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LPのプリエコー

LPのかけ始めや曲間の本来無音の所に、直後に始まる本来の音がかすかに聴こえる現象をプリエコーという。普通は隣の溝の影響によると考えられているが、それ以前にマスターテープの段階で磁気転写として入っているんではないかというBMさんの投稿に始まる。私自身はすでにLPレコードは使っておらず、仮に原因がはっきりしたとしてもどうなるものでもないのでそれほど興味をそそる話題でないがずいぶん活発な議論が戦わされた。中には貴重な情報もあるので採録しておく。ただし、あまりに長いので本筋からはずれた議論は省略してある。

なお、ここでの議論は
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Science.htm
に書いたように、ある現象の原因を科学的に解明しようとする際、定量的な解析が如何に重要であるかを示す典型的な例である。プリエコーといういわば些細な現象ではあるが、このような観点から読んでもらうと面白いと思う。

LPのプリエコーについて 投稿者:BM 投稿日:2008年 1月29日(火)13時44分6秒  

いままで話題になった資料とか有りますか?マスターテープの磁気転写、カッティングの影響、プレスの影響とか言われますがどのように思われますか・・・

Re LPのプリエコーについて 投稿者:志賀 投稿日:2008年 1月30日(水)09時19分58秒  
BM さん

>いままで話題になった資料とか有りますか?

テープの転写については以前話題になったことはありますが過去録には入っていません。

>マスターテープの磁気転写、カッティングの影響、プレスの影響とか言われますがどのように思われますか・・・

何しろ録音側での現象なので想像でしかありませんが、カッティング時に入るんではないでしょうか?

プレスの時は上から力がかかるので横方向への影響は少ないんではないでしょうか?

マスターテープの磁気転写が原因なら、マスターがディジタル録音の場合は生じないはずですね。 残念ながら、私の所ではLPはすく聴ける状態でないので確かめてみるわけにいきません


Re: LPのプリ/ポスト エコーについて 投稿者:HD 投稿日:2008年 1月30日(水)11時05分33秒    

BMさん

1)アナログテープに起因する場合
Listening to some CDs (ノイズ処理の不十分なCD?)、I can hear what sounds like an echo of the beginning of the song before it actually starts....or if there is a quiet part I hear the echo of when it kicks in before it actually starts. This is detectable usually only when there is a quiet part...you hear a faint echo of the next passage before it actually starts, and when it starts the echos of the rest I guess are drowned out.

長期間保存による転写だけでなく、ハイレベルでテープ録音した場合「突き抜け(?)」もあるようです。

http://www.aes.org/aeshc/docs/3mtape/printthrough.pdf

2)LPマスターのカッティング時の場合
Q:I am hearing the adjacent groove! This is easily noticeable at high volume just before the music starts, but it also happens at end of record and during silences in the music itself. Most annoying is to hear Opera, with dead silence punctuated by soprano at loud volume. You hear her coming, singing, then going. Seems to happen on about all kinds of vinyl.
Has anyone else heard this?

A:You are hearing pre and post echo on the record groove. It has the do with the mastering of the record and how close the grooves are spaced. If the grooves are cut too close together a loud signal from the adjacent groove can affect the groove before or after it, especially if the signal is significantly lower in those grooves such as silence. There is always some level of pre and post echo in every record groove but usually it is so low that it's inaudible. Highend record makers tend to space their grooves a little wider but this shortens the length of time available per side. Higher quality lacquer or direct metal mastering also produces less echo due to decreased elasticity of the master.

プレス時というのは見つかりませんでした。

有難う御座います 投稿者:BM 投稿日:2008年 1月30日(水)12時07分17秒  

ときどき話題に成るので、ハッキリとした原因が知りたいのですが?
色々話した中ではプレス時の原因が結構有ると言う方も多いです、樹脂をプレスするときに真ん中に樹脂を入れて外側に広がって行くらしく、その原因で出来るプリエコーは左チャンネルからだけ聞こえると言われます確かに左だけから聞こえるプリエコーも有りますから、これも有力かと?

Re2 LPのプリエコーについて 投稿者:志賀 投稿日:2008年 1月30日(水)16時58分32秒  
BM さん

どういう方の意見なんでしょう?もう少し推察してみます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/LP%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89#.E3.83.AC.E3.82.B3.E3.83.BC.E3.83.89.E3.81.AE.E7.94.9F.E7.94.A3

ここに製作工程がけっこう詳しく書いてありますが、これを見る限りやはり最初のカッティング時に入るんではないかと推察します。

プレスの時はおっしゃるように中心に置いた柔らかい樹脂が外に広がることにより板状になるんだと思いますが、最後は静止した状態で溝の形状が決まるわけで、材料の堅さと力のかかり具合からこのとき内側の溝の影響を受けるとはちょっと考えにくいです。なお、一方のチャネルからのみ、あるいは左右で異なる影響を受けるのはカッティング時でも同じなのでプレス時原因説の証拠とはならないと思います。

有難う御座います 投稿者:BM 投稿日:2008年 1月30日(水)17時10分3秒    

私自身は、マスターテープの磁気転写が一番の原因と感じているのですが、志賀様は磁気関係にお詳しいと思いますが、磁気の転写はどうでしょう?

もしカッティングだとすると、工程上確認の再生もしてると思うので、可能性は有っても避けられると思っています。

プレスは、どうなのか解りません・・・どういう方の意見と言われましても、オーディオが趣味の人達ばかりなので、専門的な事は、解らないです。

Re3 LPのプリエコーについて 投稿者:志賀 投稿日:2008年 1月30日(水)17時26分42秒  
BM さん

>私自身は、マスターテープの磁気転写が一番の原因と感じているのですが、志賀様は磁気関係にお詳しいと思いますが、磁気の転写はどうでしょう?

テープの磁気転写現象も考えられますが、マスターテープに使っているような高品位のテープだとかなり長時間保存したものでないと聴いてわかるほどの転写は起こらないんではないでしょうか?

それに、テープが原因なら、少なくともプレエコーは簡単になくせますよ。その分だけミュートすればいいわけですから。また左右のアンバランスが起こるのも考えにくいですね。


>もしカッティングだとすると、工程上確認の再生もしてると思うので、可能性は有っても避けられると思っています。

HDさんが最初に紹介された英語の質疑応答を見る限り、これを避けるには、溝間隔を広くするしかないと思います。そのかわり録音時間が短くなってしまいますが。

RE: LPのプリエコー 投稿者:HD 投稿日:2008年 1月30日(水)19時49分14秒    
志賀さん、BM さん:

LPディスクの製作過程で録音された音の隣の音溝にエコーが入る場合、ディスクのどこでもエコーと録音された音のそれぞれの(ピークの)時間間隔は約1.8秒=60秒÷33 1/3(rpm)で一定 。 テープの転写に起因する場合はリールへの巻き円周の長さが変るので時間間隔は一定にはならない(編集の加減でたまたま同じになることはあり得ますが)のではないでしょうか?

RE2: LPのプリエコー 投稿者:志賀 投稿日:2008年 1月30日(水)20時13分27秒  
HD さん、 BM さん:

おっしゃる通りです。それで磁気転写と隣の溝の影響の区別はつきますね。私も磁気転写そのものを否定しているわけでなく、不用意に古いテープを使うとその原因のプリエコーもあるかもしれません。

BMさん

もしプリエコーが気になるLPがあればテストしてみませんか?


ここで出てきた時間差(エコータイム)の1.8秒という値が以後キーポイントになる。

(無題)
投稿者:BM 投稿日:2008年 2月 1日(金)11時38分16秒    

昨日カンターテドミノを聴きました、ハッキリ解るプリエコーがA面に2箇所有ります、矢張り、ご指摘の様に1.8秒位でした・・・それと溝の間隔も狭い感じですこのレコードは、となるとカッティングなのかプレスなのかと言う事でしょうか?

RE:LPのプリエコー 投稿者:KI 投稿日:2008年 2月 1日(金)12時16分18秒  

カッティング用アンプ内部でのレベル確認用のモニター音のリークでは無いかと思ったのですが、これは考えられない事でしょうか。カッティングの際は隣の溝に影響が出ないように、カッターヘッドの信号の直前(何秒前かは不明)のレベルをモニターしながら作業していた との情報を雑誌で見た記憶があります。

約1.8秒前(1回転前)というのも理にかなっていますし、家庭用のアンプでもCDだけ再生中に他の入力に切り替えてボリュームを上げるとリーク(クロストーク?)が聞こえます。

カッティングレベル確認用のモニター音がアンプ内部のリークにより、カッティングアンプに入り込んだのではないでしょうか。
もし、隣の溝の影響だとすると、歌詞が聞き取れる事は無いと思います。

カッティングする際に盤面をムダ無く使用するため小信号の時はカッターの移動速度を遅くして密度を上げ、大信号の時は隣の溝に影響が出ないように、カッターの移動速度を早くして溝の間隔を拡げていたそうです。約1.8秒前(1回転前)に信号レベルをモニターするというのも理にかなっている根拠です

Re: RE:LPのプリエコー 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月 1日(金)16時11分26秒    
KIさんへのお返事です。

「マスターテープの再生時、再生ヘッドの前にモニタヘッドを取り付けることにより、音量に合わせて予めカッタの送り速度を調整すること(可変ピッチカッティング)が可能になり、ダイナミックレンジの確保と録音時間を両立できるようになった。」

と言う事のようです。 業務用のテレコは15 ips/30 ipsでしょうからモニターするのに1.8秒もかからないと思います。 但し、モニターヘッドからの信号を受けてから「送りピッチ」を変えるのに要する時間はカッティング機によってさまざまではないでしょうか?

