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ダイナミックレンジ V

ダイナミックレンジについてはすでに何度か議論があり、過去録にもダイナミックレンジダイナミックレンジUと2度取上げています。今回も別の話題(Win10の悪口)の議論の中で下のCTさんの投稿をきっかけに長期にわたって話が弾みました。ただ、議論が分散しておりかなり大胆に削除や順序の組み替えを行い整理しています。

内容は以下のような項目からなっています。

クラシックと軽音楽のダイナミックレンジダイナミックレンジの定義スピーカーのダイナミックレンジ(再生時のダイナミックレンジ)騒音計による絶対音圧(SPL)の測定聴覚の感度

クラシックと軽音楽のダイナミックレンジ

ダイナミックレンジ(原題:Re: Re: Win10のアップグレード阻止法) 投稿者:CT 投稿日:2016年 6月 8日(水)11時26分40秒
TTBさん、RSさん、

TTBさんのご指摘以外にも、テノールやソプラノのffで音が潰れてしまいます。これなどは聴いているときにそろそろ来るぞって緊張しますが、やっぱり潰れるとあ〜と深いため息がでますね。

それ以外にフルオケのテュッティでも音が潰れることがありますし、プリエコーなんて聴きたくもないものを聴かされますね。それにアナログでは絶対静寂が無いので、リリースの際の残響を楽しむことができません。

なのでクラシック音楽のようにDレンジの大きなものはレコードで聴く気には到底成り得ませんが、しかしポップスやジャズのようにDレンジの小さなものはレコードで聴いても音が潰れることがないと思いますので、CDで聴くよりレコードで聴いた方が温みがあって良いかもですね。私の場合はどんな音楽もCD一本やりですね(^^)

Re:ダイナミックレンジ 投稿者:NJ 投稿日:2016年 6月 8日(水)16時53分8秒
CTさん

・・・・・・・・・
 良い音を聴きたいならCD、それが賢明なやり方ですね。それからジャズの方がクラシックよりDレンジは大きいようです。但しクラシックの音域の方が広いので、クラシックの方が録音が難しいと言うことらしい。クラシックは50Hz以下でもかなりのレベルで周波数成分が有る(中高域の-10dBくらいのレベル)が、ジャズ等の場合は低域と言っても70〜80Hz位だそうです。これはカートリッジだけじゃなくスピーカも相当楽です。多少低域の悪いスピーカでもボンついたりしないで済みますからね。

Re:ダイナミックレンジ 投稿者:CT 投稿日:2016年 6月 8日(水)21時12分34秒
NJさん、

ドラムスの音はでかいですからDレンジはそれなりに大きなものになるでしょうが、フルオケのDレンジとは比較にならないと思いますよ。と言いますのはジャズだとプレーヤーはせいぜい3〜5名ですが、クラシック音楽のフルオケだと100名近くになることもあるからですね。ジャズのレコードを再生して音が潰れてしまったり、針が飛んでしまったりなんてことあります?

Re:ダイナミックレンジ 投稿者:NJ 投稿日:2016年 6月10日(金)11時44分10秒 CTさん

 普通はそう考えますよねえ。しかし、中島平太郎氏の著書に音源のDレンジのチャートがあって、ジャズのほうがDレンジが大きいようになってました。理由は私の推測ですが、ジャズは比較的狭い部屋で、演奏者と聴衆が接近しているからと思います。ロックなどは、大きなホールでやりますが、エレキを使っていますから音量はなおさら大きいでしょう。

Re:ダイナミックレンジ 投稿者:志賀 投稿日:2016年 6月10日(金)17時50分25秒
CTさん

そのチャートはこれです。

http://shigaarch.web.fc2.com/dynamicrange.html

ただし、ジャズでなく軽音楽と書いてあります。つまり大編成のバンドや電気で増幅したロックバンドなども含むと言うことでしょう。

「そういうご意見」というわけでなくこれは実測値だと思います。ただ、この図だけでは音源とマイクの位置との距離等がわからないので曖昧なところはありますね。


Re:ダイナミックレンジ 投稿者:CT 投稿日:2016年 6月10日(金)18時41分1秒
志賀さん、

ご案内のように”ジャズの方が”Dレンジが大きいとありますから、それは私には理解できないと言う事です。ビッグバンドのジャズならクラシックのフルオケのDレンジを凌ぐ場合もあるというご意見なら理解できますけどね。しかし極端な例を示して”ジャズの方が”Dレンジが大きいと言い切るのは如何なものでしょうか?

例えば2000人を収容するような大ホールで前から10〜15列くらいの席で大編成フルオケの全強奏では耳をつんざくような、鼓膜が破れるのではと心配するような大音響ですが、ジャズ(一般的なトリオからクインテットのジャズバンド)がそれに匹敵するような大音響を出せるのかと言う事ですね。もちろんPAなど無しにですよ。

PA使えば幾らでも大きな音をだせますが、もともとDレンジが小さいですからのべつ大きな音を聴かせる羽目になってしまいお客さんには苦痛を強いることになるでしょうね。

とにかく大ホールでジャズが演奏されるようなことはめったにないです。私はハービー・ハンコック(Herbie Hancock)を中ホールで聴いたことがありますが、そんな中ホールでもでかいPA使っていましたね。使わないとお客さんが満足できるような音量にならないからです。

Re: Re:ダイナミックレンジ 投稿者:志賀 投稿日:2016年 6月10日(金)21時40分59秒
CTさん

私もせいぜい数人のメンバーで演奏されるいわゆるジャズの最大音がフルオーケストラのそれに及ぶとは思っていません。ただ、示されているのは実測値のようで、それなら、大編成のバンドかロックバンドしか考えられないといっているわけです。科学的議論というのは実測値に基づいて行うものです。

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:志賀 投稿日:2016年 6月10日(金)22時18分39秒
YNSさん

