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CDのDSD変換

きっかけは下記のCDをDSDに変換し再生可能なパソコンの話です。録音も出来ると言うことで、録音側の話も話題になっています.。 話がかみ合っていないところもありますが、とりあえずほぼ時間順に収録してあります。

CDのDSD変換
投稿者:HD 投稿日:2007年 8月 8日(水)14時15分25秒

某社の最近のPCで、通常の音楽CDを1bit/2.8224MHzのDSD形式にリアルタイム変換しながら再生するプレーヤソフトが付属するのだそうです。これは、CDに収録された16bit/44.1kHzのPCMを、DACの補間フィルタを通さずにDSD(1bit/2.8224MHz)に 変換。その後はSACDと同じ工程で再生するため、CD制作時のフィルタロスは補えないものの、再生時の演算誤差を極小に抑えられ、PCMデータが持つク オリティを最大限に発揮できるというのが特徴との事です。

クロック2.8MHzのDSDは、SACDが出た当初からプレーヤによって違うようですがノイズシェーピングによるノイズの掃き上げで可聴帯域である6〜10KHzより高い周波数でノイズレベルがCD−DAを上回る事が観測され、問題視されていましたが解決されたのでしょうか。

Re CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 8月 9日(木)05時46分23秒
HD さん:

この掲示板の趣旨の但し書きに、「特定の製品についてのコメントは差し控えます。」と書いてありますが、技術的なことを話題にする場合はやはり具体的な例を挙げないと難しいですね。とりあえず私の判断で取り上げることにします。

例えば、

http://www.vaio.sony.co.jp/Products/Solution/Hq/

ですね?

<クロック2.8MHzのDSDは、SACDが出た当初からプレーヤによって違うようですがノイズシェーピングによるノイズの掃き上げで可聴帯域である6〜10KHzより高い周波数でノイズレベルがCD−DAを上回る事が観測され、問題視されていましたが解決されたのでしょうか。>

初歩的な疑問ですが、この方式は、刄ー変調を用いた、いわゆる1bit DAC と基本的に違うところがあるんでしょうか? 確かに情報量として4倍になっていることはわかるんでが?

実は私が常にディジタルオーディオの問題を議論する時に参考にする「ディジタルオーディオ読本」は少し古いので「SACD」のフォーマットについてはふれていません。どなたか詳しい方教えて下さい。


Re: Re CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 8月 9日(木)09時53分15秒
志賀さん:

詳しくはないのですが、、、、

http://en.wikipedia.org/wiki/Direct_Stream_Digital

がかなり客観的にまとめられているように感じます。あまり新しい論文ではないのですが、この中でリンクの貼られているPDFファイルでAESのフルペーパが読めます。

http://sjeng.org/ftp/SACD.pdf

http://web.archive.org/web/20060316172234/http://www.extra.research.philips.com/mscs/publications2002/dsd-aesformat.pdf

Re2 CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 8月10日(金)10時21分25秒
HD さん:

ざっと見ただけですが、概ねSACDには厳しいですね。CDを再生するという点に限れば最近は1bit DACより、適当な補間技術を使ったPCM の方が主流のようですが、正直流行廃りの範囲のような気がします。

DSDを組み込んだPCという点ではそれなりの価値があるんではないでしょうか?
DSDの録音再生は原理がシンプルなので、アマチュアが録音に使うには比較的容易に高音質が得られ適当なような気がしますが?

加工が難しくメディアや再生機器が限られるなど面白味がないのかもしれません。


Re3: CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 8月10日(金)14時45分42秒
志賀さん:

> ざっと見ただけですが、概ねSACDには厳しいですね。CDを再生するという点に限れば最近は1bit DACより、適当な補間技術を使ったPCM の方が主流のようですが、正直流行廃りの範囲のような気がします。

そんな感じですね。 半導体メーカの供給するDAC LSIが概してそういう方向に行っているのも関係しているも知れません。

> DSDを組み込んだPCという点ではそれなりの価値があるんではないでしょうか?

従来のCDをDSD変換するという所に面白さを感じたのですが、最近の高級CD/SACD トランスポートでも、「またデジタル出力においては、CDでのPCM信号アップコンバート機能に加えて、DSD出力信号へコンバートするDSDコンバート機能を新たに追加し、ソースに合わせて好みの音質を選択することが可能です。」と言うのがあるのですね。

>DSDの録音再生は原理がシンプルなので、アマチュアが録音に使うには比較的容易に高音質が得られ適当なような気がしますが?
>加工が難しくメディアや再生機器が限られるなど面白味がないのかもしれません。


今の所、特定の回路搭載のPCでしか再生出来ないようですが?

Re: Re3: CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 8月12日(日)15時10分26秒

その前にマルチビットのデーター生成方法はご存じかということです。1bitは入ってきたデーターがある基準に対して大きいのなら1、小さいのなら0。つぎに入ってきたデーターが前のデーターと比較して大きいのならば1、小さいのならば0を出力するということです。この繰り返しです。データー生成が入力信号に追随するためには、高いサンプリング周波数にしなければなりません。低いサンプリング周波数だと入力信号に追随できず、1を連続して出力したり、0を連続したりして役目を果たしません。

>DSDの録音再生は原理がシンプルなので、アマチュアが録音に使うには比較的容易に高音質が得られ適当なような気がしますが?

これは全然メリットは感じられません。現実に192kHz24bitのサウンドカードは手軽に買える値段で入手できます。また、編集をおこなう場合、DSDで編集をおこなうソフトは皆無に近いです。エフェクト類も使える状態ではありません。一方、マルチビットの波形編集ソフトはアマチュアからプロ用のものまで含めれば多種多様。

某社から低価格のDSD録音機が発売されました。しかし、添付のDSD→マルチビットへ変換するソフトは変換速度を重視したため、よく問題にされる量子化ノイズの上昇がよく分かります。-120dB20kHzからノイズが立ち上がっています。もともと、SACDの規格といいましょうか、スペックはCDの帯域だけを確保してダイナミックレンジを改良しようと考えたようです。波形編集する場合、量子化ノイズに対してどのような対策を立てるか? レベルが気にするほどではない、または聞こえないから大丈夫といえども、ツィーターを焼く可能性もでてきます。

開発元のパソコンは変換ソフトの質は上記に述べた会社のソフトよりは量子化ノイズに対して考えられているようですが、所有していないのでなんともいえません。

DSD信号自体をDVDに記録したディスクは、SACDと規格は異なりますが、再生できるようにしたプロ用のデッキもあります。しかし、アマチュアにはSACDの作成は閉ざしているのでこれも魅力無し。

DVD-Audioが普及していれば良かったのですが、96kHz24bitの音声はDVD-Videoに入れられるので、一般のDVDプレーヤーで再生できますが、DSD再生可能のデッキはないですねえ。MR-1000という機種は5.6MHzのサンプリング周波数なので少しはましなのですが、消費容量がダントツに多いのでむずかしいですねえ。

知人のホームページ BBS、6〜5ページにDSD録音機(MR-1)のノイズ特性、周波数特性を各種測定した結果が載っていますので参考にしてください。腕を組んでう〜ん、とうなってしまいます。

http://backstagecompanion.web.fc2.com/

Re4: CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 8月12日(日)22時28分52秒
NS さん:

>その前にマルチビットのデーター生成方法はご存じかということです。1bitは・・・・・

ちょっと誤解があります。HDさんの最初の投稿はこのスレッドのタイトル通りいったんCD化されたPCMディジタル信号をDSD化する時の話です。すなわち、オーバーサンプリングによりノイズシェービングして1bit化するのとどう違うのかというのが私の疑問です。生録趣味さんのいっておられるのはアナログ信号を直接DSD化するときの話ですね?

