ヘッドホンのバランス接続 投稿者:BS 投稿日:2015年 1月30日(金)02時18分18秒
最近、「ヘッドホンのバランス接続」「ヘッドホンのバランス駆動」という言葉が流行していますが、違和感を感じて仕方ありません。ダイナミック型ヘッドホンの駆動において、バランス接続・バランス駆動という言葉を使うのは誤用だと思うのですが、皆様どう思われますか?
実態は、別に新技術でもなんでもなく、スピーカーにアンプをBTL接続(半導体アンプで言うならブリッジ接続と呼ぶのがより正確でしょうか)したものと同じです。つまり差動駆動であり、バランス駆動と呼ぶのは明らかに間違いと思います。
ブリッジ接続であれば、その目的は大出力化であり、高音質化ではないはずです。むしろブリッジ接続は、高音質化を犠牲にして大出力を得るものとの理解ですが、Web上には、一部のプロ(ヘッドホンアンプ業者・リケーブル業者)によるバランス駆動の間違った説明(バランス駆動=高音質)も多く見受けられます。
「オーディオの科学」にふさわしいネタと思い、この場で議論・整理をしたいのですがいかがでしょうか?
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:BC 投稿日:2015年 1月31日(土)14時24分10秒BSさん
> むしろブリッジ接続は、高音質化を犠牲にして大出力を得るものとの理解ですが、
とのことですが、高音質化が犠牲になっている部分とはどのようなものでしょうか。
スピーカーでのブリッジ接続では、アンプのS/Nが3dB改善され、偶数次高調波歪が減る(これはちょっと理由が理解できていません)というメリットがあるというサイトもありました。
(参考)http://ezto.info/ezhome/blog/entori/2013/10/30_baransutteiino.html
ブリッジ接続 投稿者:BS 投稿日:2015年 2月 2日(月)01時25分37秒
BCさん、
ネット上の説明には本当に間違いが多いので注意する必要があります。リンクいただいたページにも誤解を招く表現があると思います。まずは下記を読まれてはいかがでしょうか?
http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/46BTL.html
ブリッジ接続が高音質になりえない理由は、
(1)正相と逆相のアンプが「完全に対称動作」するのは机上の空論であって、現実にはありえません。現実の二つのアンプ間には誤差が存在し、その誤差はすべてアンプ一つを使った場合の特性を、より悪化させる方向に寄与します。見かけの特性が良くなるとしたら、それは最大出力が倍になっていることに起因します。
S/Nで言うならSの最大値が大きくなるようなものです。しかしあなたはその大音量で聴きますか?普段聴くのと同じ音量にしたら、Sは変わりません。一方Nはアンプ2個分です。実際、ブリッジ接続すると特に残留ノイズが大きく感じられるように思います。(ライブ会場とか)
(2)ダンピングファクターが悪化する。
抵抗が0Ωに近いGNDの代わりに逆相アンプが入ると考えてみてください。アンプには必ず出力インピーダンスが存在します。逆相アンプの出力インピーダンスは、正相アンプから見ると本来の対象負荷以外のインピーダンス増大要因であり、ダンピングファクターが悪化します。
ブリッジ接続は、ピュアオーディオ的なものではなく、ライブハウスやコンサート会場での業務用機器にて用いられる、必要悪なものと思います。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月 2日(月)21時57分39秒
BSさん、BCさん
まずバランス接続のメリットですが、その効用については
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/connectcable.htm#ballance
ここに書いてあります。ここでは、CDプレーヤとアンプの間には必要ないと書きましたがヘッドホンの接続も同じです。信号はそれほど微弱でなく、またマイクやカートリッジとは異なり、その後で増幅することもなく、さらに長さも長くないというのがその理由です。定量的に考えればアンバランス接続とブラインド条件で聴き分けられるような差が有るとは考えられません。
それはそれとして、ヘッドホンをバランス接続にするためには2本(ステレオの場合はアースラインが共通で左右各1本)の導線のどちらもアースラインに落とすわけにはいきません。そのために、本来はパワーを倍増するための接続であったアンプのBTL接続と類似の回路構成(添付図のような感じになると思います)を応用してヘッドホンのバランス接続を実現しているんだと思います。
つまり、パワーを稼ぐためでなく、コモンノイズの影響を受けないように2本の導線をアースラインから浮かすためにあえて各チャネルに2個のアンプを使っているということのようです。
ただその効果のほどは上に書いた通りです。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:KZM 投稿日:2015年 2月 2日(月)23時09分2秒
BSさん
> ブリッジ接続であれば、その目的は大出力化であり、高音質化ではないはずです。
ヘッドホンをバランス出力で駆動する場合、いわゆる4極ケーブル構成になります。この構成は、3極の配線と違ってグラウンド線が共通でないので、共通インピーダンスを極小化でき、LRクロストークの発生を抑えられます。このクロストークは十分実測できるレベルです。
個人的には、敢えてクロストークを使って頭内定位を緩和するような場合を覗き、バランス出力で駆動する方がよいと思っています。最大の課題は、芯線が4本ある配線が一般的でなく、コネクタも高価なことです。こればかりは、ステレオミニプラグの簡便さには敵いません。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:BC 投稿日:2015年 2月 3日(火)16時33分17秒
BSさん、NSさん、志賀先生、KZMさん
やはりアンプに十分な性能があれば、一つのスピーカー/発音体をバランス駆動するメリットはあまり無いようですね。
ただ、気になっているのはKZMさんがご指摘になられた
