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トーンコントロールの効用

心理効果とブラインドテストの関連項目ですが独立したページにしました。

イコライザーのすすめ 投稿者:AS 投稿日:2008年 9月26日(金)16時48分32秒  

Stereo Sound 誌 2008 No.168 におきまして、p195〜244 に特集「いい音のためのベストツール イコライザーのすすめ」が掲載されました。

やっと評論家がトーンコントロールやグライコ/パライコなどによる補正の重要性をしっかりと述べてくれた、との思いです。

http://blogs.yahoo.co.jp/astralaudiosound/44637612.html

(無題) 投稿者:BM 投稿日:2008年 9月26日(金)17時58分34秒  

AS さん、私も見ましたけど、結局全てフラットにしては音質が悪い、良い部屋の例を書かれてますけど、可也低域が膨らみあとはデコボコ・・・どうしろと言ってるの?フラットがベストなのでは無いの?でないとイコライザーの必要性は低いし、使い憎いと感じました、ただ私のフルデジタルアンプとデジタルイコライザーが直結できれば、面白いなーと想像してます・・・

フラットが最高か?
投稿者:AS 投稿日:2008年 9月29日(月)09時38分11秒  
BMさん。

3氏の鼎談では、音楽ソフトの問題も指摘しています。私も、音楽ソフトの音バランスが最高だなんて思ったことはありません。ただフラットになるよう補正すると、部屋の音響特性の凸凹が補正され、音楽ソフトの音バランスをただ忠実に再現するだけです。音楽ソフトの音バランスが最高だと考えている人には、フラットにする以外に必要な補正は無いでしょう。

しかし、生演奏と音楽ソフトの音バランスを比べれば、概して「ソフトは低音域減弱で高音域強調」になっています。3氏の理想とする補正は、音楽ソフトの音バランスの忠実再現ではないので、音楽を生演奏の音バランスに近付け、それに自分好みの補正を加えて聴くためのものである、と私は受け取りました。

フラットが最高か? Re 投稿者:BM 投稿日:2008年 9月29日(月)11時43分56秒  
どうなんですかねー、本当ならフラットが良いのだと思うのですが?家庭での再生だと音圧が生演奏の近くで聴くか録音マイク位置での音圧よりも可也低いので、低域が少し盛り上がった方が生に近い?のではと想像しています、低域が減衰してると淋しい音で楽しめませんよね。

低域の充実度
投稿者:AS 投稿日:2008年 9月29日(月)14時16分40秒  
BMさん。

>低域が減衰してると淋しい音で楽しめませんよね

その通りですね!

家庭でのリスニングでは、仰る通りラウドネス効果も影響します。当然この傾向は、低音楽器を用いた音楽ほど大きく感じられます。でも、それだけならば、低音域を持ち上げるだけでいいはずですが、あの特集では、同時に高音域を下げる事も推奨しています。

私がよく行くコンサートホールは、シンフォニーホールからクラブハウスまでありますが、クラシックでもポピュラーでも、コンサートで聴いた音とソフト(CD)で聴き比べますと、コンサートの方が低音域が遙かに豊かで、ソフトでは高音域が目だって感じられます。目立つ高音域を適量下げると、相対的に低音域や中音域が明瞭になり、音像がよりはっきりしてきます。実際に補正してみて分かる事なのですが、低音域を上げるだけの補正と、同時に高音域を下げる補正とでは、後者の方が低音域不足を解決する為の増強量は少なくてすみ、柳沢氏が言う「音楽のバランス」上好ましい補正だと思います。

その理由から、あの特集で推奨されている「低音域を上げ、高音域を下げる」補正は、理に適っていると思うわけです。

AS さん 投稿者:BM 投稿日:2008年 9月29日(月)14時55分7秒
 
部屋の特性は難しいですよね、私もグライコに興味が出ています、私のアンプはフルデジタルなので、デジタルのグライコ物色してます・・・生演奏では少し離れてても低域の聴覚上の減衰現象は少ないのかも?それがスピーカーの再生だと音量が小さいと可也低域不足に感じます、この辺の志賀さんのご意見は如何でしょう?

