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定在波対策

(無題) 投稿者:GY 投稿日:2012年 3月 1日(木)15時31分38秒

そもそもオーディオの部屋は、大抵フラッターというか定在波というかそのようなものはどこでも存在し、これが強く出る部屋では音楽を聴く場合邪魔になる、ということは一応判っているつもりです。が、この定在波の発生の度合いは、スピーカーのセッティングで変るものでしょうか?大抵の定在波の説明は矩形の部屋の片方の両角に近いところへ各1個のスピーカーをセットし、その反対側で聴取することを前提として説明がされています。その場合、内装の材料やパネルや角度を変えて、皆さん定在波のピークやドロップを平坦化する努力をされてるようですが、スピーカーの置き方を変えることで、いくらかでも改善がなされる可能性はあるのでしょうか?

また、実際の音「空気の振動」は四方八方に飛んで、その一部が定在波として発生してると考えますが、如何でしょうか?一部業者がそのようなことをやってるようですが、この業者さんを特定せずに一般論で、わかりやすいご説明をお願いできませんでしょうか。

定在波対策? 投稿者:NS 投稿日:2012年 3月 1日(木)16時41分50秒
GYさん

石井式リスニングルームに詳細に載っております。
http://homepage2.nifty.com/hotei/room/room.htm
実に興味深い

Re: 定在波対策? 投稿者:志賀 投稿日:2012年 3月 2日(金)11時30分33秒
NSさん

私もこの問題に興味あるんですが、スピーカーの設置場所と定在波の強さの関係について、具体的にこのサイトのどこに書いてあるんでしょうか? ちょっと探したのですが見つからなかったので。


Re: 定在波対策? 投稿者:NS 投稿日:2012年 3月 2日(金)12時28分32秒 志賀さん
http://homepage2.nifty.com/hotei/room/chpt02/chpt02.htm
http://homepage2.nifty.com/hotei/room/chpt03/chpt03.htm
上のURLではだめですか

Re: 定在波対策? 投稿者:志賀 投稿日:2012年 3月 2日(金)20時30分5秒
NSさん

ざっと読んだ限りでは、こちらのURL「低音伝送特性」のページ)の「10畳間での節面」という項目の最後から2つ目の段落に書いてある「低域伝送特性を考えた場合、スピーカもリスニングポイントも出来るだけ基準モードの節面が通らない場所に設置することが、好ましいということが解ります。」がこの方の考えの基本のようですね。リスニングポイントが節面に来ない方がよいというのは理論的によくわかるのですが、スピーカの位置も同じと考えていいのかどうか、その理由がよくわからないところです。

もう少し考えてみます。

定在波対策 投稿者:GY 投稿日:2012年 3月 2日(金)11時18分2秒
NSさんへ

早速ありがとうございます。勉強します。ところでスピーカーの置き方は正対して置くことを前提に記述されてますが、スピーカーの箱からも低域のエネルギーが漏れていてこれを壁面をホーンとして利用するという、スピーカーを斜めに置いたりする手法の可能性はどうお考えでしょうか?

定在波対策 投稿者:GY 投稿日:2012年 3月 2日(金)17時07分14秒
NSさん、

紹介いただいたHPを読むところ、それぞれの周波数で、それに応じて壁面間の距離の整数分の一の波長でフラッターが起こるのは理解できます。でもここにあるのは壁面の反射率を周波数全てに対してフラットであることを前提としている、と解釈しました。私の部屋の場合、スイープを耳で聴いた限り、低域において山谷が大きく変動しているようなのです。基本的にはこの性質は壁面材質と容積を変えない限り解決策はないのでしょうが、少しでもこの欠点を解消するテクニックとしてSPのセッティングを変えた場合、どのようなことが期待されるか手がかりを求めています。いちいち置きかえてその都度計測するしかないですね?何か良い方法ありませんか?