この技術かなり古くてLP以前、SP時代の後期にDGがVG盤(Variable Groove)と言うのを出しまして、曲にもよりますがSP盤より収録時間が1.5倍〜2倍位になったようです。

クロストークの件は、「無い」とは言い切れませんが業務用器機では問題になるほどのレベルとは考え難いですね。

この意見は、エコータイムが1.8秒となる必然性はなく、録音機の回路中でのクロストークというのも考えにくいので大幅に省略する。

磁気転写 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 1日(金)17時29分37秒  
BM さん

>昨日カーターテドミノを聴きました、ハッキリ解るプリエコーがA面に2箇所有ります、矢張り、ご指摘の様に1.8秒位でした・・・それと溝の間隔も狭い感じですこのレコードは、となるとカッティングなのかプレスなのかと言う事でしょうか?

やはりそうですか。となるとマスターテープの磁気転写説はまず消えますね。カッティング時かプレス時かは、私の考えは以前示した理由によりカッティング説ですが、この問題は製作側の問題でユーザー側では確かめようが無いのでこれ以上議論しても仕方がないと思いますよ。

話が変わりますがテープの磁気転写の件ですが、実際にその様な例(もちろんテープレコーダでの話ですが)をお聴きになったことはありますか?

というのは、ご存じかと思いますが、テープに録音する場合、磁気記録媒体の磁化の非直線性の影響を受けないように、超音波信号を加える、いわゆる交流バイアスをかけますが、テープ転写の場合は直接磁化されますので相当歪んだ音になると推察されます。残念ながら私は鮮明な記憶になく、あっても注意して聴いたことがないんですが、如何でしょう。


Re 無題 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 1日(金)18時30分17秒    
BM さん

>>隣の溝の影響だとすると、歌詞が聞き取れる事は無いと思います

>これについては私も同感なんです、すでにカッティングの済んだ隣の溝をカッティングした影響で、あれほど鮮明に音の信号を前の溝に移すのは、チョット考えにくいのですが?


なぜですか? 私はあり得ると思いますが。1.8秒間隔で聴こえるということは隣りの溝からの影響としか考えにくいですね。

>溝に刻まれている信号はミクロン単位の細かい結構角のシッカリしたウロコの様に見えますから、いくら間隔が狭いと言っても、その凸凹を鮮明に転写するのはチョット理解できないのです・・・・しかも両方のchから聴こえる物が多いですし?


ご存じだと思いますがカッティングの時の材料はLPの材料とは違いますよ。

>磁気転写がプリエコーの原因の一つと言うのは以前から一般的に言われていると思いますが?

それもあるかもしれません。ただしその場合は1.8秒遅れになるのは考えにくいですね。

いずれにせよ想像でものをいうのは本意でないので私はこの議論からそろそろ撤退しようかと思っています。


原因は転写ですよ。 投稿者:NS 投稿日:2008年 2月 1日(金)21時16分16秒  
BM さん

古いカセットテープでも聞いたらわかりますよ。なんなら、CDをノーマルカセットテープにダビングして、たつに1週間くらいおいて聞いてみたらどうですか?

Re 原因は転写ですよ 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 2日(土)05時55分1秒  
NS さん

横レスですがちょっと気になるので。

表題の意味はLPのプリエコーの原因がマスターテープの磁気転写であるという意味ですか?

もしそうなら、BMさんが測定された時間差が1.8秒であるという事実(2月 1日(金)11時38分16秒の投稿)2月 1日(金)11時38分16秒 をどう説明するんでしょうか? しかも2個所で! 偶然の一致ではすまされないと思いますが?


(無題) 投稿者:NS 投稿日:2008年 2月 2日(土)18時04分37秒  
 
マスターテープのテープスピードは38cm/secとして、時間を測定した精度はわかりませんが1.8秒後にホンチャンが鳴ったとすると、38*1.8=68.4cmテープが進んだ距離となります。そして円周が68.4cmの円があったとするとその直径は、68.4/3.14=21.8cm(テープの巻き取り直径)、マスターテープは50番(厚さ50ミクロンメートル)を普通使いますから、10号リールで1100mの長さ(約30分)です。

カンターテドミノのLPは実家に置いているので片面の収録時間はわかりませんが、30分も無かったはず。20分〜25分ですから通常店頭に巻いてある直径(約30cm)よりも小さいから21.8cmの巻き取り径と問題のLPのプリエコーと一致する筈。

マスターテープの転写が妥当です。

普通の時計で計るとすれば2秒、テープの巻き取り直径は24.9cmです。小数点以下の数字は精度の意味がありませんのであしからず。

決着をつけるには 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 2日(土)18時46分23秒    
NS さん、皆さん

正直私はどちらでもいいんですが、決着を付ける方法を提案しておきます。エコーとの時間差を正確に測ることです。具体的には、例えばAudaciy のようなソフトを使い、


http://www.forest.impress.co.jp/lib/pic/music/soundedit/

信号を取込み、波形を比較しエコーと本番の時間差を測ることです。正確なクロックがついているのでフォノモーターさえ正確であれば、もし隣の溝の影響なら1.8秒±0.01秒くらいの精度で一致すると思います。それで一致すれば隣の溝の影響、一致しなければ原因は他にあるといえると思います。もちろんその特定のLPに限っての話ですが。我と思う人はやってみてください。


pre-echo の記事 投稿者:RS 投稿日:2008年 2月 3日(日)10時47分53秒  
pre-echoに関して次のような記事がありました。

──────────────────────
I
Audio and Hi-Fi Handbook
著者: Ian Robertson Sinclair
ISBN 0750649755

p.161
... If adjacent groove turns are too close together, damage to the groove walls can occur as a result of imprinting of information from the next turn of the spiral. The parallel here is sticking a hammer through a wall, and finding that this has made certain modifications to the shape of the wall as viewed from the other side. A less catastrophic but still undesirable audible side effect of having grooves that are too densely packed is pre-echo -- a faint reproduction of the next groove during reproduction of the groove that precedes the loud passage of music.. The time lead associated with this effect is the time it takes for the record to perform once revolution -- just under two seconds for 33.3rpm discs. The problem can be minimized by ensuring a wider groove pitch ...
──────────────────────
II
http://acapella.harmony-central.com/archive/index.php/t-1008488.html

A newly recorded acetate is a joy to listen to. It is far, far quieter than the final pressing (no matter whose vinyl formulation is used), it is totally free of ticks and pops (until you touch it) and the groove echo is very low.

The acetate is almost a living thing. How a lacquer electroplates is a function of how well cured the lacquer is. The amount of oils in the acetate are a function of how the manufacturer made it, how long it was cured at the plant, and how long it was allowed to acclimatize to the cutting room environment before cutting. After cutting, time starts to act on the blank and the groove echo begins to build up within the master lacquer. The first 24 hours are the most critical for avoiding groove echo build-up. The idea is to get the lacquer into the plating bath as quickly as possible.

Re pre-echo の記
事 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 3日(日)13時03分2秒    
RS さん

>The acetate ・・・・・・

この部分を読むと、以前紹介した、下記の製造工程の記事と併せて

http://ja.wikipedia.org/wiki/LP%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89#.E3.83.AC.E3.82.B3.E3.83.BC.E3.83.89.E3.81.AE.E7.94.9F.E7.94.A3

(1)と(2)の間で、カッティングにより原盤(ラッカー)に導入された内部応力が緩和する過程で隣の溝に影響を与えるというこののようですね。出来るだけ速やかに次のニッケルメッキ工程に入ることによりプリエコーが最小限に抑えられるということのようですね。

おおいにあり得ることです。

Re2 pre-echo の記事 投稿者:RS 投稿日:2008年 2月 3日(日)17時30分20秒  
もうひとつ記事をみつけました。

http://wduk.worldomain.net/forum/showthread.php?t=3073&page=6

この中の、Stratmangler の記事に
─────────────────────────────
There are three situations where pre-echo can take place:

(1)At the cutting of the Master Lacquer Disc; (2)During the Galvanic Operations. (3)At the pressing of the Vinyl Disc.
─────────────────────────────
のように3つの場合に分けてかなり詳細に記述されています。

「ラッカーという素材は固体というより固い液体だ。」といった話が出てきます。ほっとくとストレスを解消するように変形する。

Re3 pre-echo の記事 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 3日(日)22時55分35秒    
RS さん

先の本の記述と微妙に違いますね。ただ両者とも隣の溝への影響はカッティング時ではなく、その後の処理過程で生じる材料の応力緩和が原因であるという点は共通しているようですね。

いずれにせよプリエコーの原因はここら辺にあるのは間違いなさそうですね。


皆さんお騒がせしています 投稿者:BM 投稿日:2008年 2月 4日(月)08時32分9秒    

レコードを聴きながら私はプリエコーを手持ちのストップウオッチで測定しましたし、プリエコーの始まりもカヨワイ音ですので、2回目は約1.8秒位でした1回目のプリエコーは1.8秒よりも少し短い様にも思えました・・・・ただ、いまだに原因の特定は出来ませんがNSさんがテープによるプリエコー説を強く言われているのは私としては心強いです。テープでの磁気転写が有るのは間違い無さそうですから・・・

追記なんですが、私が磁気転写を有力視するのは、初版のプレス盤には、あまりプリエコーの有る物は有りません、だいたいが可也昔のマスターテープから作られた復刻盤とか再発盤に多いのです、このことから磁気転写を疑っているのです。
ただこちらのBBSでの主旨とは外れてきましたので、これ件は終わりたいと思いますが?