トーンコントロール
投稿者:志賀 投稿日:2008年 9月29日(月)18時36分58秒  
BM さん

>・・・、この辺の志賀さんのご意見は如何でしょう?

イコライザー(トーンコントロール)を使うかどうかですね。こちらの方は一連の心理効果グッズの話と違って議論する価値はありそうですね。

何が違うかというと、イコライザーを使った効果は、測定でもはっきり異なるし、ブラインドテストなど持ち出すまでもなく誰にも分かる差があるからです。

だから差が有る無しの話でなく、一言でいうと好みの問題と言えるでしょう。どちらがいいかという話ともちょっと違いますね。ちょうどLPがいいかCDがいいかというのと同じ次元の問題でしょう。

で私の好みは、残念ながら私の家ではあまり大きな音は出せないので少し低音を持ち上げています。特にオーケストラ曲なんかを聴くときはそうしないと、演奏会の雰囲気からますます遠ざかるように感じます。

これは、いわゆる等ラウドネス曲線の考えに沿っても理にかなっています。オーケストラの音量は、優に100フォンは超えるでしょう。それに対し、あまり大きな音を出せない環境では同じ音楽を聴く場合でも、せいぜい80フォンくらいの音量だと思います(測定していないので推定ですが)。とすると、数dB 低音を持ち上げるのは自然なことだと思っています。


ラウドネス補正
投稿者:AS 投稿日:2008年 9月30日(火)17時26分54秒  

100ホンのオーケストラの音を自宅で聴く場合、ソフトの音バランスが生演奏と同じだと仮定して、最新の等ラウドネス曲線(ISO226:2003)から求められる100Hzでの補正量は、90ホンで+2〜3dB、80ホンで+6〜7dBになります。
+6dBでは、音圧にして2倍ですね。

別の観点から 投稿者:NS 投稿日:2008年10月 1日(水)18時46分7秒    

低音が少なく感じる、について

1.市販の音楽メディアの低音が少ないという意見に対して、それは聴衆者の聞く位置とマイクロホンの位置が根本的に違うから。ほとんどの聴衆者は客席に座って聞くということと、収録用のメインマイクロホンは3点吊りの位置で収録しています。客席に座って聞いた人は、録音物を聞くと低音が少ないと良く漏らされますが、これは当然の結果です。客席で聞く人は、音源から遠く、直接音が少なく間接音であるホールトーンを主に聞いています。

このホールトーンは各方向からの反射音であり、耳への到達時間が異なるため唸りが生じます。この唸りが低音豊かに聞こえる主要因です。バスドラムを近接で叩いた音色とホール後ろのほうで聞いた音色は全く異なると容易に想像つくでしょう。極端に書きますが、バスドラムを叩くと近接の場合はバゴーン、ですが、後ろの方ではボブーーンと聞こえたりします。1000人以上収容ぐらいのホールで。

客席でマイクを立てて収録するとその客席と同じ低音バランスで録音されると言うことを書き添えておきます。ですから、録音メディアを聞く場合は、別の席で聞いていると認識したほうがよいのでは?そういう周波数バランスなのです。

2.楽音に関係ない空調ノイズをカットしている場合が多いため。
 収録時に悩ますのが空調ノイズです。大体100Hzぐらいから立ち上がり、40Hz以下が目立つ成分であり、マイクへの風フカレにもアタマを悩ますことになります。そのためピアノ、バイオリン、弦楽四重奏の場合は私はウィンドスクリーンとまたはLow Cut Filterを入れることが多い。ほとんどのホールでは空調ノイズとフカレに悩んでしまうからです。
ですから、むやみに低音をブーストするのは考えものかもしれません。演奏会場に良く行くのなら空調ノイズに聞き耳を凝らして待つのも良いでしょう。今まで気づかなかった超低音付近の音の大きさに気づきます。

