボイスコイルは重くなるでしょうが、磁束密度が同じとしても総磁束数は大口径の方が俄然大きい。従って「振動によりボイスコイルが切る磁束数の変化」すなわち逆起電力は大口径の方が大きいと言えるでしょう。小口径のウーファーで磁気回路とボイスコイルだけバカでかいものもあるようですが、そんなことをするくらいなら大口径にした方が良いと思います。

そうでしょうか? 逆起電力が大きいと言うことは、制動力が大きいということになりますが、全く同じ理由で駆動力も大きくなる、従って振動振幅も大きくなるわけで、制動力だけ考えるのは片手落ちのような気がしますが?

>また、空気負荷も大口径の方が良く掛かる。欠点は大口径の方はハコの容積が大きくなることですが、それさえ問題なければ大口径一発の方が良いと思っています。

放射インピーダンスのことですね。これは総面積が同じなら1発大口径の方が有利のようですね。私も、低音再生に関しては、1発大口径の方が有利だと思いますが、そのウーファーが人間の声の音域もカバーしている場合などちょっと不自然に聴こえることがあるように思います。もっとも、これは私の主観であり議論するような問題ではないですが。

Re: Re: ダブルウーファーを使う理由 投稿者:NJ 投稿日:2009年 3月 4日(水)21時24分15秒  
志賀さん

> NJさんはご自分のシステムのf特を実測されたんですか? 実測されたとしたら、例えば30Hz でどの程度落ちていますか?<

軸上1m地点では定在波28Hzの腹にあたってL、R共モロに影響され、聴取位置でも谷が見られますがそれでも平均レベルのなんと数dB落ち(L:-6dB、R:-8dB)です。十分グライコの調整範囲ですが、無響室でないので、測定結果にはどうしても定在波の影響があり、正確は期しがたいですが。この時は(2005年8月)まだ定在波が大手を振って跋扈している状態で、28Hz(部屋の前後壁間)、50Hz(天井・床間)前後の定在波に手を焼きました。一応ピンクノイズですが、ワーブルトーンが良いとの意見もあり、考慮中です。

> アンプの出力に頼るなら必ずしも大きな箱を必要としない技術は色々開発されているようですよ。

そうでしょうが、小口径はどうしても歪率で不利なのでは?それより、今資料が見あたりませんので記憶だけで申しますが、英国の某社では(たしかモニターオーディオだったか)大口径でもハコを1/2に出来る技術が有るそうで、活性炭をハコに封入した密閉箱だそうですが、ペアで2000万円だそうです。

また、サブウーファーも考えたのですが(形式名は忘れましたが、ビクターの12"だったかで、モーショナルフィードバック、アンプ付きを採用寸前でした)、アルテックに決めたこと(515B・・・・f0=25Hz・・・・ダブルなら30Hzは期待できると思い)と、サブウーファーの置き場所に迷って、サブウーファーは無しとしました。

まあ、ピアノの最低音が何とか出ればよい、オルガンの最低音は出なくても倍音が出れば良い、と考え、40Hzまでフラット(DBの最低音は完全に)、30Hzは出てくれればそれに超したことはない、程度に考えました(2003年頃のメモにそう書いてありました。)。

>>大体バーチカルに配列して指向性が悪化する遙か手前でクロスオーバーしているようです。

> これはどういう意味でしょう? 横に並べると干渉により指向性が悪化しますが縦だとシングルとあまり変わらないのでは?<

 タテ配列のウーファーの、ヨコ方向でなくタテ方向の指向性のことを申しております。タテでも輻射軸から上下すると相互干渉します。低周波では無視できますが高周波ではモロに指向性が出ます。タテに並べたウーファーの間隔と、聴取位置(距離、輻射軸からの角度)によって何Hz位から指向性が現れるか計算できると思います。大概のダブルウーファーはおよそ数百Hzでスコーカーに繋いでいるので、影響は避けられると思いますが、8"クラスのウーファーの場合数百Hzのクロスでは勿体ないとも言えます。

Re: Re3 訂正 投稿者:NJ 投稿日:2009年 3月 4日(水)22時48分52秒  
志賀さん

>>話が別の方向へ行きますが、スピーカーが違うことも考えに入れた上で、例えば10"のダブルウーファーと15"一発を比べると、振動板面積はおおむね同じでも低域再生能力は15"一発の方が優れているように思います。

