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ヘッドフォンあれこれ

最近ヘッドフォンのリケーブルなるものが流行っているそうである。「オーディオの科学」スピーカーケーブル編に書いたように、たかだか数メートルのケーブルを変えたところで、心理効果を除けば、音質が変化するはずはない。それどころか、特に高純度銅を使った製品などは機械的強度が弱く、ヘッドフォンケーブルで最もトラブルの起こりやすい断線を起こしやすい。つまり、むしろ弊害がある。それにもかかわらずこんなものが流行るとは、メーカー、評論家、ユーザーが一体となったオーディオ界の似非科学ぶりを如実に示す愚行である。

ただし、投稿者自身は必ずしも肯定的に捉えておられるわけではなさそうです。

後半に関連事項として静電型ヘッドフォンの話題を掲載しておく

ヘッドホンのリケーブル 投稿者:KAZ 投稿日:2008年12月16日(火)08時43分1秒  

こちらのBBSでは科学的にみてスピーカーケーブルによる音質の変化は極めて小さい(知覚できるほど変化しない)、というご意見が多いように思います.近年ヘッドホンのリケーブルが認知されているように思いますがヘッドホンでも同様にリケーブルの効果は小さい(無い)のでしょうか?(物理的にみて)こちらの方々のご意見をお聞かせ願えれば幸いです.

ちなみに自分はリケーブルの経験なく今回手持ちのヘッドホンでリケーブルしようか考えているところです.

Re ヘッドホンのリケーブル 投稿者:志賀 投稿日:2008年12月16日(火)10時05分30秒     
KAZ さん

その必要は全くありません。

ヘッドフォンケーブルで注意すべきことは(1)断線しにくいこと、(2)ジャックがしっかりしていることくらいです。

もし、ヘッドフォンケーブルが高純度無酸素銅を使っているなど宣伝しているとしたら害あって益無しです。なぜなら高純度銅は機械的に弱くヘッドフォンケーブルのように絶えず折り曲げたりするところに使うと断線しやすいからです。


Re: Re ヘッドホンのリケーブル 投稿者:KAZ 投稿日:2008年12月17日(水)21時17分26秒  
志賀さん

ヘッドフォンのリケーブルでは音質は変化しないと捉えてよろしいでしょうか?巷では例えばUE10proなどはケーブルがよくないのでより良い(といわれている)ものに替えることで音質向上が認められるなどといわれています.こういったことはプラセボーということなのでしょうか?

Re2 ヘッドホンのリケーブル 投稿者:志賀 投稿日:2008年12月18日(木)20時22分15秒  
KAZ さん

はい。一言でいえばそういうことです。これについては最近も議論しています。

http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/68blindtest.html

ここの冒頭の私のコメント(茶色文字)とリンク先を読んで下さい。

一つ付け加えますと、UE10pro というのは密閉型のイアフォンですね。もし携帯ブレ-ヤーで使われるなら間違っても高純度OFC銅などとうたっているケーブルは避けて下さい。大変断線しやすいですよ。私自身イアフォンケーブルの断線には悩まされています。

Re: Re2 ヘッドホンのリケーブル 投稿者:KAZ 投稿日:2008年12月20日(土)11時37分38秒  
志賀さん

大変参考になるリンクありがとうございます.納得いたしました.

ヘッドホンリケーブルの投稿を見て 投稿者:NMD  投稿日:2008年12月26日(金)18時39分7秒  

 最近、よくヘッドホンで音楽を聴いております。以前はスピーカーを使っていたのですが、あまり音量を上げられる環境でないことや、ルーム・アコースティックまで整えられる資金が無い事から(まだ学生なもので)ヘッドホンに移行しました。

 志賀さんのヘッドホンリケーブルに対する返答を見ると、リケーブルは意味が無いという結論をお持ちになっているように僕は解釈しています。僕も、線材が変わっても音に変化は無いだろうとは思っているのですが(オーグ○インという、何故か合金を使っているケーブルは知りませんが。まぁ、変わりはするのかな?制動が利かなくなる方向に。)、太さによってはどうなのでしょう?今僕が使っているヘッドホンHD650のケーブルの線材は、ものすごく細いのです(どこだったかのサイトでケーブル内の線材を見たのですが、髪の毛にメッキしたのかよ、と言いたくなりました)。僕が、このヘッドホン用のグレードアップケーブルをとある店で見た感じだと(Cardasでした)、純正のものよりかなり太いものでした。価格をとりあえず無視すれば、効果自体はあるんじゃないのかなぁ、と思ったのですがどうでしょう?なにせ、ヘッドホンはスピーカーと比べてかなりの低入力で済むので、よく分からないのです。ご意見いただければ幸いです

