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フルバランス アンプ

長い距離を引き回すマイクケーブルにはいわゆるバランスケーブルが使われる。理由は

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/connectcable.htm#ballance

ここにも記したようにいわゆるコモンモードノイズを打ち消し外来ノイズの混入を最小限に抑えるためである。しかし、比較的高い電圧を扱いしかも距離も短いCDプレーヤーとアンプをつなぐコネクトケーブルにバランスケーブルを使ってもあまりメリットがない。ここでの話題はさらに推し進めアンプの回路もバランス接続にすることの得失を論じたものである。私自身の結論は最後に書いた通りである。   

フルバランス
投稿者:HF 投稿日:2010年 5月 7日(金)13時10分1秒

DACの出力がフルバランス+と-信号の出力なのに、片バランスのRCAケーブルで接続し、片バランスのAMPまたは擬似フルバランスのBTLアンプが一般的な構成ですが、DACからスピーカーまでフルバランスにした場合、不都合な事があまり思いつかなのですが何があるのでしょうか?

ちなみにDAC旭化成AK4395、OPAMPバーブラウンopa2132(98KHZローパスフィxルター、フルバランス)、D-ClassAMPTPA2001D1PWR(ローパワーの物しかフルバランス入力のモノが無い)でやってみたのですが、D-ClassAMPの性能上の問題か、片バランスの時と差のような物を感じられませんでした。ヴォリュームはTPA2001の入力の前に+、-信号に直列でそれぞれ1KΩの抵抗を入れ、TPA2001側の+、-間に50KΩの可変抵抗でシャントする方法とTPA2001のゲインセレクターを併用しました。AB級のBTLアンプを改造する場合何かアドバイスは無いでしょうか?

バランス 投稿者:WT 投稿日:2010年 5月 7日(金)17時02分45秒
HFさん

細かいツッコミになりますが、「片バランス」という言い方はまずしません。「アンバランス」と一般的に言います。
 もともとバランス伝送は周囲からのノイズを拾いにくくする為の手法です。プロオーディオの世界では一般的な接続方法です。プロオーディオの場合は接続ケーブルが非常に長くなる事が多く(マイクケーブルですと100mくらいは珍しくない)、大容量の照明や電源ケーブルが近くを這う事も多いので、どのような状況下でもノイズの少ない安定した音を伝送する必要があるためバランス伝送が主流になっています。しかしミキシングコンソールなどでも内部はアンバランスになっているものが普通です。

 私の知っている理由は、増幅段もバランスにした場合、部品点数が2倍になるために故障率も2倍になる。筐体内部のスペースファクターが悪くなりそれが原因で熱がこもりやすくなる、機器が重くなる、コストが上昇する、といった事です。逆にメリットは特にありません。なのでプロオーディオの世界ではバランスで受け渡しをしますが内部はアンバラでやっているわけです。

 民生機はプロ機器のマネをするのがステイタスみたいなところがありますが、民生機の場合は接続ケーブルも短いのでノイズの影響が少なく、マイクアンプのように1000倍以上も電圧増幅する事があまりないので電気的にはアンバラで充分と言えると思います。しかしアンバラ、バランスの両方の出力を持っている民生機などではそれぞれ微妙な音の違いがあるのでどちらか好みの方で接続するのがいいと思います。

Reバランス 投稿者:HF 投稿日:2010年 5月 7日(金)22時51分21秒
WTさん

>細かいツッコミになりますが、「片バランス」という言い方はまずしません。「アンバランス」と一般的に言います。

一般的に「アンバランス」と言う呼び方なんですね、マイクロフォンだけなのかと思いました、勉強になります、+、-の信号を整合器を兼ねたローパスフィルターを使うのが一般なので「アンバランス」と言う意味と違うと思ってしまいました。