>>DSDの録音再生は原理がシンプルなので、アマチュアが録音に使うには比較的容易に高音質が得られ適当なような気がしますが?

>これは全然メリットは感じられません。・・・・

おそらくNSさんのようなセミプロ級のアマチュアの方には、おっしゃるように編集が難しいなどデメリットの方が大きいだろうことは想像がつきます。私の言っているのはあまりディジタル録音に詳しくない文字通り素人の方が手軽に録音するには、ほとんど手を加えることが出来ないDSDに方が無難に一定水準の高音質録音が出来るんではないかと思うわけです。

>知人のホームページ BBS、6〜5ページにDSD録音機(MR-1)のノイズ特性、周波数特性を各種測定した結果が載っていますので参考にしてください。腕を組んでう〜ん、とうなってしまいます。
http://backstagecompanion.web.fc2.com/

おもしろいデータがのっていますね。この辺のことは以前に
http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/19SACD.html
でもいろいろ論じています。あらためてむし返しませんが、もっぱら聴き手である私には注意深く作られたCDで十分だということです

Re5: CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 8月13日(月)10時50分11秒

>ちょっと誤解があります。HDさんの最初の投稿はこのスレッドのタイトル通りいったんCD化されたPCMディジタル信号をDSD化する時の話です。すなわち、オーバーサンプリングによりノイズシェービングして1bit化するのとどう違うのかというのが私の疑問です。

マルチビット出力は電圧軸が変化しますが、1bitの場合、電圧軸の変化が無くなりますから、電源に影響を及ぼしたり、及ぼされたりすることが少なくなり、音質が良くなるということが言われれいます。これは前に書きましたが、無視されました。

Re 5: CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 8月13日(月)12時25分18秒
志賀さん, NS さん:

>最初の投稿はこのスレッドのタイトル通りいったんCD化されたPCMディジタル信号をDSD化する時の話です。すなわち、オーバーサンプリングによりノイズシェービングして1bit化するのとどう違うのかというのが私の疑問です。

よく判らないのですが、CD再生でマルチビットPCMに対する1ビットPCM DACの場合、

「-- One-bit feedback noise shaping (called "Bitstream" by Philips and "delta-sigma" by the research community ). Same as the previous but taken to an extreme: the internal DAC has only one bit of resolution and the 16-bit net D-to-A resolution is accomplished by the oversampling, noise-shaping and postfiltering process. This approach requires a higher oversampling factor, such as 128 or 256, other things being equal.」や、

「1-bit conversion technology is used to prevent problems like component non-linearities and cross-over distortion (zero crossing). 1-bit DAC uses a high oversampling rate of 256 times. In the process the normal 16-bit input signal with a sampling frequency of 44.1 kHz is converted into a 1-bit data stream with a frequency of 11.2896 MHz. Since this 1-bit DAC must choose from one of only two possible values, instead of 65,536 which are possible in a 16-bit converter, there can be no errors.」

等の記述を見ますと、DSDへの変換でもSA-CDで採用されている1bit/2.8224MHzでは矢張り不足なのでしょうか?

Re 6: CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 8月14日(火)09時06分28秒   返信・引用
HD さん:

>>最初の投稿はこのスレッドのタイトル通りいったんCD化されたPCMディジタル信号をDSD化する時の話です。すなわち、オーバーサンプリングによりノイズシェービングして1bit化するのとどう違うのかというのが私の疑問です。

>よく判らないのですが、CD再生でマルチビットPCMに対する1ビットPCM DACの場合、・・・

私なりに調べた結果、結局刄ーの手法を使っているという点では同じのようですね。DSD(SACD)は入り口から出口まで一貫して1bit で処理し、1bit PCM DAC はPCMデータをオーバーサンプリングノイズシェービングで1bit 化するということですね。

>・・・・・converted into a 1-bit data stream with a frequency of 11.2896 MHz. Since this 1-bit DAC must choose from one of only two possible values, instead of 65,536 which are possible in a 16-bit converter, there can be no errors.」

>等の記述を見ますと、DSDへの変換でもSA-CDで採用されている1bit/2.8224MHzでは矢張り不足なのでしょうか?

というより、DSD(SACD)は規格なのでいったん決まったのを変えるわけにはいかないのに対し、PCM の1bit化は内部処理なので、それが本当に必要かどうかは別にして、デバイスの性能が許す限りいくらでもサンプリングレートを上げることが出来るということではないでしょうか? これで宣伝をするというおきまりの手法ですね。


Re7: CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 8月14日(火)09時12分46秒
NS さん:

>マルチビット出力は電圧軸が変化しますが、1bitの場合、電圧軸の変化が無くなりますから、電源に影響を及ぼしたり、及ぼされたりすることが少なくなり、音質が良くなるということが言われれいます。

実際の回路構成には詳しくないんですが、これもPCMの1bit 化に限定しますと、PCMをいったんアナログ化せずともデジタル演算でDSDデータに持って行けるんではないですか?

Re 8: CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 8月14日(火)11時53分17秒
志賀さん:

> 私なりに調べた結果、結局刄ーの手法を使っているという点では同じのようですね。DSD(SACD)は入り口から出口まで一貫して1bit で処理し、1bit PCM DAC はPCMデータをオーバーサンプリングノイズシェービングで1bit 化するということですね。

私もそう思うのですが、DSD(SACD)だと1bit PCMの4倍の情報量があるので64倍オーバーサンプリングでPCM 256倍と等価であるとの説もあるようで混乱してます。Philipsの1bitのBitstream方式は、SACDが出るより10年近く以前に考えられ,最初に出たCDPから256倍オーバーサンプリングだった様です。

http://www.tc.umn.edu/~erick205/Papers/paper.html#figure3

http://web.archive.org/web/20070222171046/http://library.thinkquest.org/26171/gforce.html

(PhilipsのCDで1995年録音、小澤・サイトウキネンのチャイコフスキー「悲愴」等にはBitstream Recordingと書かれています。A-Dの過程は判りませんが、ディスクは当然CD-DA規格)。

> というより、DSD(SACD)は規格なのでいったん決まったのを変えるわけにはいかないのに対し、PCM の1bit化は内部処理なので、それが本当に必要かどうかは別にして、デバイスの性能が許す限りいくらでもサンプリングレートを上げることが出来るということではないでしょうか? これで宣伝をするというおきまりの手法ですね。

はい、既に2048倍オーバーサンプリングのDACもあるようです。

Re 9: CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 8月14日(火)21時10分22秒
HD さん:

>私もそう思うのですが、DSD(SACD)だと1bit PCMの4倍の情報量があるので64倍オーバーサンプリングでPCM 256倍と等価であるとの説もあるようで混乱してます。

PCMの256倍というのはどういう意味なんでしょうか? どういう計算ですか?