それともいっそ壁面材料の改修をやりますか?なんだか質問が自問自答になってきて、お邪魔しました。

Re:定在波対策 投稿者:NJ 投稿日:2012年 3月 2日(金)17時15分33秒
GYさん、

実は私も定在波に悩まされている一人です。フラッターエコーは中・高域の音ですからその退治はさして難しくありません。平行面を作らなければよいので、家具が入ったり、絵を掛けたりしている内に段々少なくなり、要するに聴取位置でエコーを無くせばよいのですから、最後は拡散パネルを自作して聴取位置の左右、後方に(出来れば上方にも)設置すればよい。何故吸音に頼らず(吸音してもフラッターエコーは消えますが)拡散パネルを使うかと言えば、吸音しすぎると音がつまらなくなるからです。

ところが、定在波と言うヤツは、おおむね500Hz以下で、低域に発生するものがしつこい。部屋の寸法で決まる周波数で発生します。(多くのモードがあり、例の「石井式」に計算方法がでています。)私の所では28、32、38、49、52、56Hzです。定在波は低周波で、壁面に多少凹凸を付けた位では退散してくれず、定在波を防止するには吸音するしかないのですが、低域の吸音は大変で、例えば低域吸音装置を設置しようとすれば恐らく壁全面を低域吸音構造とする必要があると思われ、しかも吸音装置の奥行きは1m程度は必要で、従って一般家庭のリスニングルームでは殆ど実現不能です。

吸音以外の対策としては、スピーカの位置やリスニングポイントを色々変えて、定在波の山・谷の少ない場所を見つけることです。私の場合、スピーカから4m位の所が一番無難で、その位置では左右壁間の38.6Hzが気になるだけです。その位置より1mちょっと前に出ただけで前後方向等の定在波によるディップが10dB位深くなります。左右壁間の定在波のディップも聴取位置を左右壁の真ん中でなくどちらかに寄せれば(つまりスピーカの位置を左右対称とせず、2つのスピーカと聴取位置で作る二等辺三角形の中心軸を部屋の壁に対し斜めに振る)もっと良くなると思いますが、そうはいかない事情があり、目下38.6Hzをどうやって吸音するか検討中です。蛇足ながら、石井式の配置では左右壁間のディップを避けるのに有利だと思われます。

この様に、スピーカなり聴取位置を動かして定在波の影響の少ない場所を探し、ワルサする周波数を限定して吸音により退治するしかないと思います。

Re:定在波対策? 投稿者:MN 投稿日:2012年 3月 3日(土)00時24分7秒

定在波の「周波数」は部屋の大きさ(幅、奥行、高さ)で一義的に決まります。(幅、奥行、高さのそれぞれで、1次、2次、3次・・・・の次数及びそれらの組み合わせで固有の周波数の定在波が発生します。)

ただし、発生する定在波の「振幅」は、聴取者の位置によって異なります。従って、リスニングポイントを変えると定在波の影響は変わります。

また、スピーカーの位置を変えると(聴取位置を変えても同様ですが)、聴取者の耳の位置でのそれぞれの定在波の発生のタイミング(位相)が変わります。周波数特性は、いろいろな次数の定在波の合計に影響されますから、スピーカの位置を変えると、聴取位置での周波数特性が変わることになります。(いろいろな次数の定在波の周波数は相当近接しますので(例えば74.3Hzと76.4Hzのように)これらの波の振幅の和はそれぞれの波の位相の影響を受けます。)

言い換えれば、スピーカや聴取者の位置を変えると、部屋、スピーカ、聴取者を系とするシステムのインパルス応答が変わり(反射波の到達時間が変わり)周波数特性が変わるということになります。

従って、運が良ければ、定在波の影響の少ないスピーカの位置を見つけることが可能な場合もあります。

紹介されているホームページからダウンロードできるStndWave2.exeというプログラムは、これらのことを簡易的な手法ではありますが模擬できるプログラムです。ただし、直方体の部屋のみ計算でき反射率は全周波数で一定であるという制約があります。

