目次へ戻る

銅線の純度について

銅線の純度について再考 投稿者:NB 投稿日:2012年 9月 2日(日)18時43分6秒
志賀様

スピーカーケーブルの銅線の純度が4N〜6N…云々、と言ったメーカーの宣伝、それに対する議論、結論、読ませてもらいました。小生も同感です。

ただ、一つ忘れていたことを思い出したので書き込ませてもらいました。MCカートリッジのコイル線です。MMカートリッジと比べて、低電圧、高電流駆動だと思います。今となってはレコードは過去の物と成ってしまいましたが。オーディオテクニカ、DENON、などが、6Nを売り物に製品を出していたと思います。

スピーカーケーブルと同様な考えでは、6Nは無駄なこと、となりますが、MCカートリッジのコイル線は極細です。線径はわかりませんが、おそらく0.1mm(100μ)以下でしょう。このサイズになると、6N線の良さが出てくるのではないでしょうか。(ボンディングワイアーと似ている?) アニールされた4N線では、不純物が析出(晶出)し、10μ以上になると思います。

抵抗値だけを考えれば、不純物は固溶しているときより、析出しているほうが良い値をだしますが、直径100μ以下の細線になると、この析出物が、断面の多くを占めて、抵抗値を増加させてしまうと考えます。このケースでは、6N有利かと思います。もっとも4N線の熱処理温度を上げて、不純物をすべて容体化させた後、伸線、低温歪取り焼鈍をすれば、スピーカーケーブル同様、4N-6N線と余り変わらなくなると思いますが。

Re: 銅線の純度について再考 投稿者:NS 投稿日:2012年 9月 2日(日)23時07分46秒
NB さん

横レスで失礼いたしますが、2〜3質問させてください。

> アニールされた4N線では、不純物が析出(晶出)し、10μ以上になると思います。

銅線の製造方法は詳しくはありませんが、アニールすると普通不純物は拡散しませんか?

また、何が10μですか? 表面に析出した不純物層の厚みでしょうか。 厚みとしたら4N,つまり不純物量が0.01%なので、直径100μの線径に対し、10μは厚すぎると思います。 何の値でしょうか。

> 抵抗値だけを考えれば、不純物は固溶しているときより、析出しているほうが良い値をだしますが、

この考えは反対ではないかと思いました。不純物は銅より抵抗値が高いので、抵抗値が高い不純物が表面に析出した場合、表皮効果に関して不利ではないでしょうか。

Re: 銅線の純度について再考 投稿者:NB 投稿日:2012年 9月 2日(日)23時56分51秒
NS さん

> 銅線の製造方法は詳しくはありませんが、アニールすると普通不純物は拡散しませんか? 

おっしゃるとおり、拡散する方が多いかも知れません。拡散するのが多いか、析出するのが多いかは、電気銅から、銅隗を鋳造する際の冷却速度と、銅隗をアニーるする温度と時間と含まれる不純物の元素種で決まると思います。

> また、何が10μですか? 表面に析出した不純物層の厚みでしょうか。 厚みとしたら4N,つまり不純物量が0.01%なので、直径100μの線径に対し、10μは厚すぎると思います。 何の値でしょうか。

不純物が内部、結晶粒界など、に析出(元からあった場合も含む)した場合の粒径です。

>> 抵抗値だけを考えれば、不純物は固溶しているときより、析出しているほうが良い値をだしますが、

> この考えは反対ではないかと思いました。  不純物は銅より抵抗値が高いので、 抵抗値が高い不純物が表面に析出した場合、表皮効果に関して不利ではないでしょうか。

アニール処理をすることで、不純物が表面に出てくるのなら、磨いてやれば簡単に純度アップができますね。表面に出てきた不純物は、不純物同士でつながってないでしょうし、あまり電気を通さない材質の物でしょうから(Ag,Au,Al以外)、表皮効果については、無視して良いのでは。

Re: 銅線の純度について再考 投稿者:志賀 投稿日:2012年 9月 3日(月)06時16分47秒
NS さん

横レスですが私からのコメントです。

>銅線の製造方法は詳しくはありませんが、アニールすると普通不純物は拡散しませんか?