RE: テープ転写説 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月 4日(月)13時54分47秒    
BMさん

テープ転写もプリ/ポストエコーの原因の一つと言われてますから、今の話題から外れてないと思いますよ。

先に紹介しましたテープメーカ 3M社のペーパーにはなかなか面白い事が書いてあります。 例えば、「(昔の)あまりS/Nの良くないテープでは, ノイズにマスクされてかえって転写によるエコーが聞こえない。」、「録音時のトラック数が多いと(トラック当りのテープ巾が小さくなるためか?)S/Nが悪くなる。」、「信号/転写 比が、信号/ノイズ 比より小さい場合はエコーは聞えないでノイズが聞える。」、「転写は時間の関数ですが、意外と短時間で転写が進むグラフが示されている」などです。

なので、エコーの聞える原因はディスクによって異なると思いますので、気になるディスクがあれば、当該ディスクでは何がエコーの主たる原因か追求するのは宜しいのではないでしょうか?

マスターテープの転写によるエコーの出るのが多いとなれば、CD化、SACD化する場合、全体を通じてその影響を無くす事はそう簡単では無いと思います。

プリエコーがよく聞えるとおっしゃっているカンターテ・ドミノが1976年録音のであれば、アナログテープ録音としては、テープも含めて技術的にはほぼ頂点に達している頃の録音ですから、気になりますね。

RE: テープ転写説 Re? 投稿者:BM 投稿日:2008年 2月 4日(月)15時29分30秒  
HDさん

私のカンターテドミノは最近買いました復刻盤なんです、この盤のプリエコーは話題に成りましたので、どの復刻盤にも入っている様です、優秀録音と演奏で人気の盤なのですがオリジナルは高価です、聞いたことは無いのですが、おそらくオリジナル盤にはプリエコーは無いと思います?

CDやSACDのリマスターだとプリエコーは無いです、カンターテドミノの復刻CDにも無い。これらはデジタル処理でそこの部分を消して、前後の同じ騒音部を挿入していると感じています・・・

LPレコードのプリエコー 投稿者:NG 投稿日:2008年 2月 5日(火)18時07分4秒  

ちょっと失礼します。実は某サイトで同じ事で話題のなり、黄金のアンコールさんという方がキングレコードの方の話を紹介されてましたのでここにコピペさせていただきます。

「キングレコードの高和ディレクターからスーパーアナログディスクの試聴会で詳しく教えてもらいました。

キングのスーパーアナログディスクでも、試聴会に持ってきたサンプルディスク中にプリエコーが発生している盤がありました。「スーパー・アナログ・ディスクに採用するマスターテープでマスターテープの段階でこれだけの転写があるならば、そのテープは絶対に採用しない。LPレコードのプリエコーは原因が3つあって、マスターテープに起因するもの、ラッカー盤のカッティング時に発生するもの、プレスのときに発生するものがあり、一番やっかいなのがプレス時に発生するもの」なんだそうです。

マスターテープは、しっかり管理すれば転写はほとんどない。あるとするならば、管理がいい加減な昔のテープのみ。またデジタル録音のテープでは転写音は出ませんね。

夏の暑い時期のカッティング時に、暑さのために軟らかくなったラッカー盤を使ってプリエコーが発生する場合が多い。これは、カッティング現場の室温管理を厳重に行い、これはカッティング後のラッカー盤の検聴の段階でプリエコーが出ているなら、カッティングしなおせば良い。また、TELDECが開発したダイレクトメタルマスタリング(DMM)という、アモルファス合金にカッティングしてこれを直接金属原盤とする場合には、カッティングによるプリエコーはほとんど無視できるくらいにしか発生しない。

プレスのとき、練り上げられた溶解したビニル材はスタンパーの中心部から周囲に向かって流れながら充填される。このとき、スタンパーを変形させてプリエコーが発生する。プリエコーが、本来の音の前に多くて後に少ない理由もビニルが中心部から外側に流れて外側方向にスタンパーがゆがむからで、その逆がないから。また、プリエコーは、レコードの回転周期と重なっている場合には、カッティングかプレスの時に発生しているもので、テープの転写の場合はもっとランダムなはずです。曲の開始前の本来無音溝であるところにプリエコーが発生している場合のほとんどがこれですね。」

こうしたことからするとやはりプレス時にエコーが起きている可能性が大のようです。

Re LPレコードのプリエコー 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 5日(火)19時04分11秒  
NG さん

貴重な情報有り難うございます。結局この問題は実際に製造に関わっておられる専門家でないと本当のことは分からないと思いますが、プレス時かどうかはまだ結論を出すのは早いと思います。

これまで、専門家のの解説と思われる説が3つでています。

1つ目は、RSさんの紹介 (投稿日:2008年 2月 3日(日)10時47分53秒)になる記事
──────────────────────
Audio and Hi-Fi Handbook 著者: Ian Robertson Sinclair

の中にある、ラッカーの応力緩和説

2つめは、やはり RSさんの紹介(投稿日:2008年 2月 3日(日)17時30分20秒)になる外国の掲示板(?)にある

ニッケルメッキ板の応力緩和説

3つめが上記のプレス時のスタンパーの変形説

それぞれ専門家と思われる人の意見で素人には判断は難しいですが、材料の専門家としての私は1の説に一票を投じます。

なぜなら、金属であるニッケルはラッカーやLPレコードの材料のビニル樹脂に比べ圧倒的に硬度が高く、樹脂からの力くらいで変形したり応力緩和を起こしたりするとは考えにくいからです。


Re:プリエコー 投稿者:KK 投稿日:2008年 2月 5日(火)21時43分6秒  

BMさんは磁気転写が起こる事を前提に議論をすすめていますが、定温・定湿で保管されているマスターテープで磁気転写が起こるならば、すべてのアナログ録音テープが磁気転写により使えないものとなっているはずです。しかし、現実はことなります。

経年変化したテープのデメリットは磁気転写などより、磁性体をテープに貼り付けているバインダー(接着剤)の劣化です。久しぶりにデッキにかけると(といっても19cm/s 4Tr)、茶色の磁性体がどっさりとテープ・パスに残ってしまいます。当然、ドロップアウトにつながります。一般にこのような変化は 近似的にアレニウスの式
  A*exp(-B/RT)
で示す事ができますが、磁性体の変化については不勉強で何とも言えません。助言をお願いします。

また、LPのカッティングの際の検出用ヘッドは実際にはパスする事がほとんどと解説されていました。というのは検出ヘッドによってピークにあわせてレコードの溝と溝の間隔(ピッチ)を変えても理想的なラッカーマスターができないので、スコアとテープの試聴にあわせてピークを考え人間がピッチを変える方が、よりまともなマスターを得られからということでした。考えてみればダイレクトカッティングでなくテープ編集をするということは、時間をかけて手動でダイナミックレンジを一定に収めることが可能になるのがメリットの一つであったのしょう。

Re:プリエコー 投稿者:NG 投稿日:2008年 2月 5日(火)21時57分43秒  
志賀さん

>金属であるニッケルはラッカーやLPレコードの材料のビニル樹脂に比べ圧倒的に硬度が高く、樹脂からの力くらいで変形したり応力緩和を起こしたりするとは考えにくいからです。

あえてこの考え方に反論しますとプレス時は相当な圧力がかかっていると思われますので(不勉強ですいません。どなたかプレス時にどのぐらいの圧力をかけているかご存知の方は教えてください)スタンパーが変形することもありうるのではないかと考えます。あんまり説得力がないんですけどね

Re2:プリエコー 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 5日(火)22時50分11秒    
NG さん

どのくらいの圧力かは全く分かりませんが、樹脂は固体というより、金属であるニッケルと比較すると粘性の高い液体と考えた方がいいんではないでしょうか? だとすれば、圧力は静水圧に近く、溝を歪ませるような力は余りかからないんではないかと推察します。プレス時説にはどんな根拠があるんでしょうか? 先に紹介した英文の解説は両者ともプレス時説には否定的です。

私にはこれらの説明の方が理解しやすいですが。


Re3:プリエコー 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 5日(火)23時08分18秒  
KK さん

>経年変化したテープのデメリットは磁気転写などより、磁性体をテープに貼り付けているバインダー(接着剤)の劣化です。久しぶりにデッキにかけると(といっても19cm/s 4Tr)、茶色の磁性体がどっさりとテープ・パスに残ってしまいます。当然、ドロップアウトにつながります。一般にこのような変化は 近似的にアレニウスの式 A*exp(-B/RT)
で示す事ができますが、磁性体の変化については不勉強で何とも言えません。助言をお願いします。


私の理解では磁気転写はやはり隣のテープが発生する磁場で磁化反転が起こるのではないかと思います。ただし、本来磁気記録材料はこのようなことが生じないように大きな保磁力を持っており、マスターテープに使うようなテープであれば常温ではまず生じないと思います。しかし、保磁力は温度を上げると急激に減少し、かつ反転には熱活性も関わってきますので、温度が上がると磁気転写は起きやすくなります。保磁力の減少はアレニウス式では記述できないので転写率がどのような温度依存性になるかよく分かりません。ここらあたりの実際的なことはNSさんが詳しいはずです。

なを、磁性についての初歩的な解説は

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/Lecture/ferromagnet.htm

ここを参考にしてください


Re: Re2:プリエコー 投稿者:KI 投稿日:2008年 2月 5日(火)23時58分1秒  
志賀さん
>どなたかプレス時にどのぐらいの圧力をかけているかご存知の方は教えてください)スタンパーが変形することもありうるのではないかと考えます。あんまり説得力がないんですけどね。

20数年前に読んだ雑誌には、プレス時の圧力は約100トンと書いてあったと記憶しています。試しに、検索してみたらありました。

http://www.toyokasei.co.jp/jigyou/genban/genban.html

ここに100〜150kg/cm2の圧力と説明がしてあります。LP盤の場合は、約70〜106トンとなりますね。

Re4:プリエコー 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 6日(水)08時37分0秒    
NG さん

>>プレス時説にはどんな根拠があるんでしょうか?