 オーディアンプを作る際に信号グラウンドと電力グラウンドの関係で1点アースを常に考えないといけない事からすると、フルバランスは信号が理屈上分離されるので、有利かなと単純に考え調べてみると、フルバランス用のローパスフィルターIC、フルバランスでのボリュームの使い方などDACの参照回路で見つけたと言う点です。

 電力増幅において、全てが正弦波であれば起きないのですが、音楽信号を駆動すると正、負の電源の電流のバランスが崩れるためアンバランスな電圧の変動が起き遅延した正帰還がかかると思えます、フルバランスであれば正、負の電流は同じなので影響は出ないと思います。

>私の知っている理由は、増幅段もバランスにした場合、部品点数が2倍になるために故障率も2倍になる。筐体内部のスペースファクターが悪くなりそれが原因で熱がこもりやすくなる、機器が重くなる、コストが上昇する、といった事です。

又、同一電力の出力では効率は変わらないので発熱の要因が理解できません。部品に関しても、ローパスフィルターまでフルバランスでアンバランスでは整合回路を追加します、D級のパワーアンプに於いては一部アンバランスな物はありますが、BTLと言うか差動増幅の物が多いので回路部品はむしろ少ない場合もあると思うのですが(AB級でもBTLなら同じ)?

Reバランス 投稿者:WT 投稿日:2010年 5月 8日(土)21時23分39秒
HFさん

>+、-の信号を整合器を兼ねたローパスフィルターを使うのが一般なので・・・

それはDAコンバータの量子化ノイズを低減させるためのローパスフィルターですね。バランスアウトを作り出す為に必須という回路ではないですね。

>同一電力の出力では効率は変わらないので発熱の要因が理解できません

とりあえず私が想定していたのはミキシングコンソールです。ミキシングコンソールは回路が複雑ですから(特にアナログコンソール)、オペアンプを使っていても相当に発熱します。コンソールに手をかざすだけで熱が感じられるくらい発熱している機種が多いです。

パワーアンプにおいては、ステレオパワーアンプをBTL接続した場合、モノーラル動作となりますからステレオでは2台必要になります。アナログアンプの効率は50%程度だと思いました。残りの50%は熱になります。ですからBTL接続したアナログパワーアンプを2台使えばステレオパワーアンプを1台使った時よりも大電力を消費することになるのです。

ReReバランス 投稿者:HF 投稿日:2010年 5月10日(月)21時18分11秒

>それはDAコンバータの量子化ノイズを低減させるためのローパスフィルターですね。

本題からずれた事は、私が余計な回路の説明をしたのがまずかったようです、どうもすいません。

本題の部品点数による信頼性と言う事だったので、オペアンプ、抵抗、積層セラミックコンデンサーの信頼性って数が増えたからと言って、電解コンデンサーやボリューム、スピーカー、CDプレーヤーの信頼性より遥かに高いので、それが問題になるとは思えません、特に電解コンデンサーがダメになったらアンプとしてはお終いだと思います。

>パワーアンプにおいては、ステレオパワーアンプをBTL接続した場合、モノーラル動作となりますからステレオでは2台必要になります。アナログアンプの効率は50%程度だと思いました。残りの50%は熱になります。ですからBTL接続したアナログパワーアンプを2台使えばステレオパワーアンプを1台使った時よりも大電力を消費することになるのです。

モノラルとBTLのどちらも同じ電源電圧で最大振幅で駆動した場合は、BTLは差動動作しますから、出力電圧は倍になります、よってスピーカーに4倍の電力を供給するので、例えば10Wのアンプより40Wのアンプの方が大消費電力で発熱が大きいと言う事は欠点なのでしょうか?