>  議論の対象が大音量の再生に向かいがちですが、小音量(発想記号ではppppppなんてのもありますが)、さらにどの楽器も奏でられていないときのホールの響きをどこまで捉えるかは、特にクラシック音楽の場合重要だと思います。・・・
>再生装置のS/N比はもちろんのこと、リスニングルームの静寂性も実質ダイナミックレンジに響きます。

それはおっしゃる通りだと思います。

リスニングルームだけではなく演奏されるホールの静寂性も重要ですね。私は、ジャズを含めて軽音楽のコンサートに行ったことは無いので、あくまで想像ですが、ちゃんとしたホールで行われるクラシックのコンサートで曲の始まる直前や最弱音が奏される時の静寂に比べると軽音楽のコンサートでのいわゆるフロアレベルの音量はだいぶ大きいと想像しています。


つまり、以前紹介した

http://shigaarch.web.fc2.com/dynamicrange.html

この図の左端のスタジオ雑音と書いてある部分に大きな差が有りそうで、実効的なダイナミックレンジ(最大音とホールの人の気配を含めた騒音レベルの差)はクラシックのオーケストラの方が大きいかも知れません。

Re: Re:ダイナミックレンジ 投稿者:CT 投稿日:2016年 6月10日(金)22時30分41秒
志賀さん、

>科学的議論というのは実測値に基づいて行うものです

それはそのとおりです。それで何がおっしゃりたいのでしょうか?実測値がなければクラシックのフルオケのDレンジ>ジャズのDレンジとは言えない、ということですか?そんなものは実測値がなくとも分かる人には分かると思うんですけどね。少なくとも両方をホールで聴いたことがある人には

とにかく何を語るにしろ実測値が無ければ語ることは出来ないと言うのであれば、私は今後の書き込みを止めたいと思います。その実測値自体が問題ないものであることも併せて証明しなければなりませんからね。

Re: Re: Re:ダイナミックレンジ 投稿者:RS 投稿日:2016年 6月10日(金)23時19分47秒
CTさん

> 実測値が無ければ語ることは出来ないと言うのであれば・・・・

必ずしも実測値は必要では、ありません。今の議論の場合、(仮に測定条件がはっきりしていなければ)「測定条件がはっきりしていないので、中島平太郎氏の見解は一般性があるものかどうか不明ですね。」と言った議論はできるでしょう。もちろん、「これこれの実測データがあり、中島平太郎氏の結果とは異なっています。」といった実測データに基づく反論ならばもっと実のある議論ができるでしょう。

もう一つの議論の方向としては「物理法則から導かれる結果と中島平太郎氏の結果が矛盾する」といった議論の方向です。

ただ、「分かる人には分かる」ではやはり議論のしようが無いでしょう。

要は、議論の進め方の問題ではないでしょうか。

NJさんの場合、出典を明示しているので誰でもその出典に直接当たって、その出典の記述やデータの問題点等を検討・考察できるので、その意味で「科学的な議論の対象になる」わけです。

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:WT 投稿日:2016年 6月11日(土)01時58分31秒
CTさん

今回の論点は、「ジャズのダイナミックレンジはクラシックのオーケストラより広いか否か」ですね。ダイナミックレンジとは物理データですから、しっかりしたデータさえあれば答えはチャンと出るはずです。しかしそれを感覚量で決めようとすると、個人差も大きいですから物理データと乖離する事もあります。要するにあいまいさが介入してしまうわけで、そういう意味で物理データは議論する上での大切な前提になりますね。同じ立ち位置、視点で議論しないと正しい結論は得られないでしょう。

 個人的な意見ですが、「ジャズのDレンジはクラシックのオーケストラより広い」に関してはそういう可能性もあるかもと思いました。というのは、ドラムス等の一撃のピークレベルは想像以上に高いと考えられるからです。マイクの前で手をたたいた時の音をレベルメーターで見るとわかりますが、驚くほど高い値を示します。短い音は大きく感じにくいのです。このあたりが物理量と感覚量の違いですね。

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:TTB 投稿日:2016年 6月11日(土)08時19分19秒
志賀さん

> ただし、ジャズでなく軽音楽と書いてあります。つまり大編成のバンドや電気で増幅したロックバンドなども含むと言うことでしょう。
>
> 「そういうご意見」というわけでなくこれは実測値だと思います。ただ、この図だけでは音源とマイクの位置との距離等がわからないので曖昧なところはありますね。

これは、おっしゃるように、前提があいまいなので、これを根拠に議論しても始まらないと思います。PAのない場合、絶対音響エネルギーからすれば、フルオケのほうがビックバンドを含むジャズより圧倒的に大きいのは明らかでしょう。しがって、同じ音源からの距離で両者を聴けば、フルオケのほうがDレンジが大きいのは明らかでしょう。しかし、録音ではマイクの位置により、音圧はいかようにも変わりますので、録音再生時のDレンジはまた別次元の話ではないでしょうか。

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:志賀 投稿日:2016年 6月11日(土)16時30分29秒
TTBさん

>> 「そういうご意見」というわけでなくこれは実測値だと思います。ただ、この図だけでは音源とマイクの位置との距離等がわからないので曖昧なところはありますね。
>
> これは、おっしゃるように、前提があいまいなので、これを根拠に議論しても始まらないと思います。

一連の議論は、NJさんの

http://8317.teacup.com/shigam/bbs/7713

この投稿できっかけで、そこで紹介されたダイナミックレンジのチャートは私のHPの中にもあるので

http://8317.teacup.com/shigam/bbs/7715

このようなコメントをしたのに始まります。しかしその後の議論は推測ばかりで不毛ですね。そろそろ潮時でしょう。

ここで軽音楽とクラシックのダイナミックレンジの話は打ち切り、以降はダイナミックレンジの定義の話題に飛びます。

ダイナミックレンジの定義

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:WT 投稿日:2016年 6月18日(土)00時07分56秒
 辞書などで調べましたがダイナミックレンジについては、具体的に最小値、最大値が何であるかは規定されていません。その都度変わります。映像の世界でもダイナミックレンジはあります。 議論する際は「何のダイナミックレンジか」を、まず共有してからでないとかみ合わないと思います。