>不純物は銅より抵抗値が高いので、抵抗値が高い不純物が表面に析出した場合、表皮効果に関して不利ではないでしょうか。

この二つの質問にまとめてコメントします。

アニールの効果ですが、一般的に、析出するのは固溶していた個々の原子が拡散(固溶原子がマトリクス中を動くことで分散ではない)により集合し析出物を形成するわけです。このとき、抵抗値は通常減少します。なぜなら、母体(マトリクス)の方が高純度化し抵抗率が下がり抵抗の並列接続の原理で全体の抵抗値は下がります。電流は不純物を避けて流れると言ってもいいでしょう。なにしろ、マトリクスの方が体積分率が圧倒的に大きいので。

銅の場合通常のタフピッチ銅では固溶していた酸素が拡散し酸化物が析出し抵抗率は減少します。また、分散した析出物があると転位の動きが阻害され機械強度が増します。このことは、析出物はマトリクス内に分散することを意味し、表面に排出されるのではなさそうです。いずれにせよ、ここで問題になっているような細線では表皮効果は問題になりません。

高純度無酸素銅の場合、不純物の濃度はほとんどの元素に対し固溶限より遙かに少なく不純物原子の析出はないでしょう。アニールの効果は、まずは、加工時に導入された転位(ディスロケーション)がはき出され、さらに結晶粒(グレイン)サイズが増大します。どちらも降伏応力の減少を招き機械的に柔らかくなります。まさに焼き鈍しと言うことです。電気抵抗もかなり減少しますがこれも、転位密度の減少が主因です。


Re: 銅線の純度について再考 投稿者:志賀 投稿日:2012年 9月 3日(月)07時22分25秒
NB さん

> アニールされた4N線では、不純物が析出(晶出)し、10μ以上になると思います。

これにはデータの裏付けがあるんでしょうか? ご存じなら文献を教えて下さい。少し大きすぎると思いますが?

> 抵抗値だけを考えれば、不純物は固溶しているときより、析出しているほうが良い値をだしますが、直径100μ以下の細線になると、この析出物が、断面の多くを占めて、抵抗値を増加させてしまうと考えます。このケースでは、6N有利かと思います。

そうでしょうか?

抵抗値がどれだけ変わるかは測定してみないと何ともいえませんが、そんなに変わらないとおもいますが? というより私の推測ではやはり減少すると思います。仮に2、3% 増加しても出力がわずかに落ちるだけです。その分不利ともいえますが、高純度にするとまずい点もあります。それは、NS さんへのレスで書いたように機械強度が弱くなることです。

以前、イヤホンのコードで痛い目に遭ったことがあります。少し上等のイヤホンで音そのものは気に入っていたのですが、コードがピンジャックのところですぐ断線し2、3回修理に出す羽目になりました。どうも高純度銅を使っていたようです。耐久性を含めた実質的な性能より、高純度信仰を利用したイメージ作戦のような気がします。本末転倒ですね。さすがに最近は使わなくなったようです(少なくとも宣伝はしていないようです。)。MCカートリッジの場合は機械強度がどれほど必要か解りませんが、私はイメージによる心理効果を狙っているんではないかと思っています。

ちなみに高純度銅の効用は少し古いですが


http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/OFCCu.htm

ここに書いてあります。ボンディングワイアに使う理由も書いておきました。

Re: 銅線の純度について再考 投稿者:NB 投稿日:2012年 9月 3日(月)20時42分44秒
志賀さん

書き込んだときの気持ちの中に、”オーディオメーカーでもチャンとまじめに高純度を有効に生かす為に頑張っていたんだな” そんなこともあってほしいという、思いがあったと思います。

>> アニールされた4N線では、不純物が析出(晶出)し、10μ以上になると思います。
>
> これにはデータの裏付けがあるんでしょうか? ご存じなら文献を教えて下さい。少し大きすぎると思いますが?

