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ディスク・スタビライザー

スタビライザーについて 投稿者:MM 投稿日:2005年11月26日(土)21時59分26秒
志賀さま

ホームページを偶然発見し、科学的な見地からのさまざまな論攷を興味深く読ませて頂きました。
アナログプレーヤで音楽を聴くことが多いのですが、いわゆるディスクスタビライザにつき、ご考えをお教えください。

Audio雑誌などで、最近も各種のディスクスタビライザ(以降、DSと略します)の聞き比べをした評論家氏の感想が出ていましたが、評論家氏ほどのスゴイ耳の持ち主でないので、そもそもDSでそんなに音が変わるものなのか、さらに真鍮とかその他組成する材質で、雑誌の論評にいうほどの変化が出るのか? など、ご説明頂ければ幸いです。

私の立場としては、それなりの金額のDSを1つ持っていて、聴きき比べますが、ついぞその変化を感得することができません。システムにもよるとは思いますが、一般的にDSの効能・効果はいかほどのものなのでしょう?

Re スタビライザーについて 投稿者:志賀 投稿日:11月27日(日)09時32分0秒
MM さん

ディスクスタビライザーなる物を使ったことが無いのでむしろこちらが聞きたいくらいなのですが。

そもそも、どういう効果をねらっているんでしょうか?
レコードのそりを修正する? ターンテーブルの慣性モーメントを大きくし回転むらを軽減する? といったようなことが想像されますが、前者については盤によっては効果があるかもしれませんが、後者についてはあまり効果はないでしょう。いずれにせよ重さが効くわけで材質は関係なさそうですね。強磁性体である鉄を使うと弊害が出る恐れはあります。あるいは、制振合金を使うとよくなるなんて説があるかもしれませんね。

変化が聴き分けられないというのは極めて正常なことだと思います。
答えは、そもそも「Audio雑誌はなんのために存在するか」を考えた方が近道ではないでしょうか?

ここら辺のことはここに書いてあります。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/copernican.htm


音の違いがわからなくとも 投稿者:NS   投稿日:11月28日(月)18時03分48秒
MM さん
そんなにご謙遜なさらなくても。 こんな趣味をやらかしていると修行僧みたいになります。

スタビライザーを使う効能としては、スピーカーのふらつき低減と同時に、カートリッジの針やレコードの盤面を傷めないようにするという事も大きいと思います。反りの大きいレコードの場合、心配になるくらいにカートリッジが上下に振動してしまうのが見受けられることがあります。 下手したらカートリッジの腹と盤面が衝突する場合もあるので、また、針飛びで盤面が傷つくこともありますから、カートリッジ保護とレコード反り矯正のためにご使用されたらよろしいのではないかと思います。

Re ディスクスタビライザー 投稿者:志賀 投稿日:11月28日(月)20時28分14秒
MM さん

NS さんの詳しい説明で十分だと思いますが、一応私からもフォローしておきます。

はじめのレスで書いたように、スタビライザーの効果そのものを否定しているわけではありません。特に半導体アンプは低域再生限が低くレコードの反りがあると超低音ノイズになるのでスタビライザーは有効だと思います。またターンテーブルとの密着性を増しレコード盤の振動を抑える効果も考えられます。これが、音にどれほど影響するかは簡単にはわかりません。ただ、ほぼ同じ形状であれば材料が真鍮か、ステンレスか、銅か、という区別はまずつかないだろうと思います。

重量ですが、軽いと効果が少なく、重すぎると軸受けに負担がかかりかえってノイズが増えることも考えられます。ターンテーブルとの相性もあるかもしれません。

いずれにせよアナログプレーヤーはCDプレーヤーと違い諸々の振動が直にノイズや歪みとして効いてくるので、LPを満足に再生しようとすればずいぶんコストがかかるのは仕方がないでしょう。

あと、慣性モーメントの増加による回転むらの低減にはあまり効かないといったのは、慣性モーメントは重さと半径の2乗に比例するので、ターンテーブルの外周部の重量でほとんど決まり、中心部に少々重い物をおいてもあまり増加しないということです。

最後に、オーディオにどれだけ科学を持ち込むかですが、確かに微妙な音質差となると複雑な現象なので簡単には説明がつかないことはいくらでもあります。ここで、注意する必要があるのは、「これこれの理由で、音質が改善される」という主張がなされたとき、個人の主観では決して証明にはならないと言うことです。聴感によって証明するにはブラインドテスト以外には無いということです。

といって、いちいちブラインドテストをせよと主張しているわけではなく、私自身やっているわけではありません。

では、どうするか?

やはり、物理学や電気工学のポイントは理解した上で、個人の好みに従って機器を選択するといった月並みなことになると思います。でないと、とんでもない高い買い物をしてしまう羽目に陥ることは必定です。

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