 同一出力電力にすれば、アンプの効率は変わらないのだから、消費電力もほとんど変わらない(ドライバー回路以前の回路の消費電力は増えます、全体の数%でしょうけど)
これも解って頂けないなら、この件は不問にして下さい、荒らすつもりは無いですから。

ReReバランス 投稿者:WT 投稿日:2010年 5月11日(火)13時58分19秒
HFさん

>オペアンプ、抵抗、積層セラミックコンデンサーの信頼性って数が増えたからと言って、電解コンデンサーやボリューム、スピーカー、CDプレーヤーの信頼性より遥かに高いので、それが問題になるとは思えません。

いえ、私が言いたかったのは故障率の上昇によって実用上問題になるかどうかではなく、理論的には2倍になる、という意味です。それは純粋に故障率として比較してみた時にデメリットになる、と言う事です。

>これも解って頂けないなら・・・

少しわかりました(笑)。HFさんは、BTL接続におけるメリットとデメリットを比較してその価値判断をされています。私はBTL接続は意味がない、という価値判断をしているのではありません。物理的な特性としてこういうデメリットがある、と申し上げているのです。

BTL接続をする意味があるか、ないかという判断は人によって、使う環境によって異なってきます。ですからこうした点について客観的な議論は出来ないと思います。議論できる内容は、どういった物理的電気的特徴があるのかないのかという点であると考えます。私はそうした視点でここでは申し上げております。ですからどういう視点で話をするか、ということですね。

>スピーカーに4倍の電力を供給するので、例えば10Wのアンプより40Wのアンプの方が大消費電力で発熱が大きいと言う事は欠点なのでしょうか?

こうした事も、どういう視点で評価するかで変わってくるところですね。仰るような視点で言えば回路技術的には効率は同じ、と言えましょう。しかし実際にステレオパワーアンプをBTL接続して2台使うとなれば消費電力は増大します。無信号時でもアンプは電力を消費しておりますから(例えば私の持っているパワーアンプですと約7,80W消費しています)2台使うとなると無信号時でも140〜160W電力を消費するわけです。まして音楽を聴くときはBTL接続だからと言って4倍の電力をSPに送り込んで聞くわけではありませんね。ステレオアンプで1Wで聞いていたとすれば2台でもやはり1Wで聞いているわけです。同じ出力を得るために電力を余計に食うわけで、これは電気的にデメリットであると言わざるを得ないです。

だからBTL接続に意味がない、と言いたいのではありません。意味があるかないか、という問題は別のところにありますね。少しお分かりいただけました?


Re3バランス 投稿者:HF 投稿日:2010年 5月15日(土)01時52分34秒
WTさん

基本的に市販のステレオアンプではBTL接続は不可能です。

入力にボリュームや、バランサーが入るので、BTL動作のバランスが崩れます、またBTL用に作られていないので、スピーカーなどの保護回路が正常に動作しない可能性があります。BTL専用のアンプであるべきです。例えば最大出力100Wとしたらモノラルの100Wと同じ100Wを2個は不要で単純に言えば50W+50Wで良いわけです、当然100Wと50Wの無負荷電力は違う筈です、ですから100Wと100W+100Wを比較すること自体無意味です。

Re: Re3バランス 投稿者:HF 投稿日:2010年 5月15日(土)02時12分32秒

すいません説明を簡単にと思いすぎで変な説明になりました訂正します。
最大出力は負荷が固定ですから印加電圧で決まる訳です。モノラル100Wの倍の出力電圧が可能のBTLで100Wを出力するのに必要な電源電圧は半分で十分です、流れる電流は同一ではありますが、電圧が半分になれば半分の消費電力でBTLで×2でほぼ同じと説明した方が正確でね、すいませんでした。

BTL 投稿者:WT 投稿日:2010年 5月16日(日)00時42分16秒
HFさん

今国内でセパレートアンプを作っているメーカーはアキュフェーズとラックスマンぐらいですが(ガレージメーカーは除く)、両社とも市販しているパワーアンプはほぼすべてBTL接続が出来るようになってます。海外メーカー製は知りません。プロ用のパワーアンプでもヤマハやアムクロンなどではBTL接続が出来ます。