なお、定在波の影響は低音で大きく出ますが、低音は音の吸収が難しく、小さな家具を置いたり、パネルの角度を変えたくらいではさほど効果が出ないことも申し添えます

Re: 定在波対策? 投稿者:IMA 投稿日:2012年 3月 3日(土)06時37分8秒
皆様

私の場合は、定在波の影響を少なくするためにリスニングポイント(耳位置)にマイクを設置してサイン波(20Hz〜20kHz)を流し、イコライザーで希望する周波数特性ラインにしています。

中高音のフラッターエコーは、カーテン等で防ぐ様にしています。しかし、リスニングポイントにおける干渉(マイクと鼓膜の位置が異なる)で音圧にバラツキが出ていると思います。

定在波の物理 投稿者:志賀 投稿日:2012年 3月 3日(土)10時41分58秒

定在波には私も含め悩まされるところです。

ここでは、問題を単純化して考えてみます。部屋は直方体、内壁の反射率は十分大きい(ただし1より小さい)とします。

この場合、発生する定在波の周波数はよく知られていて、

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/roomacoustics.html#standingwave

にも書いたように部屋の寸法がわかれば計算できます。

このような定在波が発生している場合リスニングポイントによる音圧の違いは単純で、節の位置で音圧最小、腹の位置で音圧最大となるので、周波数特性では前者の位置でディップが、後者の位置でピークが生じることはよく知られたことです。従って、リスニングポイントをこれらの位置を避けて選べば一応フラットな周波数特性が得られるというわけです。

ここで問題になっているのは、スピーカーの位置により定在波の振幅がどのように変わるかです。これについてちゃんと解析したテキストを知らないのですがとりあえず自分で考えてみました。

定在波が発生する過程は、スピーカーから発生する音の周波数が定在波の周波数に一致すると、部屋の空気の固有振動である定在波を励起し振幅が増加してゆきます。卑近な例でいうとブランコに乗った人をその周期と一致したタイミングで押すと振幅がどんどん増大するのと同じです。このとき、重要なのは定在波の振幅は時間と共に増加してゆくことで、これは測定でも確かめあられています。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/subwoofer.html

このページの70Hzでの波形に見られます。

つまり動的過程の解析なので結構難しい問題です。

初めに、十分時間がたち定在波の振幅が定常状態に達したときの振幅を考えてみます。
このときは、部屋の壁の吸収率(音波のエネルギーの散逸量)とスピーカが発生する音のエネルギーの比で定在波の振幅が決まるのではないかと思います。つまり、単純にはスピーカーの位置には依らないということです。

ただし、実際にはスピーカーの位置にも依存するようなのでその原因を考えてみます。
一つは、定在波の立ち上がりの時間の違い、もう一つは、スピーカーから直接発生している1次波と反射波の干渉による定在波の振幅の変化が考えられます。通常シュミレーションソフトではこちらのみが考慮されていると思います。

これらは、どちらも、スピーカーの位置が、定在波の節の位置にあるか、腹の位置にあるかにより決まると考えられるので、それがわかればいいのですがどうも経験的には節の位置にあるとき定在波の振幅が最大になるという説が多いようですが理論的根拠はよくわかりません。

私の勘では、壁の反射率が比較的小さくエネルギーの散逸が強い場合、すなわち定在波の振幅が小さいほど、1次波との干渉効果が効き、スピーカーの位置による影響が大きく、逆に、反射率が大きく、強い定在波が生じているときはあまり影響しない。つまり、定在波を押さえるには結局のところ壁の反射率を小さくする以外にないという結論になりそうなのですが如何でしょう?