> このクロストークは十分実測できるレベルです。
という点です。これは「聴感上感知できるレベル」ということでしょうか? また個人差はあるでしょうが、逆相クロストークはだいたいどのレベルまで感知できるものなのでしょう。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:KZM 投稿日:2015年 2月11日(水)23時00分24秒
BCさん
> とは「-30dB程度の逆相クロストークは聴感上検知できる可能性がある」とのお考えでいらっしゃるのしょうか。
遅まきながら。正確な実験結果はないものの、-30dBほどの逆相クロストークなら、検知はできると推測します。この件を詰めて実験するならば、ケーブルを含めてハードウェアによってクロストークがない状況を実測して構築し、その上で敢えて-30dB程度のクロストーク成分をソース側で混ぜ込んでみれば、聴覚でどう感じるかは判明するでしょう。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:KZM 投稿日:2015年 2月 4日(水)05時46分52秒
BCさん
>・・・。これは「聴感上感知できるレベル」ということでしょうか? また個人差はあるでしょうが、逆相クロストークはだいたいどのレベルまで感知できるものなのでしょう。
これはアナライザで実測できるという意味です。
http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/112crosstalk.html
の最後で紹介している
http://monoadc.blog64.fc2.com/blog-entry-67.html
の内容によれば、3極ケーブル構成で最も悪いものではクロストークが-30dBにも及ぶとされています。4極ケーブル構成の製品では、総じて良好なクロストーク特性です。この結果は特定のイヤホンが悪いというよりは、3極ケーブル構成をどの程度の長さまで引っ張るかによって決まります。単体で良好な特性のイヤホンを使っても、3極ケーブルで延長したらすぐに劣化します。これが共通インピーダンスによるクロストークであることは、クロストーク成分がイヤホンのインピーダンスを反映した周波数特性であり、位相が逆相であることから判明します。
KZMはこれらを聴覚で判別できるかは知見がありません。4極ケーブルの製品を3極で延長し、どの程度の長さまで違いがわからないかを試してはいかがですか。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月 4日(水)10時55分44秒
KZMさん、BCさん
私もヘッドホンのバランス接続の議論でクロストークについての視点が欠落していました。実はこれに関しては以前にも、スピーカーのクロストークの話題
http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/112crosstalk.html
の最後のところでヘッドホンの場合にも触れています。ここで紹介しているリンク先もKZM さんの引用先と同じ
http://monoadc.blog64.fc2.com/blog-entry-67.html
で、実験方法がいまいちよく分かりませんが、クロストークの原因は線間容量でなく、共通アース線の抵抗成分だとしていますね。私もこの意見に賛成で、ざっと計算すると共通線の抵抗値を 100mΩ/m ボイスコイルのインピーダンスを 15Ωとすると約 -40dB くらいのクロストークが生じる計算となります。この場合はもちろんボイスコイルのインピーダンスの変化を無視すれば周波数依存性はありません。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:adc 投稿日:2015年 2月 5日(木)00時31分14秒
「イヤホン測定結果置き場」http://monoadc.blog64.fc2.com/のadcと申します。
ヘッドホン、イヤホンのクロストークについては以前調査したことがあり、そこから得た私なりの見解を書かせていただきたいと思います。
まずリンク頂いたhttp://monoadc.blog64.fc2.com/blog-entry-67.htmlのクロストーク測定方法ですが、
@ イヤホンのLchを測定系(シリコンチューブカプラ+マイク)に装着し、Lchに~20kHzのサインスイープ信号を流し、Lchの周波数-音圧特性を測定
A イヤホンのLchを測定系(シリコンチューブカプラ+マイク)に装着し、Rchに~20kHzのサインスイープ信号を流し、Rch⇒Lchへのクロストーク成分の周波数-音圧特性を測定
B @とAの音圧レベル差を計算し、この結果を「クロストーク特性」としてグラフ化
以上のようにしております。(ブログにも追記しておきます。)
さて、ケーブルでのクロストークの原因として直流抵抗と線間容量の2つが挙げられていますが、どちらが主に効いてくるかは場合によります。
イヤホン、ヘッドホンでは多くの場合、共通GNDの直流抵抗成分によるクロストークが支配的となります。これはイヤホン、ヘッドホンのインピーダンスが数Ω〜数百Ωと低く、3線ケーブルの共通GNDの抵抗(0.1Ω〜1Ωオーダー)やステレオプラグ-ジャック間の接触抵抗(1mΩ〜10mΩオーダー)との比が-30dB〜-70dB程度となる場合が多いためです。線間容量によるクロストークは一般にこれより小さいため隠れてしまい見えません。
一方ライン接続の場合、一般に負荷は数kΩ以上になりますから、共通GNDのプラグ-ジャック間の接触抵抗との比から直流抵抗成分によるクロストークは~-100dB程度になるでしょう。こうなると高域での線間容量によるクロストークが目立ってきます。
イヤホン、ヘッドホンにおけるクロストークは、物理的には単純な話と思います。実測して得られたデータも単純なモデルから予測される通りであり、既に議論の余地はないと言って良いのでは。
問題は何dB程度クロストークがあれば人間の耳で検知できるのかという点ですが、これについては私もデータを見たことがなく、全く分かっておりません。
唯一知っている情報は先のリンクに載せてある、EBUの推奨値なるものです。
http://monoadc.blog64.fc2.com/blog-entry-67.html