3.楽器がそのように調整している。
よくピアニストが調律後に言うことですが、高音部がキンキンするから音を柔らかくしてほしいという要望を良く耳に挟みます。全部スタインウェイです。そもそもスタインウェイがコンサートホールで好んで導入されるのは、このキンキンいう音色がコンサートホールの奥に届くと丁度良いバランスになるからです。つまり、遠音対策です。このスタインウェイの音色の特徴はアリコートによることがどこかのwebに書いてありました。

4.マイクロホンの位置
天吊りメインマイクロホンは周りに高音を吸音するような人間やイスなどが無いため、高音が強調されるように聞こえますし、楽器の指向性は概して高音は上部の方に出ます。また、1で書きましたように低音が入っていないように聞こえるためバランス的に高域が強調されて聞こえるように感じます。

5.マイクロホンの特性。
色々なマイクロホンの周波数特性をご覧になると数kHz付近を上昇させています。ただし、メインマイクロホンは軸上で使われません。ある程度舞台センターから角度を持たせてセッティングします。このため、マイクの指向特性により高音が減衰しますから、オフセットでフラットになるように高域を持ち上げています。

私は、自宅の再生装置はフラットになるように調整しています。かといってトーンコントロールで調整していません。なぜなら、伝送経路に何らかの付加回路があると音の鮮度が劣化するからです。言い換えれば生々しさでしょうか。トーンコントロール排除論者の言い分はオーディオは周波数フラットと言う観点だけではなくて、鮮度劣化の観点から論じられたはずでした。また、そうでないと自分が収録した音質の可否がわかりません。
ですから私はスピーカーのツィーターのアッテネーターで調整していますし、38cm口径と言えどもかなりの近接したポジションで聞いていますので部屋の特性も無視できます。ハッキリ言ってモニター。

デジタルでもグライコをかけると鮮度が劣化します。なるべく伝送経路を複雑化しないようにするため私はマイクロホンが電気信号に変える前の部分、機械的な箇所、吹かれないマイクの位置の探索、ウィンドスクリーンを付けるべきかの判断でなんとか対処しようとしています。フカレ、盛大な超低音の暗騒音に対しては仕方なくミキサーでローカットを入れる。それでもというのならデジタル(ソフト内)で周波数特性(低音のみ)を調整しています。

好みのバランス 投稿者:AS 投稿日:2008年10月 2日(木)14時30分11秒  

つまるところ、コンサートホールのトーンを含んだ音のバランスで聴くのが好きか、それとも直接音がほとんどのかぶりつきの位置で聴く音のバランスが好きかで、イコライジング機能を使用するかしないかに分かれるのでしょうね。

音の純度や鮮度をどれだけ気にするかにもよりますが、市販の音楽ソフトは、既に演奏家やミキシングエンジニアたちによって散々イコライジングやエフェクトをかけられた音になっています。多重録音もありますし。

生録音一発で、何の調整もほどこしていない音楽ソフトはほとんどないでしょう。再生時のイコライジングによる純度や鮮度の劣化だけを気にしても余り意味は無いと私は感じるのですが。

Stereo Sound 誌で、石井・菅野・柳沢の3氏が述べていた内容も、そういう事なんだと思います。

Re 別の観点から 投稿者:志賀 投稿日:2008年10月 2日(木)20時06分17秒  
NS さん

>低音が少なく感じる、について・・・・・・・・・・・・・

ホールトーンについての詳しい説明有り難うございます。録音側の事情については不案内なので大変参考になります。

確かに録音された音楽ソースの音質はホールの善し悪しに大きく左右されるようですね。私は最近NHKのBSの録画をよく見るんですが、サントリーホールとかシンフォニーホールでの録音は概していいですね。札幌のKitara ホールで演奏されるPMFのコンサートもすばらしい。ホールの空調ノイズをカットするため低域を落とすことがあるという話は初耳ですが恐らくこのような第一級のホールだとその心配はないんではないでしょうか? 時々幕間で楽器を移動するとき生じるのか床が響く超低域ノイズでびっくりすることがあります。