> しかし、実際のデータを見ると必ずしもそうはいえないようですよ。

 このデータを見て、BWは確かに良い。だが、私は実際に試聴して、低域がまるで密閉箱のようだと感じ、また最大音量はどうだろうと二の足を踏んだのと、使い慣れたアルテックなら確実に120dB-1mが可能と見たからです。BWもフロント、センター、サラウンド全部に使えば120dB近くにはなるでしょうが、お値段が大変です。

JBはもともと以前からあの様なスピーカーで、低域を頑張ったものは音が重く、能率の良いものは低域の出ないスピーカーと理解しています。なにせ15"にしてはハコが小さすぎます。おまけにJBは私の経験ではスコーカーがダメでした。それ以来信頼しておりません。

サブウーファーについては、別信に書きましたように、採用しようかと考えましたが、アルテックに決めたので止めました。BWにしていたら、間違いなく採用したでしょう。

>>大口径は自然とf0が低くなるが、・・・

>「自然と」というのはどういう意味でしょう? 結局振動板が重いからではないですか?

 そう言うことです。

> 大口径では分割振動の面で不利という面もありますよ。

その点が唯一気になるところです。まあ、クロスオーバーを下げて極力それを避けようとしております。カットオフ300Hzのホーンを使ってクロス300Hzでテストしました。スコーカドライバが500Hz以上というスペックでしたが、48dB/octで300Hzクロスで何も問題有りませんでした。ただ、ウーファーにホーンロードを掛けているので、今は400〜500Hzクロス24dB/octのLRフィルタでやっています。

分割振動については、個々のもの、例えば振動板の材質とか、具体的製品を比較しないと議論にならないですね。今の段階では、私のお呼びなのは大口径、小口径はお呼びじゃない、と言うことかも。

>>また、空気負荷も大口径の方が良く掛かる。欠点は大口径の方はハコの容積が大きくなることですが、それさえ問題なければ大口径一発の方が良いと思っています。

> 放射インピーダンスのことですね。これは総面積が同じなら1発大口径の方が有利のようですね。私も、低音再生に関しては、1発大口径の方が有利だと思いますが、そのウーファーが人間の声の音域もカバーしている場合などちょっと不自然に聴こえることがあるように思います。もっとも、これは私の主観であり議論するような問題ではないですが。<

志賀さんだけでなく、かつて15"ウーファー全盛時代(1970年代)からの古いオーディオファンの共通認識と思います。ただ、アルテックはフロントホーンが効いているのか、他のものより軽やかに感じられますが、これも主観です。但し賛成者は多いですが。

当時、3Dと称してウーファーに10"、12"とかを使い、500〜800くらいでスコーカーに繋ぐ。そして100Hz以下くらいをサブウーファーを1CHとして80cmのを使う人がいました。これなら低域から中域にかけての問題は無くなるでしょうが、当時のフィルタは12〜18dB/octで、これでは超低域のスピーカーを切りきれない。よって私はこの方式は採用しませんでした。今では、デジタルチャンデバで48dB/octくらい簡単ですので、やっておけば良かったと思っております。いまは80cmウーファーの入手は殆ど不可能のようです。

Re: RE3 バーチカルツイン 投稿者:EV 投稿日:2009年 3月 7日(土)15時23分18秒 NJ さん

>ところで、バーチカルツインにお詳しいようなので、理論的な解明をした資料(例えば電子通信学会誌など)等、ご存知ならお教え頂けませんか。

" バーチカルツイン”という用語についてはパンフレットなどで見た限りですので皆様と同じ知識しか有りません。

単体ウーハーBoxを並べて同時駆動すると低域が伸びるかどうかについては、俗に言うPA屋なので違う場所で何度もピンクノイズで周波数測定しました(片側2〜6本)が、画期的に拡大するとは思いませんでした。(伸びても1/3Oct以下だったのでしょう)
測定資料はその都度破棄しているので手元にはありません。