(このページの最後の部分にある)
これによるとステレオ伝送系ではクロストークは-26dB以下に抑えることが推奨されています。しかしこれが検知限界と書かれているわけではなく、原典も見つけられておらず正直良く分かりません。
また、肝心のイヤホン、ヘッドホン環境での検知限界については全く情報を見たことがありません。どなたかご存知であれば教えていただきたいです。こちらの皆様には言うまでもないことではありますが、ブラインドテストのデータが一つもない状態で「私は○○dBのクロストークを聞き分けられる」と言っても100%思い込みや勘違いの可能性もありますので。
私が以前に調査した事項の内、クロストークに関係するものを以下にまとめておきます。
実際にケーブルの直流抵抗値、共通GNDの直流抵抗値を測定した結果もあります。ご活用頂けると幸いです。
テスターでイヤホンケーブルの共通インピーダンスを測る
http://monoadc.blog64.fc2.com/blog-entry-115.html
ミニプラグ-ジャック間の接触抵抗について
http://monoadc.blog64.fc2.com/blog-entry-70.html
イヤホン、へッドホン関連のオーディオケーブルの抵抗値について
http://monoadc.blog64.fc2.com/blog-entry-69.html
http://monoadc.blog64.fc2.com/
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:KZM 投稿日:2015年 2月 5日(木)02時06分18秒
志賀さん, adcさん
>adcさん
補足説明をありがとうございます。KZMの言わんとするところは、adcさんの説明のとおりです。
一点さらに補足するならば、
・イヤホン/ヘッドホンなどの重負荷におけるの共通グラウンドによるクロストークは、逆相である
・3線ケーブルの線間容量によるクロストークは、正相である
・ラウドスピーカのステレオ再生における空間伝搬によるクロストークは、正相である
と分類できます。
>ただ、そもそもスピーカーシステムで聴くときは、恐らくこれ以上のクロストークが発生しているわけでしょうが、普通そんなものだとして聴いているわけですね。ソースの方でも、あるいはこれを想定し、左右の音量差を強調して録音したのもあるんでないでしょうか? つまり、クロストーク即悪影響とは言えないと思うんですが?
悪影響かはともかくとして、無視できないクロストークがあります。話の発端がヘッドホンをバランス接続した場合の意義ですから、意図しないクロストークを予防するという意義があるという指摘をしています。3極ケーブルで発生しているクロストークの存在に気付かず、音像定位がよい悪いと議論してもあまり意味があるとは思えません。
クロストークを積極的に利用して、頭内定位を緩和する、サラウンド感を出すといった手法もありますから、
そういったソースや再生機器を想定すると、やはり意図しないクロストークが再生機器側で加算されるのはよくないでしょう。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月 5日(木)16時31分22秒
KZMさん, adcさん
皆さんのおかげでだいぶデータが集まってきたので、聴感はともかくとしてクロストークの値をまとめさせてもらいますと
アースライン共通の3線ケーブルの抵抗値(Rc)は100〜500mΩ/m(adcさんの測定では長さが分からないので少々強引ですが 1mとしておきます)、ボイスコイルの直流抵抗を15Ω、静電容量(Cc)はKZMさんの測定値200pF/mを使うとして、クロストークを
R成分クロストーク=20*log(Rc/15) (逆相)
C成分クロストーク=20*log(Zc/15) (正相)
で概算すると、1mのケーブルについて、抵抗成分によるクロストークは 100mΩで-45dB、500mΩだと、-30dB くらいになりますね。線間容量による20kHzでのクロストークは200pF としても-70dB くらいで、100mΩの場合と比較しても、約25dB くらいの差が有り、やはりクロストークの主因は抵抗成分だと言えそうです。だとすると、確かにこの場合は逆相のクロストークになるので、左右の音量差を拡大する方向に働くということになりますね。
GND分離の効果 投稿者:BS 投稿日:2015年 2月 8日(日)02時23分21秒
志賀さん、KZMさん、BCさん、adcさん
クロストークの検証データ大変参考になります。
3極ステレオミニプラグはLとRのGNDが共通化されていて、3線(L,R,GND)のヘッドホンケーブルを接続した場合にクロストークが生じる(チャンネルセパレーションが悪化する)ことについては認識をしています。
#私自身は実測をして検証したことはないのですが。。
クロストーク・チャンネルセパレーションの問題は、LとRのGNDを分離すれば解決されます。具体的には、L,GND(L),R,GND(R)の4極ミニプラグと4線ヘッドホンケーブルで、二組の「アンバランス」接続をすれば解決できると予想しています。
つまり、クロストーク軽減は、+L,-L,+R,-Rの「バランス接続」あるいは「バランス駆動」(と謳っているもの)による効果ではなく、共通GNDを分離した効果です。ですのでやはり私は「バランス駆動・バランス接続によるクロストーク軽減」という表現に違和感を感じるのです。正しくは、バランスという言葉を一切使わずに、「GND分離によるクロストーク軽減」と表現すべきと思うのです。
次に興味があるのは、
(1)4極ミニプラグ+4線ヘッドホンケーブル
(2)3極ミニプラグ+4線ヘッドホンケーブル
という条件での、チャンネルセパレーションの効果の違いです。
もし機器内(DAC周辺からミニプラグ)のGNDのインピーダンスが十分低くなるよう適切に
設計されていれば、上の二つにほとんど違いはないと予想しています。
ここで私が問題提起した 核心 に入るのですが、今ヘッドホン界隈でブームになっている「バランス駆動・バランス接続」(と謳っているもの)に効果があるとしたら、それは、正逆アンプによるブリッジ接続でもなく、ミニプラグの4極化でもなく、実は「ヘッドホンケーブルを4線化した」だけの効果と言うべきものではないでしょうか??