Re: ヘッドホンリケーブルの投稿を見て 投稿者:KZN 投稿日:2008年12月26日(金)21時39分53秒     
NMD さん

>太さによってはどうなのでしょう?今僕が使っているヘッドホンHD650のケーブルの線材は、ものすごく細いのです。価格をとりあえず無視すれば、効果自体はあるんじゃないのかなぁ、と思ったのですがどうでしょう?

可聴域ではケーブルの太さによる違いは抵抗値が異なるということを意味します。動作原理的には動電型ヘッドホンはスピーカーと同じくDF値がその挙動に影響を与えます。しかし、以下の理由によりその効果は無視できます。

・ヘッドフォンの入力インピーダンスは数十Ω〜600Ω程度と、8Ωが基本のスピーカーに対してはるかに大きく、更にヘッドホンアンプの出力インピーダンスが1〜100Ωくらいあるため、ケーブル変更により仮に0.1Ωの差があったとしても(この見積もりは相当大きい)合計のインピーダンス値は0.1%程度しか変化しません。ヘッドフォンアンプのインピーダンスの差の方がずっと大きく、ケーブルの差は誤差の範囲です。

・制動はDFだけでなく空気とエッジダンパーによる機械的抵抗の影響を受けます。
ヘッドホンドライバの重量は数gしかなく、スピーカー用ウーファーに比べてはるかに制動が効きます。機械抵抗だけでもほぼ十分なので、そもそもDFの違いが見えるか自体が疑問です。もしDFによる違いが見えるとすれば、ドライバが極端に重いかあるいはインピーダンスが低い場合でしょう。

お使いのHD650は300Ωとかなり大きめの入力インピーダンスですので、ケーブルを太くしても意味がありません。

ヘッドフォン用のケーブルは断線に強いこと、適切なシールド処理が施されていること、プラグの性能が重要です。その意味では、断線時に容易にケーブルを交換できる構造のHD650は合理的な設計と言えます。

細いケーブルは心情的に頼りなく見えるものです。社外品の交換用ケーブルが太くしてあるのは、見た目の心理的効果以外では断線に強い可能性はあるかもしれません。しかしこれは音質とは関係ないことです。

抵抗値以外でケーブルの太さが問題になると考えているようなら、どのような理由か教えてください。

>なにせ、ヘッドホンはスピーカーと比べてかなりの低入力で済むので、よく分からないのです。

なぜ低入力ならわからないのですか?

Re2: ヘッドホンリケーブルの投稿を見て 投稿者:志賀 投稿日:2008年12月26日(金)21時56分45秒  
NMD  さん

私の答えもKZNさんと同じです。特に付け加えるところはありませんが、ともかく機械的強度を最優先して考えるべきだと思います。その意味で、導線材料としてはタフピッチ銅が最適です。


ヘッドフォンのインピーダンス特性 投稿者:志賀 投稿日:2008年12月27日(土)22時25分48秒  
NMD さん、KZN さん、

この所ヘッドフォンの話題が続いたので制動特性について調べてみました。


http://www.stereophile.com/features/808head/index3.html

このページのFig.7に中級ダイナミック型ヘッドフォン4種のインピーダンス特性が載っています。オレンジ色の曲線はAKG K530 という製品でこれのみインピーダンス特性がスピーカーに類似しておりf0ではっきりしたピークがあります。この場合は電磁制動を効かす必要があるように思います。他の3つはほとんどインピーダンスピークがなく機械的に十分制動されているようです。

いずれの場合もインピーダンスの絶対値は30Ω以上で、ケーブルを変えても特性に影響を与えそうにないことはKZN さんのレスの通りです。

Re: ヘッドフォンのインピーダンス特性 投稿者:KZN 投稿日:2008年12月29日(月)09時06分52秒  
志賀さん
>
> このページのFig.7に中級ダイナミック型ヘッドフォン4種のインピーダンス特性が載っています。