>プロ用途では、単にダブルウーファーとするだけでなく、PA用などモニター用を除けばある周波数以上にはホーンロードを掛ける形式が一般的で、例えばJBL、EVまたかつてのアルテックやVITAVOXなどはこの形式が多かった。拙宅のフロントシステムはアルテックA-4で、ダブルウーファーを100Hz以下バスレフ、100Hz以上フロントショートホーンのコンビネーションエンクロージャーに入れたものです。

PA 用というか、映画用ですね。それを家庭用にも販売していました。ALTEC の 210(A4のウーハー) や 817 も使ったことがあります。古い設計の箱で JBL の 4560 や 4550 と同様厳密な設計をされていないのと箱の振動が独特の音色に繋がっていると思います。515 や 2220 等の軽いコーン紙とギャザーエッジ(高いf0で高能率)タイプには合っていたのではないでしょうか。

Re: スピーカーあれこれ 投稿者:EV 投稿日:2009年 3月 7日(土)17時25分37秒 NJ さん

>いまは80cmウーファーの入手は殆ど不可能のようです。

Fostex の FW800HS はまだ販売してそうです。

http://www.fostex.jp/p/FW/

音量測定     Top へ

質問です 投稿者:HD 投稿日:2009年 3月 5日(木)13時04分21秒    
NJ さん:

>また最大音量はどうだろうと二の足を踏んだのと、使い慣れたアルテックなら確実に120dB-1mが可能と見たからです。BWもフロント、センター、サラウンド全部に使えば120dB近くにはなるでしょうが、お値段が大変です。

120dBと言うのはピークとしても随分大音量だと思うのですが、どのように測定されて居られるのでしょうか?

下の説明でも良く判らないのですが、普通の騒音計(Aカーブ、Cカーブ?)だと94dBがピーク109dB相当と書いてありますが。

http://web.archive.org/web/20090330160521/http://www.netlaputa.ne.jp/~cadeau/audio33.htm

Re: 質問です 投稿者:NJ 投稿日:2009年 3月 5日(木)14時37分40秒  
HDさん

> 120dBと言うのはピークとしても随分大音量だと思うのですが、どのように測定されて居られるのでしょうか?<

先ず、前提から申し上げますと、私は主としてクラシック音楽の後期ロマン派、ワグナー、ブルックナー、ブラームス、R・シュトラウスなどを聴きますが、演奏会から帰って我が家でCDなどを聴くときも同等の感興に浸れるような装置にしたいと考えました。
 人間の耳は、等ラウドネス特性があって、音量が下がると低域高域の音量感がはなはだ低下します。色々やってみて、実演同等の音量で聴くしかないと考え、そのようなことが可能な装置にしたいと考えました。

そこで、(1)聴取位置ではフルオーケストラのピーク音量はどの位か。(2)それを得るためには、どの位の音響エネルギを放射する必要があるかが問題となります。

(1)聴取位置ではフルオーケストラのピーク音量はどの位か

 聴取位置で110数dB(SPL)。出典:ハイファイスピーカ(NJ平太郎著)

(2)それを得るためには、どの位の音響エネルギを放射する必要があるか

同書で、スピーカー前面1mのSPLから聴取位置までの音量の減衰量を求めるチャートがあり、スピーカーから聴取位置までの距離4m、残響は普通として求めると、音量の減衰量は8dB位になります。従って、片チャンネルだけで最大音量を放射する可能性もあるので、聴取位置での必要SPL110数dBに8dBを加え、約120dB(SPL)/1mとしました。従って、120dB(SPL)は、計算値であって実測はしておりません。

なお、これだけの音圧を放出できるスピーカーはコンシューマー用途のものではごく僅か、ホーン型のものに限られそうです。Avantgardeのトップモデルなどですが、非常に高価なので、従来より手持ちのパーツを生かし、エンクロージャーを新製してアルテックA-4としました。

完成後の実測では、聴取位置で最大108dB(ワグナー:パルジファル第二幕前奏曲=DVD-VIDEO・OPUS ARTE OA 0915 D)を計測しております。(MJ誌2006年3月号「音響空間クリニック」に掲載)この時プリのマスターコントロールは十分余裕があり、スピーカーへの入力も数ワット程度でした。

音圧レベル 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 6日(金)19時43分56秒  
NJ さん、HD さん