この仮説が真ならば、ヘッドホンの高音質化において、高いお金を払って「バランス駆動」ヘッドホンアンプや「4極」ミニプラグ搭載の機器を選ぶ必要はなく、「ヘッドホンケーブルを4線化」することが最も効果的、という結論になります。皆様、いかがでしょうか?
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:BS 投稿日:2015年 2月 8日(日)02時31分4秒
一つ書き忘れました。
志賀さん
>信号はそれほど微弱でなく、またマイクやカートリッジとは異なり、その後で増幅することもなく、
私はバランス接続というと、受けは差動増幅回路をイメージしてしまいます。マイクやカードリッジはそうですよね。一方、ダイナミック型ヘッドホンは「差動受け」ではありませんし、非線形なパッシブ回路です。
この点でも、ヘッドホンに対して「バランス接続」「バランス駆動」という言葉を使うことに抵抗を感じるのです。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月 8日(日)13時17分5秒
BSさん (前の投稿についてのレスも含みます)
> 私はバランス接続というと、受けは差動増幅回路をイメージしてしまいます。マイクやカードリッジはそうですよね。一方、ダイナミック型ヘッドホンは「差動受け」ではありませんし、非線形なパッシブ回路です。この点でも、ヘッドホンに対して「バランス接続」「バランス駆動」という言葉を使うことに抵抗を感じるのです。
バランス接続の本来の意味は
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/connectcable.htm#ballance
ここに書いた通りコモンモードノイズの混入を避けることなので、受け側が差動増幅回路でなくとも、バランス型であれば(例えば、入力トランスやヴォイスコイルなど)いいわけで特に間違った使い方とは思いませんが、バランス駆動という言葉は初耳です、バランス出力ならわかりますが。まあ、細かい事ですが。
>3極ステレオミニプラグはLとRのGNDが共通化されていて、3線(L,R,GND)のヘッドホンケーブルを接続した場合にクロストークが生じる(チャンネルセパレーションが悪化する)
実は私もイヤホンのクロストークについては意識したことはなかったのですが、いままでの議論から、この場合のクロストークはスピーカーシステムとは逆に、逆相のクロストークなのでチャネルセパレーションをむしろ強めることになると思いますが?
>ここで私が問題提起した 核心 に入るのですが、今ヘッドホン界隈でブームになっている「バランス駆動・バランス接続」(と謳っているもの)に効果があるとしたら、それは、正逆アンプによるブリッジ接続でもなく、ミニプラグの4極化でもなく、実は「ヘッドホンケーブルを4線化した」だけの効果と言うべきものではないでしょう??
実は、ヘッドホン事情に疎いのでよく知らないのですが、そもそも、「バランス駆動・バランス接続」を宣伝している人たちはどんなメリットを強調しているんでしょうか? ちょっとネットを調べた限りでは、信号線をアースラインから浮かすことを第1にあげている場合が多いようですね。その場合はやはり4線化しただけでは効果がないですね。
私には、マイクやカートリッジの接続で有効であったバランス接続をヘッドホンの接続に使えばいいはずだという思い込みを利用した宣伝に過ぎないと思えます。定量的視点の欠落したオーディオ界にはよくある話の一例だと思いますよ。
>この仮説が真ならば、ヘッドホンの高音質化において、高いお金を払って「バランス駆動」ヘッドホンアンプや「4極」ミニプラグ搭載の機器を選ぶ必要はなく、「ヘッドホンケーブルを4線化」することが最も効果的、という結論になります。皆様、いかがでしょうか?
クロストークを無くすためにはその通りでしょうが、正直、私はヘッドホンやイヤホンのクロストークにそれほどこだわることはないと思っています。以前にどなたかのレスに書いたように、スピーカーシステムで聴くときは、ヘッドホンのクロストークとは比べものにならないくらいのレベルの正相のクロストークが生じているわけです。しかし多くの人は、アンプなどで生じるごく微小なクロストークを問題にしてもこちらの方は問題にしないですね。そもそも音源の方でもそれほどクロストークをコンロロールしているとは思えません。
もっとも、一度クロストークがあるということに気づけば、それだけで音質が落ちると感じてしまう人がいることも事実だとは思いますが。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:BS 投稿日:2015年 2月10日(火)00時09分52秒
志賀さん、
確かに受け側が差動増幅回路ではないケースもありました。ご指摘ありがとうございます。「バランス駆動」という言葉は、今流行のヘッドホン用ポータブルアンプ(ポタアン)によく使われています。アンプ出力が+L,-L,+R,-Rの4端子、かつ、4線のヘッドホンケーブルを用いてLR独立にヘッドホンを駆動することを、ヘッドホン界隈では「バランス駆動」と呼ぶようです。
> 実は私もイヤホンのクロストークについては意識したことはなかったのですが、いままでの議論から、この場合のクロストークはスピーカーシステムとは逆に、逆相のクロストークなのでチャネルセパレーションをむしろ強めることになると思いますが?
