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諸々の話題 1  

磁歪スピーカー バックロード・ホーン 抵抗の音 音像定位についての特許 

磁歪スピーカー 投稿者:NS 投稿日: 2007年2月27日(火)01時55分27秒

磁歪スピーカーがTDKから発表発売されましたが、原理的に他の動電型スピーカーと比較して長所、短所はどうなのでしょうかねえ。そもそも磁歪が顕著に生じる物質は何を使っているか?

Re 磁歪スピーカー  投稿者:志賀 投稿日: 2月27日(火)09時12分25秒
NS さん:

磁歪素子は元々超音波発振子として使われていました。以前はNiが使われていたようですが現在では他の効率のいい物が使われているかも知れません。当然高域には強いですが振幅が小さいので低域には不向きです。

ここで使われている超磁歪素子というのは多分Tafenol 系でしょう。(Tb-Dy)Fe_2 という組成の金属間化合物です。アメリカの海軍研究所で潜水艦のソナー用として開発されたようです。これを使えば振幅はNiの約300倍はくらいあり、ナノテクのアクチュエータとしていろんな所で使われているようです。動電型より大きな力が出せるので、うまく使えば大きな制動力が得られるかもしれません。

ただ、これを使っても、例えば5cmくらいのロッドでも最大振幅は0.05 mm くらいで低音用には向かないと思います。力が強いので多数の素子を並べて大きな平面振動板を駆動すれば面白いスピーカーが出来るかもしれません。また、放射面が広く取れないのでセラミックSPのように素子をそのまま放射振動板として使うのは難しいでしょう。これは動電型と同じなので欠点とはいえないかもしれませんが。


Re:磁歪スピーカー 投稿者:NS 投稿日: 2月27日(火)23時24分33秒

<例えば5cmくらいのロッドでも最大振幅は0.05 mm くらいで〜>

このお言葉で萎えました。

このスピーカーの写真を見るとコンデンサー型スピーカーの趣がありますね。設置に神経を使いそうですが、場所を取らないからウケるかもしれません。もし、近所の店で試聴会がありましたならご報告いたします。

バックロードホン 投稿者:NN 投稿日:2006年8月 5日(土)13時39分21秒

今 コストパフォーマンスのいいスピーカがないものかと考えていて、その 選択肢として 自作というのは 音質 バランス 経済面で、製品より有利なのか否かという意見をお聞かせ願いたいのですが。

あと よく自作のかたが作っている バックロードホンと音質の原理を教えていただきたいのですが。 よろしくお願いいたします。

Re バックロードホン 投稿者:志賀 投稿日: 8月 5日(土)17時42分7秒
NNさん

私のHPのテーマである「あまりお金をかけずに演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現する」ことが目的でかつコストパフォーマンスのいいスピーカーシステムということであれば、既製品では、日本製のAV用システムとして開発されているフロントスピーカーとサブウーファーの組合せを推薦します。この場合、サブウーファーを使うときに最も難しい、メインシステムとのつながりがメーカー推薦の設定を使えばいいので特に測定器などを使わなくても無難に出来るはずです。また、予算に応じ色々な組合せが考えれます。

自作となれば目的が少し異なってくると思います。あくまで自分で作る楽しみ、自分流の音を出す楽しみというのが大きいんではないでしょうか? 高忠実度再生という観点からすると、残念ながら既製品に対抗するのは難しいように思いますが?

バックロードホーンは、理屈を言えば低音の放射インピーダンスを上げると言うことで、考え方としては面白いですが、ものの本によると、ホーンから出る音と、スピーカー前面から出る音の干渉により、100 Hz付近の重要な音域で周波数特性に山や谷がでやすくなかなか難しい代物のようです。ただし、自分で聴いた経験がなく、また特性の測定データも見たことがないので私からは何とも言えません。

いずれにせよ、スピーカーシステムは音質の決め手です。こればかりは試聴をして決められることをお薦めします。

Re バックロードホン 投稿者:NS 投稿日: 8月 7日(月)17時51分37秒
NNさん

わたしは、長岡鉄男のスワンを作りました。10cm口径にしては良く低音がでます。設計方法は長岡鉄男執筆の本をご購入されれば良いと思います。自作と言うのは、値段の事をあまり考えてはできません。下のホームページ参照。