定在波対策 投稿者:NJ 投稿日:2012年 3月 4日(日)19時47分57秒
TTBさん、志賀さん、みなさん

ご参考になるかどうか分かりませんが、過去6〜7年かけて行って来た我が家の定在波対策をご紹介します。少し長くなるかと思いますが、お許し下さい。

まず初めに、部屋の条件を述べます。

@約17畳(27.16平米)の洋室。室容積は76.04立米。壁面は並行で北側に窓、南はガラスサッシのベランダ、西側に窓。いずれも二重サッシとして遮音を図っています。東に出入り口のドア(42dBの防音仕様)。天井のみ傾斜天井(船底型)。

A二階の客室兼用。

Aが最大の問題点で、二階であるためフロアの振動も十分抑えられず、また客間兼用のため部屋の構造に大きな制約があります。壁構造も波形にできず、家具に角度を付けて設置するなど四苦八苦しております。低域吸音体も「みっともない」「部屋が暗くなる」など、我が家の「山の神様」のゴキゲンを損じてお許しが得られません。神様は厳しくて、来客時には拡散パネルの類は全て撤去させられてしまいますから、重量の大きいパネルは使うことが出来ません。

それでは、我が苦闘の遍歴を。

T.フラッターエコー

若干発生しましたが、拡散パネル等で全て退治しました。

U.定在波

こいつがしぶといヤツで、未だに戦闘中です。

@定在波の様態

@.定在波を部屋のディメンジョンから計算しますと、28Hzをアタマに沢山ありますが、幸い縮退はありません。100Hz以上に亘って発生が予想されますが、その退治はさして困難でなく、100Hz以下が問題。

A.大きな影響を及ぼすのは水平の軸波であり、垂直の軸波はなく、接線波、斜め波は大したことはない。(傾斜天井の効果か?)

B.いろんな本を引っ繰り返したり、測定結果から類推したりして定在波のQを計算したところ、7とか10とか、大きな数字に成りました。このことから、グライコでの補正は不可能と悟りました。

C.このQをもとに、残響時間を計算しますと、56Hzで0.4secくらいです。私の部屋は、実測63Hzで0.42secですが、あまり違わない、というよりQの誤差を考えれば殆ど同じなのに驚きました。皆さん、如何思われますか。
 (註)残響時間T=2.2Q/f・・・・f=56HzでQ=約10

A現在までに施行した対策

@.前後方向の定在波の節・ハラの位置を避け、影響の少ない聴取位置を探す。現在はスピーカ開口部から4.36mの位置で聴取しています。ここから1mちょっと前に移動しただけで定在波のディップが10dBくらい増加します。

A.左右の壁間の定在波は避けようがない。聴取位置をどちらかの側壁に寄せれば改善出来ようが、場所的に不可能で、もっぱらPEQ(パラメトリックイコライザ)で調整しているが不十分。

B.PEQによる調整は、私の所有するデジタルグライコがPEQ機能も有するので、前後方向の定在波も含め利用している。片チャンネルあたり10周波数を設定できる。その概要は、
 a.GEQによる調整が不可である理由は、GEQ調整カーブのQが小さく、定在波の大きなQに対処できないことにある。
 b.PEQにはバンド幅変更の機能があり、1oct〜1/10 octまで種々の値を取ることが出来る。私はもっぱら1/8、1/10 octという狭い帯域で調整している。
 c.例えば10dBのピークをカットしようとしてPEQを-10dB下げても十分な効果は得られない。定在波は共振現象であるから、十分な効果が得られるまでカットエンドトライである。
 d.1/8 octより狭い帯域のピーク・ディップは人間は知覚しないと言われており(メーカーさんが自社のスピーカの特性を発表するとき、この原理に則ってピーク・ディップを平準化したものを発表している。実際のナマの特性はモノスゴイものもある。蛇足ながら。)、またピークよりディップの方が耳につきにくい、と言われているので、試行錯誤の結果、このような鋭いディップは無視し、ピークのみPEQで削ることとした。
 e.低域吸音体は設置困難。少量では効果が少なく、大量では場所がない。客間兼用が裏目に出た。