Fig.7はアンプの出力インピーダンスが0Ω付近のときの結果のようなので、うっかり100Ωくらいのアンプを使うとそれなりに変化が見られるかもしれません。色々な導電型ヘッドフォンを使う可能性があるなら、ヘッドフォンアンプの出力インピーダンスも10Ω以下くらいを目安にしたほうがよさそうです。

オレンジ線のAKG K530は、少し調べてみると感度89dB/1mWとヘッドフォンとしては結構低能率です。振動系質量がかなり大きめのように思われます。

貴重なご意見、有難うございます。 投稿者:NMD  投稿日:2008年12月30日(火)17時58分59秒  
>KZNさん

 細かな説明、どうも有り難うございます。僕が音質変化の要因として考えていたのは、もちろん抵抗値のことです。その観点からも、ケーブルの差異は誤差の範囲内ですか。やはりヘッドホンはスピーカー以上に、音を変えたいならヘッドホンそのものを買い替えるしかないようですね。あと、「なにせ、ヘッドホンはスピーカーと比べてかなりの低入力で済むので、よく分からないのです。」と言うのは、僕個人が、その辺がどのように音に影響するのか理解できないというだけで、一般的なことでは全くないです。KZNさんの返信を読ませて頂くまでは、「ケーブルのことだけ考えるなら、めっちゃ細いんだから制動悪くなるよな…。でも、そもそも駆動に必要な電力がスピーカーより明らかに小さいんだから、ケーブル何て関係ないのか?あ〜、なんかどっちなのかよく分からねぇ。」みたいに考えがごちゃごちゃしていたものでw ともかく、これですっきりしました。どうも有難うございました。

>志賀さん
 URLの紹介、どうも有難うございます。確かにK530だけ、インピーダンス値が大きく違いますね。特に100Hz付近。これはつまり、低音の制動が悪い、という事になるのですよね?僕はAKGって低音はタイトっていうイメージがあったので少し意外です。とても参考になりました。有難うございました。

Re 貴重なご意見、有難うございます 投稿者:志賀 投稿日:2008年12月30日(火)22時24分14秒  
NMD  さん

>特に100Hz付近。これはつまり、低音の制動が悪い、という事になるのですよね?僕はAKGって低音はタイトっていうイメージがあったので少し意外です。とても参考になりました。有難うございました。

ともいえますが、別の言い方では 100 Hz付近の低音が元気よく響くともいえます。つまり、例えばジャズのドラムなどが生き生きと聴こえるんではないでしょうか?

それに対し、この付近がよく制動されていて相対的に30〜40Hz 辺りの重低音まで伸びていると少し重い音と感じられるかもしれません。これはあくまで私の想像です。


以下は静電型ヘッドフォンと駆動アンプについての質疑応答です。ただ、きっかけとなった以下の投稿には「静電型」とあるのみでヘッドフォンの話であることが一言も断ってないため、最初の内はすれ違いが生じています。

(無題)  投稿者:SD 投稿日:2008年12月24日(水)02時57分58秒  

(オーディオの科学」内の)文章で訂正してもらいたいところの相談で書き込んでみました。

真空管の出力トランスにかんしてOTLと言う回路が真空管にはあります。アウトプット トランスフォーマー レス ですね。単語から分かるとおり、真空管には出力トランスを介さない回路も存在しまた、それらの回路が優れている点もあります。自分は静電型を使って音楽を聴いていますが、動作電圧が100Vオーバーで駆動されています。このSTAXと言うメーカーの製品は真空管ドライブで出力トランスを用いた製品は逆に存在しません。

また、ダンピングファクターをとりにくいとの話が載っていますが、これも訂正させてください。真空管ドライブのフラッグシップでなくとも10Hzで30000 100Hzで3000のダンピングファクターがあります。決して低い数値ではありません。また、歪特性に対しても優れた数値が出ています。静電型は逆起電力が発生しないので全く関係ないことではありますが・・・。安易にまとめてほしくありません。