>はい、既に2048倍オーバーサンプリングのDACもあるようです。

約90MHzですね。パソコンのCPU速度に比べればびっくりするほどのことではないかもしれません。

Re10: CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 8月14日(火)22時24分53秒
志賀さん:

> PCMの256倍というのはどういう意味なんでしょうか? どういう計算ですか?

言葉足らずで失礼しました。Philipsの開発したBitstream(PDM)方式DACでは256倍オーバーサンプリングが使われていた(前出の1994年のミネソタ大の資料 Fig.3の説明より)という意味です。くどいようですが、
「The sample data from the decoder chip is first passed to a low-pass non-recursive 4-times oversampling FIR interpolation filter. This type of filter yields higher quality because it is phase-linear. First-order noise shaping is performed by the accumulator of the multiplier in the filter. The second filtering stage consists of a 32-times oversampling linear interpolator and a 2-times oversampling sample and hold circuit. At this stage, a 352 kHz digital dither signal at -20 dB is added to the sample signal. This reduces nonlinearities induced by quantization noise. At this point, the total oversampling is 256-times and the data word has increased to 17-bits. The data is then fed at a frequency of 11.2896 MHz into the second order noise shaper. The noise shaper reduces the 17-bit data to a 1-bit stream by using Sigma-Delta modulation. In this process quantization noise is redistributed away from the audio frequency by as much as 2 orders of magnitude. The bitstream is then converted to an analog form by a switched capacitor network. A block diagram of the PDM converter is shown in Fig. 3.」からの数字です。

Re11: CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 8月15日(水)08時08分5秒
HD さん:

了解しました。だとすると、これは情報量の増加と言うより、補間(スムージング)のためのビットレートの増加と言うべきで、情報量はあくまで44.1kHz×16bit すなわちSACD の1/4 と考えるべきではないでしょうか?

ちなみに最近のマルチビット方式の上位機では768fs〜38MHz のクロックで信号処理をしているようです(DENON Al24)


Re12: CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 8月16日(木)10時36分34秒
志賀さん:

補間前のようですから、情報量は増えてないですね。 S社のPCソフトがどんな処理をしているか判りませんが、ディジタルドメインでCDの44.1kHz×16bit PCMを単にDSDに変換するだけなら受け皿は大きくなっても情報量は矢張り増えないのではないかと思うのですが如何でしょうか。

> ちなみに最近のマルチビット方式の上位機では768fs〜38MHz のクロックで信号処理をしているようです(DENON Al24)

最近のDACチップの一例ですが、

http://www.analog.com/jp/content/0,2886,761%255F795%255F91588%255F0,00.html

によりますと、PCMに加えてDSDも処理出来るようになってます(最終ページにブロックダイヤグラムがあります)。 また、PCMの場合、例えば

http://www.analog.com/jp/prod/0,,765_807_AD1896%2C00.htmll

のようなコンバータを通して、Fsやワード長を変換してDACチップをドライブする方式を採用しているプレーヤやセパレートDACが多いように感じてます。

CDのDSD変換と言うのは面白い試みだと思いますし、最近でた高級プレーヤにはこの機能を持つ機種があるようですが、CD/SACDプレーヤや、DVD/CD/SACDを再生するマルチプレーヤを既に持っている人は多いと思いますので、違法コピーの問題はあるでしょうが、「CD−>DSD変換ー>SACDディスク作製」が一般のPCでも出来るようになったらよいとは思うのですが、、、
ご存知のようにCDから192KHz/24bitのDVD−Aを作る事はかなり前から出来る環境になってますので。。。オリジナルCDを購入して持っていれば、このような変換ディスクを作って個人的に使用する場合は違法コピーにはならない筈です。

Re: Re12: CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 8月21日(火)23時05分48秒
HD さん

これはわかりやすく書いてあると思います。↓
http://www.gem.hi-ho.ne.jp/katsu-san/audio/next_gen/digital.htm

特に下の項目(オーバーサンプリング・ディジタルフィルタ (インターポーレータ))

>何故なら、補間によるフィルタリングは明らかに量子化ノイズのパワー(雑音の電力スペクトル密度)を小さくしているのですが、

これらの解説を読んでみるとやはりといいましょうか、アップサンプリングによって量子化ノイズが低減されると書いていますよね。これが情報量が増えていないにもかかわらず、音質改善される理由です。

SACDフォーマットではなく、いちおうDSDファイルディスクを読み込めるようにするとかなんとかSONYの技術者が言っていましたが、いまだに民生用プレーヤーは対応している機種はなかったと思います。

Re 13: CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 8月23日(木)09時03分2秒
NS さん

> これはわかりやすく書いてあると思います。↓

有難う御座います。式は良く判ってないですが、定性的には理解できました。

> これらの解説を読んでみるとやはりといいましょうか、アップサンプリングによって量子化ノイズが低減されると書いていますよね。 これが情報量が増えていないにもかかわらず、音質改善される理由です。

ここのところ(この項にある図Cの段階)では情報量は補間によって増やされたとは考えられないのでしょうか。
”Both the processes of upsampling and oversampling give us this benefit. Without increasing the sample rate, we would need to design a very sharp filter that would have to cutoff at just past 20kHz and be 80-100dB down at 22kHz. Such a filter is not only very difficult and expensive to implement, but may sacrifice some of the audible spectrum in its rolloff. If we examine the spectrum at the increased rate, we can see that the filter can roll off gently well past 22kHz and as long as it is down in the cutoff region at 176.4kHz, the image created by the sampling process will easily be removed. The analog filter after the D/A converter is responsible for removing the audio signal's image as well as the frequency spurs caused by the DACs integration steps. An analog filter with a smooth roll off will have nicer phase characteristics as well.” という記述もあります。

CDのDSD変換でも何らかの補間はやっている筈ですね。

1994年初出のCDとこれをを2002年にリマスターしたCD/SACDハイブリッド盤との比較データがあります。 初出の時の録音フォーマットは判りませんが(多分16bit/44.1KHz)、マスタリングで相等「音」が変る1例でしょう。

http://www.audioholics.com/education/audio-formats-technology/dynamic-comparison-sacd-vs-cd-part-5