個人のホームページ http://www.katch.ne.jp/~hasida/speaker/speaker.htm

株式会社 長谷弘工業 http://www.e-ippin.jp/10hasehiro/index.html

RYOBI http://store.yahoo.co.jp/ryobi/index.html

スパイラル(バックロードホーンとは動作が異なる?) http://www3.ocn.ne.jp/~hanbei/intro.html

抵抗器が音に与える影響について 投稿者:YO 投稿日: 2006年8月30日(水)21時40分28秒   引用

はじめまして、オーディオ狂のYOと申します。偶然にも素晴らしいホームページを見せていただき感激しております。スピーカー配線の件は 私も以前から同じ思いで醒めた目で見ておりましたが、ネットワークなど信号ラインに使われている抵抗器の違いによる音の差は大きいように感じています。抵抗器が音に与える影響についてはなにかお考えをお持ちでしょうか?
http://otoniasobu.com/

Re 抵抗器が音に与える影響について 投稿者:志賀 投稿日: 8月31日(木)09時50分40秒
YO さん

抵抗器が音に与える影響としては、抵抗値の温度変化により回路のバランスが崩れ何か変化をもたらすといったところでしょうか。しかし、ちゃんとした設計がなされておればこのようなところには金属皮膜抵抗などが使われており問題ないはずです。

おそらく、考えておられるのは抵抗を電流が通るだけで音質が変化するといったことではないかと想像するんですが、もしそうならそれはないと思います。耳で検知出来るような歪みやノイズを発生するとは思えないからです。

巷でそのようなことが云われているのはやはり心理効果としか思えません。かなり以前にラジオ技術誌などでブラインドテストを行っていたと聞いていますが、現物を見たことはありません


Re Re 抵抗器が音に与える影響について 投稿者:YO 投稿日: 9月 1日(金)06時03分11秒   引用

わかりました。今一度ブラインドテストをして確認してみます。有難うございました。

音像位置の上下方向への制御方法 投稿者:NS 投稿日: 2006年9月14日(木)10時22分12秒

DSPなどで2chステレオから上下方向(と後方)の定位制御方法が特許に載っていました。下記から検索をどうぞ。特許庁のデーターベースです。

http://www.ipdl.ncipi.go.jp/Tokujitu/tjsogodb.ipdl?N0000=101

特許第3288520号 松下電器産業株式会社 「音像位置の上下方向への制御方法」

これを読むと単純なステレオワンポイントやマルチなどでは、上下、後方定位は、できないと理解できますし、ダミーヘッドで習得したデーターを基に制御するわけですから、アマチュアはできない技術です。
また、頭部は個人差も有りますので、臨場感を今より増し加えるのなら後方にスピーカーを設置したサラウンドのほうがたやすいと思います。

特許庁のデーターベースは面白いですよ。公開公報、特許、実用新案などを検索すると興味深い文献がでてきます。また、引用文件も書いてありますので非常に参考になります。音響関係だとアメリカのほうがもっと面白いと思います。戦前の特許までも検索できますから。

Re 音像位置の上下方向への制御方法 投稿者:志賀 投稿日: 9月14日(木)19時58分56秒   引用  編集済 NS さん

面白そうな内容ですがこのサイトで表示出来るのは特許請求範囲の記述のみで本文がエラーで見えません。そちらでは見えますか?

注:このサイトから特許の内容を見るには「文献種類」を「B」とし番号を半角で入力する必要があります。


Re: Re 音像位置の上下方向への制御方法 投稿者:NS 投稿日: 9月14日(木)21時43分44秒
検索後に「1.特許3288520号」を押したのち、文献単位PDF表示のボタンを押してください。認証番号を入れると見られます。

この特許はIPC番号(国際特許分類)H04Sで検索してみました。私は会社が契約しているデーターベースから検索いたしました。現在から昭和48年まで検索しましたら、540件でした。他の分野にくらべて少ないと思います。特許庁は500件以上検索されますと全部は表示できませんので、公開日などで範囲を指定してみると良いでしょう。

http://www6.ipdl.ncipi.go.jp/homepg.ipdl
の「特許・実用新案検索へ」を押して 5番のIPC検索を押して入力してください。

IPCの記号の説明は、7.パテントマップガイダンスを押していただき、●照会 の ・IPC照会を押せば、わかると思います。Hは電気関係です。

また、「パテントマップガイダンス」では、公開特許公報フロントページ検索を使ってテキスト検索(キーワード)でもできます。なお、初心者向けは、おすすめいたしません。

音響関係はアメリカの特許の方が良いと思います。エジソンの電球特許などの古い時代から検索できますが、
検索場所をわすれましたので後日お知らせいたします。

学会などの論文にくらべて会員にならなくても無料でできますから、有用な情報が1年半遅れで公開され、入手できます。ほとんどの企業は出願後の公開日まで発表を控えているはずです。