 民生機器の場合、使い手がハードの内容を理解せずとも問題なく使用できるように設計されています。ですからご懸念の保護回路や動作のバランスの問題も技術的に充分解決した上で市販されていると考えていいと思います。特にプロ機では動作の安定は絶対条件ですからそうした不安を抱えたまま市場に出回ることは考えられません。

>例えば最大出力100Wとしたらモノラルの100Wと同じ100Wを2個は不要で単純に言えば50W+50Wで良いわけです・・・

このような視点で考えた場合、BTLのメリットとはなんでしょうか。100WのBTL接続のアンプ2台と(同じ筐体内に組み込んで100W×2としてもいいんですが)ステレオパワーアンプの100Wと比較した時にBTLだから、という優位点が見い出せません。
 やはりBTLの最大の長所は出力の増大という点にあると思います。この点において優位性がなければ回路の複雑化というデメリットだけが目立つ結果になります。ですから私はステレオパワーアンプとそれをBTL化した場合とで比較しました

Re: BTL 投稿者:HD 投稿日:2010年 5月16日(日)10時30分33秒  
WTさん、HFさん:

横から長文で失礼します。 半導体素子の使用については「最大定格値を一時的にも越えることがありますと,直ちに劣化または破壊に至るものであり,たとえその後しばらく動作していても,その寿命を極度に縮めることになります。従って,半導体素子を用いる電子回路の設計にあたっては,使用中いかなる外部条件の変動においても,その素子に指定された最大定格を越えないよう配慮が必要です。また,これらの最大定格の各項目は相互に緊密な関連にあるものが多く,それぞれ同時に許されるものではないことに更にご注意下さい。例えばトランジスタに加えられる電流,電圧がそれぞれ最大定格以下であっても,その消費電力は両者の積で与えられ,これがそのトランジスタの許容コレクタ損失以内になければならないことになります。また,直流最大定格のみならず,パルス的用途の場合には安全動作領域(ASO),負荷ローカス,ピーク電圧,電流についての配慮が必要になります。」と言う事が重要です。

アンプについては、出力段のパワートランジスタについては特に注意が必要で、アンプにはこれに対する「保護回路」や「保護素子」が組み入れられています。 特定のアンプ(例えばカタログ値で最大出力50W---と言ってもどの辺りから保護回路/保護素子がかかり始めるかは不明)に対してこれらの保護回路が働き始める以上の入力が入りますと、いわばリミターがかかって入力に見合った出力が得られなくなります。同じアンプ2台をBTL接続にした場合、この限界入力以下で動作させた場合は負荷への電圧、電流が2倍になりますから1台の場合の4倍の電力出力が得られます。 保護回路が働き始める入力以上では電流/電圧が2倍以下になって行きますから出力は4倍から下がっていきます。
入力に対してリニアな出力が得られる事が望ましい訳ですから、大出力アンプが必要な場合1台の大出力アンプか、この1/4の出力のアンプ2台でBTL接続にするかは経済的な判断によると考えて良いのでないかと思います。
但し、BTLにするとドライブできる負荷のインピーダンスが2倍になり、且つアンプのダンピングファクタは1/2になりますので、これらも考慮の対象になるでしょう。

Re: BTL 投稿者:KZM 投稿日:2010年 5月16日(日)11時30分20秒
HDさん

> 入力に対してリニアな出力が得られる事が望ましい訳ですから、大出力アンプが必要な場合1台の大出力アンプか、この1/4の出力のアンプ2台でBTL接続にするかは経済的な判断によると考えて良いのでないかと思います。

ブリッジ用のスイッチがついている機種はともかく、そうでないものを手動でブリッジ化するのは、あまり意味のあることではないのでは。

それに現在はブリッジで8Ω1kWのD級アンプが3万円で買えるので、予算がないから大出力アンプが用意できないという場面はほとんどないと思います。

組み込みアンプではブリッジ化はほとんど必須ですが、家庭用となるとPWMアンプの二次歪みを消す、小出力の真空管アンプをなんとかする、くらいでしょうか。

なお、BTLは元々真空管アンプの時代の言葉ですので、トランスを要さない現在のアンプでは単にブリッジ接続と呼ばれます。(便宜上BTLと呼ぶことはある)