CD層とSACD層でもマスタリングが違う?、PCM vs DSDの差? 何れでしょうかね。最初の録音がアナログや24bit/96KHzとかなら話は別になると思いますが。

Re 14: CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 8月24日(金)09時34分58秒

>ここのところ(この項にある図Cの段階)では情報量は補間によって増やされたとは考えられないのでしょうか。

192kHz24bitを44.1kHz16bitにしたものを聞いた場合と、さらに44.1kHz16bitを再び192kHz24bitに聞いた場合は、それぞれ音質が違います。

@192kHz24bit(オリジナル)>>>>A192kHz24bit(Bの44.1kHz16bitからアップサンプリング)>or≧or≒B44.1kHz16bit

AとBを比較すると、AはBよりわずかながら見通しが良くなり、細かな表情が出てきますが、@とAを比較すると落差が大きい。この時はAはBに良く似ている音質と気づきます。そういう経験がありますから、アップサンプリングで情報量が増えた、補間したから音質が良くなったとは言えません。私は量子化ノイズが低減されて元々あった細かな表情が浮きでてきたと思います。特にスローロールオフで補間したアップサンプリングのデーター、特にパルシブな邦楽器は音が濁ります。オリジナルではあり得ない音です。アップサンプリング時に挿入されるデーターは、あくまでもアップサンプリング前のサンプリング周波数でサンプリングされたデーターを元に計算をしています。そのようなデーターを使用して計算した補間データーは、元の情報量から増えたと言えるかは疑問です。

さらにアップサンプリングのフィルターはアップサンプリング前のサンプリング周波数÷2の特性でフィルターを掛けなければノイジーになります。

オリジナルのデーターはfs(c.f.44.1kHz)/2以下のスペクトルしか入っていません。ですから、補間データーはfs(c.f.44.1kHz)/2以上の内容を含んでしまうと歪になるのです。

だって、22.05kHz以上の信号は元のCDデーターには入っていないのですから。

先に示したホームページの次頁もご熟読下されば、私の経験に基づく書き込みも納得いただけると思います。
http://www.gem.hi-ho.ne.jp/katsu-san/audio/next_gen/alias/aliasing.html

HDさんはPCで192kHz24bitを取り扱えるようにしていないのでしたらお勧めいたします。百読は一聴にしかず。また、昔はVC64というフリーのアップリングソフトがあり、いろいろなフィルター特性をいじって試しました。VC64のサイトは閉じてしまいましたが、チマタで言われている妄想を正してくれました。

CDのデーターをDSDの変換やアップサンプリングはマイクが発した原信号を再現するとは思えませんし、数段も飛躍的に音質が良くなるわけではないので期待しない方が無難ですよ。音質改善アイテムの一つとして考えた方がよろしいと思います。

Re 15: CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 8月27日(月)08時42分0秒
HDさん、NS さん:

>192kHz24bitを44.1kHz16bitにしたものを聞いた場合と、さらに44.1kHz16bitを再び192kHz24bitに聞いた場合は、それぞれ音質が違います。

>192kHz24bit(オリジナル)>>>>192kHz24bit(の44.1kHz16bitからアップサンプリング)>or≧or≒44.1kHz16bit


HDさんの問題提起はソースがCDの場合、アップサンプリングがどう音質に影響するかという話だと思います。それに対し、NSさんの上のレスはむしろ録音側の問題で,、少し分けて考える必要がるんではないでしょうか?

録音側でもっとも問題になるのは、A/D変換、あるいはダウンサンプリングを行うとき生じる折り返しノイズ(エリアシング歪み成分 f’=fc -f)だと思います。これは、本来聴えない可聴周波数以上の音が可聴域に降りてくるわけですから即音質劣化につながります。一方、D/A変換時の折り返しノイズは22.05kHz 以上に現れるので、アップサンプリングしてもそれほど大きな影響があるとは思えません。

そこで生録趣味さんに質問なんですが、現在使われているシステムで、例えば具体的に、25kHzや30kHzの純サイン波を192kHz,24bitで録音した音源を 44.1kHz,16bitにダウンサイズした場合の折り返し雑音である 19.1kHz、14.1kHz 成分はどの程度に抑えられているんでしょうか?

Re: Re 15: CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 8月27日(月)10時53分3秒
志賀さん

> そこで生録趣味さんに質問なんですが、現在使われているシステムで、例えば具体的に、25kHzや30kHzの純サイン波を192kHz,24bitで録音した音源を 44.1kHz,16bitにダウンサイズした場合の折り返し雑音である 19.1kHz、14.1kHz 成分はどの程度に抑えられているんでしょうか?

-∞でした。

Re 17: CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 9月 8日(土)08時03分4秒
志賀 さん

> 測定不能ということですね。 出来れば測定方法と検出限がわかればいいんですが。

-150dBです。

Sound Forge V5のFFTです。FFT Size 2048, 75% Over lap. Blackman-Harris

Re: Re15: CDのDSD変換 投稿者:DA 投稿日:2007年 9月 2日(日)06時50分28秒
HD さん

> ついでながら、同一録音のLPとCDが数枚ありまして、内ダイナミックコンプレッションがあまり変らないと思うチェンバロ独奏、ヴァイオリン独奏(チェンバロ伴奏)、小編成室内オーケストラのを、プリアンプで音量が同じになるよう調整しして、少し時間をずらせて再生、聴取位置は変えずプリの入力をリモコンで切り換えて聞いて見ました。結果、「ほとんど差が無い」、「CDの方が”いわゆる”アナログ的」、「LPがアナログ的」、といろいろです。勿論LPはスクラッチノイズがでますからどちらを聴いているかは判りますが。

LPとCDで差がないということですが、本格的なシステムならば、普通の人には差は感じないと思います。また、LPはスクラッチノイズ等で落ち着いて聞けないというハンディもあるのでは。

ここの話題とは外れるとは思うのですが、安物のミニコンポに安物のレコードプレイヤーを接続すると、CDよりもLPの方がはるかに音がよい。これは、誰が聞いても明らかです。

LPを直接、24-192KでサンプリングしたほうがCDをアップサンプリングするよりも効果があります。ただ、聞くならLPを直接録音した方を選ぶという程度で、CDは我慢できないというほどではない。

安物ミニコンポ+安物プレイヤーでは、CDは我慢できない。

NSさんが、おっしゃるように、24-192Kは優れていると思います。データとしては、説明が難しいのですが。

Re: 16 CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 9月 2日(日)11時09分59秒
DA さん:

> LPとCDで差がないということですが、本格的なシステムならば、普通の人には差は感じないと思います。

一概に差を感じないという事では無く、同一録音でも差の判るのも、ほどんど判らないのもあると言うことです。 多分アナログテープからディジタルへのリマスタリングの違いだと想像しています。(独唱曲集で伴奏者や時期が違う録音をセットものにした関係もあってかディスクによっては同一録音でLPとCDで歌手とピアノの位置関係が違うのもあります)。

> LPを直接、24-192KでサンプリングしたほうがCDをアップサンプリングするよりも効果があります。ただ、聞くならLPを直接録音した方を選ぶという程度で、CDは我慢できないというほどではない。

> 生録趣味さんが、おっしゃるように、24-192Kは優れていると思います。データとしては、説明が難しいのですが。


以前紹介した事があったかと思いますが、

http://www.smr-home-theatre.org/surround2002/technology/page_07.shtml

の通り、24/192が入力信号に対し正確な記録が出来るのは間違いないですね。(夫々の図をクリックすると拡大され、パルスの立ち上がり時間も読めます)。DSDに乗る超高域ノイズ(波形がボケてます)が聴感に与える影響については判りませんが、、、

Re: 17 CDのDSD変換 投稿者:通りすがり 投稿日:2007年 9月 2日(日)16時03分46秒
こういうのもあります。
http://www.merging.com/2002/html/pyradsd.htm

Re: Re15: CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 9月 4日(火)00時42分11秒
HD さん

> 「音」が多少変ったとしても、良くなったと感じるかどうかはリスナーの主観(刷り込みも含)によるのではないでしょうか。

そのようにおかきになるのならば、このような話題をここで持ち出すことでも無いと思います。まして、DSDに変換しても意味がありませんと自らおっしゃっているようなものです。

オリジナルの192kHz24bitをリファレンスにして44.1kHz16bitと、そのアップリングしたデーターは聞き分けや、どちらが近いかを、わたしだけが言っているわけではありません。知人ら数人に渡して聞いて貰ったことがあります。

スピーカーで区別がつかないようなならば、ヘッドホンで聞いてみたら良いと思います。

Re:16: CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 9月 4日(火)09時34分52秒
NS さん

書き方が拙かったですか。 ここで整理しておきますと、PCM方式の録音に関しては、サンプリング周波数とビット数が高いほど入力信号(マイクの出す電気信号+(録音に際して何らかの操作がなされていればそれも含む))に忠実な録音が出来るのは当然の事です。技術が進んで経済的に、768KHz/64bitが出来るようになれば更に記録の正確度は増えるでしょう。 コストが見合うならば記録の正確度が増す事や録音される方がそれを追及される事には異存はありません。

> まして、DSDに変換しても意味がありませんと自らおっしゃっているようなものです。

一方DSD録音は、当初完璧なディジタル録音方式のように言われてましたが、再生も含めるといろいろ問題もある事が判ってきているようです。例えば少し古いかも知れませんが(2005年の記事)、某社の超ド級の装置でも、S/N(ダイナミックレンジ)が6KHz以上でCD-DAより悪くなるのもあります。このメーカの最新の装置では10KHzまでCD-DAより良くなったようですが。

http://www.stereophile.com/digitalprocessors/105dcs/index5.html

のFig.2.

ですから、CDをDSDに変換しても意味があるかないかをご体験のある方が居られればお伺いしたかった訳です。(自分でやって見るにはS社のPCやT社のプレーヤは高価すぎます、、、)。

Re: 16: CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 9月 4日(火)11時28分37秒
HD さん

それならKORGのMR-1000やMR-1をご購入なさって、その付属ソフト、ミュージックゲート(陳腐な処理)か、VAIOをご購入なさって変換して試すぐらいしかないでしょう。(しかし、9/2に生録で知人が持ってきたMR-1をパラレルでDSD録りましたが、モグモグモグ・・・・・。)

ただし、私はDSDだろうとマルチビットであろうと、同じパルスコードモジュレーションの仲間ですから、電源変動がDSDの場合少なくなるからその分だけ有利だろうと推測できるだけです。

Re 16: CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 9月 7日(金)20時57分37秒
NS さん, HD さん:

以前言ったように、NSさんのやっておられる録音側での話と、CDとSACDが聴き分けられるかという話は別で、私にとって、そしておそらくHDさんにとっても、興味あるのは後者の方です。

前者の方については、192kHz24bitが断然よいということですが、おっしゃる通りかもしれませんが、そうだとするとダウンサンプルしたときに可聴周波数帯に何か変化が起こって音質劣化が生じているのではないかと推察せざるを得ません。ただこれは一般性のない話で検証するのも難しくあまり議論しても仕方がないと思います。

後者の方については、具体的にハイブリッドSACDでCDとDSDをブラインドで聴き分けられるかどうかは比較的簡単に調べられると思うんですが,例えば


http://homepage3.nifty.com/sakatani/omega/omega13/omega13.htm

これなど、聴き分けられないようですね。確かこれは信用できないと言っておられたようですが信用できそうな例をご存じないですか?

Re 17: CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 9月 8日(土)08時03分4秒
志賀 さん

オメガ以外はWebで見たことがありません。

情報通信学会の音声の部でパイオニアがHS-DATを発売をしたときに、ハイサンプリングと同じデーターをダウンサンプリングして比較試聴をした論文を読んだことはあります。大体の有名なオーディオ評論家はJASかこの学会の雑誌を読んでいるらしく、オーディオ雑誌でダウンサンプリングの方法に疑問を表明していました。

SACDのCDレイヤーは、わざとイコライザーでいじっている場合があります。

Re 18: CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 9月 8日(土)20時37分36秒
NS さん

興味ある記事ですね。もし巻号等が分かれば教えて下さい。日本音響学会誌なら容易に見られます。

文献のあり場所 投稿者:NS 投稿日:2007年 9月13日(木)13時44分29秒

企業の研究サイトと電子情報通信学会のサイトで見つけました。

電子情報通信学会:
http://db.ieice.org/gakkai/show.php?id=78692

パイオニア(上記と同じ内容?):
http://web.archive.org/web/20071216183938/http://pioneer.jp/crdl/rd/7-2.html

下記はひょっとしたらDSD関連で参考になるか?
http://db.ieice.org/gakkai/list.php

問い合わせれば有料でくれるかも。Web上の情報は有益なものが含まれていますが、良く閉鎖されるので困ることが良くあります。
仕事がら、学会雑誌や無くなりそうもないシッカリした?会社の技術雑誌(パイオニアを始め、松下、NHK,東芝、NECなど)から引用した方が、肝心だと思います。

Re 文献のあり場所 投稿者:志賀 投稿日:2007年 9月13日(木)19時55分44秒
NS さん:

どうも有り難うございます。


>電子情報通信学会:
http://db.ieice.org/gakkai/show.php?id=78692

20kHz でカットした効果が分かるかどうかですね。この件については、こちらの方がより詳しく、信用できそうです。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/NHKreport486.html