C.GEQの使い方は、Qの小さい山・谷を調整する為に使う。

D.最後に、SONYのAVアンプ(5600SE)をプリアンプとして用い、自動音場補正を行った。補正カーブをディスプレイ表示できるので、やってみたら略フラットであった。

B今後検討する対策

左右壁面を垂直壁とせず、内側傾斜の壁とする。(面積の大きな拡散パネルを設置する。)その位置は、聴取位置の左右及びスピーカからの音波の一次反射面とする。多分6mm程度のシナ合板を使用することになろう。ただ、聴取位置の左側に窓があり、明かり取りと通風のため透明材料か取り外し可能なものとしなければならず(これも客間兼用のマイナス)、どうするか検討中。
 前後壁もそうしたいが、窓およびベランダなので、これこそ透明で移動可能でなくてはならず、検討中である。アクリルでは低域の振動に耐えられるか不安だし、ガラスでは重くて移動がままならない。今アタマを抱えている最中です。

まあ、現在はこのような段階ですが、これから先まだまだ続くでしょう。ひょっとすると死ぬまで続くかも。 何か良い知恵があったらお貸し下さい。

(無題) 投稿者:TTB 投稿日:2012年 3月 3日(土)10時12分28秒
皆様

皆さまも定在波対策を色々されていると思います。何とかしたいですが、これは小手先では解決できませんね。

私のリスニングルームの場合は50Hz近辺に定在波があり、イコライザーで対処しています。がしかし、単に音圧レベルを抑えただけでは、何か違和感が残るのです。歯切れの悪さ、とでもいうのでしょうか?

どこかに、志賀先生が書かれていましたが、定在波の影響は単に音圧だけでなく減衰特性にも影響するとありました(違っていたらごめんなさい)そのせいでしょうか?
であると、これに対する対策は何かあるんでしょうか???

Re: (無題) 投稿者:志賀 投稿日:2012年 3月 3日(土)10時59分8秒
TTBさん

> どこかに、志賀先生が書かれていましたが、定在波の影響は単に音圧だけでなく減衰特性にも影響するとありました(違っていたらごめんなさい)そのせいでしょうか?
> であると、これに対する対策は何かあるんでしょうか???


はい。おっしゃる通りです。定在波の発生は動的な問題でその立ち上がり時間、減衰時間も重要です。実際に強い定在波が生じている場合の測定例もあります。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/subwoofer.html

このページの70Hzでの測定例、その下にリンクしてある

http://www.bekkoame.ne.jp/~k-kara/ht/tran-sw150.htm

このページの63Hz の測定例で長い減衰時間を伴うことが顕著に見られます。

上の考察でも述べましたが、強い定在波が発生する状況ではこれを解決するには壁の反射率を下げる以外に対策はなさそうです


Re: (無題) 投稿者:TTB 投稿日:2012年 3月 3日(土)21時07分30秒
志賀さん

ありがとうございました。

> 下の考察でも述べましたが、強い定在波が発生する状況ではこれを解決するには壁の反射率を下げる以外に対策はなさそうです。

これは難しいですよね。DSPは何かで定在波付近の過渡特性を補正する、なんてことはできないんでしょうか?

Re: (無題) 投稿者:志賀 投稿日:2012年 3月 4日(日)22時01分23秒
TTBさん

> DSPは何かで定在波付近の過渡特性を補正する、なんてことはできないんでしょうか?

そうですね。

立ち上がりを制御するのは可能かと思いますが、減衰を短くするのは一旦スピーカーから出てしまった音を打ち消す必要があるのでかなり難しいんではないでしょうか?