文献などありません、10μは滅多に無いと思います。小生は、4N(OFC)と、タフピッチ銅(電気銅 3N5)と混同していたかもしれません。OFCは酸化物が無いので、不純物は金属元素が多くほとんど固溶してるでしょうから、光学顕微鏡では晶出物はあまり見えないでしょう。

以前顕微鏡で1mmくらいの銅線を観察したことがあって、結構晶出物(1〜3ミクロンぐらい)があるな、と印象を持ってました。ただ、伸線前の鋳塊の場所によっては、晶出物の大きさに大きな違いが有るでしょう。

大きい晶出物が、伸線する際に、粒界割れなどを引き起こし、よって緻密さを失った場合に、極細線の場合、影響が大きいのではないか?そんな考えです。

>> 抵抗値だけを考えれば、不純物は固溶しているときより、析出しているほうが良い値をだしますが、直径100μ以下の細線になると、この析出物が、断面の多くを占めて、抵抗値を増加させてしまうと考えます。このケースでは、6N有利かと思います。

> そうでしょうか?

部分的に、晶出物が断面の過半数を占めるようなことがあったら、と言う考えでしたが、この場合、伸線時に切れてしまいますね。

Re: 銅線の純度について再考 投稿者:NS 投稿日:2012年 9月 5日(水)15時49分21秒
NB さん

> OFCは酸化物が無いので、不純物は金属元素が多くほとんど固溶してるでしょうから、光学顕微鏡では晶出物はあまり見えないでしょう。

光学顕微鏡で見えるとお考えなのですか。

> 以前顕微鏡で1mmくらいの銅線を観察したことがあって、結構晶出物(1〜3ミクロンぐらい)があるな、と印象を持ってました。

光学顕微鏡で数μmの大きさの物体が見えるのですか? たとえ、晶出物があったとしてもその物体が銅以外の物体だという事が目で見てわかるのでしょうか。私がもし同様のことを行うのでしたら、会社のSEMでEDSを使って各元素の画像マッピングをします。

それでも99.95%や99.99%,99.9999%の銅表面の不純物を測定するとなると、余程の測定器でないとわかりませんよ。セラミックス関係で不純物が問題になった時EDSを見たりしますが、難しい。

「考え」だけが先行しますと、実態の無い奇妙な結論になりかねないので、お止しになったほうがよろしいですよ。

余談でもあり、既出の事でもあり、まったく無視されましたが、**電線で、おもしろい特許が出されていました。このご時世に製品化はしないでしょうけれど、よくやったなあと思う次第です。効果の程度や、商品化、売れる〜〜、とは別の話で、いままでできなかった事ができたというのでおもしろい。

>特許第4914153号 平成24年4月11日 特願2006-242748 平成18年9月7日 7頁 4クレーム
>**電線工業株式会社 <****><****>
>オーディオ・ビデオ信号用銅導体

>(57)【特許請求の範囲】
>【請求項1】
>横断面にX線を照射したときの(111)面のX線回折強度I(111)と(200)面のX線回折強度I(200)とがI(111)≧16.5×I(200)の関係を満たすように形成された金属線状材からなることを特徴とするオーディオ・ビデオ信号用銅導体。
>【請求項2】
>請求項1に記載されたオーディオ・ビデオ信号用銅導体において、
>銅の純度が99.9999%以上であることを特徴とするオーディオ・ビデオ信号用銅導体。
>【請求項3】
>請求項1又は2に記載されたオーディオ・ビデオ信号用銅導体の単一線、複数本を集めて構成した集合線、複数本を集めて構成した撚線、又は、これらを組み合わせた複合線を絶縁体で被覆したことを特徴とするオーディオ・ビデオ信号用電線。
>【請求項4】
>請求項3に記載されたオーディオ・ビデオ信号用電線を含むことを特徴とするオーディオ・ビデオ信号用ケーブル。

ようするに、電気が流れる方向と、電気を流しやすい金属銅の結晶方向を揃えましたという特許ですが、考えるだけでなく、ここまでこぎ着けるというのはスゴイの一言です。

御興味あれば特許庁の特許電子図書館で特許番号で検索し、全文を入手してください。御興味が沸いてくると思います。

Re: 銅線の純度について再考
投稿者:NB 投稿日:2012年 9月 5日(水)19時12分17秒
NS さん

さて、またまた、疑問が出てきてしまったのですが。
上記の、特許によると、 金属銅の結晶方向で、何かが変わると言うことで、メーカーさんが特許を取っているのですね。

オーディオ、ビデオ用と言うことですから、室温で使用するわけで。日本を代表する、大手メーカーさんの研究員も、今日現在、室温域で、結晶方向で音質が変わると、真剣に考えているのでしょうか?

