目次へ戻る

サ行の音の再生

サ行の音 投稿者:HD 投稿日:2005年11月 4日(金)13時55分33秒
先日以下のような体験をしました。

そう高くないビルに囲まれた広場のベンチで外国人男性2人が普通の大きさの声で多分英語で話してました。数メートルはなれたベンチで聞くとはなしに聞いてましたが、単語一つ聞き取れませんでしたが、Sの音だけが明瞭に聞こえました。Sの後の母音は、よく聞こえなかったです。 つまりサと発音したか、ソと言ったのかが判らなかったですが、S(及びSH, 濁らないTH、think, length等のTH)の子音だけがよく聞こえたと言う事です。

Re: サ行の音 投稿者:HD 投稿日:11月13日(日)14時11分43秒
自己レスです。

次のような記述がありました。

「日本語の特徴としては、母音中心であり子音が弱い点があげられます。母音は立ち上がりが緩やかで低い周波数成分が多く含まれるので、日本人の音楽の演奏は音の立ち上がりが緩やかになります。また、母音のみか、一子音一母音の単音の組み合わせなので、そこには周期的なリズムは観察できません。(演歌や民謡に代表される)

これに対し、ヨーロッパの言語、ラテン語(共にインドヨーロッパ語族であるが、ラテン語系には特に強い子音と母音の言い回しもある)の特徴としては、子音中心であり子音が強い点があげられます。
子音は立ち上がりが急峻で高い周波数成分が多く含まれますので、西欧人の音楽の演奏は音の立ち上がりが鋭く急峻になります。また、単語の強弱がはっきりし、単語の組み合わせ(フレーズ)によるリズムの周期性は、自由度がありながら厳格な周期的リズムに則っています。(クラシック音楽やラップミージックに代表される)」

主として聴く音楽により再生装置の選択も人それぞれということになりますか、またレコード製作側もそのように作っているのでしょうか。

Re: サ行の音 投稿者:NS 投稿日:11月13日(日)21時55分7秒
HD さん

http://www.denchoh.com/denchoh-4.html
http://www.denchoh.com/shuzaibun.htm
これに関係することですか。

Re: サ行の音 投稿者:HD 投稿日:11月14日(月)10時13分58秒   引用
NS さん :

ご指摘のサイトを読んで見ました。個人的には納得できる内容は半分以下です。例えば、よく認知出来る音声(母音)の周波数の中心が日本人と、欧米人で1オクターブ以上も違うのは本当かな?と感じますね。話をする時の子音の発音の強さや、アクセントの強弱、イントネーションの違いは納得です。 日本で育ってない欧米人のしゃべる彼ら独特の日本語を聴けばよく判りますね。言葉や楽音に対する聴感は、個人差が大きいので、あのように一概に決め付けるような書き方は如何なものかと感じます。

日本語でも地方によってかなり違うように感じますし、英語でもイギリス人とアメリカ人ではイギリス人のほうが子音を強く発音するようですし、発声のピッチもイギリスの方が概して少し高めに感じます。
ご存知のマイ・フェア・レディというミュージカル(映画)はロンドンの下町訛りで育った人は、Aを(エイ)と言えない(アイ)としか言えない、Hの発音が出来ない等を何とか教授でしたかが、トレーニングして直すという話ですが、なかなか面白いです。ですからこういうのは日本人に限った事はないと思います。 オーストラリア英語も(エイ)の発音が出来ない?のでしょうか。nameをナイム、todayをトゥダイ等と言いますね。

音楽家や「音」に関する専門家は矢張り聴覚が優れているのでしょうか、外国語が上手だと思います。 カラヤンやハンス・ホッターの英語、バーンスタインのドイツ語などなど。

素朴に 投稿者:KI 投稿日:11月14日(月)18時56分54秒
HD さん

リンク先を拝見しまして
日本流やイタリア流の音楽の流儀があって、それぞれ出てくる音を解析すると特徴がある・・というのは、僕も特に否定するものではないです。 しかし、その後の音楽の解釈を決定論的に論じるのは論理になっていないと思いました。 もっとも最後に自社の製品を売り込むための文句が並んでいるわけで、論文ではないわけですけど

それから、流暢な外国語ができるようになるのは単に訓練の賜物なので、技術である以上いかにしっかり勉強するかにかかっているわけで(もちろんその中にはその言語をしっかり聞くという内容も含みます)、特徴的な音に対して聴覚が敏感になるとかは特に関係ないように思います。外国語に馴染んだ耳になったら日本語がおかしくなるわけでもありません。 入ってくる音は同じでもどう解釈するかが変わるということになるから、聴覚でなくて認知が変わるだけと言うべきでしょうか

経験上音楽を含む「音」をたくさん聞いた結果聴覚を鍛えることはできると思いますが、それと技術としての言語の上達に相関があるようには思えません。タケカワユキヒデの英語は上手いと思いますけど、マイスキーの英語は下手であると思いますし。ただ、発音は近い言語圏の人は習得しやすいでしょう