Re: 我が家の定在波対策 投稿者:志賀 投稿日:2012年 3月 4日(日)22時48分56秒 NJさん
NJさん

Qが10 とはかなり鋭い振動ですね。これだと相当立ち上がり時間、減衰時間は長いでしょう。上下のとどべいさんへのレスにも書いたのですが周波数特性は自動補正で何とかなっても過渡特性をコントロールするのはかなり難しそうです。しかし、過渡特性を改善しないと本当の意味での定在波をつぶしたことにはならないので、こちらの方にも目を向けて対策を考えられたら如何でしょう。例えば、オシロで直接過渡特性を観測し対策の効果を調べるとか。

方法は


http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/subwoofer.html

ここで紹介しています。

一応、HPに対策は書いているのですがあまりお役に立たないかもしれません。

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/roomacoustics.html#top

むしろ、有効な対策を見つけられたら是非教えて下さい。

Re: (無題) 投稿者:KZA 投稿日:2012年 3月 5日(月)01時10分51秒
志賀さん

> 立ち上がりを制御するのは可能かと思いますが、減衰を短くするのは一旦スピーカーから出てしまった音を打ち消す必要があるのでかなり難しいんではないでしょうか?

原理的には可能です。

ノイズキャンセラの原理を使って補助スピーカから逆相の音を出せば打ち消せます。
しかし、気温や部屋内部の状況など様々な要因に影響されますから、
よほど条件を限定しないとうまくいきません。

それよりは、部屋の共鳴のQを下げる方法を考えるほうが現実的です。大部分Qが下がれば、普通のEQ補正でもかなり改善します。そこで、天井の一部を開閉式にして天井裏まで部屋の容量として使う案を思いつきました。(持ち家限定)

あるいは、問題なければドアや窓を開けるのも手かもしれません

定在波は、分からん! 投稿者:NJ 投稿日:2012年 3月 5日(月)02時14分55秒
志賀さん

>Qが10 とはかなり鋭い振動ですね。これだと相当立ち上がり時間、減衰時間は長いでしょう。

そうなんです。低周波のくせに鋭い共振だから対策が大変なのです。さきの投稿に示した式の他、別にこういう式もあります。

  T=2.2π/k・・・・k=減衰定数
  k=c(ΣεKS)・・・・c:音速、ε:x軸=1、y/z軸=1/2、
  K=室内装材の音響コンダクタンス(いわば吸音率の指標)、S=x/y/z軸に直交する室の各面の表面積

この式によれば、56Hzにおける残響時間T(56)=0.49〜0.5位になり、そうとすればQ=12.8となります。なお、残響時間の実測値は63Hzで0.42secです。(MJ誌2003年3月号)
 いずれの数値を採るにしても、残響時間は思ったほど大きくなく、不思議に思っています。計算に間違いはないが、(さきの投稿に示した式と、今回のkの計算に使用したデータは全く独立のもので、にもかかわらず近い結果がでた。しかるが故に計算結果は信頼しなければならないのだろう)今ひとつ感覚的に納得出来ないのです。(T=0.5secというのは、フツウの洋間17畳ならこの程度で、妥当な数字ですが。)

>過渡特性を改善しないと本当の意味での定在波をつぶしたことにはならないので、こちらの方にも目を向けて対策を考えられたら如何でしょう。<

その通りだと思います。ただ、上記の計算に間違いがないとすれば、Q=10のときT=0.4sec、定常的な数値と変わりがない。ただ、定在波のピークが+20dBくらいだとすれば、聴感的にブーミーさを感じさせないトランジェントとは、残響時間の定義の60dBダウンの時間でなく、20dBのアップ分を加えた80dBダウンの時間で考えなければいけないかな、とも思いますが。そうとなると、電気回路のみでヤッツケルのは極めて難しい。

今検討しているのは、振動の減衰定数を大きくすること、即ち少しでもQを下げることで、それには内装材とか、表面形状とか、その設置位置とか、一寸したことで大きく変わることも考えられます。例えば室内に人が一人増えただけでもQは下がります。