>パイオニア(上記と同じ内容?):
http://pioneer.jp/crdl/rd/7-2.html

この中の「96kHz×24ビットサンプリング対応高精度サンプリング・レート・コンバータ」という項目がレート変換時の音質変化についての研究のようですね。ここでは抄録だけですが、「4.可聴折り返し雑音の発生がない 」という結論のようですね。

うがった見方をすれば、通常の方法なら「ある」のかもしれませんね。くわしい報告を見たいところです。


Re: 20 CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 9月10日(月)22時13分19秒

以前の投稿で、

> こういうのもあります。
http://web.archive.org/web/20081117195442/http://www.merging.com/2002/html/pyradsd.htm

この投稿の意図は測りかねますがこのスレッドのタイトルの問題を考えるのに大事なポイントと思いますのでコメントしておきます。

データは左端から幅3μsec(330kHz)のアナログインパルス信号、それを48kHz、96kHz、192kHz のPCM、2.8MHzのDSDでA/D、D/A 変換した時間領域の波形です。あるいは、fs/2 で帯域制限したインパルス信号をフーリエ逆変換した波形といってもよく、いわば数学的帰結であり当たり前の結果です。確かに右に行くほど元の波形に近くなりますが音質の良否は別問題です。もう少しつっこんで言うと、この違いは全て20kHz 以上の超音波領域の話なので、音質差としては感じられないはずです。


問題は CDすなわち 44.1kHz 16bit PCM をSACD規格の 2.8MHz 1bit 信号に変換したときどうなるかと言うことですが、通常の刄ー変調でアップサンプリングしただけではやはり22kHz で帯域制限した波形になるものと思います。むしろ、マルチビットのまま適正な補間を施した方がサイドバンド(リンキング)のないインパルス信号に近づけることが可能なようです。例えば、


http://web.archive.org/web/20081221094929/http://denon.jp/catalog/pdf/dcdsa1.pdf

の3ページ図1など。ただし、これは宣伝用のカタログなので音質云々は文字通り受け取っているわけではありません。


Re: 21 CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 9月11日(火)11時53分49秒
志賀さん: NS さん:

.>電源変動がDSDの場合少なくなるからその分だけ有利だろうと推測できるだけです。

DSD(本来Philips/Sonyの商標ですが、一般的な技術用語になってしまっている感があります)でSACD規格の決まる以前Philipsは、PDM(Pulse Density Modulation)方式を開発してまして、

"In Philips PDM conversion, the 16-bit digital samples read from the CD are transformed into a high-speed, one-bit data stream (with 256 times oversampling). This stream is then converted into an analogue signal by a digital single-bit converter. This technique eliminates the non-linearities and distortion for which there is no ultimate solution in multi-bit converters."

という事に着目して1bit方式(bitstream=商標)を開発したのだと思います(1990代前半?)にアナログ録音を"Digitalized by BITSTREAM"の表示があるCDを出しています。しかし、ここで言う非直線性や歪はマルチビットの場合-120dB以下位のレベルの低い所の事ではないでしょうか?この時16bitを変換するのにそれなりの理由があって256 times oversampling≒11.3MHzを採用したと思いますが、SACD規格では1bit方式で必用とされる最低限の64倍2.8MHzになったのかに興味あります。

> > こういうのもあります。
http://web.archive.org/web/20090612033253/http://www.merging.com/2002/html/pyradsd.htm


1bitでは原理的に困難な編集が出来るDXD方式を開発したと言う会社の記事のようですね。 Philips-Sonyに承認されたとあります。「DSDプロジェクトとDXDミキシング・プロジェクトDSDのような1ビット・オーディオ・ストリームは、ミックスや編集が直接できません。(少なくとも誰も未だ「ビット数を上げ演算し、もう一度1ビット・ストリームに戻す」以外の方法を見つけられていません)

DXD(DSD 8fs)ミキシング・プロジェクト

DXDは、Digital eXtreme Definitionの略でPhilips/Sonyにより承認された8fs 32bit(浮動小数点)のミキシングとプロセッシングのフォーマットです。

■ 1bit DSDから、32bit-floating/ 8Fsに変換していますね。

DXDミキシング・プロジェクトでは、以下の事が可能です:

●DSDオーディオ(エフェクトを含む)のリアルタイムの編集とミックス
●既に編集された素材を聴きながらのシームレスなパンチ・イン/アウトと、オーバーダブ録音。(全ての録音は64fsで行われる) また、オーバーダビングの際、編集された素材はリアルタイム・プレイバック中に8fsにトランスコードされる。」 だそうです。

> 問題は CDすなわち 44.1kHz 16bit PCM をSACD規格の 2.8MHz 1bit 信号に変換したときどうなるかと言うことですが、通常の刄ー変調でアップサンプリングしただけではやはり22kHz で帯域制限した波形になるものと思います。

矢張りそうでしょうね。CDのPCM情報はディジタル化の前段階で急峻なローパスフィルターで20KHz以上を落としていますから、NSさんの言われるように無いものが出来てくることはないのでしょうが、一応4倍の記録容量はありますから何らかのスムージングはされているかも知れません。 気になるのは、可聴帯域内の数KHz以上でCDよりS/Nが悪くなる例が多い事です。

>もっとも、以前言ったように、生録趣味さんのやっておられる録音側での話と、CDとSACDが聴き分けられるかという話は別で、私にとって、そしておそらくHDさんにとっても、興味あるのは後者の方です。

数枚のSACDを持ってますが、中級M社のマルチプレーヤで聴く限りでは、ディスクによってCD層とSACD−2チャンネルエリアではっきり聞分けられるのとほとんど差が無いのがありますね。 一聴して判るのは、SACD初期にでた1960年代録音の3トラックテープのリマスター盤(Mercury)、ほとんど差が感じられないのは2004年録音、2006年リリースの小澤・サイトウキネンオケのPhilips盤です。他のSACDはこの中間にあります。

ミキシング、ミックスダウンの差による所が大きいのではないかと思っています。イコライジングを変えているのもあるかも知れません。(前にレスしましたLP対CDと同様の感触です)


Re: 22 CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 9月11日(火)17時37分16秒

1990年頃の256倍オーバーサンプリングBitstreamを使ったプリアンプ付きCDPのデータを見つけました。
Description: CD player with integral preamplifier and full remote control of functions via supplied 209 handset, two line-level inputs, one tape loop and optional phono input, fixed and variable outputs, one pair of optical outputs, and one coaxial digital output. CD player specifications, fixed outputs: Frequency response: 20Hz-20kHz ±0.2dB. THD: ±0.004%. Noise: ±94dB(ミスプリでしょう、同じメーカの同じ頃のDACでは、Noise: <94dBとなってます)  Conversion: Bitstream, PDM, differential time-aligned mode, 256x-oversampling digital filtering with passive final low-pass filtering. Precision: 16 bits.