ところで、マイクの位置により低域と高域のバランスが崩れ、遠くでは低音がよく響くという話、それはその通りだと思いますが、原因についてはちょっと異論があります。まず、唸りが生じるとありますが、いわゆる「唸り」は反射音の周波数が変わらない限り生じませんよ。私は、原因は、観客を含めた反射体の吸音率が高音で強く低音では弱いのが原因ではないかと推察します。当然、反射音が支配的な後方では低音が強調され、また長く響くのはフラッターエコーなどの影響で残響時間が長くなっているためではないでしょうか?

あと、再生側でトーンコントロールを使うと音の鮮度が落ちるので使わないという話、確かによく聞く話ですが、本当でしょうか? 一体何が変わるとお考えですか? もちろん周波数特性が変わるから違って聴こえるのは間違いないでしょうが、トーンコントロール回路を通したからといって、歪み率や、群遅延が検知可能なほど変わるとは思えないんですが? 結局好みの問題ではないですか?

トーンコントロールについて 投稿者:US 投稿日:2008年10月 2日(木)22時19分36秒  

ほとんどの音楽ソースは多かれ少なかれイコライザーがかかっていると思いますが、再生側でトーンコントロールを使用しますと音圧変化だけでなく、位相のズレを伴いますから、楽器の姿とでも言いますか、あるいは奥行き感のようなものが解かりづらくなるために鮮度が落ちたように感じるのではないでしょうか。


だからと言ってトーンコントロールを否定するつもりはありません。むしろ、やむを得ずトーンコントロールを使用しなければ聞きづらいCDや LPが多々ありますから、自分の聴感に合うように使用する事は良いのではないでしょうか。


Re トーンコントロールについて 投稿者:志賀 投稿日:2008年10月 2日(木)22時56分50秒  
US さん

確かにトーンコントロール回路にRCを使うと位相のずれは生じるでしょう。恐らくアナログのイコライザーがだめで、デジタルならいいと説はこれを根拠にしているんだと思います。 しかし、そもそも位相のずれは音色には変化を与えないというのが古くから知られた音響心理学の定説ですし、左右同じだけずれるならステレオ感にも影響を与えないはずです。ただ、群遅延として現れる分には程度によっては検知可能でしょう。残念ながら計算で確かめたわけでなくデータも持ち合わしていませんが、とても検知できるレベルでないような気がします。こればかりはブラインドテストによっても確かめられない話なので議論しても水掛け論に終わるでしょうね。


>だからと言ってトーンコントロールを否定するつもりはありません。むしろ、やむを得ずトーンコントロールを使用しなければ聞きづらいCDや LPが多々ありますから、自分の聴感に合うように使用する事は良いのではないでしょうか。

おっしゃるとおりですね。原文は読んでいないんですが、AS さんがブログの中で紹介しておられるステレオサウンド誌での鼎談は恐らくこの線に沿った内容だと思います。

音色の概念 投稿者:US 投稿日:2008年10月 2日(木)23時59分21秒  
志賀 さん

>位相のずれは音色には変化を与えないというのが古くから知られた音響心理学の定説ですし、左右同じだけずれるならステレオ感にも影響を与えないはずです。

私には、音響心理学で言う、〔音色〕の概念が良くわかりませんが,基音に対する倍音の成分や割合などのことを指すのでしょうか。

Re 音色の概念 投稿者:志賀 投稿日:2008年10月 3日(金)07時41分22秒    
US さん

はい。基本的にはそれでいいと思います。手元にある音響工学のテキストにもそう書いてあります。

ただし、厳密にいうと、そう考えていいのは振幅が時間変化しない、いわゆる定常音の場合で、衝撃音のように時間的に激しく変化する場合についてはそれだけでは十分でなく、周波数領域におけるスペクトル成分の幅や、時間領域における群遅延も関係します。後者は位相遅れにより生じます。