それで、スピーカ後方の壁面と、聴取位置後方の壁面を斜行させ、一次反射を分散させようと検討しています。低周波ですから広い面積で行う必要が有り、材料と構造を検討中です。反射板は聴取位置後方ベランダのガラスサッシ前にタテ1.8m〜2.2m、ヨコ3.6mくらいのものを内側に傾斜させて取り付けるように考えていますが、来客時に容易に撤去できる構造にするのが難問です。スピーカ後方にも同じアイデアで仕掛けを作りたいと思っています。「山の神様」に、日光を遮らず格好の良いものを要求されるので難しいのです。
 
最初に大仕掛けのものを作って効果が無くては莫迦らしいので、まずは聴取位置左右の壁面に内側へ向けて傾斜壁を作り、効果の程を見て前後の壁対策に進むつもりです。

だが、ともかく定在波とやら言うものは、どうもよく分からん!

天井開放、窓やドアの開け放しは有効 投稿者:NJ 投稿日:2012年 3月 5日(月)02時29分24秒
KZAさん、横から失礼します。

>それよりは、部屋の共鳴のQを下げる方法を考えるほうが現実的です。<

その通りです。陽気の良いときは、窓やドアを開け、そのようにしています。ただし、音楽会の雰囲気は夜遅くでないと・・・・。で、締め切ると定在波に悩む。

>そこで、天井の一部を開閉式にして天井裏まで部屋の容量として使う案を思いつきました。<

この方法は、10年くらい前にリスニングルームを改修したとき採用しました。開閉式でなく、常時解放で、あわよくば屋根裏をヘルムホルツにしようかと思ったのですが、そこまで根気が続きませんでした。しかし、定在波抑止にはそこそこの効果があるようです。但し、中高域の残響時間が意図したより短くなり、ちょっとデッドな部屋になってしまいました。

問題は、横方向の軸波をどうやってダンプするかです。聴取位置左右の壁間隔は余裕が少なく、低周波吸音体は設置不能で、悩んでます。

Re: 天井開放、窓やドアの開け放しは有効 投稿者:TTB 投稿日:2012年 3月 5日(月)10時14分11秒
NJさん

>あわよくば屋根裏をヘルムホルツにしようかと

ヘルムホルツ吸音ですか、以前読んだことはあるのですが、これはどのくらい現実味があるのでしょうか?現実味=大きさ、効果など

Re:TTBさん 投稿者:NJ 投稿日:2012年 3月 5日(月)15時02分14秒

>あわよくば屋根裏をヘルムホルツにしようかと

実は、さきの投稿に書きましたように、アイデアだけで実行しておりません。一応ヘルムホルツにはなっておりますが、根気が続かずチューニングをやっていないのです。

これには、部屋がどういう状況であるかをご説明する必要があるかと思います。

まず、部屋の寸法ですが、ヨコ4.38m、タテ6.20mで、スピーカはいわゆる縦長配置です。
天井は、縦方向にいわゆる船底型の変形で、その高さは、スピーカ後方及び聴取位置後方が2.2m、部屋の端部から中央へ向かって傾斜天井になっており、2.2mほど中央へ寄ったところが傾斜天井の端部になっており、端部の高さは2.6m、部屋の中央部幅約1.8mだけ高さ3.6mの平天井になっております。

その天井の端、壁面に沿って300mmのスリットが切ってあります。言うなれば、天井は変形屋根型の吊り天井であり、その周囲はスリットで壁との間には30cmの隙間があり、この隙間によって室内と天井裏は音響的に繋がっております。

 私のアイデアは、
@このスリットをダクトにして天井裏をエンクロージャーにしてヘルムホルツ吸音箱とする。
A中央の平天井の板を、3〜6mmのシナベニヤとして、裏に吸音材を貼って低域吸音をさせる。
 というもの。