ちなみに、”ぼくドラえもん”はイタリア的だと思いますし、”サザエさん”はドイツ音楽だと感じます
http://www.geocities.jp/sida0301/


ソナグラム 投稿者:志賀 投稿日:11月14日(月)22時20分50秒   引用
HD さん、皆さん

人の音声が話題になっていますが、何事もデータと探してみたところ「ソナグラム」というのがありました。

http://shigaarch.web.fc2.com/sonagram.html

を見てもらえばいいのですが、英語で"Jeo took father's shoe bench out" と発音(多分男性」)したときのスペクトル強度です。特徴的なのはほとんどの音声の基音が150 Hz付近にあるのに対して、破裂音、摩擦音といわれる、f, b, sh, ch 等の子音はこの周波数成分を含まず最低音が、フレッチャー・マンソン曲線で最大感度にある4000-5000Hz 付近にあることです。

このことから、HDさんの経験が説明できるかもしれません。また、サ行の再生が難しいという話も、これら摩擦音の高調波はこの測定の上限周波数を超えた恐らく10,000 Hz 以上にあるということと関係しているのかもしれません。

日本語や他言語のデータがあれば面白いんですが。


私の主観では、子音+母音の形を取る日本語に似ているのはイタリア語ではないでしょうか?
ラテン系(イタリア語、スペイン語など)とゲルマン語(ドイツ語など)は音声的な傾向が違うような気がします。


私の経験談 投稿者:NS 投稿日:11月15日(火)13時22分1秒

私は一応、声楽を習った関係と、生録の現場でショックを受けた経験から、
主として聴く音楽により再生装置の選択も人それぞれということになりますか、またレコード製作側もそのように作っているのでしょうか。

まず、ラテン系の発音は特にイタリア語はやはり日本語の発音に近いです。これは恩師も言っていましたし、実際に歌うと実感できます。はじめは恩師からはモーツァルトのジンクシュピールの一節をたたき込まれましたが、あなたは、根っからの日本人だから、日本の歌曲とイタリアの歌から最初にした方が早いということでやっていました。どうしても自分がドイツ語らしくやったとしても日本語をしゃべっているような感じとなるのです。

次に生録での体験です。
この日はオーストリアの3羽ガラスの一人の巨匠ピアニストが出演ということで、地元の調律師ではなく、ピアニストが信頼する調律師を呼んでいました。調律師は初めに、私に対して「私の方法は普通の日本人でがしている調律方法と違うので面食らうかもしれないから」、と言って、試しに調律したキーと未調律の隣のキーを鳴らしてもらいました。調律後の音はミュィ〜〜〜〜〜〜〜〜ンとわずかながらの唸りを伴い、高音に幾分かのアクセントがつくような感じでした。一方で調律前の隣のキーを鳴らした場合、ほとんど唸りはしなく濁り気味の音が続くと言う感じです。調律師が言うには一般的に後者の方が普通にやられている調律テクニックでありますが、ヨーロッパの方では前者の方法が普通。この方法は一般の日本人調律師では狂っていると言うが間違い、と説明してくれました。このわずかな唸りは近くで聞くと(鍵盤のすぐそばで聴集)感じますが、客席で聞くと聞こえなくなりますと言われ、忙しいにも係わらず、私は客席き行き、聞かせてもらいました。確かに唸りは聞こえず、透明な音色と余韻にビックリしました。隣のキーを鳴らしてもらいましたが、いつも聞く音色であり、余韻がすぐに減退する。これにはショックを受けましたね。調律が高音部に進むにつれ、ピアノの音色が変わってきました。高音部がオルゴールとまでは行かないけれど、ピアノの高い音はこんなに美しい音色だったのかと驚きました。

次に低音の方に調律が進むにつれ、ただドスが聞いたような音色ではなく、押し寄せるような大波の音に変化していきました。アタック音がまるで違う。最終的に調律が終わったあとは安いAMラジオから一変して超Hi-fiシステムへと変貌しました。
いままでこのホールで聞いたスタインウェイの音色はなんだったのだろうか。まさに面食らいました。音がホール全体に良く行き届く。

調律師は、多くの日本人調律師がヨーロッパに留学するけど短期間過ぎるし、語学の習得もあまりしない。これはもったいない事であり、私のような調律方法を身につけずに帰ってしまう。現地の語学に堪能になれば、わかる方法なんだがね。特に子音関係が云々と言っていました。考えてみれば海外のアマチュア無線において雑音から音声を浮かび上がらせるために300〜3kHzのバンドパスフィルターが推奨されていましたが、日本のアマチュア無線では3kHzではまだ雑音の影響があって聞き取りにくい。もっとハイカットの周波数を下げるべきだと電波上で議論していたことを思い出します。これも、そうでしょう!と調律師もうなづいていました。ようするに高い周波数成分を含む子音は日本語には少ないから、3kHzというのは高すぎる。もっと低くて良いと言うことを意味しています。