「スピーカーシステムとは逆に、逆相のクロストークなのでチャネルセパレーションをむしろ強めることになる」とのくだりが理解できておりません。「チャネルセパレーションをむしろ強める」とはチャンネルセパレーションを良くする、クロストークを軽減させるという意味だとして、通常の、3極ステレオミニプラグ+3線(L,R,共通GND)のヘッドホンケーブルと、3極ステレオミニプラグ+4線(L,R,L-GND,R-GND)のヘッドホンケーブルとを比較した場合は前者の方がクロストークは大きい(チャンネルセパレーションが悪化する)という意味で書いたのですが、誤解がありましたらぜひ解説をして頂けないでしょうか?
> 実は、ヘッドホン事情に疎いのでよく知らないのですが、そもそも、「バランス駆動・バランス接続」を宣伝している人たちはどんなメリットを強調しているんでしょうか? ちょっとネットを調べた限りでは、信号線をアースラインから浮かすことを第1にあげている場合が多いようですね。その場合はやはり4線化しただけでは効果がないですね。
GNDから浮かすことによって具体的にどんなメリットが生まれるか、そこがはっきりしないのです。ここでヘッドホンの「バランス接続」は、片ch当たり正相・逆相・GNDの3線ではなく,GNDでシールドされていない、正相・逆相の2線のものがほとんどです。確かに、片方の線でシールドしてしまうと伝送特性が「バランス」しませんから、特性を一致させた平行線かより線構造にはなっています。このような構造で、ヘッドホンを駆動する電圧・電流・ケーブル長さの条件下において、通常の(芯線+シールド線)の「アンバランス」構造に対し優位性があるのか、私は疑問なのです。
>>この仮説が真ならば、ヘッドホンの高音質化において、高いお金を払って「バランス駆動」ヘッドホンアンプや「4極」ミニプラグ搭載の機器を選ぶ必要はなく、「ヘッドホンケーブルを4線化」することが最も効果的、という結論になります。皆様、いかがでしょうか?
> クロストークを無くすためにはその通りでしょうが、正直、私はヘッドホンやイヤホンのクロストークにそれほどこだわることはないと思っています。以前にどなたかのレスに書いたように、スピーカーシステムで聴くときは、ヘッドホンのクロストークとは比べものにならないくらいのレベルの正相のクロストークが生じているわけです。しかし多くの人は、アンプなどで生じるごく微小なクロストークを問題にしてもこちらの方は問題にしないですね。そもそも音源の方でもそれほどクロストークをコンロロールしているとは思えません。
私の目的は、クロストークを軽減して高音質化を図りたい、ということではなく、今のヘッドホンブームに対して何となく感じるうさんくささが何なのか、自分で整理したいのです。
今の「ヘッドホンのバランス駆動」は、ヘッドホンアンプが+L,-L,+R,-Rの4端子出力で、ヘッドホンケーブルは(4端子+4線ケーブル)の構造で、ヘッドホンはケーブル交換ができるもの、(あるいは4端子+4線ヘッドホンケーブルが取り付けられているヘッドホン)という組み合わせで初めて効果が発揮されるとしています。これを実現するためにオーディオ雑誌が薦めているものを買っていくと、かなりの出費になります。
しかし、実は10年以上前から、ゼンハイザー等の海外製ヘッドホンでは標準付属品の(3端子プラグ+3線ヘッドホンケーブル)を、(3端子プラグ+4線ヘッドホンケーブル)に交換する「リケーブル」というものが行われていました。(一部4端子+4線もありました。)これは基本的には3線による「アンバランス」接続から、共通GND線をLRで分離した二組の「アンバランス接続」にチェンジすることにより、クロストーク軽減を図るというものでした。当時は今ほど「バランス駆動」が宣伝文句になっておらず、あったとしても、差動増幅ヘッドホンアンプとか差動伝送と呼んでいたはずです。
結局のところ、クロストーク軽減を図りたいのであれば、10年以上前からある3端子プラグ+4線ヘッドホンケーブルで十分実現可能で、機器側のヘッドホン出力端子は今の3端子で良く、ヘッドホンアンプを新規購入したり買い換えたりする必要はないと思うのです。それなのに「バランス駆動にすると音が良くなる」と称して業界全体で新しいアンプやらケーブルやらヘッドホンを買わせようとしている今の状況に、欺瞞を感じるのです。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月10日(火)13時22分23秒
BSさん
> アンプ出力が+L,-L,+R,-Rの4端子、かつ、4線のヘッドホンケーブルを用いてLR独立にヘッドホンを駆動することを、ヘッドホン界隈では「バランス駆動」と呼ぶようです。
了解しました。
> 「スピーカーシステムとは逆に、逆相のクロストークなのでチャネルセパレーションをむしろ強めることになる」とのくだりが理解できておりません。
> 「チャネルセパレーションをむしろ強める」とはチャンネルセパレーションを良くする、クロストークを軽減させるという意味だとして、通常の、3極ステレオミニプラグ+3線(L,R,共通GND)のヘッドホンケーブルと、3極ステレオミニプラグ+4線(L,R,L-GND,R-GND)のヘッドホンケーブルとを比較した場合は、前者の方がクロストークは大きい(チャンネルセパレーションが悪化する)という意味で書いたのですが、誤解がありましたらぜひ解説をして頂けないでしょうか?