@は、天井裏を箱として仕切らねばならず、その容積との関係でダクトの寸法を決めねばならない。そこまで根気が続かず、まだ実行しておりません。ただ、スリットは定在波の音圧が最大になる部屋の端部にあり、後方のスリットをタテ方向の定在波28Hzに同調させ、側壁のスリットをヨコ方向の定在波38.6Hzに同調させれば好結果が得られるに違いないと思っています。ただ、吸音しすぎということもあるのでカットエンドトライが必要で、これが面倒なので実行しておりません。

Aの方が現実味がありますが、現在天井はガチガチに固めてあり、それを剥がしてベニヤを張り替えるのは大工事であり、今のところ軍資金が不足で実行しておりません。

天井板の一部を剥がして視覚天井(見た目は天井に見えるが音は通過する構造)として吸音させるのは効果があると思っています。例えば純日本式家屋の天井は、天井板が薄く、低域通過、中高域反射で、茶室の様に船底型天井にすれば理想的です。

現在は、とりあえず天井裏に吸音材を多量に詰め込んで、スリットからの音を吸音させるようにしております。そのため、低域のみならず中高域も吸音してしまい、残響時間0.5secを意図したのに、低域では63Hzで0.42secとまあまあですが、中高域では0.3secになってしまいました。

定在波の結論 投稿者:GY 投稿日:2012年 3月 6日(火)09時54分15秒

みなさん、良く勉強されてて私には理解できないレベルになりました。

ただ、それでも解決法が無いということが判りました。電気信号も波動、音も波動ですが、こんなにも難しいとは思ってもいませんでした。スピーカーの置き方を斜めにして後の壁に逃げる低域の振動も壁を利用してホーン効果を出し、定在波の軽減につなげるというアホみたいな試みに対してのコメントはなかったようですね。

低域のピーク、ディップはグライコくらいでは対応不能です。まずはテストCD使って正確な周波数を把握してその原因とおぼしき内装材の変更、はては構造材の補強あたりが今できることでしょうか。いろいろありがとうございました

Re: 定在波の結論 投稿者:MN 投稿日:2012年 3月 6日(火)21時03分13秒
GYさんへ。

「解決法が無い」と書かれていますが、スピーカの位置と聴取位置を変更することにより、定在波の影響はかなり変わります。

石井 伸一郎氏が実測及びシミュレーションで示されていますが、例えば、典型的な日本の6畳の部屋では、縦置き(部屋の短辺にスピーカを置く)より横置き(部屋の長辺にスピーカを置く)ほうが、低域のディップが圧倒的に少ないとのことです。

もし、スピーカの位置がある程度移動できる環境にあり、かつ、部屋が直方体であるならば、とりあえず、

http://homepage2.nifty.com/hotei/room/download/index.htm

のソフトをダウンロードして、スピーカの位置と聴取位置をかえて、計算していてはいかがでしょうか。

部屋の改造などは結構大変なので、上記検討の後に改造などの検討をされたほうが効率的だと思います。

なお、低音には指向性が無いので、スピーカの向きを多少変えても、殆ど低域の周波数特性には影響がないことを申し添えます。

定在波対策 投稿者:GY 投稿日:2012年 3月 7日(水)14時33分17秒
MN様

ありがとうございます。大体の予想はご指摘のもので出来るのですが、実際SPと聴取位置の間にグランドピアノがあり、部屋のSPの後ろ側片方(右CH)は外側に矩形に張り出しており(隣の部屋の入り口)どの程度計算値と整合性があるか疑問があります。従って縦長の環境を横長にも変更不可能ですし、悩ましいことであります。なかなか簡単にはいきませんね?

結局の所定在波対策については決定的な対策はなさそうだが、聴取位置での差については、

http://seppotl.web.fc2.com/te0.html

ここに詳しい測定例がある。私に知る限り最も信頼出来る測定例と行ってよい。ただし、スピーカー位置を変えたときの変化については測定されていないが、私の推定では、尖鋭度(Q値)が大きい定在波が発生している場合は少々スピーカー位置を変えたくらいでは定在波を退治することは出来ないだろう。
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