一方、当ホームページでは、現代の物理学では、室温域では、熱振動のための影響が大きく、結晶方向の影響は無視できるという結論に達していると思いますが。(4N銅は、結晶粒が小さく、マクロな視点では、ばらばらな方向を向いている。6N銅は結晶粒が大きくて、結晶方向が揃っている可能性がある、のに4Nと6Nの差はほとんど無い。(この部分は不純物の考察は除外してます))

上記の特許の話と、少しずれますが、小生が知りたいことは、液体ヘリウムなどの極低温において、熱振動の影響が無い環境において、結晶方向(100,111面等)の違いにより、微小な電気抵抗に差があるか? です。量子力学の観点から考えると、すでに答えが出ているのかの知れませんが、恥ずかしながら小生は、量子力学を十分に理解するだけの頭を持ち合わせてません。

Re: 銅線の純度について再考 投稿者:NS 投稿日:2012年 9月 5日(水)23時20分2秒
NB さん

>  金属銅の結晶方向で、何かが変わると言うことで、メーカーさんが特許を取っているのですね。 オーディオ、ビデオ用と言うことですから、室温で使用するわけで。 日本を代表する、大手メーカーさんの研究員も、今日現在、室温域で、結晶方向で音質が変わると、真剣に考えているのでしょうか?

真剣かどうかは、当の発明者ではないのでわかりませんw。 pcoccといいますか、チェクラルスキー法といいますでしょうか、似たようなモノはありました。 新技術でウリの要素でしょう。

横道にそれるかも知れませんが、ダイア針において、ダイアをランダムに削るのではなく、LPと接触する面に固い結晶面が当たるように研磨、カンチレバーへの埋め込み方向も考慮して、針先寿命をのばしましたという技術もありましたねえ。

> 上記の特許の話と、少しずれますが、小生が知りたいことは、液体ヘリウムなどの極低温において、熱振動の影響が無い環境において、結晶方向(100,111面等)の違いにより、微小な電気抵抗に差があるか? です。 量子力学の観点から考えると、すでに答えが出ているのかの知れませんが、恥ずしながら小生は、量子力学を十分に理解するだけの頭を持ち合わせてません。

特許をお読みになりましたか?例の特許には抵抗については記述はありません。推測ですが室温では差がなかったと思われます。電気抵抗の変化がでるような測定方法がなかったのでしょうね。これでは極低温でも差が生じないでしょう。

ただし、X線回折強度I(111)とX線回折強度I(200)の比に有意差があったと書いており、試聴結果にも差があり。リファレンスとしてあげられているチェクラルスキー法のモノと同等の聴感評価。しかもチェクラルスキー法よりも生産性がよい、というので特許になった公報です。

酸化物超電導体のロッドを使った実験がありました。早稲田大学の山崎芳男教授の研究室でした。検索すれば論文がでてくると思いますよ。

Re: 銅線の純度について再考 投稿者:NB 投稿日:2012年 9月 5日(水)23時25分49秒
先ほどの特許の全文を読みました。

ヒアリングテストまでしてますね。このテストを信頼しなければ話は進みませんが、真実だとしても、音質が変わった、
その内容、その理由は???

