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電界の伝わる速さと電流

電流と電子と電界について。 投稿者:DS 投稿日: 2007年1月19日(金)12時25分28秒

電気の初心者です。
電流と電子の流れについて調べておりましたら、みごとに「電子の、平均速度を持ち出しても、なんのメリットもないばかりか誤解を生むだけである」にはまっておりました。ネットで調べて混乱しておりましたら、shigaさんのHPで、抜け出すことができました。

さて、「電気の伝わる速さは?」にありました以下の箇所について質問いたします。
−−ここから転記
正確にはスイッチを入れたという情報(電界の変化)は光速で伝わる。
−中略− これが、本来の電気が伝わる速さである。
−−ここまで


電流の向きは、電子の流れる向きの逆とする、ということは理解済みです。書かれております「(電界の変化)は光速で伝わる」の向きは、電流と同じプラスからマイナスでしょうか? それとも電子の流れる向きと同じマイナスからプラスでしょうか?

(a)の直流回路の場合 自分でも考えてみました。

1.電池がある(回路を閉じたら電位差が発生する)
2.回路を閉じたとき電位差が生じ、「プラスからマイナス」へと電界が伝わる。(光速)
3.つまり、プラス側から「こっちへ来いよ」という力(電界・磁界)が回路中の自由電子へ伝わる。
4.回路中の自由電子が力に誘われて、マイナスからプラスへと移動する。
5.電子が、マイナスからプラスへ移動するので、電流がプラスからマイナスへ流れた、とする。

以上で、あっていますでしょうか?

Re 電流と電子と電界について。 投稿者:志賀 投稿日: 1月19日(金)17時58分33秒
DS さん:

1〜4はちょっと違います。

+と− は対等(対称的)です。どちらが先と言うことはありません。例えば、電池に長い電線(もちろん+側、−側2本)をつなぎ先端にスイッチを付け、ある瞬間にOnにしたとき、電界の変化は発生源(スイッチ)から同じ速度(光速)で両方の電線を伝わります。従って電子が加速されるのは電池の付近(電池内はイオン流です)が最後となります。電場ポテンシャルの変化がスイッチの所で発生しそこから伝搬していくと考えた方が分かり易いかもしれません。


なお、この点はHPの「電気の伝わる速さは?」で説明した直線パイプ中の気体の流れのアナロジーではうまく説明出来ません。電流は必ず閉じた回路でないと流れないからです。圧力差による気体流の場合、上の電池とスイッチに対応してどんなモデルを使うとうまく説明出来るか考えて下さい。

<5.電子が、マイナスからプラスへ移動するので、電流がプラスからマイナスへ流れた、とする。>

これはその通りです。

Re: Re 電流と電子と電界について。 投稿者:DS 投稿日: 1月19日(金)19時19分36秒

ご返答の内容を確認させて下さい。
1.電池から等距離にスイッチがあるとします。
2.これは、スイッチを境にして、電位差がある、ということです。
3.スイッチを入れた瞬間、プラス側、マイナス側へ電位差の変動情報(電界)が光速で伝わります。

これから、次のように考えました。
1.電池ボックスに電池が入っていない回路があります。
2.スイッチはありません。
3.電池ボックスに電池を入れた瞬間、プラス側、マイナス側から電界が光速で伝わります。
4.(推測)したがって、電子の移動の原因を電界だけに求めるのは、無理があります。

回路を接続した場合、電子がなぜ動くか、は考えず、電位差がある回路では、電子が動く=電流が流れる、とだけ考えればよいのでしょうか?

Re2 電流と電子と電界について 投稿者:志賀 投稿日: 1月19日(金)21時51分58秒
DS さん:

<ご返答の内容を確認させて下さい。
1.電池から等距離にスイッチがあるとします。
2.これは、スイッチを境にして、電位差がある、ということです。
3.スイッチを入れた瞬間、プラス側、マイナス側へ電位差の変動情>報(電界)が光速で伝わります。

これから、次のように考えました。
1.電池ボックスに電池が入っていない回路があります。
2.スイッチはありません。>


実際上は電池の極と極板がスイッチになりますね。

<3.電池ボックスに電池を入れた瞬間、プラス側、マイナス側から電界が光速で伝わります。>

はい。プラス側からは電子を引きつける電界、マイナス側からは電子を追いやる方向の電界が発生し伝搬します。

<4.(推測)したがって、電子の移動の原因を電界だけに求めるのは、無理があります。>

何故ですか? 電子は電界(電場)により動かされます。(動き出すと磁場からローレンツ力を受けますがとりあえずは考えないことにします)

+極の近くの電子は電池を入れた瞬間から+極へ引き寄せられる電場を感じ+極へ引き寄せられ、−極近くの電子は−極から反発力を感じ遠ざかっていきます。従ってこの場合
(電位の変化が電池側で生じた場合)は最初の瞬間は電池近くの電子が動き出し、少し後れて回路の先端付近の電子が動き出します。しかし電界の伝わる速さは光速ですがら実際上は瞬間的に回路に定常電流が流れます。

と、いいたいところですが、実際には閉じた回路だと磁場が発生しそれによる逆起電力により定常電流の増加速度は回路のインダクタンスで決まります。(導線間の静電容量も関係しますがこれは無視します)


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