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群遅延と時間差

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/groupdelay.htm#SP

このページにあるスピーカーの群遅延についての質疑応答です。

はじめまして。 投稿者:UC 投稿日:2007年 9月15日(土)16時32分10秒

理科、科学、公式の苦手な私にはチンプンカンプンなのですが、興味のある文章もいくつかありました。

そこで、質問なのですが、〔スピーカーの群遅延特性〕の項目の最後に『群遅延時間は正であったが、もし逆であれば遅延時間が負になり、単純に考えると信号が来る前に音が出るという奇妙な現象が起こることになる。』と、ありますが、実際スピーカーでこのようなことが起こるのでしょうか?

起こるとすれば、具体的にどのようにすれば起こるのでしょうか?

Re はじめまして(群遅延特性) 投稿者:志賀 投稿日:2007年 9月16日(日)12時50分6秒
UC さん:

もちろん、信号が来る前にスピーカーが振動するわけではありません。

スピーカの特性としての群遅延時間は絶対値でなく相対値で、群遅延時間がマイナスになる周波数帯では平均より早く振動し始めるといってもいいでしょう。


Re: Re はじめまして(群遅延特性) 投稿者:UC 投稿日:2007年 9月16日(日)19時38分40秒

平均より早く振動し始めるということは、位相、音の帯域の繋がりなどによっては有効な手段ということでしょうか?

具体的にいいますと、

『ミッドは前部にあり、ウ−ファ−が後部にある場合で、音を鳴らすとウ−ファ−音が遅れずに鳴り、前から聞こえてくる。』といった現象は可能でしょうか?

Re2 はじめまして(群遅延特性) 投稿者:志賀 投稿日:2007年 9月16日(日)22時27分12秒
UC さん

>平均より早く振動し始めるということは、位相、音の帯域の繋がりなどによっては有効な手段ということでしょうか?

高忠実度再生を目指すなら群遅延時間は短い方が望ましいということになります。

>具体的にいいますと、『ミッドは前部にあり、ウ−ファ−が後部にある場合で、音を鳴らすとウ−ファ−音が遅れずに鳴り、前から聞こえてくる。』といった現象は可能でしょうか?

多分不可能でしょう。

HPに書いたとおり、群遅延による時間遅れと、音源からの距離の違いによる時間遅れは別物です。後者はスピーカーの位置を前後にずらすことにより自由にコントロール出来ますが、前者はユニットの構造によって決まってしまいます。単体ユニットの群遅延は一般に正(遅れる方向)なのでウーファーが後ろにあればますます遅延時間を大きくする方向に働きます。逆に、トゥイターを後ろにずらし、ウーファーとの遅延時間差を小さくしよう(正確にはステップレスポンス特性をよくする)と試みたスピーカーシステムは外国製品にはあるようです。


マルチウエイスピーカーシステムではクロスオーバー周波数の前後で負の群遅延が生じます。これはユニットの位相特性が異なるため避けられないことです。いわゆるタイムアラインメントの問題ですが、ウーファーを少し前に出し各ユニットからの到達時間差をなくしようという試みがフェーズリニア型システムです。しかし、この方法では各ユニットの群遅延の差はカバーできないのでいわゆるステップレスポンス特性は改善されません。ステップレスポンス特性を見かけ上よくするためにトゥイター・スコーカを大きく後ろへずらす方法がありますが他に問題が生じ実際にはほとんど採用されません。

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