ReRe音色の概念
投稿者:US 投稿日:2008年10月 3日(金)09時11分19秒  
志賀 さん

と言うことは、音楽のように時々刻々、周波数や音の強さが変化するソースでトーンコントロールを使用した場合検知出来るか出来ないかは別として、厳密に考えた場合位相の遅れや進みは無視できないように思われますが、そのように理解してよろしいのでしょうか。

Re2 音色の概念 投稿者:志賀 投稿日:2008年10月 3日(金)10時51分42秒  
US さん

「無視できない」という言葉が気になりますね。こういう場合は、何に対して「無視できない」のかを常にはっきりさせておく必要があります。「検知出来るか出来ないかは別として」と断っておられますが、では何を基準として「無視できない」といっておられるんでしょうか? 高精度の測定器ならあるいは位相変化の周波数依存性(=群遅延時間)は測定にかかるかもしれません。しかし、音質に影響を及ぼす効果、つまり人間の検知限に対してなら無視していい程度だと思います。

Re??別の観点から 投稿者:NS 投稿日:2008年10月 4日(土)21時52分51秒  

>ホールの空調ノイズをカットするため低域を落とすことがあるという話は初耳ですが恐らくこのような第一級のホールだとその心配はないんではないでしょうか? 時々幕間で楽器を移動するとき生じるのか床が響く超低域ノイズでびっくりすることがあります。

概して1000人以上のホールは吊りマイクと空調の吹き出し口は距離が遠く、フカレはあまりありません。ただし、低騒音にするために特殊な空調設備を入れているとか。ファンではなくレシプロ?、コンプレッサー?で気流を作るとか。
ファンでは騒音の大半が低音領域となり騒音低減は難しいが、レシプロで行うと騒音は高い周波数に分布を持つので(シャー)、吸音がたやすく、結果的に低騒音にしやすいということが、建築学会か、信学技報の雑誌に載っていたと思います。自治体の予算を潤沢にとれるような新しくて立派な大ホールでは導入されていると思います。

大きくても古いホールだとダメですね。フカレは無いけれど、なぜかFFTを見ると低域にピークがあったり。レコーディングの場合は空調を止めることがありますが、演奏会の場合はそう言うわけにはまいりません。

>ところで、マイクの位置により低域と高域のバランスが崩れ、遠くでは低音がよく響くという話、それはその通りだと思いますが、原因についてはちょっと異論があります。まず、唸りが生じるとありますが、いわゆる「唸り」は反射音の周波数が変わらない限り生じませんよ。私は、原因は、観客を含めた反射体の吸音率が高音で強く低音では弱いのが原因ではないかと推察します。当然、反射音が支配的な後方では低音が強調され、また長く響くのはフラッターエコーなどの影響で残響時間が長くなっているためではないでしょうか?

ダイナベクター理論をお読みください。スーパーステレオが新発売になった当時、ラジオ技術や日経エレクトロニクスで開発経緯と技術解説が載っていました。そのとおりの現象と思います。

>あと、再生側でトーンコントロールを使うと音の鮮度が落ちるので使わないという話、確かによく聞く話ですが、本当でしょうか? 一体何が変わるとお考えですか? もちろん周波数特性が変わるから違って聴こえるのは間違いないでしょうが、トーンコントロール回路を通したからといって、歪み率や、群遅延が検知可能なほど変わるとは思えないんですが? 結局好みの問題ではないですか?

好みの問題ではなく、別の言葉で言えばポリシー、フィロソフィーの問題となるでしょう。この頃のトーンコントロールは良くできているだろうと思いますが、昔の設計ではトーンコントロールのCRを通したら減衰するので、後段にレベル合わせのアンプを1段入れていました。わたしの持っているアンプは設計が古いのでトーンコントロール回路をジャンプするスイッチがあります。ジャンプしたら音のにじみとカスミは低減します。このごろのアンプに内蔵しているトーンコントロールはグライコの回路を改良した構成のようですが、前後にバッファーがありますので他の外乱要因注入口になるかもしれません。