今思えば、三味線、琴、尺八の音色は他の楽器と合奏される機会はあまりなく、音色に濁りを持たせて、音に重みを付けるのですが、ことに洋楽器の場合、音色に透明感が無いと合奏時に美しくない。日本人の独特の感覚がピアノの調律に及ぼしており、良く聞く「ピアノの音色」になっているのではないかと思います。

また、地元のオケが有名な海外の指揮者を招いたとき、くすんだ音色だったのが一変して海外有名オケに匹敵する音色になったということも過去に何度か有りました。

一応、演奏者側に近い位置で述べましたがレコード制作者側はほとんどあちらの方でしますので、意識的ではなくとも無意識的に好みの音になるようです。

Re: 私の経験談 投稿者:HD 投稿日:11月15日(火)20時10分56秒
NS さん:

<次に生録での体験です。

この日はオーストリアの3羽ガラスの一人の巨匠ピアニストが出演ということで、地元の調律師ではなく、ピアニストが信頼する調律師を呼んでいました。 調律師は初めに、私に対して「私の方法は普通の日本人でがしている調律方法と違うので面食らうかもしれないから」、と言って、試しに調律したキーと未調律の隣のキーを鳴らしてもらいました。 調律後の音はミュィ〜〜〜〜〜〜〜〜ンとわずかながらの唸りを伴い、高音に幾分かのアクセントがつくような感じでした。一方で調律前の隣のキーを鳴らした場合、ほとんど唸りはしなく濁り気味の音が続くと言う感じです。>


よく判ります。 以前我が家に来てくれていた調律士(かなりの年配で、コンサートの為の調律経験も豊富な方で、勿論日本人)に聞いた話です。

ご存知の通り、ピアノの弦はピアノのサイズによって守備範囲は変わりますが、下から、銅巻きピアノ線1本、銅巻線2本、ピアノ線のみ3本になってます。2本以上の音域では、演奏者の要求に合う音色にするのに全ての弦を平均率に調律したあと1本だけわずかに外すのだそうです。唸りが出るのはそのためですね。どの位外すかによって唸りの周波数や、他の弦との共振の具合が変わりますので、同じピアノでも調律の方法で音色はさまざまになります。 特に高域はダンパーが無いですから中低域の音に含まれる倍音に共鳴する弦は振動しますね。 更に低音ほど多くの倍音が含まれていますので、低域を弾くと多くの高域の弦が共振します。他にも、高域をわずかに高めに調律すると「きらびやかさ」が出るとか、ハンマーのフェルトの硬さを変えるとか、色々なテクニックがあるそうです。

以前YAMAHAを気に入っていたリヒテルがヤマハの工場に来て、気に入るピアノを作らせるのにヤマハの技術者達が苦労したドキュメンタリーがTVで放映されましたが、大変良かったです。

ついでながら、かのウィーン・フィルの管楽器は、ヤマハ製がかなり使われているそうです。勿論奏者との綿密な連携の下に製作するのですが。これもTVの番組で見た事があります

ソナグラム その2 投稿者:志賀 投稿日:11月16日(水)09時47分5秒

http://shigaarch.web.fc2.com/sonagram.html

この図(ソナグラム)を見ていると、多分専門家には周知のことだと思いますが、こんなことがわかります。

(1) 150 Hz 付近の成分はこの人(男性)の声帯振動の基音と思われる。
(2) 高調波の周波数は基音の整数倍でなくそれぞれの音の特徴を示す。
(3) f, sh, ch の音は声帯からではなく他の部分から空気の摩擦音として出ている。

これは自分で発音してみるとわかります。
例えばホワイトノイズを「シャー」という風に表現しますが sh の音などは基音+高調波といった分布でなく恐らく4000Hz 辺りを中心としてランダムな周波数成分を含むノイズ音だと思います。(前のレスで、高調波成分が測定周波数以上の8000Hz 以上にあるだろうといってのは多分間違い)

といったところです。


Re: ソナグラム その2 投稿者:HD 投稿日:11月16日(水)11時21分12秒
志賀 さん:

< (3) f, sh, ch の音は声帯からではなく他の部分から空気の摩擦音として出ている。 これは自分で発音してみるとわかります。 例えばホワイトノイズを「シャー」という風に表現しますが sh の音などは基音+高調波といった分布でなく恐らく4000Hz 辺りを中心としてランダムな周波数成分を含むノイズ音だと思います。>

何年か前に小沢指揮で日本のオケ、コーラスで日本語で歌われたバッハ「マタイ受難曲」聴いたことがあります。「主」という沢山出る曲ですが聴いたホールの音響特性もあるかと思いますが、特にコーラスが「主」と歌ったときにSHの音がホール一杯に響くのに驚いた事があります。ラウドネス曲線でも人間の聴感は4K付近の感度が最も高いですから、この要因も大きいのでは無いでしょうか。

?

inserted by FC2 system