高周波特性についてです。60kHzでも十分すぎるとの話ですが、これは高いほどに越したことはないと考えております。ページ内で取り上げられておられる10kHz方形波特性のグラフでも触れられている通り波形を正確にトレースするためには高いスルーレートが必要となります。スピーカーの特性諸元表に記載されている特性というのはSin波です。しかし、10kHz方形波は瞬間的に∞Hzの変動をして、ある定数まで移動しています。このことから、10kHzのSin波と方形波の差異をはっきり聞き分けられないものはスピーカーの特性として優れているとはいえないと思います。

Re (無題) 投稿者:志賀 投稿日:2008年12月24日(水)09時27分22秒     
SD さん

始めにお断りしておきますが、「オーディオの科学」のサイトの目的は冒頭に書いてるように、「あまりお金をかけずに演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現するために・・・」ということで音楽好きの一般のユーザーを念頭におき書いています。従って、特殊な装置をお使いのいわゆる「マニア」さんにとっては物足りない内容かもしれません。しかし、考えられる全てのことを漏れなく書こうとすると、簡潔さが失われ私の主義に反します。なお、特殊なことであっても掲示板で論じることは大いに歓迎で、有用であると私が判断すれば、その議論をBBS過去録に整理して公開しています。

>真空管の出力トランスにかんしてOTLと言う回路が真空管にはあります。・・・・

「オーディオの科学」アンプの項の真空管アンプについてのコメント「真空管アンプには普通真空管の高いインピーダンス・・・」ここで”普通”と書いているのはトランス付きのアンプのことを指しています。トランスレスアンプは念頭にありません。上の趣旨からこれで十分と考えています。アンプの話としてではなく、スピーカーの話としてはコンデンサー型スピーカーは原理的には大変優れたシステムだと考えており、

http://shigaarch.web.fc2.com/electrostaticSP.html

ここでも取り上げています。いずれにせよ、オーディオ装置で最も重要なスピーカーについての記述が現在の「オーディオの科学」ではもの足りず、もっと充実する必要があると考え想を練っているところです。

>真空管ドライブのフラッグシップでなくとも10Hzで30000 100Hzで3000のダンピングファクターがあります。

これはトランス付きアンプについての話なんですか? 具体的にどのようなアンプですか? 何か公表されたデータがありますか?

>高周波特性についてです。60kHzでも十分すぎるとの話ですが、これは高いほどに越したことはないと考えております。ページ内で取り上げられておられる10kHz方形波特性のグラフでも触れられている通り波形を正確にトレースするためには高いスルーレートが必要となります。

理論的にはその通りですね。ただ、本当に20KHz 以上の再生が必要かどうかは、聴感テストで判断するしかありませんね。それについては、例えば

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/NHKreport486.html

にあるように、20kHz 以上をカットしても気づく人はないということなのでその必要はないと考えています。しかし、大橋グループが主張する「ハイパーソニック効果」はちゃんとした脳科学的手法で調べられた結果なので無視できず、

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/highlimit.htm#conclusion

の結論に書いたように断定は避けています。

(無題) 投稿者:SD 投稿日:2008年12月24日(水)13時14分24秒  

>>「あまりお金をかけずに演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現するために・・・」

現在使用している環境は9万円ほどしか全体を通してかかっていません。

>特殊な装置をお使いのいわゆる「マニア」さんにとっては物足りない内容かもしれません。

STAXはオーケストラなどのCDマスタリング、放送、騒音測定 学術論文での標準機的製品であり、世界的に見ても全く特殊ではありません。趣味のみして市場展開しているアキュフェイズなどの方が数十倍「マニア」で「特殊」なものと考えられます。

>トランス付アンプですか?

違います。トランスがないと話にならない 標準的でない 念頭にないという考えで話をすすめているようでしたら、申し訳ありませんでした。
ダンピングファクターの値はSRM-006tAのものです。パラで接続している007tAはさらに倍の性能です。

>本当に20KHz 以上の再生が必要かどうかは、聴感テストで判断するしかありませんね。

話が摩り替っているようですが、Sin波と方形波の話であって、20kHzと言う単語は一度も書いてませんし、言っていません。
こちらの書いた意見の確認のほうお願いします。

Re2 (無題) 投稿者:志賀 投稿日:2008年12月24日(水)17時59分37秒     
SD さん

>現在使用している環境は9万円ほどしか全体を通してかかっていません。

静電型イヤースピーカをお使いなんですね。てっきり静電型スピーカーの話かと思っていました。確かにヘッドフォンに限るなら静電型は決して特殊ではなく優秀な方式でしょうね。しかし、残念ながらヘッドフォンについても私のサイトでは対象にしていません。ヘッドフォンを常用されるなら静電型ヘッドフォンを使うのはいい選択だと思います。