デジタルメディアのダイナミックレンジ

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:NJ 投稿日:2016年 6月16日(木)13時12分13秒

 ところで、皆様Dレンジというコトバを、録音あるいは実演の最小音圧と最大音圧の比のような意味に使っておられますが、私が学生の頃のDレンジの意味は、メディアの基本性能の意味で、たとえば16bitのCDは96dB、24bitならば144dBという事です。アナログに対してはアバウトでしか定義できません。実演などの音声信号の音圧の幅を表す技術用語は私は知りません。NHKではピーク音圧を把握するだけで良いようです。それで、平均音圧を85dB位としているようで、平均音圧とピーク音圧の比をピークファクターと言っているようです。音声のダイナミックスの幅をDレンジと言ってしまうと、メディアの性能を表す「Dレンジ」と非常にまぎらわしいので、なるべく避けた方が良いと思います。

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:CT 投稿日:2016年 6月16日(木)22時34分40秒
NJさん、皆さん、

それは間違ってないと思います。つまりそのメディアが歪なく、つまり最小音が騒音にマスキングされることも無く、最大音がクリップされることもなく収録しうる最大のDレンジの意味ですからね

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:志賀 投稿日:2016年 6月18日(土)09時12分16秒
CTさん

確かに数値としてはその通りですが、決め方は違います。これは至って簡単で録音された中身とは関係なく物理的に収録可能な最大振幅と最少振幅の比をデシベル単位で表した値です。

具体的には、16bitのCDの場合は最大振幅は2進数で16ケタの最大値2の16乗(2^16=65536)、最少振幅は1 なので

ダイナミックレンジ=20×log(2^16/1)=20×log(65536)=96.3dB これをまるめて96dBとしています。

ハイレゾの24bit の場合は同様に 20×log(2^24/1)=20×log(16777216)=144.49 dB
これを丸めて144dB としています。

楽器のダイナミックレンジ

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:CT 投稿日:2016年 6月17日(金)21時23分3秒
TTBさん、

>いかなる楽器も、無音から立ち上がります。したがって、ゼロ点は暗騒音というのが現実では?

どの楽器にしろオケにしろ、私は”演奏中の最小音と最大音の差”がその楽器なりオケのDレンジと考えていますし、その考えを変える気もありませんので宜しくご理解いただきたいと思います。

暗騒音をゼロ点にというお考えも分からなくはないですが、完全防音されたホールと屋外の音楽堂のようなところではかなりの差が出るでしょうし、更には満員のお客さんか、閑古鳥が鳴いているような状態かではかなり違ってくると思いますよ

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:NJ 投稿日:2016年 6月18日(土)11時13分38秒
CTさん

>>楽音の音圧の幅は、ピーク音圧と暗騒音の比であると思います

> 私はピアノならピアノ、ヴァイオリンならヴァイオリン、ソプラノ歌手ならソプラノ歌手の演奏時の最小音量と最大音量の差と考えます。

その辺に見解の違いがあります。私は暗騒音のレベルは重要だと思います。演奏された音楽の音圧の比をCTさんの仰るように考えてしまうと、録音なり放送なりをしようとするときに、Dレンジがその幅であるキカイを使うとなれば、録音または放送可能な最少レベルが音楽の最少レベルに等しく、これではS/Nが非常に悪い音になってしまいます。したがって暗騒音と楽器の最少音との間には相応のレベル差がなければいけないと思います。私が16bitより24bitが好ましいとする理由も一にかかってここにあります。

Re: ダイナミックレンジ 投稿者:TTB 投稿日:2016年 6月18日(土)11時32分34秒
CTさん

>>> 私が考えるDレンジとは最大音と最小音の”差”ですから、それが何dBになるかを求めるのは簡単な事だと思います。”差”ですから、どういう条件で測定しようがその数値は同じですね
>
>これをどう定義するのか、というのが質問です
>
> 私には定義する気持ちなど更々ありませんので、それは皆さんにお任せしたいと思います(^^)

これで最後にしますが・・・、どうもCTさんの言う「最小音」がどんなものかわからない。楽器音はみな0から立ち上がります、だからいかなる楽器も最小音は0dbと私は考えています。
以上、おしまい。

ということで楽器のダイナミックレンジは最小値を決めるのが難しく、というよりあまり意味が無く、録音再生や放送の時のダイナミックレンジは楽音の最大値を知っておきこれをクリップしない値に取り、最小値は楽器の最小音や暗騒音とは関係なく技術的に可能な最小のノイズレベルに抑えればいいということだと思います。

スピーカーのダイナミックレンジ(再生時のダイナミックレンジ)

スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:PRT 投稿日:2016年 6月22日(水)11時39分30秒

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところで、再生の段階で、家庭用のスピーカーの実用になる最大音量と最小音量の差(Dレンジと言っていいのかな)はどの位になるのでしょうか。最大も最小も歪やf特の大きく崩れない範囲という意味です。最小の方は暗騒音以上には違いないでしょうが、f特に問題は?。

スピーカーの1m/1W時のグラフは見ますが、「実用」の範囲での最大や極小音(30db位?)のグラフってあまり見かけませんね。私の勉強不足でしょうか。
事のついでに、いつも疑問に思うんですが、実用性という意味ではサイン波でのテストはあまりに「静的」で、実際の楽音で「動的」な再生力を比較チェックしたい気もしますが、そういう時間軸も加えたテスト方法なんて不可能なんでしょうか。

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:TTB 投稿日:2016年 6月23日(木)15時37分35秒
PRTさん

こんなのも参考まで。JBLのプロ用スピーカーですが、1mで114dB(!)の時の特性です。

https://www.jblpro.com/pub/technote/JBL_TN%201-33%20rev3.pdf#search=%27JBL+differential+drive%27

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:PRT 投稿日:2016年 6月25日(土)11時00分3秒
志賀先生