音圧レベルの話が出ていますが、NJ平太郎氏は別の本でこんなデータを出しています。

http://shigaarch.web.fc2.com/dynamicrange.html

左端は実演の音圧レベルで絶対値だろうと思います。右端は再生装置のダイナミックレンジですが、スピーカーから出しうる音圧はアンプのパワーを上げれば大きく出来るので、尋常ならざる大音量だとは思いますが、リスニングポジションで110dB もあり得るでしょうね。Altec のA-4 なら109dB/W・m と大変な高能率スピーカーシステムなので数W入れれば2m離れていても110dB を出すのは十分可能ですね。

Re: 音圧レベル 投稿者:NJ 投稿日:2009年 3月 6日(金)20時50分18秒  
志賀さん

これはなかなか良いデータですね。実は、CDの時代は「実演大の音量」は諦めていました。Dレンジが小さかったからで、肝心のff時にコンプレッションが掛かって、迫真力が不足で、やっても良い結果が望めないと思ったからです。
 ソフトがSACD、DVD-Audioになってから、むらむらとヤル気が起こり、一瀉千里にアルテックA-4になったわけです。SACDなどがDレンジを本当に120dBくらいでソフトを造ってくれていれば、そのことが一番「実演さながらの録音」に寄与していると思います。

> Altec のA-4 なら109dB/W・m と大変な高能率スピーカーシステムなので数W入れれば2m離れていても110dB を出すのは十分可能ですね。

私のはウーファーが後期型で、109dB/1w.1mはキツイようで、3dB程下がります。聴取位置で108dBを記録したときは、入力数ワット、まだまだスピーカ、アンプともたっぷり余裕がありました。ただ、思いの外部屋がライブだったようで、データ上は吸音率0.33とむしろデッド気味なのに、一寸不思議に思いました。

A-4で、一番神経を使ったのは部屋の遮音ですが、偶々家全体の内装などのリフォームを計画しており、音響工事を同時に施工して貰いましたので費用は案外掛かりませんでした。

大変だったのはA-4エンクロジャーの搬入で、部屋が二階洋室のため階段からは入らず(ドアの幅よりハコの幅が大きい)、搬入できなければA-4は諦めざるを得ないという事態も予想され、ハコの製作者とも相談を重ね、運搬をピアノ運送店にお願いすることとしてピアノ運送店に搬入の方法を検討するため下見に来て頂き、大丈夫でしょうというのでハコの制作を開始したほどです。運搬はクレーン車を道路に止め、電話線と庭木の上を越えてブームをいっぱいに伸ばして二階ベランダから搬入するという、一寸した「みもの」でした。

スピーカの選択は結局好みの問題    Top へ

これは、ちょっと以前の投稿ですが、話題を変えるために再録しておきます。

Re2: Re3 並列と直列 投稿者:志賀 投稿日:2009年 2月20日(金)05時47分21秒   NJ さん

・・・・・・・・・・・・・・・・

>そもそも、私ならバーチカルツインに限らず小口径のダブルウーファーより大口径の一発の方(大口径二発ならなお良い)を選びます。小口径のダブルウーファーはハコを小さくすること、ウーファーを高域まで引っ張ること等が狙いと言って良いでしょう。まあ、近年大口径ウーファーの優秀品が見られなくなったことも原因でしょうが、なんかみみっちいように思います。また、余談ですが、そういったことも私がB&WよりAvantgardeを評価する理由の一つとなっております

ここら辺りはNJさんの持論ですね。私はスピーカが音質の決め手だと思いますが、ある程度のグレード以上になれば後は好みの問題だと思っています。BBSではないですが以前メールでやりとりしたQUADのコンデンサースピーカの愛好者で、主に室内楽を聴いておられる方を知っているんですが、この方は、維持が大変でオーバーホールも高く付くがコンデンサースピーカーでないととても聴く気になれないといっておられました。コンデンサースピーカーの超低歪み率を考えても、私が以前コンデンサートゥイターを使っていた経験からも、迫力ある低音が必要ないなら、大いにうなずける話だと思っています。おそらく、NJさん推薦のホーンスピーカーなどハイエンドタイプといえども中音域の歪みの大きさから、この方ならさてどういわれるでしょう?