中国大陸の企業や韓国の企業は日本の特許庁へとてつもなくアクセスしてきます。日本国内のアクセス数よりも多い。なぜなら、公開されたらすぐに模倣してやろうと狙っているからです。

Re: アメリカ特許検索 投稿者:HD 投稿日: 9月15日(金)12時59分57秒
<音響関係はアメリカの特許の方が良いと思います。 エジソンの電球特許などの古い時代から検索できますが、 検索場所をわすれましたので後日お知らせいたします。>

ここで検索できるのではないでしょうか?
http://www.uspto.gov/patft/

アメリカ特許検索 投稿者:NS 投稿日: 9月15日(金)14時07分7秒
HDさん、

そうですね。ただし、
Patent Full-Text and Full-Page Image Databases 米国特許商標庁で特許公報をイメージで見るためにはAlternaTIFFのActiveX controlをインストールする必要があります。
1. ActiveX control, auto-installを選んで、指示に従ってインストールするとよい。詳しくは、Patent Full-Page Imagesを参照してください。

あとはヨーロッパ。
http://ep.espacenet.com/?locale=EN_ep

特許関係  投稿者:NS  投稿日:12月18日(月)08時55分57秒 

Googleが特許検索さーびすのべーた版を開始,1790年以降の700万件以上が対象
http://www.google.com/patents/

アンプについて 投稿者:sss 投稿日:12月16日(土)16時26分47秒   引用
アンプの出力インピーダンスについてですが、
アンプのインピーダンスは低いほうが良いというのは本当でしょうか?
スピーカーの駆動力は電流ですよね! スピーカーが理想的なRであれば良いかも知れませんが、そのZはf特を持ったものであり、その意味では、出力インピーダンスは大きいほうがより忠実に再現できるのではないでしょうか? インピーダンスが高いと、現実的な電源電圧から限界があるかもしれませんが  いかがでしょうか?

アンプについて  投稿者:ss 投稿日:12月16日(土)16時26分47秒

アンプの出力インピーダンスについてですが、アンプのインピーダンスは低いほうが良いというのは本当でしょうか?

スピーカーの駆動力は電流ですよね! スピーカーが理想的なRであれば良いかも知れませんが、そのZはf特を持ったものであり、その意味では、出力インピーダンスは大きいほうがより忠実に再現できるのではないでしょうか? インピーダンスが高いと、現実的な電源電圧から限界があるかもしれませんが  いかがでしょうか?

Re アンプについて 投稿者:志賀 投稿日:12月16日(土)21時57分49秒
ss さん:

多分、sssさんはこんな風に考えられたんではないでしょうか?
スピーカの共鳴周波数 f0 付近ではインピーダンス(Z)が増加する。従って電流が流れにくくなる。従って、信号に比例する電流を流すためにはいわゆる定電流駆動に近づくようにアンプのインピーダンスは高い方がよい。

しかし、この問題はスピーカの力学的挙動と一体で考えないといけません。f0付近では同じ駆動力(電流に比例)で駆動すると共振のため振動板の振幅が大きくなってしまいます。(Zが上昇するのはそのためです)その結果、周波数音圧特性にピークが生じ制動力も低下します。この効果を抑えるためには電磁制動力を出来るだけ大きくする必要があり、そのためにはアンプの出力インピーダンスは出来るだけ小さい方がいいということになります。この辺りのことは

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/helmholtz.htm#damp

に書いていますので参考にして下さい。

よく言われる表現を使うと、アンプのインピーダンスが高い定電流駆動では「ボンついた音」、低い定電流駆動では「引き締まった音」になるというわけです。

従って、高忠実度再生を目指すなら低インピーダンスの方がいいということになります。もちろんどちらの音がいいかは好みによるので一概にいえませんが、最近のスピーカは定電圧駆動を前提に設計してあるはずです。

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