質問のもともとの原点はこんな疑問でした。録音スタジオ内の大型モニターでは(測ったことはないので正確ではありませんが、商業音楽の場合)85〜100db程度で聴いていると思いますが、「やかましい音」という感じはありません。余裕をもって鳴らします。ところが多くの家庭用の小型、中型のブックシェルフでは、その程度に音量を上げると「やかましい感じの音」に感じるのです。当然各種歪の増加がその原因だと思いますが、各メーカーなどはどの程度を「実用」範囲として設計しているのかな、というところから始まった疑問です。

現実には近隣への配慮からもっと小さい音で聴かざるを得ないケースも多いでしょうが・・・。 クラシック音楽の場合、平均70〜80dbで聴き、最強音で90程度かな、と想像しています(データをお持ちの方、教えてください)。逆に弱音の場合では、ピアニッシモが暗騒音に埋もれずにちゃんと聴こえるには、環境によって事情が異なるとはいえ、30〜40db程度になるとすれば、その時点のf特の乱れや描写力が適切かどうか、が疑問になったわけです。個人的には弱音の美しい描写ができるスピーカーが好みです。メーカーが強音と弱音時のグラフを公開してくれると購入時の目安になるのに、と思う次第です(製造者責任?)。

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:志賀 投稿日:2016年 6月30日(木)09時01分31秒
PRTさん、NJさん

スピーカーのf特が入力パワーによって変わるかどうかですが、理論的には少なくとも振動板がピストン運動をしてくれ、かつ大振幅で非線形歪みが急増しない範囲内では変わらないと思います。実験的にはWTさんのこの投稿

http://8317.teacup.com/shigam/bbs/7778

で証明されています。一番下の図で、低音域のリニアリティーは10Wまではほぼ完全に保たれており、勾配も変わりません。50Hzでは最大入力(25W付近)で直線からずれていますが、このあたりからピストン運動からずれて来るのでしょう。ただ、なぜ上へずれるかはよくわかりません。


スピーカのダイナミックレンジも議論するような話題ではなさそうです。最大音量はアンプとスピーカー次第で決まり、実際に聴く最大音量はリスニングルームの環境の制約で決まるでしょう。最小音はスピーカー自身は無音状態があり得ますが、実際にはアンプの残留ノイズレベルで決まるでしょうし、もちろんリスニングルームの暗騒音の方が大きい場合もあるでしょう。

騒音計による絶対音圧(SPL)の測定

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:TTB 投稿日:2016年 6月25日(土)12時17分4秒
PRTさん

ウチでは、ピンクノイズを入力し、出てきた音をマイクで拾いRTAで分析し周波数特性を実測しています。しかし、その際音圧の絶対値は測れません。信頼性のある安価な音圧測定器ってないもんですかね? テスト信号がいろいろ入ったCDはあるのですから、そんな音圧計があれば簡単に各音圧における周波数特性が測れるのかなとおもいました(おおざっぱで歪等は当然無理でしょうが)。どなたかご存知ありませんかそんな測定器? だいたい、私自身いつもどのくらいの音圧で聞いてるのか、よくわかりません。なので、そんな意味でも音圧計がないかなぁ、と思っていました。

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:INK 投稿日:2016年 6月25日(土)15時54分22秒
TTBさん

> 信頼性のある安価な音圧測て定器ってないもんですかね?

小生もスピーカの音圧や、フルートなど楽器の音圧を調べて見たいと思っています。そこで、騒音計を購入しようと調べましたら下は二千円から上は精密騒音器三十万と様々です。数千円クラスでも種々あって選び兼ねている処です。このクラスですと、周波数帯は凡そ30Hz--8KHz 精度+- 1.5dB 測定範囲30--130dBの様です。

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:NJ 投稿日:2016年 6月25日(土)16時06分19秒
TTBさん、

> どなたかご存知ありませんかそんな測定器?だいたい、私自身いつもどのくらいの音圧で聞いてるのか、よくわかりません。 なので、そんな意味でも音圧計がないかなぁ、と思っていました。

 もう亡くなったようで、質問して確認することは出来ないと思われますが、加銅鉄平さんという方の著書に、騒音計C特性で測定出来るとあります。騒音計なら数千円です。但し周波数分析は不能なのと、ピーク音圧は測れない(計器の指示は多分実効値なので、ピークには対応できず14〜15 dB低く出るそうです。ピークで騒音計が90dBを示したらば、実際は105dB位だそうです)しかし平均的音圧は測定出来るようです。

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:INK 投稿日:2016年 6月25日(土)20時30分3秒
TTBさん

NJさんの投稿を拝見致しますと、騒音計のC特性を使用とあります。

https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/noise/souon_5.htm#mark8_3

勉強になりました。注文したのはA特性のみでした!!。C特性でも63Hzから16Hzにかけて8dBほど減衰しています。ついでにZ特性(flat)の騒音計がないか捜したところ、見つけました。

TES1150 デジタル騒音計です。約1万です。勉強代と思って注文しました!!。

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:TTB 投稿日:2016年 6月25日(土)22時15分55秒
INKさん

> TES1150 デジタル騒音計です。約1万です。勉強代と思って注文しました!!。

あらら、素早いですねw でも、これお手ごろな価格で、私もほしくなりましたが、ぜひ使用感をアップしてください!

Re: 聴く場所での各周波数のSPL 投稿者:INK 投稿日:2016年 7月14日(木)10時06分28秒
TTBさん

> 私は単純に自分の聴いている音量がどのくらいか知りたかったのですが、実際に測ってどんな感じでしたか?