参考のためもう一度、それらの歪み率を含めたf特のページをリンクしておきます。

http://shigaarch.web.fc2.com/electrostaticSP.html

以下が、今回のやりとりの記録です。

スピーカーあれこれ 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 6日(金)11時01分34秒 NJ さん

だいぶ話が煮詰まってきましたね。以前にも議論したことですが(ここにその部分をまとめています)

http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/80feelingCriticismMaker.html

十分承知しておられるとは思いますが、もう一度議論の方法論に立ち返ってみましょう。

まず技術論をする場合は、それに対応する定量的な理論を示すか、それが無理なときはデータを示すことが基本だと思います。主観は、参考にはなりますが、論拠にはなりません。

このことを念頭に、これまで答えてなかったいくつかの点にコメントします。


>口径の小さいものをf0を下げようとすると振動板が重くなって能率が下がるのみならず、中口径ウーファーの利点である中音域の再生能力が悪化し、これをコンペンセートしようと磁束密度を上げると能率は上がりますが、同時にf0があがり、中音域の再生能力は悪くなりっぱなしというイタチゴッコ。

中高域の再生能力とは何のことでしょう?能率とは別のファクターですか?

磁束密度はf0には直接効いてこないと思いますよ。振動板の重さと、ダンパー・エッジのコンプライアンスだけで決まるはずです。ただ、Q値には関係するので、f特の見かけのピークには少し影響するでしょうが。

>いまは80cmウーファーの入手は殆ど不可能のようです。

超大口径サブウーファーは、いろんな意味で実際的でなく、作られないんでしょうね、現在ではデジタルアンプなど大出力アンプが容易に得られるので、いわゆるアクティブサブウーファーに取って代わられたんだと思います。

以下はもう一つ前の投稿についてです。

>まあ、ピアノの最低音が何とか出ればよい、オルガンの最低音は出なくても倍音が出れば良い、と考え、40Hzまでフラット(DBの最低音は完全に)、30Hzは出てくれればそれに超したことはない、程度に考えました(2003年頃のメモにそう書いてありました。)。

低音楽器のスペクトルは以前に議論したことがあります。その時話題になった楽器のスペクトルは

http://shigaarch.web.fc2.com/6607PianoC0.html

にまとめてあります。ピアノの最低音は元々基音がほとんど出ていないようです。それに対しオルガンはサイン波に近く、もちろん基音成分が最大です。

>>>大体バーチカルに配列して指向性が悪化する遙か手前でクロスオーバーしているようです

>> これはどういう意味でしょう? 横に並べると干渉により指向性が悪化しますが縦だとシングルとあまり変わらないのでは?<

>タテ配列のウーファーの、ヨコ方向でなくタテ方向の指向性のことを申しております。タテでも輻射軸から上下すると相互干渉します。低周波では無視できますが高周波ではモロに指向性が出ます。タテに並べたウーファーの間隔と、聴取位置(距離、輻射軸からの角度)によって何Hz位から指向性が現れるか計算できると思います。

了解しました。確かに上下方向に無視できない指向性が生じますね。

>大概のダブルウーファーはおよそ数百Hzでスコーカーに繋いでいるので、影響は避けられると思いますが、8"クラスのウーファーの場合数百Hzのクロスでは勿体ないとも言えます。

勿体ないとはどういう意味でしょうか?

例のSS誌のデータを見ると、30cm以下のウーファーを使っている、いわゆるモダンタイプのスピーカーではダブルウーファー型でなくても、3way の場合、ウーファー・スコーカーのクロスオーバーはほとんど例外なく500Hz 以下のようですよ。つまり、干渉による指向性の問題で決めているのではないと言うことです。


Re: スピーカーあれこれ 投稿者:NJ 投稿日:2009年 3月 6日(金)14時30分53秒 志賀さん

なかなか楽しい議論でした。お陰様で新しい知識も増えましたし、私自身知識の再整理もできました。

>>口径の小さいものをf0を下げようとすると振動板が重くなって能率が下がるのみならず、中口径ウーファーの利点である中音域の再生能力が悪化し、これをコンペンセートしようと磁束密度を上げると能率は上がりますが、同時にf0があがり、中音域の再生能力は悪くなりっぱなしというイタチゴッコ。

> 中高域の再生能力とは何のことでしょう?能率とは別のファクターですか?<

文章がまずかったです。能率とは別の問題です。コーンを重くしてf0を下げるためには、S0を大きくするわけにはいかないので、当然ロングストロークにもなり、歪みの点で問題が有りませんか?まあ、ボイスコイルと磁気回路を適正に設計すれば避けられるとは思いますが。また、S0が元のままでM0が大きくなれば過渡特性が悪化するのでは?