>そういわれてしまうと科学的説明ができず沈黙してしまうんですが(笑)、非常に高い圧力がかかった場合はそういうこともありうるだろうと思っただけですね。

そういうことだったんですか。私自身はLPプレス用の機械を見たことがないので(自動車工場での巨大プレス機は何度も見ましたが)いい加減なことはいえませんが、やはりオーディオハンドブックの記述であるラッカーの応力緩和説が最有力と見ますね。

ただ、KIさんが紹介されたサイトを見ると確かに圧力は大きく、当然のことながらスタンパーは消耗するので、表面が鈍って情報量が失われていきそうですね。その過程でプリエコーが発生する可能性も完全には否定できないような気がします。


マスター巻き 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 6日(水)13時44分29秒    
RS さん

理>時間が正確に測れていて1.8秒でないなら応力緩和ではないことになります。磁気転写と考えた場合、1回目の方が短いというのはマスター巻きテープならうなづける話です。

このテーマもずいぶん長くなったので一度整理しようと思って過去の投稿を見たところこの投稿を見つけました。

質問ですがマスター巻きというのは出だしの部分を内側に巻くという意味でしょうか? 保存するときはこのように巻いておき、再生するときは一度巻き戻して開始するということでしょうか?

だとすると最初の部分の方が間隔が短いというのはうなずけますが、ただ内側の直径はずっと短い(5インチくらい?)ので38cm/sec だと1秒くらいになり絶対値が合わないですね。

いずれにせよ正確に測れば解決つく話ではありますが。


Re: マスター巻き 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月 6日(水)16時19分53秒  
志賀さん

> 質問ですがマスター巻きというのは出だしの部分を内側に巻くという意味でしょうか? 保存するときはこのように巻いておき、再生するときは一度巻き戻して開始するということでしょうか?

3MがAESに出したペーパーのよりますと、そのようで理由も書いてありますね。

Recommendation:
There are a few steps you can take to minimize print-through. The most common is to store your tape tails out. Normally, the outer layers of tape from the printing signal will receive more print-through than the inner layers, since the signal must reach the top of the oxide coating to be noticeable. To reach the top surface of an outer layer of tape, that signal's magnetic field needs only to pass through the base material. To reach the top surface of an inner layer of tape, it must pass through both the base material and
the oxide. So by storing tape tails out, the strongest print-through will be postprint. This is less offensive than preprint, because post-print will be masked by the recorded signal on playback. (See Figure 2.)

Storing and archiving your tape. Storing tape tails out will also serve another purpose. It will require you to rewind before playback. Most of the strength of a printed signal is accumulated during the first few minutes of storage. And much of this strength is lost within seconds after being removed from the printing signal. So the simple act of rewinding can cut the strength of your print through signal by as much as 6 dB. (See Figure 3.)

Re2: マスター巻き 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 6日(水)17時20分15秒    
HD さん、BMさん

よく分かりました。となると、BMさんの


>一回目のプリエコーは1.2秒を指していました、二回目は1.8秒です、それそれ二回測定して同じ、読み時間でしたが、なにせプリエコーの出だしも突然かすかな音量ででますので、押す自分に自信は有りません・・・

この測定が正しいなら少なくともこのLPに関しては「横の溝の影響」説は消えますね。2回の測定がほぼ一致するならまず間違いないでしょう。

出だしが、内側なら1秒強の差になると思います。ところで、2個目のプリエコーは曲のどの辺に有るんでしょうか? 中頃か少し後ならたまたま1.8秒くらいになることもあり得ますね。


>いちどデジタルでダビング録音して測定すればタイムも表示されるし、繰り返し、その部分の再生も可能なので、測定精度は高くなると思いますねー?

先に紹介したAudacityというフリーソフトを使うと
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/subwoofersusume.html
このページのバスドラムの応答特性の項に示してあるような波形が音を聴きながら見られます。時間軸は伸縮自在です。これで示せば証拠はほぼ完璧ですね。

なお、他の方との応答は製造工程のどの部分で横の溝の影響が出るかについて議論なので磁気転写説を否定する意図ではありません。時間差が合わないならやはり磁気転写説が最有力でしょう。長時間保存すると、特に温度が上がるような所に保存してあると、業務用テープでも転写は起こりうるでしょう


(無題) 投稿者:BM 投稿日:2008年 2月 6日(水)15時12分32秒  

私の測定した状態・・・腕時計のタイムウオッチの付いた機械式のクロノグラフ、オメガのプロフェッショナルです、小さいので押し憎い・・・
一回目のプリエコーは1.2秒を指していました、二回目は1.8秒です、それそれ二回測定して同じ、読み時間でしたが、なにせプリエコーの出だしも突然かすかな音量ででますので、押す自分に自信は有りません・・・いちどデジタルでダビング録音して測定すればタイムも表示されるし、繰り返し、その部分の再生も可能なので、測定精度は高くなると思いますねー?

はじめまして 投稿者:HR 投稿日:2008年 2月 6日(水)20時11分13秒  

さて、最近ではプリエコーについての活発に議論されているようです。小生も最初は磁気転写かなと思っていましたが、つぎのような理由でその原因を排除しています。すなわちテープの厚さ(50um)がそれを阻止しているのではないかと考えています。

Re はじめまして 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 7日(木)06時04分6秒  
HR さん

ですが、磁気転写現象はLPのプリエコーの原因かどうかは別として、磁気記録自体ではよく知られた現象で、いつも生じるわけではありませんが下のHDさんの投稿にもあるように、条件によっては生じます。つまり、これは説明すべき事実であり、起こりえないといっても意味がありません。どういう条件の時生じ、そのメカニズムはどうなっているかを論ずべきです。

確かに、高い周波数では漏洩磁場が小さいので言っておられるような理由で起こりにくいと思います。ただ、交流バイアス用の超音波信号は次のRSさんへのレスで説明するように元々記録されていません。


RE:プリエコー 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月 6日(水)20時40分35秒    

普段LPはほとんど聴かないのですが、この話題が出てから録音が1950年前後のモノLPから、1980年以降のディジタル録音LPまで、何枚かエコーの判りやすそうな箇所を聞いて見ましたが、プリエコーの聞えたLPはありませんでした。 再生カートリッジは日本製の中級MC型です。

1983〜1985頃にカセットテープに録音したものをカセットテレコで再生すると、プリエコーが聞えるものがありました。 90分ノーマルバイアスのカセットにかなりハイレベルで録音したものです。テレコのレベルメータでは楽音はピーク約+2dB、ノイズに混ざって聞えるプリエコーの信号レベルはピークで-40dB位です。このテープには何曲か入ってますが、全てにプリエコーが聞える訳ではないです(何故か判りません)。同じ頃に60分や46分カセットに録音したものではエコーは認められませんでした。 また90分テープでもエコーが聞こえるものと聞こえないのがあります。いずれも、録音はノーマルバイアステープで、ドルビーNR無しです。カセットテープのベースフィルムは厚さ8〜13ミクロンのPETだそうです。保管は、普通の家の中です。

プレス時の圧力、エコータイム 投稿者:NG 投稿日:2008年 2月 7日(木)00時58分1秒  

KIさんお教えいただきありがとうございます。70〜100トンと大雑把に思っておけばよろしいですね。で、東洋化成さんにプリエコーの件をメールで問い合わせてみました。数日以内に回答していただけるとの事です。

自分でもプリエコーのあるLPを聞いてみました。波形編集ソフト(SoundForge8)に取り込んで50dBぐらい増幅してみると面白いことにエコーが二重になっているものがある事がわかりました。(ヘルムートヴァルヒャの平均律クラヴィーアvol5 東芝EMI EAC-70196)。
まずプリエコーの音が聞こえると次にもう一度同じプリエコーが聞こえてその次にちゃんとした演奏が聞こえるのです。最初のプリエコーから実際の演奏が聞こえるまでは3.6秒です。二重でないプリエコーのもの(ヘルムートヴァルヒャのフランス組曲vol1 東芝EMI EAC-70213)は1.8秒でした。どうもやはり1.8秒ごとにエコーがあるようです。この東芝のヘルムートヴァルヒャのシリーズはほとんどがプリエコーが聞こえます。ただ他のメーカーのレコードのプリエコータイムは確認してません。

交流バイアス 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 7日(木)06時06分52秒  
RS さん

>100KHzのバイアスで録音したからといって、100KHzの音が録音される訳ではないようにおもうのですが?