座敷のサッシを開け、後方に扇風機(弱)、四方八方からセミの声が聞こえる状況で音楽なしでは、

TES 1150 特性A  43dB 特性C 48dB 特性Z 58dB
GM 1351 特性A 50dB

普段 BGM的に聞いている音量。セリビアの理髪師冒頭部分です。

TES 1150 特性A  71dB 特性C 76dB 特性Z 78dB
GM 1351 特性A 68dB

MAX値ではなく、読み取りです。GM1351は 2K YEN, TES 1150 は 11K YEN でした。

Re: 聴く場所での各周波数のSPL 投稿者:TTB 投稿日:2016年 7月14日(木)16時20分43秒
INKさん

ありがとうございました。暗騒音は結構大きい値なんですね。楽音の大きは、INKさんがどの程度の音量で聴かれるのかわかりませんが、そんなもんでしょうか。

今度大編成のオーケストラ(マーラーの5番)を聴きに行く予定です、騒音計を持参しようかと思っています。(写真録音は不可ですが、音圧を測るのはOKでしょうw)
うまく測れたらここにアップします。

音圧レベル実測 投稿者:TTB 投稿日:2016年 7月19日(火)22時06分39秒

注文した騒音計はまた届かないのですが、実は今持っているBehringerのデジタルEQにマイクをつなげればSPLが測定できることが分かりました。(このGEは何年も使っていますが、ものすごい多機能の割に取説が簡単にしか書いてなく、いまだに全容がわからない、という代物です・・)どのくらい信頼度があるのか不明ですが、リスニングポイントにマイクを置き、再生時のSPLを測ってみました。(フィルターリングは無し)まず、暗騒音は45dBぐらいでしょうか、これは主に空調が原因で、周波数的には50Hz以下なので実際はあまり気になりません。

それで、最大音量はどのくらいかをまず確認しました。ソースはここにもよく登場するエクストンのズヴェーデン指揮オランダ放送響の春の祭典のSACD.私の聴く最大レベルで聴きましたが結果は大体以下の通り。最大音量はやはりこの曲によく出てくるバスドラの強打で、約100dBありました。(中島さんのアンプがクリップした箇所でしょうか)

次にやはり打楽器群のティンパニやシンバルの強打が92-3dB,打楽器がないとffで90dBは行きません。ppは定義が難しいですが65dBぐらいでしょうか。聴いた感じでは、私としては十分すぎる音量で、これ以上上げると、音が飽和し音楽がわからなくなってしまうレベルでしょうか。(ちなみに広さは10畳弱です)ただ感覚的には、今まで2回ほど聞いたこの曲の生演奏より音量感がありました。実際に会場の空間容積通常の部屋とは比較にならない大きさですがSPLがどのくらいなのか知りたいところです。

Re: 音圧レベル実測 投稿者:NJ 投稿日:2016年 7月21日(木)13時10分46秒
IMKさん、

> 私も試しに大音量を試してみました。騒音計 特性Zで 90dB で頭がおかしくなりそうになりました。

 騒音計は実効値表示のはずですから、瞬時のピークには対応できません。加銅鉄平氏の書によればピークにおける実際の音圧は計器の指示より14〜15dB高いそうですから、104〜105dBあったわけですね。それはけっこうな音圧です。

音圧測定結果2 投稿者:TTB 投稿日:2016年 7月26日(火)11時50分23秒

音圧測定に関する件です。

先日、デジタルEQにて拙宅での再生音圧実測についてアップしましたが、今回デジタル音圧計を入手しましたので、この測定器での再測定結果、および実際の大編成オケでの測定結果(!)など報告します。

1.デジタル音圧計
これは、INKさんが入手されもの同じもの(TES1150)です。測定できるものは、SPL、ピーク値、などフィルターはA,C,Z選択可能です。これは台湾製で、マニュアルも紙一枚のさっぱりしたもので、はっきりしないのですが、私の理解は以下。

SPLは音圧の実効値である、これとは別に、ピークも測定できる機能もある。

2.拙宅の装置での再測定結果
デジタルEQでの測定では、最もボリュームを上げたときの、最大音圧は100dBと出ました。この音圧計で再測定した結果は、SPLで同じくらいのレベルが出ました。デジタルEQの測定はSPL実効値だったようです。(フィルターはすべてZです)(そもそもSPLというのは実効値と定義されているのですかね)それで、ピーク値は110dBと出ました。(我ながらすごい音量で聴いているw)しかしこれは、特別な場合で、私が通常聴いている大編成のオケではこれより5dB程度低く、SPLで最大95dB程度、ピークで105dB程度でした。

3.大編成オケでの実測結果
昨日(25日)サントリーホールで決行しました。
曲目:マーラー交響曲第5番
演奏:アラン・ギルバート指揮 東京都交響楽団
測定場所:舞台向かって左上、第一Vnのすぐ上の席(オーケストラのすぐ横で聴いている感じ、ちょうど隣は壁だったので隣の方の迷惑にもならず。測定を決行しました)
  測定結果
  最大SPL 104.2dB
  ピーク値 114.7dB
  これは一楽章の冒頭トランペットのソロの後の全打楽器群を含むffのtuttiの個所と思います。やはりピークを作るのは、打楽器の強打です。

感覚としては、至近で聴くシンバル、バスドラ金管群のffのエネルギーに圧倒されました。 久々に、音量に感動しましたが、うるさくはなく爽快でした。

ちなみに、無音時のSPLは最小SPL 40dB でした。意外に大きいかもしれませんが、Z特性なので、これはAあたりだったらもっと低いはずです。

ということで、今回の測定結果は以上でした。

安価な測定器を膝の上に置いての測定でしたので、信頼性は?ですが、かねがね疑問に思えたことが測定できて、ほっとしています。まあ、一つの参考記録とみてください。

Re: 音圧測定結果2 投稿者:NJ 投稿日:2016年 7月26日(火)14時27分40秒 TTBさん
TTBさん
 
実に貴重なデータですね。

> デジタル音圧計 SPLは音圧の実効値である、これとは別に、ピークも測定できる機能もある。

ピークを測定出来るものがあるとは、初めて知りました。ピークホールドなんでしょうか?また、波高値でなく絶対値(実効値)なんでしょうか?