http://www.stereophile.com/cdplayers/1290meridian/index5.html
のfig.8 と

以前紹介しまhした2005年記事の超ド級セパレートCD/SACDプレーヤ

http://www.stereophile.com/digitalprocessors/105dcs/index5.html

のFig.2 を比較しますと、-90dBの信号を入れたときのCDのノイズのF特はほとんど変りませんが、SACD(DSD)では約6KHz(-108dB)以上でCDより悪くなり20KHzではCDの-104dBに対し-85dBと20dBも悪くなってます。これが音色にどう影響するかですね。
一方音楽信号でエネルギーの大きい低域ではDSDが20dBほどS/NがよいですからDSD録音の場合はSACDの全体のダイナミックレンジはCDより広くとれると思います。が、元がダイナミックレンジ理論最大値96dBのCDをDSD変換しても大した意味が無い? というところでしょうか。

フィリップスのビットストリーム関係の取材はラジオ技術で良く取り上げられていました。時代は1bit DACかマルチビットDACかのうるさかったころ。

Re: 23 CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 9月13日(木)16時50分21秒

そういえばHDさんは藤本健の記事を読んで言っているのでしょう?
http://web.archive.org/web/20080212115017/http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070528/dal283.htm

藤本健の方で結論めいたことが書いてありますから、VAIOを購入するしかないのではないですか。でも、考えてみるとCDのDACはほとんどΔΣタイプの石を入れているからどうなんでしょう。ハードで組んだ処理と、パソコンで処理すると言うのはタップ数なんか違うと言えば違うのですがねえ。

Re: 24 CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 9月15日(土)07時20分6秒
NS さん

読んだ記憶は有りますが、表題の件を見つけたのは別のサイトだったような。。

『某氏:DSDというのはDirect Stream Digitalの略で、SACDに採用されているデジタルオーディオの方式です。従来のPCM方式とはまったく異なるもので、音声信号の大小を1ビットのデジタルパルスの濃度(濃淡)で表現する方式です。DSDの最大の特長は、回路構成がとてもシンプルに実現できること。そして極めて音質がいいということです。とにかく生の音を忠実に録音する上で、DSDがいいことは、広く知られるようになりました。実際、SACDの音を聴いていただければ理解いただけると思います。』

前にレスしましたが、数枚のSACDの2-channel area とCD層の比較でSACDの音が必ず良い(コンサート客席で聴く音の感触、雰囲気でCDより「生」に近いという意味で)とは感じませんでした。

『質問者::次にユーザーとして気になるのは、DSDで録音したとして、それをどうするかです。PCMの世界と同様に、録音したものを編集し、それをCDに焼いたりDVDオーディオに焼くことで、どこでも再生可能になるのであれば、かなり魅力は出てきます。つまりDSDで録音したものを元に SACDを個人が焼けるようになる可能性というのはあるのでしょうか?

某氏:残念ながらそれは将来的にも無理でしょう。やはりSACDのメディアの特性上難しいということと、暗号の問題、もっといえば産業上の構造というか……。』


各メーカが既に多くのSACD・CDプレーヤ、マルチプレーヤを販売しておいてそれが使えないとは???(違法コピーを認めろと云っている訳ではありませんよ、為念)。

『独自の高音質サウンドチップ(高音質エンジン「SoundReality」の事?)の搭載により、ピュアオーディオに匹敵するSN比107dB(*)という低ノイズ、原音に忠実なサウンドを実現。音楽のツヤや残響といったデリケートなニュアンスも、妥協なく表現します。
(*)チップ出力時。組みこみ時の特性は機種により異なります。』


このチップの内容はどこかで見られますでしょうか? 概要のカケラすら見たことないです。 ほとんどのオーディオ機器メーカは、どんなチップを使っているか公表してますから、チップメーカのサイトで内容を見られます。Analog Devices, Cirrus Logic, Burr Brown(TI),  Wolfsons, 旭化成、 等

> でも、考えてみるとCDのDACはほとんどΔΣタイプの石を入れているからどうなんでしょう。ハードで組んだ処理と、パソコンで処理すると言うのはタップ数なんか違うと言えば違うのですがねえ。

普通の聴覚の持ち主で聞分けられるかは、疑問ですね。志賀さんのご紹介のNHKのブラインドテストで17歳の女性1人だけが、日本の薩摩琵琶の音(生録趣味さんのおっしゃるパルシヴな音が多いですか)、管弦楽(チャイコフスキー#6、3楽章、シンバルの強打が何回かあります)有意に聞き分けたそうですが。 余談ですが、私も高校生の頃は当時のモノクロTVのブラウン管に使うフライバックトランスの発する19KHzはよく聞えてました。何時の頃からかこの周波数は38KHzになったという話もあります。

(無題) 投稿者:NS 投稿日:2007年 9月15日(土)07時58分20秒

結構枚数を持っている人は、SACD層とCD層の音質差があるSACDもあると言っています。SACDプレーヤーをお持ちなら、粛々とSACDメディアを買うしかありません。SACD自体、CDより改良余地が広いのですから。

>(コンサート客席で聴く音の感触、雰囲気でCDより「生」に近いという意味で)

これは録音エンジニアの考えに左右されます。

Re: (無題) 投稿者:HD 投稿日:2007年 9月15日(土)10時22分48秒
NS さん

> 結構枚数を持っている人は、SACD層とCD層の音質差があるSACDもあると言っています。

はい、以前に以下のレスを書きましたので、その部分を少し手直しして再掲しておきます。

『数枚のSACDを持ってますが、中級M社のマルチプレーヤで聴く限りでは、ディスクによってCD層とSACD−2チャンネルエリアではっきり聞分けられるのとほとんど差が無いのがありますね。 一聴して判るのは、SACD初期にでた1960年代録音の3トラックアナログテープのリマスター盤(Mercury)、ほとんど差が感じられないのは2004年録音、2006年リリースの小澤・サイトウキネンオケのライブ録音、Philips盤です。他のSACDはこの中間にあります。ミキシング、ミックスダウンの差による所が大きいのではないかと思っています。(NSさんの言われるように)イコライジングを変えているのもあるかも知れません。』

> SACDプレーヤーをお持ちなら、粛々とSACDメディアを買うしかありません。

M社のSACDも再生するマルチプレーヤ(Cirrus Logic のDAC使用)でDVDのLPCM再生に満足してますのでSACDプレーヤを買う予定は無いです。部屋にあと3台もスピーカを置く余地がないのでサラウンドは考えてませんです。

> SACD自体、CDより改良余地が広いのですから。

そうかも知れませんが、クラシックでは聴きたい思うソフトがほとんど出ませんね。もうSony、Philipsすらも新譜のリリースを見かけなくなりました。アムステルダムCO、ロンドンSO、最近シカゴSOも始めたらしいオケ自前(?)のライブ録音が目に付く位ですが?