はい。おっしゃると通りです。交流バイアスの原理は結構難しいんですが、交流消磁と似ています。交流消磁はゼロ磁場下で交流磁場を徐々に小さくして消磁する(残留磁化を0にする)訳ですが、これは磁区を揺さぶりながら掛ける磁場を小さくし最後にランダムな磁区分布にして消磁すると言っていいでしょう。一定磁場下で同じことをするとその磁場に比例する残留磁化を残してやれ直線性が確保されるといった感じです。オーディオ信号をほぼ一定磁場と見なし、交流成分の減少はヘッドから遠ざかることにより実現しているわけです。

また、例えば100kHzの磁化に相当する磁区(3.8um)が受ける減磁界(隣の磁区から受ける反磁場)は保持力よりずっと大きく残留しません。そもそも磁気記録材料の開発はこの減磁界に打ち勝つ保持力を磁気媒体で実現するのが目的と言っていいでしょう(それに必要な磁場を出せるヘッドの開発も同時に重要です)。磁気テープの場合はせいぜい20kHzくらいでしょう(それ以上は必要ない)。これに対し、最近のハードディスクの記録密度は少なくとも1桁は大きくum オーダーの磁区を保持することが可能になっているはずです


Re: 交流バアイアス 投稿者:RS 投稿日:2008年 2月 7日(木)12時03分28秒    
志賀さん

 そうですよね。「音響工学原論(*)」のp.572にも詳細がありますが、見方を変えれば、むしろ音声信号の方がバイアスになっ
ていて、音声信号のバイアスがかかった状態で交流消磁(?)することで録音する。記録されるのは音声信号というバイアスのみですね。

(*)http://www.acoust.rise.waseda.ac.jp/publications/onkyou/onkyou.html

転写の測定方法 投稿者:NS 投稿日:2008年 2月 7日(木)14時16分7秒    

http://www.jisc.go.jp/app/pager?id=64408

12頁に記載されています。私自身転写に苦労した手前、テープまで作って測定するのは時間と手間がかかってしようがないので東映工業と共同で磁性粉のみで転写の測定方法を開発しました。テープでは50dB以上の規格値でした。

有難う御座いました 投稿者:BM 投稿日:2008年 2月 7日(木)14時58分3秒  

時代が変わったのでしょうが、NSさん達のテープでの録音を多く経験されている人達だと磁気転写なんて当然の事の時代だったのだと思います、現在だと、それを否定される人も多く私は困ってしまいました、HD さんもご自身の録音テープを多数試聴いただき有難う御座います、かなりの割合でプリエコーが発生している様ですね、それとお示しいただいた、テープメーカーと思いますが3Mのペーパーではマスター巻きが磁気転写の影響を少なくするための行為で有る事も解りました。それと私のもそうですがマスターテープから時間を置かないでカッティングされたレコードではほとんどプリエコーは聴かれません、再発盤とか復刻盤とか言われる、可也年数の経ったマスターから作られたレコードが殆んどですから、50年代の技術の未熟なときからでもプレスによると見られるプリエコーは、極わずかだと思います、この事により、私的にはレコードのプリエコーの原因で一番多いと思われるのは、長年置かれたマスターテープの磁気転写だと確信が持てたのですが?

LPレコードのプリエコー 投稿者:NG 投稿日:2008年 2月 7日(木)21時41分11秒  
今日、東洋化成さんから回答をいただきました。コピーペーストで紹介します。

東洋化成レコード製造部です. 質問のご回答を、ご連絡いたします。

質問の現象はゴースト現象と言い、レコードカッティング時に発生します。これはカッティング素材が非常に
やわらかい為に、最初の音が一本前の、無音溝に多少転写してしまう現象です。これを極力避ける為に、
スタートの音溝幅を多少広げ、転写を防ぐ対策をしています。それでも音圧レベルが高い場合は、ゴースト現象が
出る事があります。

以上

と、いうことで磁気テープの転写が原因ではないようです。

Re: LPレコードのプリエコー 投稿者:NS 投稿日:2008年 2月 7日(木)21時48分35秒    
NGさん

さて、磁気テープの転写ですが、生じる要因は2、3ありまして、一つは温度。それに伴う保磁力の低下。温度はてきめんに効きますね

そして磁性粉自体の保磁力の分布です。

一番の要因は保磁力の分布ですが、原料のゲーサイトの粒度分布が広いとさまざまな針状比の粒子があり、短くて小さいものが弱い磁力で反転します。

また、磁性粉にしたあとで結晶にダメージを与える様な工程を通ると転写が悪化します。

テープによって転写がひどいのやさほどでも無いものは、磁性粉の品種が異なるため。または、テープ会社は磁性粉を樹脂と一緒に混ぜて塗料化しますが、分散させるためにかなり強いシェアを掛けます。各社の分散方法はまちまちでした。それによっても結構転写特性が異なります。

プリエコー 投稿者:KK 投稿日:2008年 2月 7日(木)22時20分6秒  
BMさん、

結論を決めていて議論のピックアップだけしていては科学的な考え方とはちょっと言いにくいものがあります。

室温で35年ほど保管し続けたオープンテープ(生録・エアチェック・レコーデッドテープ)を所有していますが、磁気転写で困るようなものはありません。7インチの太ハブあるいは細ハブです。おもに#150で#100は使っていません。バックテンションの大きな38cm/s以上で用いるマスターテープにはアセテートベースの#100(厚さ50μm)を使っていることを読んだ記憶があります。丈夫でも伸びてしまうポリエステルベースよりもスッと切れてしまうアセテートベースの方が繋ぎやすくトラブルを避ける事ができるからとのことでした。

HDさんが確認されたカセットではエコーのないC-60までが18μm、C-90では12μm(Wikipediaによる)です。加えて、磁気密度が低かったオープンテープによるマスターテープの磁気転写はやはり考えにくいのではないでしょうか。

私の所有しているLPで一番プリエコーの確認しやすいものはマーラーの交響曲5番(テンシュテット/LPO, 独Electlora)の1楽章12-15小節です。発売間もなくに堂島のワルツ堂で購入したので、時間のたったマスターテープからのカッティングではありません。BMさんがお出でになったとき、かなりのボリュームで鳴らしましたが、プリエコーはさほど気にされた様子はありませんでした(あるいは口に出されなかったのはビックリさんの優しさかもしれません)

LPのプリエコーは左チャンネルから再生されます。もし、磁気転写であるならば左チャンネルに限ることなくランダムに音としてでてくると思います。また、同じマーラー5番の最終5楽章の終わりはffで休符です。マスターはすぐ信号入力をカットした様子はありませんが、ffの後に音は聞こえません。もし、磁気転写がおこるなら、ここでもプリエコーに対するアフターエコー(言葉としては使われていないはずですけど)は全く聞こえません。

以上の事例からプリエコーの原因として磁気転写は限りなく白に近いのではないかと考えています。

さて、ではプリエコーの原因は何だろうかということになります。ラッカーマスター作成時にppからffに変化する楽音にたいしての溝と溝の幅(ピッチ)が十分にとれていないカッティングが一番の原因だろうと考えます。ピッチを十分にとればとなりの溝の音を聞くことは避けられます。しかし、片面に収める時間との兼合いからピッチのゆとりがとれなかったり職人技が発揮できなかったりといあたりが左右するのではなかろうかと推測しています。

ご存知のように柔らかなラッカーマスターにカッティングマシンで溝を凹に切ったあと、メタルマスター(凸)→メタルマザー(凹)→スタンパー(凸)→レコード(凹)という手順が必要でした。

LP末期にTeldecが開発したDMM(ダイレクト・メタル・マスタリング)では銅板(アモルファスという解説を読んだ記憶もある)にカッティング(凹)→スタンパー(凸)→レコード(凹)と過程を少なくするとともにTeldec, BIS, EMI・Electlora等でも用いられています。購入したある程度の枚数のDMMによるレコードでプリエコーは聞こえません。EMI・Electlorでは1960年前後の名演奏・名録音をDMMでリマスターし廉価版で発売していました。それらでもプリエコーは聞こえません。

プリエコーの原因は一つではないでしょうが、以上のようなことからラッカーマスターのカッティングの技が一番の要因であろうと考えております。

Re: プリエコー 投稿者:RS 投稿日:2008年 2月 7日(木)23時01分2秒  

現象的に見れば、BMさんのカンターテドミノは1.8秒でないものが含まれていることから磁気転写臭いし、NGさんの平均律はグルーブ間干渉臭いですし。

LPのプリエコーについては、色々なメカニズムがあることが解りましたが、その内のどれが最も多いかについては、結局、プリエコーのあるLPを集めてきて原因を調べて統計的に結論を出すしかないでしょう。そういった研究報告があれば知りたいところですが、今ここで結論を出すのは合理的でないように思います。

Re LPのプリエコー 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 7日(木)23時07分20秒  

あれ、RSさんに先を越されましたね。同じような回答を用意していたところです。


BMさん、NGさん

BM>・・・この事により、私的にはレコードのプリエコーの原因で一番多いと思われるのは、長年置かれたマスターテープの磁気転写だと確信が持てたのですが

NG>・・・と、いうことで磁気テープの転写が原因ではないようです。


この問題は簡単なことです。(1)エコーの時間差が正確に1.8秒であれば隣の溝の影響なのでレコード製造時に生じる。(2)1.8秒からずれておればそれ以外の原因、最有力候補はマスターテープで生じる磁気転写ということです。