Re2 別の観点から 投稿者:志賀 投稿日:2008年10月 5日(日)06時11分52秒  
NS さん、

>>・・・、いわゆる「唸り」は反射音の周波数が変わらない限り生じませんよ。

>ダイナベクター理論をお読みください。スーパーステレオが新発売になった当時、ラジオ技術や日経エレクトロニクスで開発経緯と技術解説が載っていました。そのとおりの現象と思います。

これについては、その文献を見ないと何ともいえません。ネット上で見られるような解説があれば教えて下さい。いずれにせよ、静止した壁からの反射波が直接音と干渉しても唸りが生じないのは物理法則です。

>>あと、再生側でトーンコントロールを使うと音の鮮度が落ちるので使わないという話、確かによく聞く話ですが、本当でしょうか? ・・・・・、 結局好みの問題ではないですか?

>好みの問題ではなく、別の言葉で言えばポリシー、フィロソフィーの問題となるでしょう。

言葉にこだわるつもりはありません。そういうことなら、トーンコントロールは有効に使った方がいいというのが私のポリシーということです。

ところで、最新号のステレオサウンド誌の鼎談の記事をどう思いますが? 内容はAS さんがブログの中で紹介しておられますが、要するに最近のアンプならトーンコントロールを通したからといって音質が悪くなるということはあり得ないので有効に利用すべきだということのようです。

ダイナベクター理論 投稿者:TK 投稿日:2008年10月 5日(日)16時13分7秒  

以下の URL の左側メニューの上の方、"スーパーステレオ理論" のところに、それらしい記述があります。
http://www.dynavector.co.jp/dvssp/index.html

Re ダイナベクター理論 投稿者:志賀 投稿日:2008年10月 5日(日)21時15分27秒   TK さん

どうも有り難うございます。探せばあるものですね。

以下は、TKさんへのレスでなくこのサイトをざっと見た感想です。

確かに音の伝搬の一般論としては、位相速度と群速度の違いが問題になることがあります。私の専門の固体物理学でも重要な概念であり、HPのインターネット大学講座でもアニメ画像入りで説明しています。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/Lecture/lectureindex.htm

このページの下の方、付録:「波束の運動と群速度」というところです。簡単に言うと、音速が周波数により異なると位相速度と群速度(衝撃音のような短い音の伝わる早さ)の乖離が生じます。

しかし、定量的に考察すると、可聴周波数帯域での空気中の音波の伝搬については分散が問題になることはありません。

そのほか、このサイトは群遅延と群速度を混同しているふしも見受けられ疑問点が多々あります。ただ、これは特定の製品に関係した話でありこれ以上のコメントは差し控えておきます。


Re 2 ??別の観点から 投稿者:志賀 投稿日:2008年10月 8日(水)07時40分50秒   NSさん

>>・・・、いわゆる「唸り」は反射音の周波数が変わらない限り生じませんよ。

>ダイナベクター理論をお読みください。スーパーステレオが新発売になった当時、ラジオ技術や日経エレクトロニクスで開発経緯と技術解説が載っていました。そのとおりの現象と思います。

その理論はTKさんに教えてもらったサイトを見る限りちょっと? これを根拠にホールトーンのことを語るのはやめられた方がいいと思いますよ。 理由は公開の場で言うのははばかられますので必要ならメールで説明します。

Re 心理効果 2 投稿者:BM 投稿日:2008年10月 6日(月)08時48分11秒    

割り込みですが、トーンコントロールが付いているプリも少なく成りましたが、高級なプリで付いている物も有ります、その場合大抵トーンコントロールのスルー機構が付いています、これはスイッチ一つでスルーしますので違いが解りやすいです、音質の鮮度の違いはハッキリでます、その違いを聴いてみると、トーンコントロールを使う気に成らなくなってしまいます、使うとしたらアナログ再生時でカートとの相性が有りますから、使う位でした。