>磁束密度はf0には直接効いてこないと思いますよ。振動板の重さと、ダンパー・エッジのコンプライアンスだけで決まるはずです。ただ、Q値には関係するので、f特の見かけのピークには少し影響するでしょうが。

失礼しました。S0をいじらなければスピーカー単体のf0は変わらず、Q0が上がります。ただ、実際のスピーカーでQ0が0.7にも上がるものは無いと思いますが、Q0が上がると低域再生限界が上がるのでは?また、ハコの容積を大きくしなければならないのでは?それではf0を下げて低域を広げよう、ハコを小さくしようとの意図はかなり妨げられます。それをイタチゴッコと表現しました。それでもそこそこの効果はあるでしょうけれども。

>>いまは80cmウーファーの入手は殆ど不可能のようです。

>超大口径サブウーファーは、いろんな意味で実際的でなく、作られないんでしょうね、現在ではデジタルアンプなど大出力アンプが容易に得られるので、いわゆるアクティブサブウーファーに取って代わられたんだと思います。<

そうでしょう。私もA-5導入当時、EVの30Wか、フォステックスを入れようかと検討しましたが、800リッターのハコに恐れをなし、また当時フィルタはせいぜい18dB/octで、100Hz位でクロスでは中域までウーファーが被ってくる、切りきれないと思い、止めました。今考えれば、それより遙かにデカいA-4を設置したり、デジタルフィルタを使ったりしているのだから、入れておけば良かった、と思ったのです。

ところで、アクティブサブウーファーの良さそうなものを見つけました。歪みが少ないです。ドイツのHECOというメーカーの38cmのもの。しかし現在は日本での取り扱い商社は無いようです。

>まあ、ピアノの最低音が何とか出ればよい、オルガンの最低音は出なくても倍音が出れば良い、と考え、40Hzまでフラット(DBの最低音は完全に)、30Hzは出てくれればそれに超したことはない、程度に考えました(2003年頃のメモにそう書いてありました。)。

> 低音楽器のスペクトルは以前に議論したことがあります。ピアノの最低音は元々基音がほとんど出ていないようです。それに対しオルガンはサイン波に近く、もちろん基音成分が最大です。

よく分かりました。しかしこれは5〜6年前、SACDマルチ導入に当たってスピーカーを何にしようか検討中に考えた事です。当時、あまり資料もなく、唯一NJ平太郎氏の著作のデータを参考に考えたことです。
 
それにしても、スピーカーのことのみでなく、部屋の問題とか、遮音とか色々考え合わせると、18Hzはどうやっても無理ですよね。

>>大概のダブルウーファーはおよそ数百Hzでスコーカーに繋いでいるので、影響は避けられると思いますが、8"クラスのウーファーの場合数百Hzのクロスでは勿体ないとも言えます。

> 勿体ないとはどういう意味でしょうか?<

私は完成したスピーカーを買うのでなく、楽しみながら自分で組み立てます。以前のA-5もハコ、ユニットをバラで購入し、ネットワークでなくマルチアンプ方式とし、自分で調整しました。そう言う目で見ると、20cmは1000Hz位までは十分使えるのに、300Hzくらいでクロスではユニット数が多くなって勿体ない、と言うことです。多分、現在のものは小口径であっても高域を犠牲にして低域を重視した設計であるが故ではないですか。
 それと、このようにして分割数が多くなってユニットが増えると不経済だし、その上ネットワークがバカにならず、マルチアンプをやろうとするとレベル調整だけでも大変です。まあ、私にとっては3WAYくらいがせいぜいです。