だからNGさんの測定された「ヘルムートヴァルヒャのクラヴィーア」曲は(1)が原因、BMさんの測定された「カンターテドミノ」は(2)ということでいいんではないですか? 要するにケースバイケースでどちらの原因も起こりうるということです。どちらが多いかを決めるのは出来るだけ多くの例を集めて統計を取るしかないですね。至難の業です。

もっともその測定が信用できるか?という話になるともうこれは泥仕合。お互いに相手の主張の根拠となっているレコードを取り寄せ自分で測ってみてはいかがですか? 後はメールででもお互いに情報を交換して決着を付けてください。

ただ一言BMさんに言いたいことがあります。その時間差の測定についてですが私が、1.8秒という値を出した直後の投稿では1.8秒差のエコーが2個所有るとおっしゃった。これを聞いて私は原因は(1)にあると確信しました。しかし、その後怪しくなって、マスター巻きのテープでは最初のエコーは1秒くらいの差になるはずだという値を出した直後に、最初のエコーの時間差は1.1秒だったとおっしゃる。これではちょっと信憑性を欠きますね。まあ、しかし、1.1秒と1.8秒なら間違えようはなさそうなので信じますが本当ならディジタル化して波形を比較して見せてほしいところです。


まだまだプリエコー 一部訂正 投稿者:NG 投稿日:2008年 2月 7日(木)23時55分2秒  
志賀さん

ほんとは実際にお聞きさせたいのですがそれはできませんしねえ。波形をお見せするのしても投稿欄がありませんし、実際のところノイズに埋もれておりますので波形だけではプリエコーがあるかどうかわかりにくい状況です。

私は「磁気テープの転写が原因ではないようです。」と書きましたが、志賀さんもお書きのように磁気転写が原因のものがないとはいいきれません。「ラッカー盤にカッティングする際プリエコーが生じる場合が多いようだ」と訂正しておきます。

面白いのは紹介した東芝EMIのLPのシリーズ(エンジェルシリーズという名がつけられてます)はほぼすべてプリエコーが生じてます。ラッカー盤の質(硬さ)も影響するのかもしれません。いろいろ勉強になりました。

Re LPのプリエコー Re 投稿者:BM 投稿日:2008年 2月 8日(金)10時31分55秒  

まずはお詫びですが、私が一回目のカンターテドミノの測定をした時は、プレスでの原因だと1.8秒と言う時間を聞いていて、テープでの時間はどのくらいなのか知りませんでした、その時の私の想像だとテープの時間はもっと違う値だと思っていたのです、それで実際に測定してみると、1.2と1.8秒でしたから、私の測定誤差を考慮すると、どちらも同じ位の1.8秒位と書き込んでしまいました、生禄趣味さんのお答えのマスターテープの時間だと1−2秒なので、類似したタイムなのです、これだと微弱な始まりのプリエコーを耳で聞いて時間測定では、かなり曖昧に成ってしまいます、言い訳に成りますが私が後から読み時間を変えたのは、それらの要因でした・・・

私としてはプリエコーの要因は3種類有ると初めから言っています、ただテープの磁気転写を否定される人が多いので、これを一つの要因と認めていただければ良いと思うしだいです。ついでにプレス時でのプリエコーがあれほど鮮明に転写するのであれば、その原理を知りたいです、プレスメーカーがゴーストと書いていますが、私の感じではプレス時に前の溝に転写したならば、まさにゴースト的な音、異音とか歪みの様な物に成るのではと思うのです・・・NGさんがプレスメーカーに問い合わせされていますが、プレス時での発生は少なそうですね?原因はカッティングと言う事ですが?ただカッティングだと、かならづテスト試聴を行いますから、発生しても防げると思うのですが?kksさんが書かれている左チュンネルだけからのプリエコーは磁気転写では無いと思います、それと私が都合の良いところだけピックアップされたと書かれていますが?私は磁気転写を主な要因と思っていますから、否定されている人達にも磁気転写の可能性を認めていただければ良いだけなのです。

Re まだまだプリエコー 一部訂正 投稿者:NG 投稿日:2008年 2月 8日(金)11時25分34秒  
志賀さん

>そんなわけで、聴きながら波形を比較する方法を提示したんですが・・・

波形編集ソフトでプリエコーの時間を測定したといいましたが、もちろん波形を見ただけでなく何度も再生しながらプリエコーの音の頭をさぐっていってその点から実際の演奏の始まるところまでをドラッグして(リージョンを引くと言います)タイムを出してみたというのが作業過程です。幸いなことに東芝EMIシリーズはほとんどプリエコーがありますので状態の比較的良い(ノイズの中のプリエコーが聞き取りやすい)物を選んで測定しました。ただしそれでも波形を見ただけではまったくわかりません。もしよろしければサンプルをCD-Rにおこして送ることもできますがいかがいたしましょうか?

>製造段階で入る場合「ラッカー盤にカッティングする際プリエコーが生じる場合が多いようだ」といわれますがこれは、「東洋化成さんから回答」を受けてのことですか?

はい、そうです。

>製造会社の担当者が言ったからといってそのまま信じるのはどうかと思いますよ。

結局のところいったい何をもってその説を信じるかということになってきますね。

私は黄金のアンコールさんの説明を読んでプレス時の可能性が大と書きました。実はRSさんの紹介された英語のブログ?ですがまともな翻訳ソフトを持ち合わせていないので訳しても何を言っているのかまったくわからん状態でした。それがカッティング説をあまり支持しなかった大きな原因ですね。言い訳じみて聞こえるかも知れませんが、 2月 5日(火)21時57分43秒 で「正確に言うと「可能性が大ではないか」という意味」と申し上げています。自分自身がレコード盤の製作過程に携わっていないことと、プリエコーに関する学説が定着してない以上(私が知らないだけ?)どこかで読んだか聞いた話を自分の経験と知識に照らし合わせて信憑性をジャッジするしかないと思うのです。聞いた話や読んだことが本当に正しいかどうかを判定しにくい時、これが正しいであろうが他の可能性もあると思ったときは「可能性が大」と考えるより他ないと思います。

では何故に東洋化成さんの説明を信じたかというと、ひとつは自分で直接聞いた話だからというのと自分で測定したプリエコータイムの事例と矛盾しないからです。蒸し返すようですが、ではプレス時にはないのかというと黄金のアンコールさんの話(もともとはキングレコードの高橋さんのお話)で、現場に携わっている人の話ですからそういうこともあるのかなというのが今の私の感想ですね。東洋化成さんがカッティング時と説明されたのはおそらくは原因として最も大きなものだからでしょう。視点を変えると東洋化成さんがウソの説明をしても何の利益にもなりませんから説明が正しい確率は相当高いと私は判断しています。それが私が東洋化成さんの説明を信じる理由です。

磁気転写が原因の可能性が低いと判断したのは、カッティングマスターのテープに転写が生じていた場合は回避する手段がいくつかあると思えるからですね。技術的に容易に回避できるのにそれを怠ってレコードにプリエコーを生じさせるのはプロの仕事として失格だからです。しかし中にはそんないい加減な仕事で作られたレコードもないとはいえない。だから「ラッカー盤にカッティングする際プリエコーが生じる場合が多いようだ」と訂正しておきます。としたわけですがこんな説明でよろしいでしょうか?

磁気転写と温度 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 8日(金)10時34分30秒  
NS さん

>さて、磁気テープの転写ですが、生じる要因は2、3ありまして、一つは温度。それに伴う保磁力の低下。温度はてきめんに効きますね. そして磁性粉自体の保磁力の分布です。

>一番の要因は保磁力の分布ですが、原料のゲーサイトの粒度分布が広いとさまざまな針状比の粒子があり、短くて小さいものが弱い磁力で反転します。


これは知りませんでした。さすがにプロ。言われてみればそうですね。

NSさんには釈迦に説法ですが一応解説しておきます。

その前に確認しておきたいのですが、磁性粉は単磁区粒子ですね?

転写のメカニズムは記録済みの隣(さらに隣もあり得る)のテープが発生する磁場によりその場所の磁性粉の磁化が反転することにより起こります。

このとき熱エネルギーが反転のきっかけを与えるので温度が高いと生じやすくなります。

さらに、磁化を保持する力はその粒子の保持力ですが通常のテープでは反転しないように保持力は十分大きいはずでがこれも温度があがると小さくなり反転しやすくなります。

また、保持力を生じるエネルギーは大まかに言って、その粒子の磁気異方性エネルギーで温度が上がると急激に減少します。また粒子が細長いほど磁気異方性、従って保持力が大きくなります。以上は体積当たりの保持エネルギーですが、一つの粒子の保持力(エネルギー)は粒子サイズに比例します。

熱エネルギー(kT)がその粒子の異方性エネルギーに近づくと反転しやすくなるので小くて短い粒子が混ざっていると磁化反転が起こりやすくなります。

といったところですかね?


Re: 磁気転写と温度 投稿者:NS 投稿日:2008年 2月 8日(金)22時14分37秒  
志賀さん

> その前に確認しておきたいのですが、磁性粉は単磁区粒子ですね?