Re2 心理効果 2 投稿者:志賀 投稿日:2008年10月 6日(月)20時23分23秒  
BM さん、

はい私のアンプもその通りになっています。しかし、ダイレクトにしても特に音質変化は感じません。もちろん、BASSもTREBLEも中立にした場合のことですが。


「別の観点から」へ 投稿者:AS 投稿日:2008年10月 6日(月)15時16分28秒  
NSさん。

>市販の音楽ソフトはいろいろな人が携わっています。その音質や音質に関わる技術と手法は演奏者、録音技術者、その周りの人々の合意の上でかたちづくらています。その音質で提供したいからです。

たとえ製作者側が「その音質で提供したい」と考えましても、聴く人一人一人のリスニングルームの特性は違うのですから、製作者側の「その音質で提供したい」音で聴く事は出来ませんね。

低音域がブーミーな部屋の人は、補正なしに聴けば製作者側の意図よりもブーミーな音で聴く事になります。ならば、製作者側の意図する音にするには補正しなければなりません。その手段として、イコライザーを使う人もいれば、部屋の改造などで音響特性に手を加えてブーミーさをなくす人もいるでしょう。しかし、音響特性に手を加えて補正出来る人の割合とはどの位でしょう? 簡単に、イコライザーで補正して済ませるのも便利な手段として価値は大いにあります。

音楽ソフトにしても、優秀録音盤の選定に頼らずとも、皆、自分でこのソフトはばっちり出来ている、このソフトはここがいまいち、など評価出来ます。製作者側の意図が聴き手にとって理想的な音であるソフトはどの位の割合でしょうか? 製作者が全て、完璧な腕を持っているのならば話は別ですが。

補足 投稿者:AS 投稿日:2008年10月 6日(月)16時30分26秒  

聴き手はステージにあがって演奏家の眼前や横で聴くわけにもいかず、客席で、出来れば自分好みの響で聴ける位置で聴きたいと考えますよね。聴き手にとって、演奏家が演奏中に聴いている音バランスというものは、ジャズなどをかぶりつきの位置で聴く時以外ではほぼ不可能でしょう。

>はじめのうちは自分の好みでマイクセッティングをしていました。自分がセキに座っているかのようなホールトーンたっぷりのね。上の紹介したCDの制作者も私と同様のホールトーンタップリが好きだったらしく

NSさんも、ホールトーンたっぷりが好きなんですね。なのに、作り手としてはイコライザーでいじってほしくないなあと思っていらっしゃる。という事は、NSさんご自身も、「作り手」と「聴き手」とでは違うのですね。

音楽を鑑賞するポイントの第一を、音の純度に置くのかそれとも客席で聴き慣れている音バランス(ホールトーンも含めて)に置くのかは、聴き手の「好み」にまかせていいではないですか。それを、作り手が「聴き手には何もいじらないで」と言うのは、聴き手に「通常客席では聴けない音バランスで聴いてくれ」と言うようなものです。

オーディオという装置の性能を追求し、オーディオ的な音の「純度」や「鮮度」を追求するのも趣味の世界としては「あり」でしょう。それと同じく、音楽という芸術を鑑賞するのに、「純度」や「鮮度」よりも「客席で聴き慣れた音バランス」で聴く事を第一義とするのも「あり」です。

Stereo Sound誌で菅野沖彦氏が仰っているように、「ソースをありのままに聴けばOKなんてね、オーディオはそんなに浅い趣味ではありませんよ。」

まだまだ話は尽きませんが私もこの点に関してはASさんの意見に近いですね。 鮮度云々は心理効果だと思います。ただ、これはASさんの意見というわけではありませんが、イコライザーで f 特を無理に平坦にすることには疑問を抱いています。 なぜなら、マイクで測った f特は聴く位置(マイクの位置)で異なり、特に定在波によるディップなどは位置によって大きく違い、これを補正するべくその周波数のレベルを増強すると、少し別の位置では不自然に増強されてしまい、また、その周波数でスピーカーの高調波が増大し音を濁す恐れもあるからです。

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