> 拙宅の装置での再測定結果 (そもそもSPLというのは実効値と定義されているのですかね)それで、ピーク値は110dBと出ました。(我ながらすごい音量で聴いているw)

 書名は忘れましたが、騒音計の指示は実効値目盛りであると書かれておりました。すなわち、多数の周波数を含む波形のエネルギは普通実効値で表すからです。 また、ピーク110dBというのは、拙宅もそのくらいです。(実演並みですなあ)ただ、殆どの市販ソフトはピークをその程度の音量にすると、平均音圧が94〜95dB位になって(実演では85dB程度)極めて不自然な感じ。(コンプの掛けすぎ)

> 大編成オケでの実測結果
> ・・・・・・

 私がよく引き合いに出すのは中島平太郎氏の著書にあるチャイコウスキの第六交響曲のデータで、指揮者の後方2m、高さ3.9mの位置に設置したマイクで112dBです。マーラーやRシュトラウス、ストラビンスキならもっと大きいだろうと思っていましたから、マーラー五番で114.7dBというのはもっともらしい数字です。数値は信頼できると思います。

> 感覚としては、至近で聴くシンバル、バスドラ金管群のffのエネルギーに圧倒されました。 久々に、音量に感動しましたが、うるさくはなく爽快でした。
 ちなみに、無音時のSPLは最小SPL 40dB でした。意外に大きいかもしれませんが、Z特性なので、これはAあたりだったらもっと低いはずです。


 測定はZまたはCで行うべきと思います。前記中島平太郎氏によれば、暗騒音は25〜35dBとのことで、壁面に近いこともあって40dBもありうるかな、と思います。つまり、ホールに低周波の定在波が発生しており、壁面が最大値になるはずなので、その近くであれば定在波の腹に近い値を計測した、と言うことか。会場の定在波は可聴周波数以下で、多分10Hz以下でしょう。(ホールのおそらくヨコ方向の定在波か?)Z特性で測定したから出た。Cでも出た可能性があります。Aだと仰るように出ないかも。

> ということで、今回の測定結果は以上でした。信頼性は?ですが、かねがね疑問に思えたことが測定できて、ほっとしています。

測定誤差はあるでしょうが、信頼性は高いと思います。

Re: 音圧測定結果2 投稿者:WT 投稿日:2016年 7月26日(火)21時16分48秒
TTBさん

私もTES1150、真剣に欲しくなってきました(笑)。

> ちなみに、無音時のSPLは> 最小SPL 40dB でした。意外に大きいかもしれませんが、Z特性なので、これはAあたりだったら・・・

 本来は暗騒音はNC曲線から求めるのだそうですが、TTBさんのデータは貴重だと思います。

http://www.bouon-taisaku.com/learning/value-nc.html

 慣れると、今聞いている暗騒音が何dBか、だいたい当てられるようになると思います。

Re: 音圧測定結果2 投稿者:NJ 投稿日:2016年 7月26日(火)21時55分23秒
WTさん、

>  本来は暗騒音はNC曲線から求めるのだそうです

 私の理解では、NC曲線とは騒音のグレードの評価に利用するカーブで、騒音測定を行って測定結果をNC曲線と突き合わせ、例えば測定結果がすべての周波数にわたってNC30以下に収まっていれば「静か」という評価である、と聞きました。つまり測定手法で無く、測定結果即ち暗騒音の段階を「静か」「普通」「酷い」などと判定する手法であると思いますが。

Re: 音圧測定結果2 投稿者:TTB 投稿日:2016年 7月27日(水)16時23分17秒 NJさん

>  ピークを測定出来るものがあるとは、初めて知りました。ピークホールドなんでしょうか?また、波高値でなく絶対値(実効値)なんでしょうか?

ピークホールドできます。 このピークは何か、いろいろ調べましたら、小野測器のホームページに解説がありました。 ピークは波高値と思います。

https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/noise/NewSoundLevelMeter.pdf

この測定器は、SPLの最大値、最小値のホールドもでき、暗騒音は最小値のホールドで出た結果です。

>  書名は忘れましたが、騒音計の指示は実効値目盛りであると書かれておりました。すなわち、多数の周波数を含む波形のエネルギは普通実効値で表すからです。

小野測器の解説書にも実効値とあります。

>  私がよく引き合いに出すのは中島平太郎氏の著書にあるチャイコウスキの第六交響曲のデータで、指揮者の後方2m、高さ3.9mの位置に設置したマイクで112dBです。マーラーやRシュトラウス、ストラビンスキならもっと大きいだろうと思っていましたから、マーラー五番で114.7dBというのはもっともらしい数字です。数値は信頼できると思います。

今回はけっこうオケに近い位置で測定できましたが、指揮者の真上はもうちょっと高かったでしょうね。確かに、悲愴が112dBならば、このくらいは順当な値ですね。一安心です。

Re: 音圧測定結果2 投稿者:志賀 投稿日:2016年 7月28日(木)17時52分13秒
TTBさん

貴重なデータの提供有がとうございます。

それから小野測器のpdf


https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/noise/NewSoundLevelMeter.pdf

も参考になります。内容は結構難しい、というか騒音レベルの定義が色々あり複雑ですね。

ピークレベル(L_peak)は 9-8項(p.47) や p.48の注意書き1-(2)にあるように波形の絶対値の最大値のようですね。このことは、その下に書いてあるように定常正弦波なら最大レベル(L_max)の sqrt(2)倍すなわち +3dB になると書いてあるので腑に落ちます。また、衝撃音では差は10dB以上の差になるとも書いてあるので、とどべいさんの測定とも合致します。( p.38 の図8.12 の上から2番目の図がこれに当たると思います。ただし、説明には2乗出力と書いてありますがこれは誤りで、その形からして絶対値の図ですね)


ちなみにSPLは音圧変化の2乗平均の平方根で定義されているので実効値です。

Re: 音圧測定結果2 投稿者:INK 投稿日:2016年 7月29日(金)17時14分18秒
TTBさん

> これは結構遊べます(笑)、ぜひご活用ください。

早速活用のチャンスが参りました。それは先程からの雷です。
1 ピカッと光って3秒ほどで110dB
2 光ってすぐの至近距離で猛烈な音というか、むしろ響きです。114dBでした。