ここで初めて「静電型」がヘッドフォン(イヤースピーカー)を意味していることがわかった。

>>特殊な装置をお使いのいわゆる「マニア」さんにとっては物足りない内容かもしれません。

>STAXはオーケストラなどのCDマスタリング、放送、騒音測定 学術論文での標準機的製品であり、世界的に見ても全く特殊ではありません。

つまり、価格のことはさておき、普通の音楽愛好家が「家庭で演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現するため・・」に使われるものではないということですね。

>趣味のみして市場展開しているアキュフェイズなどの方が数十倍「マニア」で「特殊」なものと考えられます。

さてさて、なぜここで唐突に「アキュフェイズ」が出てくるんでしょうか? アキュフェーズがいいとも悪いとも一言も言ってないんですが??

>ダンピングファクターの値はSRM-006tAのものです。パラで接続している007tAはさらに倍の性能です。

カタログを覗いてみましたが何処にダンピングファクターの値が書いてあるんでしょうか? いずれにせよ、負荷が静電型イヤースピーカーなら電磁制動は必要ないのでDFはあまり意味のある値とは思いませんが?

>>本当に20KHz 以上の再生が必要かどうかは、聴感テストで判断するしかありませんね。

>話が摩り替っているようですが、Sin波と方形波の話であって、20kHzと言う単語は一度も書いてませんし、言っていません。

別に「SD」さんが使われようと、使われなかろうと、20kHz というのは人間の聴覚の臨界値としての意味があります。(実際は16kHz くらいだといわれていますが)

また、話がすり替わっているわけではありません。すぐ以前のBMさんへのレス(2008年12月22日(月)15時48分30秒)にも書きましたが「時間領域のどのような波形であっても周波数領域のスペクトルで表現できる」つまり「いろんな周波数・位相のサイン波の合成として表現できる」ということです。従って、方形波の場合も20kHz 以上の成分をカットしても差は感じないということです。このことは、聴覚のメカニズムから考えても説明出来ることです。ここをご覧下さい。。


http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/23CDetc.html#samplingrate

Re: (無題) 投稿者:KZN 投稿日:2008年12月24日(水)19時12分47秒  
SDさん

> ダンピングファクターの値はSRM-006tAのものです。パラで接続している007tAはさらに倍の性能です。

STAX用ドライバの出力インピーダンスのデータがあるようなら教えてください。

(無題) 投稿者:SD 投稿日:2008年12月24日(水)23時45分29秒  

ここはオーディオ科学のページであってステレオ科学ではないと思っていました。STAXは普通の音楽愛好家が「家庭で演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現するため・・」に使われるものでもあります。間違っていましたら、ここで話されているオーディオの定義について教えてください。

ダンピングファクターの値はカタログなどには載っていません。ダイナミック型と違い高周波特性のに対する利点はありますが、低音に対する利点はあまりないからです。カタログには1kHzあたりの入力インピーダンスと感度が記載されています。この値から出力インピーダンスである6FQ7の値で割っていただければいいかと思います。本社に開発技術者の方からご教授いただいた計算方法ですので間違ってはいませんが気になるようでしたら、メールで確認されればよいかと思います。

Re: (無題) 投稿者:KZN 投稿日:2008年12月25日(木)02時10分54秒  
SDさん

> ここはオーディオ科学のページであってステレオ科学ではないと思っていました。

ここに主宰でない僕がレスするのも変な話ながら、ラウドスピーカーとヘッドホン、動電型と静電型は確かに物理的に共通する部分も多々あるとはいえ、やはり同列に扱い論じるべきものではないと思います。もしすべてを統一的に書こうとすると情報が混乱し、ろくな文章にならないでしょう。


> STAXは普通の音楽愛好家が「家庭で演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現するため・・」に使われるものでもあります。

STAXはヘッドフォンとしては現時点でベストな解でしょう。静電型平面発音体はスピーカーもヘッドホンも物理的に同じものです。しかし、これをスピーカーにも適用するには困難がつきまといます。構造上ヘッドホンの形態には向いていますが、大型スピーカーにすると使いこなしがきわめて難しく耐久性に劣るため、完全無欠の解とは言えません。