室温で、電気抵抗値が変わっているとすれば、4.2Kでは、大きな違いになっていると考えられますが、そのようなデータはありませんね。結晶方位の違いによる抵抗値の変化(電気信号の伝わり方の変化)を知りたいですね。

ここからは、特許の全文を読む前にメモした、私の考えです。

仮に、100方位と111方位とで電気抵抗に違いがある場合で、111方位が抵抗が少ない場合。(はっきりとした違いがわかる、熱振動を無視できる、4.2Kにおいて)

たとえば、6Nの PC-OCC の単結晶の言葉、これは、あくまでも、鋳造段階での話しで、伸線後再結晶した場合は、多結晶、方向性はランダムになっていると考えます。ただの 6N です。(ここで6Nを用いたのは、結晶性が良いからです)

一方、伸線時に絶妙の圧化率でなましを行うことで、伸線方向が、100方位になるように、調整することができると思います。この場合 PC-OCC(単結晶)の言葉は真実です。

いま、ここで私が書いた、圧延なましの方法は、電解コンデンサーの圧延箔の技術から連想したことであり、これは4N程度の純度のアルミニウムを圧延して、コンデンサー箔を製造する際の企業秘密であるようです。銅もアルミニウムも面心立方であり、性質が似ているので連想しました...

この場合、圧延方向が100方位の時、箔の表面も100方位になります。表面を100方位にする理由は。コンデンサー箔を製造する際、圧延後、エッチングをして、表面積を増やしますが、エッチングピットは、100方位に進行する性質があるため、箔の表面が100方位であれば、より深くピットができ、表面積の大きな箔、ができます。このことで、たくさん電気を貯めることができるコンデンサーを作れることになります。

話を元に戻します。伸線方向が100方位の単結晶銅線ができた場合、通常の多結晶銅線より、より電気抵抗の大きい単結晶銅線が作れたという、皮肉なことになってしまいます。

Re: 銅線の純度について再考 投稿者:志賀 投稿日:2012年 9月 6日(木)06時02分6秒
NB さん,NS さん、

かなり専門的な話になってきましたね。ただ、これは特定のメーカーについての話題なのであまり深入りしたくありません。

一般的な話として、

まず製造法ですが、加工した金属を再結晶させた場合、結晶方向が加工時に入った内部応力に左右されるというのはよく見られる現象ですね。磁性材料である方向性ケイ素鋼板もこの技術の応用です。

次に本題の電気抵抗の異方性ですが

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/meisin.htm#direction

ここに書いたように、厳密には結晶方位により違いがあり得ます。原因を説明するのはかなり難しいですが、フェルミ面の形状が球面からずれるために生じる現象で方向により電子の有効質量が異なるとして説明されます。ほとんどの金属ではごくわずかだと思いますが、確か半金属であるビスマスはかなりの差が有ったと記憶しています。(手元にデータが無いので値までは分りません。)

一般に立方晶金属では差は小さいですが、銅の場合、フェルミ面が特異な形状をしており(111)方向にエネルギーギャップがあり、あるいは他の立方晶金属より異方性が強いかもしれません。これも、手元にデータが無いので量的には分りませんが、室温ではまず測定不可能な差でしょう。

それから、オーディオケーブルとして使った場合の話ですが


http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/OFCCu.htm

ここにも書いたように、別の主要な目的で開発した技術をオーディオ用に転用し売り出すという手法は多くの電線メーカーがやっていることです。ご存じだと思いますが。いずれにせよこれは直流抵抗値のごくわずかな違いで音質に影響するとは考えられません。

ちょっと皮肉ですが、こういう手法は大概、親元の大手メーカーでなく子会社にやらせているという傾向が見られますね。

ヒアリングテストもやっていると言うことですが、問題は厳密なブラインド条件でやっているかどうかです。担当技術者の主観だけでは話になりません。公開された技術報などがあれば是非見たいものです。(ご存じのように、特許ではそこまでの証明責任は要求さないですよね)

最後に高純度アルミの話ですが、上のリンク先に書いたように、耐腐食性などはかなり表面の結晶方位に左右されても不思議ではありません。

また、ダイヤモンド針の件ですが、これも耐摩耗性が結晶方位でかなり変わっても不思議ではありません。

この辺りはちゃんとしたデータがあると思います。もちろん別の話ですが。

余談ですが、「特選街」という雑誌の10月号でオーディオの特集を掲載していますが、近所の図書館で見たところ、ケーブルについては、ほとんど言及がありません。(申し訳程度で製品の紹介はありましたが)。 そろそろ、ケーブル信仰は下火になりつつあるんですかね?

inserted by FC2 system