1でも結構な音で迫力十分です。オーケストラも雷なみ?という事でしょうか。

ということで、オーケストラの音圧が投稿者自身の手により測定されましたが、これを以前に紹介された中島平太郎氏の著書にあるダイナミックレンジの図(下図)と比較すると、縦軸のスケールが明示していない点は気になるが、図の左端のバー(ソースのダイナミックレンジ)の最大値を SPL 130dB とすると、オーケストラのピークが約107dB スタジオの騒音は35dB くらいになるので上記の測定値と概ね一致する。ただし、軽音楽のピーク値が130dB にもなるのはどのような状況なのかよくわからない。

聴覚の感度

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:WT 投稿日:2016年 6月26日(日)22時01分37秒
PRTさん、

> 仮にCDで96dbのDレンジが確保できるといっても最大音量を100フォン(録音レベルの単位と混同しやすいので敢えてフォンとします)程度で再生した時、そこが0db時とすると約−90dbもの弱音はどう聞こえるのでしょうか?

 実はこの実験をやったことがあります。我が家のスピーカーはバックロードホーンで約100dB/Wの能率があります。1kHzの0dBと-90dBを作成してCDに焼きこみ、0dBを再生してアンプの出力を1Wになるようにボリュームを設定して、そのまま-90dBを再生しました。正弦波ということもあるんですが、バッチリ聴こえましたよ。

Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:NJ 投稿日:2016年 6月28日(火)11時45分1秒
WTさん、

・・・・・。 WTさんの実験の-90dBは、実際のSPLで表せば10dBとなります。ところで、中島平太郎氏によればヒトの最小可聴限は添付のグラフのようであり、1000HzのSPL0dBの音を感知出来る人は被験者の1%も居ない。極く耳の良い人です。WTさんが1000Hz10dBの音を感知されたのは、耳の良い10%の人の中に入るようです。

 このグラフによれば、およそ半数の人はSPL10dBは感知不能です。ましてや雑音があるとすればなお難しいでしょう。



Re: スピーカーの実用的Dレンジ 投稿者:NJ 投稿日:2016年 6月28日(火)22時52分56秒
WTさん

>このグラフの0dBとは、最小可聴値を指しているそうです。

 最小可聴値とは、SPL0dBを意味するのか、あるいはフレッチャーマンソンなどのいわゆるラウドネス特性の0ホンのカーブを指すのか分かりませんが、どちらにせよそれを感知出来る人は殆どいないでしょう。ヒトの最小可聴限を決めたのはかなり古い時代で、その頃はヒトの耳は今よりよかったのかなあ?よく分かりませんが、物の本によれば1000Hzにおいて20μPaの音圧がヒトがようやく聴き取れる音圧であり、それをSPL0dBと定めた、とあります。こんなのを感知出来る人は千人に一人も居ないでしょう。

 因みに、あの投稿に添付したグラフで120dBを超えるあたりに「最小可覚値」というカーブがあります。これは音として感じるより、振動として知覚するようになるということのようで、中島氏に依れば「疼痛感」を感じるとのことです。

ソースにおけるDレンジの再考@ 投稿者:WT 投稿日:2016年 8月15日(月)19時45分1秒

一般家庭での再生環境から、ソースのダイナミックレンジはどの程度あるべきか、あるいは限界かを考えるべく実験をしてみました。

 まずはアッパーリミットとしての最大音量ですが、一軒家の我が家にあっては、パワーアンプのメーター読みで1Wくらいが概ね最大です。実際にはこれを超える事も珍しくは無いのですが、わかりやすくする為に1Wでの音圧レベルを最大音量と決めました。

 WaveGeneで24bit96kHzのレートで1kHz0dBを作成し、このデータをCDPのSPDIF入力に入れて両Ch再生しSP端子間が2.82Vになるようにボリューム調整、リスニングポジションでリオンNA-20で測定したところ、103dB(A)が得られました。これを最大レベルとします。中古の測定器ですが、出品者によると校正器をつないだところ、0.4dBのズレがあったとの事です。今回のような使用目的においては充分な精度だと考えます。

テストソースは1kHz、無音、音楽の3つ。この3つについて-60dB、-70dB、-80dBを作成しました。音楽信号はまず波形編集ソフトで0dBまでレベルを上げた後にそれぞれのレベルまで落としました。それぞれのレベルの音素材(例えば-60dBの素材)を10個ランダムに並べて被験者に聞いてもらい、何が聴こえたかに○をつけてもらうような表にしました。従って、被験者には-60dB、-70dB、−80dBの3回テストをしてもらう事になります。

 被験者は二人で、両方とも40代の男性です。完全なブラインドテストではなく、正弦波を普段聞いていない人たちなのでテスト前に-60dBの音源をまず聞いてもらい、これらがランダムに再生されますよという説明をしてあります。またテスト音源の境目を明確にする為にテスト音源提示の前に300Hzのパイロットトーンを3秒間流してあります。その後2,3秒の無音を経てテスト音源となり、思考時間として5秒の無音を加えてあります。イメージとしては2番目の図のようになります。





ソースにおけるDレンジの再考A 投稿者:WT 投稿日:2016年 8月15日(月)20時25分42秒  

1番目の表はAさんの回答です。

表の最下段の黒丸が正解です。−60dBでは1問不正解でしたが−70dBの音素材はすべて聞き分けられています。−80dBは正弦波は正解してますが、音楽が聞き分けられていません。

2番目はBさんの回答です。−70dBで10問中8問正解ですが、やはり音楽素材に聞き分けに少し心もとない所があるようです。−90dBでは5問正解してますが、音楽素材に関してはすべて不正解です。
要因のひとつは、この時たまたま庭でセミが鳴き始めてしまった事も影響していると思います。