>
> ダンピングファクターの値はカタログなどには載っていません。ダイナミック型と違い高周波特性のに対する利点はありますが、低音に対する利点はあまりないからです。 カタログには1kHzあたりの入力インピーダンスと感度が記載されています。 この値から出力インピーダンスである6FQ7の値で割っていただければいいかと思います。

DFの定義は 負荷の入力インピーダンス/ドライバの出力インピーダンス なので、これをそのままSTAXドライバに適用すると当然負荷はイヤースピーカーであり、これの入力インピーダンスは普通100kΩ以上あります。(導電型ヘッドフォンは大きくても600Ω程度)よって至極普通のヘッドホンアンプ(出力インピーダンス1Ω〜100Ω)を仮定してもDFの値は1000〜100000と跳ね上がることになります。

しかし、そもそも静電型ではDFが本来の意味を持たないこと、動電型同士でもヘッドフォンとウーファーでは振動系質量が全然違うので同じDF値が同じ振舞を示すわけでもないことから、議論の意味がありません。(第一普通のヘッドホンアンプでは静電型は駆動できない)

STAXに真空管OTLアンプがあるのは、高圧DCバイアスに耐えられる素子として使いやすい真空管を選択し、低能率なイヤースピーカー負荷を駆動するために簡単に電圧ゲインを稼げるOTL式とした上で、強力な負帰還でハイゲインかつ低歪みにする意味があるからでは?
出力トランスの歪み、周波数特性も気にしなくてよく、コストダウンにもなります。

動電型負荷であまりハイゲインアンプにしてもケーブル込みのDFは頭打ちなので同じようにはいきません。

これらが冒頭に書いた「統一的に書けない」理由です。

Re3 (無題) 投稿者:志賀 投稿日:2008年12月25日(木)06時26分8秒     
SD さん

>STAXが特殊とかマニア向けと言われただけで、文章が雑になってしました。

正直なところ、この時点では、大昔のSTAX のコンデンサースピーカーを中古で買われたものを使っておられるんだと思っていました。これだと、かなりマニアックですよね。はじめからヘッドフォンといってもらえばすれ違いが生じなかったのですがね。

>STAXは普通の音楽愛好家が「家庭で演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現するため・・」に使われるものでもあります。

そうですね、ヘッドフォン愛好家も結構いるようですね。ソースの音質をじっくり評価するなど、音質のモニタリングをするのには適しており、私も使うことがあります。「オーディオの科学」のスピーカの項に「手軽に出来るSPシステムの低音再生能力評価法」でそういう目的には大変優れた方法であるとも書いています。ただ、私自身はこれをメインに使うつもりはありません。主な理由はいわゆる頭内定位であり、少なくとも私にとっては演奏会の雰囲気に近いと言い難いからです。が、しかし、これも人それぞれ、そんなことは気にならないという人もいるでしょう。

>ダンピングファクターの値はカタログなどには載っていません。・・・カタログには1kHzあたりの入力インピーダンスと感度が記載されています。この値から出力インピーダンスである6FQ7の値で割っていただければいいかと思います。

周波数に反比例する値だったので、多分そういうことだろうと想像していました。DF=負荷のインピーダンス/アンプの出力インピーダンス という式をそのまま適応したわけですね。しかし、これをダンピングファクターと呼ぶのは、ダンピング(制動)という意味を考えれば間違っています。当然、メーカーもそういう使い方をしないでしょう。要するに、ダイナミックスピーカー負荷を対象としたアンプのDFと比較する対象ではありません。従って、最初の投稿で「また、ダンピングファクターをとりにくいとの話が載っていますが、これも訂正させてください。・・・・」といわれますが訂正する必要はありません。おっと、これは下のKZN さんのレスにも同じ趣旨のことが書いてありますね。後で気がつきました。

>本社に開発技術者の方からご教授いただいた計算方法ですので間違ってはいませんが気になるようでしたら、メールで確認されればよいかと思います。

上に述べた通りです。メーカも公式のコンデンサースピーカーの特性としては採用しないでしょう。聞かれたので、通常の公式を教えただけと違いますか?

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