マグへマタイトの結晶構造はスピネル(等方性)なので多磁区粒子と思います。形状異方性で保磁力を出しています。一つの針状粒子の中にいくつもの結晶が集合したものと考えた方が無難です。透過型電子顕微鏡で100万倍で覗いたら結晶格子が見えまして途中から折れている所も見えました。こういうのは教科書しか見たことがなかったので感動しました。

むかしゲーサイトを高濃度のアルカリ中でオートクレーブで加熱、六角板状のヘマタイトを作成し、水素気流中で六角板状マグネタイトとして作成したこともあります。試しに水平磁場中でテープにしたところ、タイルを並べたように並んでいました。
面内に磁化容易軸があると思います。また、対照的なのは、同じような六角板状のバリウムフェライトは面内に対して垂直方向に磁化容易軸がありますので、電子顕微鏡で覗いたら、面内同士がくっついて魚の背骨のように連なっていました。

わたしの他の仕事はプラスチック磁石もありまして、射出成形もしました。そこでプラスチックの成形は条件を探さないと収縮に伴うヒケやソリなどの寸法異常が必ず生じることです。アナログレコードの成形は熱い餅?樹脂をスタンパーではさみ、スチームの熱を裏からかけて音溝をなじませて、スタンパーの裏から水を入れて冷却してから取り出すという工程を踏むはずです。他に諸々の条件があるはずなので、冷却後の収縮を押さえる条件を掴んでいるはずと思いますから、カッティングほど影響を及ぼさないようにしているはずです。収縮などしたら隣の溝からも影響をうけますね〜。

Re: 磁気転写と温度 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月 9日(土)14時15分4秒    
NS さん, 皆さん

詳しい解説有り難うございます。

>> その前に確認しておきたいのですが、磁性粉は単磁区粒子ですね?


>マグへマタイトの結晶構造はスピネル(等方性)なので多磁区粒子と思います。形状異方性で保磁力を出しています。一つの針状粒子の中にいくつもの結晶が集合したものと考えた方が無難です。

そうでしたか。これはいわゆるノーマルテープの場合ですね。コバルトなどを混ぜたのは本来の磁気異方性もかなり寄与するんでしょうね。実際に使われている「物」についてはあまりよく知らないので勉強になります。

>わたしの他の仕事はプラスチック磁石もありまして、射出成形もしました。そこでプラスチックの成形は条件を探さないと収縮に伴うヒケやソリなどの寸法異常が必ず生じることです。

以下は 皆さんに

実は、以前RSさんが紹介されたサイト(アメリカの掲示板?以前の投稿でこの部分もAudio Handbook からの引用であるように書きましたが誤りでした。訂正しておきます)(pre-echo の記事 投稿者:RS 投稿日:2008年 2月 3日(日)10時47分53) によるとラッカーのカッティング後の変形がプリエコーの原因とあります。皆さんこういうことは無視しておられるようなので、日本語(意訳)にして紹介しておきます。投稿者はレコーディングエンジニアのようです。
-------------------------------------------------------------
新しく記録されたアセテート樹脂(ラッカー)はすばらしい音です。最終のプレス板(LPレコード)に比べると遙かにノイズが少なくプリエコー(グルーブエコー)は非常に低レベルです。

アセテート樹脂は生き物です。ラッカー表面の金属電着膜の善し悪しはラッカーが如何にうまく処理されたかに依ります。アセテート中のオイル成分の量、・・・・・カッティング後余白部(溝でない部分?)の活動が始まり、グルーブエコーが形成され始めます。最初の24時間でマスター板の中にグルーブエコーが形成されるかどうかを決めます。ラッカーを早く次の工程であるメッキ液まで持って行くのが勝負の分かれ目です。

私の注:カッティングの際にラッカーに導入された歪み応力が緩和する際に溝の変形が生じ隣の溝の影響も受けるということだと思います。
--------------------------------------------------------------
といったところです。

これで決まりというつもりはありませんが参考までに。


Audacityによる時間差測定 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月12日(火)09時06分11秒  
NGさん、BMさん、皆さん

Audacityによる時間差測定法を提案した手前、自分でもやってみました。音源はカセットテープの磁気転写によるプリエコー、ポストエコーでこの掲示板を見た人から提供してもらったWAVファイルです。

エコー部のS/N比にもよるでしょうが、確かにに波形を比較して決定するのは困難ですね。

その代わり、Audacityでは時間領域を区切って再生する機能があるので、これを使ってエコー部で特徴的な音の出る部分を絞り込んでゆくと、波形を比較しなくても ±0.1秒程度の精度でその部分の時間が決められそうです。

とりあえずこの方法で比較的はっきり分かるピアノ音楽についてポストエコーを何回か測ってみると 差は2.3〜2.5秒でした。もう少し習熟するとばらつきは小さくなると思います。

保存されていた状態ではその部分(曲の最終部分)は最外周で径は3.6cmということでした。テープ速度は4.75cm/sec なので、計算値は2.38秒となりほぼ一致します。

パソコンに取込むときエコー部の音量を上げるとかノイズフィルターを掛けるなど工夫をしてエコー部の特徴的な波形を捕らえることが出来れば精度さらに1桁は上がると思います


Re プリエコー? 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月12日(火)09時47分29秒  
BM さん、皆さん

>結局はどうなのでしょう?

とりあえず隣の溝の影響(グルーブ間干渉)かテープの転写かは下の投稿(Audacityによる時間差測定)のような方法で確かめれば分かるでしょう。グルーブ間干渉の原因はプロといえどもいろんな意見があるようで結論づけるのは難しいでしょう。私自身は、材料の性質、各工程の材料力学的な考察からその前の投稿(Re: 磁気転写と温度)に書いたカッティング直後に生じるラッカー内での応力緩和説が有力と思いますが検証する術がないので結論づけることは出来ません。

Re プリエコー? Re1 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月12日(火)10時38分56秒  
BM さん

>私的に読んじゃいますと、(新しく記録されたアセテート樹脂(ラッカー)はすばらしい音です。最終のプレス板(LPレコード)に比べると遙かにノイズが少なくプリエコー(グルーブエコー)は非常に低レベルです。)これだとカッティンク゛時では、非常に低レベルと書いていますので、影響としては低いと読んじゃいます。

それはそうですが、これはあくまでカッティングの瞬間でなくその後の製作過程でプリエコーやノイズの増加が生じると言うことを言いたいんだと思いますよ。

聴いてわかるようなプリエコーが有ると言うことは何処かに問題があるわけです。工程がちゃんと管理されておれば大部分のLPがそうであるようにプリエコーは聴こえないし、たまに失敗すればレコードの製作過程でプリエコーが入ってしまうということでしょう。

もちろん、ソースのマスターテープにすでに入っておればその部分をカットしなければ磁気転写起因のプリエコーもあり得るというわけです。何度も言いますがこれはエコー時間を測定すれば分かることです。

NGさんが測定された例では1.8秒と言うことなので、グループ間干渉が原因と見なせるでしょう。


エコーの音源をUpしました 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月14日(木)10時21分21秒  

話題になっていたカセットテープやLPのエコー音とその時間差解析結果を

http://shigaarch.web.fc2.com/pre_post-echo.htm

にアップしておきました。

残念ながらBMさんがマスターテープの磁気転写が原因と主張されているLP(カンターテドミノ)は音源が手に入らないので確認できていません。


(無題) 投稿者:BM 投稿日:2008年 2月14日(木)14時30分37秒    
志賀さん、

もうひとつ質問なんですが、カセットテープでも、外側のテープへの磁気転写の方が内側のテープへの磁気転写よりも影響が大きいと言う事でしょうか?

Re 無題 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月14日(木)17時46分47秒    
BM さん

たしかAmpexのマスター巻きの説明にそのようなことが記載してありましたね。ただ私にはそれほど差があるかどうか疑問です。

なお、今回Upした音源も外側のポストエコーの方が大きく聴こえますが、これは別のテープなので保存状況の差が原因だと思います。


RE:アナログテープ録音 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月15日(金)15時20分43秒    

1950年代後半から1960年代のアナログ録音からのCDのライナーノートに書いてあるテープに関する所を抜書きします。
1) RCA Victor(Living Stereo)
Three-track recordings were realized on tube amplifier Ampex 300-3 1/2" machines running at 15ips, and were mixed down to 1/4" two-track masteres. No equalization was used in the original tracking process; the microphone signals were summed through passive electronics and printed straight to tape.

2) Decca
2-1: Recording location: Kingsway Hall, London
Mixing Desk: Kingsway Hall 12 channel mixer(all valve device)
Recording (tape) machines: 1 x Ampex 2 track & 1 x EMI TR 90 2 track

2-2: Recording Location: Sofeinsaal, Vienna
Mixing desk: Siemens
Recording (tape) machines: 2 x Studer C37

2-3 Recording Location: Sofeinsaal, Vienna
Mixing Desk: Siemens custom built
Recording (tape) machines: 2 x Studer 2 track, 1 Studer 4 track

と色々ですね。

いずれにせよ次の段階で2チャンネルにミックスダウンする訳ですが、所謂(オリジナル)マスターテープと言うのはどの段階のテープを言うのかは良く判りません(RCAはミックスダウンした1/4 インチ巾テープを2トラックマスターと言っているようですが。

Mercury (Living Presence)には、同社独自の35mm巾テープに録音と言うのもあります。

エコーの音源をUpしました。続編 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月15日(金)18時51分52秒  

BMさんにも音源を提供して頂き解析しました。

http://shigaarch.web.fc2.com/pre_post-echo.htm

にアップしてあります。

冒頭のエコー(これはBMさんは気がついておられなかったようです)は2重で1.8秒差と恐らく溝間干渉、曲間のエコーは1秒強と溝間干渉では説明できない値でした。

今までの経験から、冒頭に大きな音が出るLPの多くは注意して聴くと大なり小なりプリエコーがあるような気がします。 イアホンかヘッドフォンでかなりボリュームを上げて聴くと分かるんではないでしょうか?