> 例のSS誌のデータを見ると、30cm以下のウーファーを使っている、いわゆるモダンタイプのスピーカーではダブルウーファー型でなくても、3way の場合、ウーファー・スコーカーのクロスオーバーはほとんど例外なく500Hz 以下のようですよ。つまり、干渉による指向性の問題で決めているのではないと言うことです。<

それはそうでしょう。38cmシングルウーファーでも、JBLの4343位からかなあ、そう言う傾向は有りますねえ。小口径ウーファーでも、低域の特性を重視し、口径の割にf0を低く、ストロークを大きくし、かつ振動板の剛性を強化したものは、どうしても振動板が重くなるし、またスコーカにも優秀なものが有ると思いますから、まさかウーファーを1kHzや2kHzまでは使いますまい。それで(従来の考えで言えば2kHzくらいまでは十分使える筈の小口径)ツインウーファーでも結果的に指向性の問題は気にしなくて良い、と言うことでしょう。

分割数が多くなると、問題はネットワークでしょう。LPFとHPFを単純にクロス周波数で設計しても必ずしもうまくない。12dB/octだと切りきれない虞があるなど、難しいと思います。メーカーはこれを上手くまとまている様ですが。

Re2: スピーカーあれこれ 投稿者:志賀 投稿日:2009年 3月 6日(金)16時41分44秒 NJ さん

>なかなか楽しい議論でした。お陰様で新しい知識も増えましたし、私自身知識の再整理もできました。

そうですね。私もだいぶ勉強させてもらいました。

>> 中高域の再生能力とは何のことでしょう?能率とは別のファクターですか?

>文章がまずかったです。能率とは別の問題です。コーンを重くしてf0を下げるためには、S0を大きくするわけにはいかないので、当然ロングストロークにもなり、歪みの点で問題が有りませんか?まあ、ボイスコイルと磁気回路を適正に設計すれば避けられるとは思いますが。また、S0が元のままでM0が大きくなれば過渡特性が悪化するのでは?

それはそうですね。スピーカーメーカーが最も苦労するところだと思います。最後に書きますが私は別の解答を用意しています。

>ところで、アクティブサブウーファーの良さそうなものを見つけました。歪みが少ないです。ドイツのHECOというメーカーの38cmのもの。しかし現在は日本での取り扱い商社は無いようです。

http://www.hometheatershack.com/forums/subwoofer-tests/985-heco-celan-sub-38-a.html

これですね。確かになかなかいい性能ですね。しかし、容易に手に入る日本製も

http://www.hometheatershack.com/forums/subwoofer-tests/8145-yamaha-yst-sw1500-new.html

も決して見劣りしませんよ。

なお、その他のサブウーファーの性能も


http://www.hometheatershack.com/forums/subwoofer-tests/6015-index-subwoofer-tests-manufacturer-model.html

ここで見られます。

そろそろまとめなのですが、はじめの頃言ったようにスピーカーの選択は結局好みの問題だと思っています。NJさんの好みは十分承知しており、それを満たすための選択としてAltec の A-4 を採られたということはよく分かります。

もうお気づきだと思いますが、私の好みは少し異なります。室内楽や独奏もよく聴くので音量は我慢しても、弦楽器や人の音声をリアルかつクリアに再現してくれるシステムを優先します。そのためにはやはり歪み率が小さく、出来れば 全域でTHDを1% 以下に抑えたいものです。周波数特性も重要で、特に低音は、クラシックで重要な役割を果たす低音楽器をリアルに再現するために30Hz くらいまでフラットに再生したいものです。

しかし、このような注文を満たしてくれるスピーカーシステムはまずないでしょう。そこで、私の提案しているのは、1つのシステムで全域をカバーするのは始めからあきらめ、60Hzくらいより下の低音はサブウーファーに受け持ってもらうことです。そう割り切るとそれほどお金をかけずに十分要求を満たしてくれるシステムは色々見つかります。 少し以前、MKさんもいっておられました。(投稿日:2009年 3月 4日(水)10時45分22秒)

高域の方は、最近のスピーカーシステムはほとんど過剰性能なので気にする必要はありません。

ちなみに、私の機器の選択のプリンシプルは


http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/09watch.html

こんなところです。

Topへ

inserted by FC2 system