 騒音計で暗騒音を時々監視してましたが、本当に静かな時は26dB(A)でした。セミが鳴き始めてしまうと、32dB(A)ぐらいまで騒音が上昇しました。

 総括すると、音楽としては70dB〜80dBぐらいのDレンジがあっても良いのではないか、と言うものでした。勿論再生音量や部屋の暗騒音のレベルに左右されるのは当然です。ですから厳密に言えば個人個人の再生環境によって有効(聞き分けられる)最小音のレベルは異なり、それによってDレンジの数字も変わってきますが、一例とはいえおおよその数字が出せたのは有意義であったと自画自賛しております。

 余興として正弦波の−90dBを聞いてもらいました。それが3番目の表です。Aさんは9問正解しています。残念ながらBさんのテストの時にはまたセミが鳴き始めてしまい、正解が4問のみにとどまりました。

 正弦波に比べて音楽信号の方が聞き取りにくい、という結果ですがこれは聞いた印象としても同様です。多分、音楽信号は周波数が分散しているので、個々の周波数においてはレベルが低いからだと思います。メーター上ではそれらの総和がレベルとして表示されるので、正弦波とメーター上では同じでも聴感上としては低くなるということだと思います。
変な話、運動靴で足を踏まれるのとハイヒールのかかとで踏まれるのとでは痛さが違うようなものだと思います。
 以上の話は個人的解釈なので、志賀さんやお詳しい方に適切なフォローや訂正の解説をいただければありがたいと思います。






Re: ソースにおけるDレンジの再考@ 投稿者:志賀 投稿日:2016年 8月26日(金)12時46分46秒
WTさん

たいへん貴重で興味深い実験の報告有り難うございます。実験方法について確認したいことがあります。

人間の聴力の限界を0dBとするSPL単位(0dB の絶対音圧をp0=2×10^(-5)Pa とし、絶対音圧 pのSPL=20×log(p/p0)dB とする)が定義されており、スピーカの音圧の表示にも使われているのはご承知だと思いますが、WTさんの表示では、例えば-80dB は103-80=23 SPL という解釈でいいんでしょうか?


Re: ソースにおけるDレンジの再考@ 投稿者:WT 投稿日:2016年 8月26日(金)22時28分37秒
志賀さん、

はい、実験中に-60dBの1kHzを騒音測定器で測ってみたのですが、-40dBを少し越えたあたりを指し示していましたから、そういう解釈で間違いないと思います。ただ測ったポイントが103dBの音圧レベルを測定したポイントとは少しずれていたので多少の誤差はあったと思います。ちなみに私らの頃は聴力限界の音圧は、0.0002μbarと教わったものですが、Pa表示になってよくわからなくなりました(笑)。

> ちなみに私自身はこのような実験はしたことはないんですが、毎年受けている総合健診(いわゆる人間ドック)には聴力の測定もあり、その方法は被験者が公衆電話ボックスくらいの大きさの防音室に入り、ヘッドホンをつけ、いろんなレベルの1000Hz 及び4000Hz のサイン波を聴き実際に聴こえたときに手元のボタンをおすというものです。結果を左右の耳についてdB 単位で表示しています。おそらくSPLのことだと思います。これを70歳の頃から受けていますが、70歳のデータは1000Hzでは右5dB 左20dB、4000Hzでは右15dB、左15dB となっています。昨年のデータでは1000Hz 右20dB 左20dB、4000Hzでは右15dB、左20dB となっています。年により±5dB のばらつきが有りますが4000Hzくらいだと聴力はそれほど急激に低下しないようです。なお、正常値は1000Hz 30dB 以下、4000Hz では45dB となっています。

 いえ、以前もお見せした私の聴力検査の結果表を見ると、縦軸は「聴力レベル」とあります。音圧レベルではないんですね。要するにフレッチャーマンソン曲線の各周波数における最小可聴音圧レベルを0dBとして表していると思われます。もしこの縦軸が音圧レベルならば、私の結果表はフレッチャーマンソン曲線を上下反転させたようなグラフになるはずです。 ですから125Hzの最小可聴レベル約25dB、250Hzの約10dB、1kHzの2or3dB・・・を0dBとしてこの表は表しているのだと思います。そうする事で、どこの周波数が聴こえにくいかが一目でわかるからです。
 
以下の補聴器のサイトでも『最小可聴閾値(聞くことの出来る最も小さい音) を0デシベルとして規定しています』とあります。

画像有り 2枚



Re: ソースにおけるDレンジの再考@ 投稿者:志賀 投稿日:2016年 8月27日(土)10時14分12秒
WTさん

>  いえ、以前もお見せした私の聴力検査の結果表を見ると、縦軸は「聴力レベル」とあります。音圧レベルではないんですね。要するにフレッチャーマンソン曲線の各周波数における最小可聴音圧レベルを0dBとして表していると思われます。・・・・

確かにそのようですね。ご指摘有り難うございます。Wikipediaにも詳しい解説が載っていました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E5%B0%8F%E5%8F%AF%E8%81%B4%E5%80%A4#.E8.81.B4.E5.8A.9B.E3.83.AC.E3.83.99.E3.83.AB

とすると、1000Hz の最小可聴音圧(SPL)がほぼ0dBなので1000Hzについては、SPLと聴力レベルがほぼ一致するということですね。

ところで、1Pa(=N/m^(2))は 10^(-5)barに等しいので 0.0002μbarは 2×10^(-5)Pa =20μPa となります。

ちなみに、天気予報などに使われる気圧の単位 ヘクト(10^(2) パスカル はかって使われていたmbarに等しいので使われているんでしょう。


Re: ソースにおけるDレンジの再考@
投稿者:WT 投稿日:2016年 8月27日(土)16時45分27秒
志賀さん

> とすると、1000Hz の最小可聴音圧(SPL)がほぼ0dBなので1000Hzについては、SPLと聴力レベルがほぼ一致するということですね。

そういう事だと思います。

> ところで、1Pa(=N/m^(2))は 10^(-5)barに等しいので 0.0002μbarは 2×10^(-5)Pa =20μPa となります。

 そうなんですか。ありがとうございます。

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