Re: エコーの音源をUpしました。続編 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月16日(土)10時49分46秒    

BMさんへの質問です。

志賀さんがアップされたカンターテドミノの途中のプリエコー、preechoLPBM1458の真音の旋律ですが、「さくら、さくら」や「浄しこの夜」のように同じ旋律が2回繰り返されてないでしょうか?アップされた音源は1回で切れているのでその後がどうなっているか、と言う意味です。

Re2: エコーの音源をUpしました。続編 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月16日(土)13時40分10秒  
HD さん

少し長くしました。これでわかりますか?


Re: Re2: エコーの音源をUpしました。続編 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月16日(土)15時23分59秒  
志賀さん

はい、ヘンデルの有名な「勇者は帰りぬ」の冒頭(ソーミーファソードー)と同じですね。としますと、プリエコーとおぼしきところは(ソーミーファソーミーファソーソソ)と聞えまして(ド)に下がる所はないみたいですね。 また、この同じ旋律が繰り返されている部分は音量差がほどんどないみたいですから、同じ所が2層目まで転写したとも考え難いです。なにがどう紛れ込んだのか?不思議ですね。

ついでながら、 似たような編成(コーラス+小編成オケ+オルガン)でffで始まるバッハ「ロ短調ミサ曲」、1961年録音、アルヒーヴ盤を聞いて見ました。真音を非現実的な大音量にまで上げますとプリエコーがやっと聞えました。 このLPでは通常の(大)音量再生ではプリエコーは聞こえないです。

Re: Re2: エコーの音源をUpしました。続編 Re1 投稿者:BM 投稿日:2008年 2月16日(土)16時00分54秒  

志賀さんHDさん色々お世話に成っています。
このレコードの中で一番プリエコーが入っている曲だと思います、始まりのプリエコーらしき音が聴こえてから真音がでるまで5秒位掛かりますね、その間3回位エコーが聴こえます、HD さんが(ソーミーファソーミーファソーソソ)このように聴こえたのはドに成る前に次のプリエコーが聴こえているものと思いますが?ソーミーファの時間で次のエコーに成ると感じて3回有ると思っています?コーラスで結構大きな声で出るのですが人の声ですから録音レベルは可也高いのではと思います、この様な録音だと磁気転写の影響力が大きいのか?

Re: Re2: エコーの音源をUpしました。続編 Re1 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月16日(土)17時24分58秒  

BMさん

LPの最外周でないので何とも言えませんが、テープの転写とディスク製作過程のエコーの複合の可能性もありますね

再外周の溝間隔 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月16日(土)17時26分8秒    
HD さん

>ついでながら、 似たような編成(コーラス+小編成オケ+オルガン)でffで始まるバッハ「ロ短調ミサ曲」、1961年録音、アルヒーヴ盤を聞いて見ました。真音を非現実的な大音量にまで上げますとプリエコーがやっと聞えました。 このLPでは通常の(大)音量再生ではプリエコーは聞こえないです。

> やはり聴こえることは聴こえるんですね。

聞えることは聞えますが、SPで聞いても半導体フォノイコアンプのハムが結構聞えるレベルで何とか聞える位ですから、真音のところはイアフォンで聞くと耳が危ないレベルと思います。 で、イアフォンで聞いてみるのはやめました。
エコーと思われるところと真音のレベル差を相当小さく加工しないと測定は無理だと思います。 す。

Re: 再外周の溝間隔 投稿者:NG 投稿日:2008年 2月16日(土)23時33分49秒  

LPのプリエコーのような小さい音を確認しながらタイムを計るにはやはり波形編集ソフトが便利です。audacityもフリーソフトとしてよくできてますが下記のサイトからSoundForege AudioStudio9の評価版がダウンロードできて1ヵ月間機能制限なしで使えます。
audacityと比べて便利なのはドラッグした範囲が時間表示されることです。今回のようなプリエコーの時間を知りたい場合などは便利です。あとはaudacityもそうですがマウスでドラッグした選択範囲のレベルを上げることができますからノイズに埋もれがちな目的音をさがしやすくなります。もちろんS/Nがとれていなければいくらレベルを上げてもノイズに埋もれているのは同じですから限界がありますが。

http://www.hookup.co.jp/software/sfaudiostudio/

プリエコー 投稿者:DA 投稿日:2008年 2月17日(日)07時36分35秒  
LPのプリエコーについて活発な議論がなされていますが、プリエコーの何を問題にされているのでしょうか。

聞きづらいとか、除去したいが、除去できないとかといった問題なのでしょうか。さかのぼっても、なかなか行き着かないので、教えていただければ幸いです


Re プリエコー? 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月17日(日)10時44分20秒  
DA さん

>LPのプリエコーについて活発な議論がなされていますが、プリエコーの何を問題にされているのでしょうか。

管理人としては単に原因を実証的に明らかにしたいという、いわば好奇心です。

>聞きづらいとか、除去したいが、除去できないとかといった問題なのでしょうか。さかのぼっても、なかなか行き着かないので、教えていただければ幸いです。

おっしゃるようにこれが分かった所でユーザーとしてはほとんど何も出来ないと思います

Re: プリエコー 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月17日(日)11時32分2秒  

DAさん

この議論の始めの方で紹介しましたレコードメーカ、ポリグラム(独)がAESに発表した論文の概要の最初に、問題点として、

「Pre- and post-echoes may disturb considerably listener's artistic sensations, especially in exciting or dramatic program titles; therefore, anti-echo measures should be a must for quality disc record manufacturers, at least regarding the classical repertoire.」

とあり、メーカが対策を取ってますからある時期からは、ほとんどのLPでは実用上問題になるようなレベルのエコーは無くなっていると思います

Re: プリエコー 投稿者:HD 投稿日:2008年 2月18日(月)11時45分56秒    

BMさん

今までの議論から、これらが原因のエコーはアナログ処理では完全に無くす事は出来ないと理解します(元がアナログテープ録音のカンターテ・ドミノのCDやSACDにはエコーは聞えないと言うことですから)。 先に引用しましたLP時代のドイツ・ポリグラムは「優良なレコードメーカにはエコー対策(anti-echo measures)は必須(must)である」と言ってますから、メジャーレーベルのレコード会社はエコーを実用上(生演奏なみの音量で聴くリスナーにでも)聞こえないレベルまで減らす対策はやっていると思いますね。

>プリエコーの多い盤は、再発盤がほとんどでして、昔のオリジナルと言われる盤には少ないのです、私がサンプルを提供したカンターテドミノも最近の新しい重量盤なんです、それもカッティングとかプレス、材質にしても最高のクオリティーと謳っているLPなんですよね?

CD時代になってLPの需要が激減しましたから、新たにカッティング〜プレスに携わる技術者も少なくなっていると思われますので、LP全盛時代のように対策が十分出来なくなっているのではないでしょうか?

Re: プリエコー 投稿者:BM 投稿日:2008年 2月18日(月)14時33分44秒  
HDさん、確かにLP全盛時と比べると技術的には進歩していないと思います、ただ最近は新しい録音でもLPが、時々発売されています、新録音のLPではプリエコーを感じる物は持っていません、古いマスターテープからの再発盤がプリエコーを感じる確率が高いのです・・・

3連続のエコーは矢張り謎ですねー?

P.S.プリエコー 投稿者:GY 投稿日:2008年 2月21日(木)13時50分13秒

私はまったくの素人ですから、よく判りませんが、あれだけはっきり聞こえるプリエコー(私も何枚かプリエコーの出るLP持ってます)なら、隣の溝に混変調?影響は無視できませんが、、、、
どなたかご高説を賜りたいです。

Re P.S.プリエコー 投稿者:志賀 投稿日:2008年 2月21日(木)22時21分46秒
GY さん

>・・・あれだけはっきり聞こえるプリエコー(私も何枚かプリエコーの出るLP持ってます)なら、隣の溝に混変調?影響は無視できませんが、、、、

そうですね。確かに気持ち悪いですね。NGさん提供によるサンプル音源(バルヒャのハープシコード)はプリエコー部を32dB 増幅されたということですが、ノイズと込みで真音と同じ程度のレベルなので プリエコーは-40dB(1%) くらいになるんだと思います。ただ、真音の中に埋もれると

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audiocompression.pdf

にも書いてあるマスキング効果で隠れてしまうんだと思います。私自身はノイズレベルが高いなど別の理由でLPは聴く気にならずプレーヤは稼働状態にありません。

しかし、CDとどちらがいいか、といい出すと主観の問題なのでここでは議論しないことにしています。

ということで、結論はプリエコーの原因は複合的であるということのようです。「泰山鳴動して鼠一匹」の感がありますが、これを突き止める過程は結構面白かったですね。

最後にもう一度プリエコーの測定結果のページにリンクを張っておきます。これを見られると、この長大な応答の核心が何かということが分かってもらえると思います。

http://shigaarch.web.fc2.com/pre_post-echo.htm

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