クロストークの有無ということであればその通りなのですが、添付の等価回路で説明すると図(a)が4線の場合、(b)が3線の場合で、(a)の場合は
V'1/V'2=V_1/V_2 で入力側と出力側の電圧比は変わらない(クロストークがない)ですが、(b)の場合は、キルヒホッフの法則から計算すると、
V'1/V'2={(R+R_L+Rc)V_1−RcV_2}/{−RcV_1+(R+R_L+Rc)V_2}
(R 左右のホットラインの抵抗、R_L:ボイスコイルの抵抗、Rc:共通線の抵抗)
となるはずで、例えば R+R_=5Ω、Rc=1Ωとすれば、V1/V2=2 の場合、逆クロストークがあると((b)の場合)、V'1/V'2=2.75 となり、左右の電圧比が増幅されます。
「チャネルセパレーションの悪化」をどう定義するかによりますが左右の音量差が小さくなるという意味ならその逆になるということです。つまり、逆相クロストークがあれば左右の音の広がりは大きくなるということになります。
4線バランス接続 | 共通アース線3線接続 |
>GNDから浮かすことによって具体的にどんなメリットが生まれるか、そこがはっきりしないのです。ここでヘッドホンの「バランス接続」は、片ch当たり正相・逆相・GNDの3線ではなく、GNDでシールドされていない、正相・逆相の2線のものがほとんどです。確かに、片方の線でシールドしてしまうと伝送特性が「バランス」しませんから、特性を一致させた平行線かより線構造にはなっています。このような構造で、ヘッドホンを駆動する電圧・電流・ケーブル長さの条件下において、通常の(芯線+シールド線)の「アンバランス」構造に対し優位性があるのか、私は疑問なのです。
バランス接続の効用は
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/connectcable.htm#ballance
ここに書いた通りなのですが、普通マイクケーブルなどでは片チャンネル2本の芯線をシールド線で囲み、シールド線をアースすることで、誘導性のノイズを低減し、さらに入り込んだコモンモードノイズは2線の抵抗値が同じならキャンセルしてノーマルモードノイズに転化しないようにするという効用があるわけです。もし、4線のみでシールド線で覆われていない場合でも前者の効果は期待できないですが、後者の効果は一応あるわけなのでノイズ軽減にも効果がないとは言えませんね。
>この仮説が真ならば、ヘッドホンの高音質化において、高いお金を払って「バランス駆動」ヘッドホンアンプや「4極」ミニプラグ搭載の機器を選ぶ必要はなく、「ヘッドホンケーブルを4線化」することが最も効果的、という結論になります。皆様、いかがでしょうか?
最も効果的とは何に対してかよく分かりませんが、クロストークを無くすという意味であれば、実際に聴き分けられるかどうかは別にして効果はあるでしょう。実はホームページ
http://shigaarch.web.fc2.com/OldBBS/09watch.html
に書いたように、私見では、このページの最後の部分「・・・・特にお金のかからない場合は理屈で良いと言われている方を選択するのが精神衛生上好ましいのは言うまでもありません。」という場合に該当するんではないかと思います。
とはいっても、ヘッドホンやイヤホンの場合、最も大事なのは本体の方であって、もし気に入ったヘッドホンが3線ケーブルなので使用しないということであれば「角を矯めて牛を殺す」ということになりかねないですね。3線の部分を4線に取り替える作業をいとわないなら上にいった意味ではいいとは思いますが。
> それなのに「バランス駆動にすると音が良くなる」と称して業界全体で新しいアンプやらケーブルやらヘッドホンを買わせようとしている今の状況に、欺瞞を感じるのです。
はい。私もそう思います。ただ、これはヘッドホン周りのことだけではないですね。高級オーディオ製品のほとんどがそうでないでしょうか? 最近ではハイレゾ関係の機器なども、うさんくさいのが沢山あるようですね。
Re: ヘッドホンのバランス接続(補足) 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月10日(火)16時37分35秒
BSさん
> ここでヘッドホンの「バランス接続」は、片ch当たり正相・逆相・GNDの3線ではなく、GNDでシールドされていない、正相・逆相の2線のものがほとんどです。・・・
> 通常の(芯線+シールド線)の「アンバランス」構造に対し優位性があるのか、私は疑問なのです。
「バランス接続の効用は
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/connectcable.htm#ballance
ここに書いた通りなのですが、普通マイクケーブルなどでは片チャンネル2本の芯線をシールド線で囲み、シールド線をアースすることで、誘導性のノイズを低減し、さらに入り込んだコモンモードノイズは2線の抵抗値が同じならキャンセルしてノーマルモードノイズに転化しないようにするという効用があるわけです。もし、4線のみでシールド線で覆われていない場合でも前者の効果は期待できないですが、後者の効果は一応あるわけなのでノイズ軽減にも効果がないとは言えませんね。」