Re: BTL 投稿者:TK 投稿日:2010年 5月16日(日)12時13分43秒
KZMさん

> なお、BTLは元々真空管アンプの時代の言葉ですので、トランスを要さない現在のアンプでは単にブリッジ接続と呼ばれます。(便宜上BTLと呼ぶことはある)

最近は Bridge-tied load の略、ということで通っているようですね:

http://japan.maxim-ic.com/glossary/definitions.mvp/term/bridge-tied_load/gpk/37
http://www.maxim-ic.com/glossary/definitions.mvp/term/bridge-tied_load/gpk/37
http://en.wikipedia.org/wiki/Bridged_and_paralleled_amplifiers#Bridged_amplifier

Re: BTL 投稿者:KZM 投稿日:2010年 5月16日(日)13時46分37秒
TKさん

> 最近は Bridge-tied load の略、ということで通っているようですね:

そうですか、Bridged Transfer Less 以外でも使いますか。言葉の使い方の問題なので、まあいいです。

Re: BTL 投稿者:HD 投稿日:2010年 5月16日(日)13時48分7秒
KZMさん:

> ブリッジ用のスイッチがついている機種はともかく、そうでないものを手動でブリッジ化するのは、あまり意味のあることではないのでは。

意味の有無と言うより、自作派の方でないと手動でブリッジ化は無理でしょうね。

> それに現在はブリッジで8Ω1kWのD級アンプが3万円で買えるので、予算がないから大出力アンプが用意できないという場面はほとんどないと思います。

これまでの議論の成り行きからアナログパワーアンプを念頭に書き込みをしました。業務用(特に大出力PA用)なら話は別ではないでしょうか?

Re: BTL 投稿者:KZM 投稿日:2010年 5月16日(日)14時49分14秒
HDさん

業務用を除けば、アナログのステレオアンプをブリッジで使うのはアキュフェーズくらいしか見たことがないので、かなり狭い話なのかもしれません。

今回の話は既製品をブリッジ化したいわけでもなさそうで、自作するなら当然自分で調整する必要があるというだけですし、どういう状況で何を問題にしているのか不明なので僕からはもうコメントすることはなさそうです。

Re: BTL 投稿者:HD 投稿日:2010年 5月16日(日)16時18分5秒
KZMさん:

> 業務用を除けば、アナログのステレオアンプをブリッジで使うのはアキュフェーズくらいしか見たことがないので、かなり狭い話なのかもしれません。

そうかも知れませんね。ただ、既に生産完了しているサンスイのAUシリーズのアンプは「バランス方式」というか「ブリッジ構造」だったのではないでしょうか。

取説か何かに「SP端子のコールド側もシャーシに触れないように」という注意書きがあったと記憶します。
後は、現在作られているパワーICのほとんどがBTLみたいです。 AB級で2W位、D級で40W位のICアンプがあるようです。

Re: BTL 投稿者:KZM 投稿日:2010年 5月16日(日)20時07分40秒
HDさん

> ただ、既に生産完了しているサンスイのAUシリーズのアンプは「バランス方式」というか「ブリッジ構造」だったのではないでしょうか。

サンスイのXバランス回路というのは確かにブリッジ接続です。今話題にしているのはアンバランスのアンプ製品をわざわざ二台用意してブリッジ接続する使い方のことなので、こういうのはあまりないということです。