> >(コンサート客席で聴く音の感触、雰囲気でCDより「生」に近いという意味で)
> これは録音エンジニアの考えに左右されます。


仰せの通りと思ってます。

Re: 24 CDのDSD変換 投稿者:志賀 投稿日:2007年 9月15日(土)10時24分53秒
NS さん、HD さん

あまり他人のHPを批判するのは本意でないんですが、


>そういえばHDさんは・・・・

件のサイト、ディジタルオーディオに関して技術的にはしっかりしていてわかりやすく書いてあり高く評価しているんですが、音質評価となると主観のみのようです。以前ここのBBSで圧縮音源の話題が出たとき、これに詳しいTGさんが自分のHPで激しく批判していました。私もこの点に関しては同意です。
http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/soundcompression.html
この中にあります。

さて、20kHz以上の音が聴き取れるかどうかの話題ですが、NHK技研の報告では17歳の女性が有意差のある回答をしていますが追試をすると有意差に達していないとあります。また、NSさんの紹介された報告の抄録には20歳代の被験者11名の内2人が聴き取れたとあります。で私の結論は、

「極めて例外的な能力を持った人が識別出来る可能性を完全には否定できないが、普通の人(といってもこの場合音にうるさいベテランばかりだが)にはまず不可能である」

というものです。少なくとも30歳以上の人には無理だと思います

これらの結果を如何に受け取るかですが、確かに録音する側としては例外的に耳の良い人も視野に入れて20kHzの音を含めていい録音をするというのはそれなりの見識だと思います。

一方、もっぱら聴き手である私には、自分の歳も考え、少なくとも20kHz以上が録音されているからという理由でSACDを導入する気にはなりません。

私の乏しい経験では、高音質のCDならSACDや96kHz24bitのDVD-Video に決して引けを取らないと感じています。もちろん平均的なレベルでは後者が高いでしょうが。


Re25: CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 9月16日(日)13時39分38秒

> このチップの内容はどこかで見られますでしょうか? 概要のカケラすら見たことないです。

カケラ(笑)がありました。

DSD対応高音質サウンドチップ「SoundReality」(Intel HighDefinition Audio準拠).

http://web.archive.org/web/20070123013458/http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040109/intel1.htm

192KHz/32bit・ マルチチャンネルl対応とあります。

Re: 24 CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 9月16日(日)21時26分35秒
HD さん

間違いです。
http://web.archive.org/web/20050409005115/http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050407/stein.htm

http://www.vaio.sony.co.jp/Products/Solution/DSDdirect/feat2.html

Re: 24 CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 9月16日(日)22時52分54秒
NS さん

> 間違いです。

VAIOの機種によって違うのですかね。Type S SZシリーズのスペックには

『オーディオ機能: DSD対応高音質サウンドチップ「Sound Reality」(インテル High Definition Audio準拠)、内蔵ステレオスピーカー、内蔵モノラルマイク』

と明記されてますが。 (今の所全部で15機種にこのチップが搭載されているとか)

確認ですが、「Sound Reality」はオーディオLSIチップ(H/W), 「インテル High Definition Audio」はインテルの新しいPCオーディオ規格、 ASIOはドライバ(S/W)、「SonicStage Mastering Studio」はVAIO(全てでは無い?)にバンドルされているオーディオ用アプリケーションS/Wですね。

このテーマは今後の展開を待つとして、マルチプレーヤを持ってますのでACOやCSOのライブ録音のSACDで聴きたいのがリリースされたら買ってみましょう。

Re: 25 CDのDSD変換 投稿者:NS 投稿日:2007年 9月18日(火)17時28分42秒

>ASIOはドライバ(S/W)、「SonicStage Mastering Studio」はVAIO(全てでは無い?)にバンドルされているオーディオ用アプリケーションS/Wですね。

マザーボード上のサウンドチップ(H/W)がASIO2.1ではないとDSDは対応していないと言う認識でしたが、違いましたかね。
ソフトもハードも対応していないと使えないはずです。普通のプロ用サウンドカードやマザーボードに載せているサウンドチップは良くてもASIO2.0対応止まりのはずです。おっしゃるようにVAIOで、しかもSonicStage Mastering Studio対応をうたっていないとASIO2.1対応のハードウェアは搭載されていないのでは? 少なくとも私は見たことはありません。ですから、VAIOを購入するしか検討はできないよ、という趣旨を述べたまででして。

Re: 26 CDのDSD変換 投稿者:HD 投稿日:2007年 9月19日(水)10時19分30秒
NS さん

おっしゃるとおりで、Intel新規格とASIO2.1両方に対応しているという事ですが、、、

『「Sound Reality」はソニーが独自に開発したサウンドチップで、秋モデルでは「type M」を除く全デスクトップPCで採用された技術だ。ASIO2.1に対応しSACDの記録方式「DSD」での録音・再生が可能となった。また、Intel HD Audioに準拠することで従来のPCオーディオとの互換性を維持しているという。Sound Realityの採用に伴ってSonicStage Mastering StudioもVer.2.0にバージョンアップした。DSD方式の録音と再生に対応し、PCM方式の録音と再生も24bit / 192kHzまで可能となっている。DSD方式での録音は、ファイルフォーマットが「*.DSF」となり、リニアPCMと比較して4倍ほどのファイルサイズになる見込みだ。DSD方式で録音したファイルをCDやDVDに記録することは可能だが、SACDへの書き込みやSACD音源の取り込みは不可能となっている。』

まとめ

ちょっと話が分散しておりまとめにくいですが、件のPCをCDプレーヤとして使うなら、従来型のCD専用機に比べて画期的に優れた点があるとも思えないし、録音機として使う場合はSACD ディスクとして取り出すことが出来ないようなので一般性がない。ただ、ここでは話題にならなかったが映像と一緒に扱えるという特徴があるのかもしれない。しかし、いったいどういう人が、どういう目的で使うのか正直分からない。

なお、録音方式の優劣については、9月7日の私のレスを採録しておきます。


前者(録音方式)の方については、192kHz24bitが断然よいということですが、おっしゃる通りかもしれませんが、そうだとするとダウンサンプルしたときに可聴周波数帯に何か変化が起こって音質劣化が生じているのではないかと推察せざるを得ません。ただこれは一般性のない話で検証するのも難しくあまり議論しても仕方がないと思います。

一言付け加えると、既出のNHKの実験例などでは、20kHz以上の信号をカットしても、10代、20代の若者で例外的に耳のいい人がひょっとして聴き分けられるかもしれないという結果が出ています。そうだとしたら、CD規格にダウンサンプルした場合に誰にでもすぐ分かるような変化が生じたとすると上の結論にならざるを得ないというのが私の考えです。

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