この部分、分かりにくいかもしれないので図を付けて補足しますと、図(a)のように2線をアースから浮かしたバランス接続の場合、アースレベルとの間に生じる誘導性の変動電位は両線でキャンセルされノイズ電流は流れませんが、図(b)のように片方をアースしてしまうとキャンセルしないのノイズ電流となります。図(a)の場合、両線をアースしたシールド線で覆うとさらに効果的ですが、そうでなくとも片方アースの2線よりも耐ノイズ効果はあるはずです。
といっても、量的に考えると、よほど劣悪な環境でなければヘッドホンの音を濁すような誘導性のノイズが発生するとは考えにくいですね。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:BS 投稿日:2015年 2月13日(金)00時32分50秒
志賀さん
> 「チャネルセパレーションの悪化」をどう定義するかによりますが左右の音量差が小さくなるという意味ならその逆になるということです。つまり、逆相クロストークがあれば左右の音の広がりは大きくなるということになります。
解説ありがとうございます。よくわかりました。チャンネルセパレーションという言葉を、単に、正相逆相どちらであっても、片方の電気信号がもう片方に混入する程度がどれだけ小さいか、という意味だけで理解しておりました。
自然界の混然一体の音を録音して、ステレオ再生という「疑似」再現をするとはどういうことか?まで立ち戻っての思考に至っていませんでした。
モノラル録音から始まりマイクを増やすことで音の分離度を高めてきた自然録音にとっては、左右の音が同じモノラルよりも、時々刻々左右の音量差が発生する状態が、ある意味、音の分離度が高い状態と言えるのですね。
一方、チェンネル間が完全分離されている状態が前提で、音をミックスすることが、音楽を作る行為そのものである打ち込み音楽では、見方が逆になっているような気がします。(自然録音でも当然ミキシングはすると思いますが意味が違いますね。)ともかく理解が深まりました。有難うございます。
> ここに書いた通りなのですが、普通マイクケーブルなどでは片チャンネル2本の芯線をシールド線で囲み、シールド線をアースすることで、誘導性のノイズを低減し、さらに 入り込んだコモンモードノイズは2線の抵抗値が同じならキャンセルしてノーマルモードノイズに転化しないようにするという効用があるわけです。もし、4線のみでシールド線で覆われていない場合でも前者の効果は期待できないですが、後者の効果は一応あるわけなのでノイズ軽減にも効果がないとは言えませんね。
図による補足もありがとうございます。残念ながら私は定量的に議論できる材料をもっていないのですが、シールドの無い平衡ケーブルはむしろ、同軸構造よりも信号線に外来ノイズが乗りやすいということは無いでしょうか?
ヘッドホンケーブルのような使用条件(電流・電圧・長さ、数十Ωの負荷インピーダンスでインピーダンス不整合)において、心線(信号線)にノイズが乗りにくい同軸構造と、ノイズは乗りやすいが、ノイズが乗っても(コモンモードノイズであれば)キャンセルできるシールドなしの平衡構造のどちらが有利なのでしょうね?
バランス駆動ヘッドホンアンプは必ずノイズ低減の効果を謳っていますが、ヘッドホンケーブルは本当に従来のアンバランス接続では取りきれない外来ノイズを取り込んでしまうものなのか、ちょっと疑問です。個人的には外来ノイズよりも内部で発生するノイズ、つまり「バランス駆動」等でドライブ力を強化した(高出力化した)と謳っているヘッドホンアンプほどゲインが高すぎて残留ノイズが多い傾向があり、実効的なS/N(普段聴く音量でのS/N)が悪いことの方が気になります。
> はい。私もそう思います。ただ、これはヘッドホン周りのことだけではないですね。高級オーディオ製品のほとんどがそうでないでしょうか? 最近ではハイレゾ関係の機器なども、うさんくさいのが沢山あるようですね。
「ハイレゾ」と「ヘッドホンのバランス駆動」は、SACD登場の後10年間くらい低迷していた高級オーディオ業界を盛り上げる二大キーワードですから、業界関係者は鼻息を荒くしていることでしょうね。
志賀さんにとっては「オーディオではよくあること」だと思うのですが、電子工学の知識は無く据え置きオーディオも持っていない若者が、今オーディオに興味を持って、数万円の高級ポータブルオーディオ製品を初めて購入しようとするとき、業界が仕掛けた「ヘッドホンのバランス駆動=高音質」という刷り込みにさらされている現状を、苦々しく見ています。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月13日(金)15時02分9秒
BSさん
>・・・シールドの無い平衡ケーブルはむしろ、同軸構造よりも信号線に外来ノイズが乗りやすいということは無いでしょうか? ヘッドホンケーブルのような使用条件(電流・電圧・長さ、数十Ωの負荷インピーダンスでインピーダンス不整合)において、心線(信号線)にノイズが乗りにくい同軸構造と、ノイズは乗りやすいが、ノイズが乗っても(コモンモードノイズであれば)キャンセルできるシールドなしの平衡構造のどちらが有利なのでしょうね?
ノイズ環境にもよるので一概には言えないと思いますが、通常普通のシールド線が使われるのはアースから浮かす必要がないので回路構成が簡単になるからでしょう。マイクケーブルのようにノイズ対策が本当に必要な場合はバランスの場合も2線にするだけでなくシールド線も使うのが普通ではないでしょうか?
> バランス駆動ヘッドホンアンプは必ずノイズ低減の効果を謳っていますが、ヘッドホンケーブルは本当に従来のアンバランス接続では取りきれない外来ノイズを取り込んでしまうものなのか、ちょっと疑問です。 個人的には外来ノイズよりも内部で発生するノイズ、つまり「バランス駆動」等でドライブ力を強化した(高出力化した)と謳っているヘッドホンアンプほどゲインが高すぎて残留ノイズが多い傾向があり、実効的なS/N(普段聴く音量でのS/N)が悪いことの方が気になります。
それはあり得ますね。ただ、実際に聴いてわかるくらいであれば測定でも分かるんではないでしょうか?
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:BS 投稿日:2015年 2月17日(火)00時11分40秒
志賀さん
> ノイズ環境にもよるので一概には言えないと思いますが、通常普通のシールド線が使われるのはアースから浮かす必要がないので回路構成が簡単になるからでしょう。マイクケーブルのようにノイズ対策が本当に必要な場合はバランスの場合も2線にするだけでなくシールド線も使うのが普通ではないでしょうか?
私も全くその通りだと思います。しかしながら、ヘッドホンのバランス駆動では、「シールド線のない2線ケーブル」を使うケースの方が圧倒的に多いのです。「バランス接続によるノイズ低減」を宣伝文句として謳う以上は、3線(2芯+シールド)構成であって欲しいと思うのは私の勝手な希望でしょうか。。
ところで今日現在でも、ヘッドホンのバランス駆動に関する多くの誤解に基づく典型的な記事がありましたのでご紹介しておきます。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20150214_688346.html
>【表記訂正】記事初出時に「バランス接続(非BTL)」と記載しておりましたが、「グランド分離接続」に表記を改めました。(2月16日)
「バランス接続(非BTL)」とは何を言いたかったのでしょうか??「通常の3端子ミニではなく4端子だからバランス接続」で「でも正相とペアになる端子は逆相ではなくGNDだから非BTL」というふうに変な理解をしていると、確かにそういう表記になるかもしれませんが。。
この手の誤解は今後も当分続きそうです。
Re: ヘッドホンのバランス接続 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月17日(火)10時44分0秒
BSさん
> ところで今日現在でも、ヘッドホンのバランス駆動に関する多くの誤解に基づく典型的な記事がありましたのでご紹介しておきます。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20150214_688346.html
なんともはや、マニアックな世界ですね。「今の状況に、欺瞞を感じるのです。」といわれるのもむりないですね。
>>【表記訂正】 記事初出時に「バランス接続(非BTL)」と記載しておりましたが、「グランド分離接続」に表記を改めました。(2月16日)
この著者、ひょっとしたらこのBBSを見ていたのかもしれませんね?
> 志賀さん、ひとまずこの話題はクローズさせてください。
了解しました。私も色々勉強させてもらいました。
クロストーク量 投稿者:WT 投稿日:2015年 2月22日(日)19時17分18秒
志賀さん、BSさん、KZMさん、BCさん
ヘッドフォンのバランス接続の話題の中で、「-30dB程度の逆相クロストークは聴感上検知できる可能性がある」とのお話がありました。データ上で−39dBから−15dBまで、3dBステップで音源を作ってみました。聞き比べが出来るように志賀さんにお願いしようと思います。アップできるまでしばらくお待ち下さい。
音源は、まずクロストークのない音(音楽)が約20秒。続いてそれぞれのクロストーク量を加えた音が20秒という構成になってます。逆相クロストークを加える関係上、クロストーク量が増えるに従って、わずかづつ音量が下がります。
Re: クロストーク量 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月23日(月)09時44分1秒
WTさん、皆さん
クロストークのある音をアップしておきました。ファイルサイズが大きいためクロストーク最小と最大の音のみアップしました。こちらです。
http://shigaarch.web.fc2.com/audio/5223crosstalk.html
Audio BBS 過去録の表紙下部参考資料からもリンクします。
http://shigaarch.web.fc2.com/audioBBS.html
Re: クロストーク量 投稿者:WT 投稿日:2015年 2月23日(月)19時51分42秒
志賀さん
自分で作ってみましたけど、−15dBという結構大量のクロストークがあっても良くわかりませんでした(笑)。単独で聴いたら、クロストークがあるなんてわからないと思います(駄耳の証明?)。実はポップスと現代音楽(サヌカイト)でも試してみましたが結果は同じでした。
他の人が聞くとまた違うかもしれません。
Re: クロストーク量 投稿者:志賀 投稿日:2015年 2月24日(火)19時01分7秒
WTさん
私にもわかりません。ハープの独奏のようですが、もう少し広がりのある管弦楽曲の場合なら少しはわかるのではないかと想像していたのですが、それもやってみられたんですね。
そもそもヘッドホン・イヤホンの場合、音像は頭内定位で実演とはかけ離れており、そこでクロストークで定位感が少々変わったとしてもあまり意味がないですね。