反対に組み込み用アンプはブリッジ接続が圧倒的に多いとはいえ、これは出力の問題です。

バランスケーブルとBTL接続 投稿者:志賀 投稿日:2010年 5月16日(日)21時46分43秒
皆さん

このところ続いているBTL接続の話、発端は2010年 5月 7日(金)13時10分1秒投稿の「フルバランス 投稿者:HF」のようですね。このときはDACとAMPの接続がフルバランスの時に「アンプ内でもバランス回路を使った方がいいのではないか?」という問いかけだったと思います。それが、発展しBTL接続のアンプの問題に移っていったようで、論点がずれてきているように思います。

私の意見は、まず最初の問題ですが、それについては、その直後のWTさんの投稿「バランス」の内容につきます。そもそも信号線をバランスタイプにするのはノイズ対策であり、比較的電圧が高く、距離も短い、DACとアンプ間に使うのは過剰性能でその必要は無いと思います。私のHPでも

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/connectcable.htm#ballance

ここで取り上げています。

またアンプ内を2系統のバランスアンプにするのはWTさんの挙げておられる理由の他、2本の信号線がアースから浮くことになり、さらにケーブルのように、構造的に2本の信号線が一つのシールド線で覆われているわけではないので、ノイズ対策上もむしろ不利なのではないでしょうか?

そんなわけで、アンプそのものを2系統にするのは少なくともノイズ対策としては意味はないと思います。実際にそのようなプロ用アンプがあるんでしょうか?

アナログアンプのBTL接続は皆さんもおっしゃるようにもっぱら、比較的ハイインピーダンスのスピーカーを駆動するため電圧出力を倍にするということに尽きるのではないでしょうか? あまり実際の素子のことは知らないんですが、高耐圧のアナログパワートランジスタはかなり高価なものになるのに対し、D級に使う高耐圧のスイッチイング素子はそれほど高価でないのでは?


Re: バランスケーブルとBTL接続 投稿者:HD 投稿日:2010年 5月18日(火)10時30分20秒
志賀さん, 皆さん:

> そんなわけで、アンプそのものを2系統にするのは少なくともノイズ対策としては意味はないと思います。実際にそのようなプロ用アンプがあるんでしょうか?

所謂業務用ではないですが、国産オーディオメーカーでやってるのが見つかりました。

1) A社は現行(パワーアンプ)モデルのほとんどでプッシュプルのパワー段に入る前の増幅部分で
バランス構造にしているようです。以下のような利点を謳ってます。

   「入力端子からパワーアンプ段までの信号経路をフルバランス伝送化しています。
   このため、CMRR(Common Mode Rejection Ratio:同相信号除去比)やひずみ率な
   どの諸性能に優れているだけでなく、外部雑音など周囲の環境の変化に非常に
   強く、パワーアンプとしての安定度・信頼性が飛躍的に向上しました。」

2) D社はプリメインの高級機種(現行モデル)でやってますね。

「(プリアンプ部)
* イコライザーアンプ出力/150mV
* 入力感度/インピーダンス/PHONO MM:2.5mV/47kΩ、
BALANCE:105mV/100kΩ、LINE:105mV/47kΩ
* RIAA偏差/PHONO MM:20Hz〜20kHz±0.3dB

(パワーアンプ部)
  *定格出力/両チャンネル駆動(CD→SP OUT)50W+50W
  (負荷8Ω、20Hz〜20kHz、 T.H.D. 0.07%)
  *実用最大出力/100W+100W(負荷4Ω、1kHz、T.H.D. 0.7%)
  *全高調波歪み率/0.007%(定格出力-3dB時、負荷8Ω、1kHz)
  *出力端子/負荷4〜16Ω

・INVERTED Σ BALANCE 回路
本機では入力に対しバランス、アンバランス両方に対応するINVERTED Σ BALANCE回路を搭載。前段での個別の変換回路を不要とし、ダイレクトにBTL構成のパワー段に入力されるバランスダイレクト設計としています。出力 段のUHC-MOSとともにシンプル&ストレート思想を貫き、澄み切った響きの美しさを再現しています。」

アンプ内部でのアンバランス、バランス構造ではいろいろ利害得失はあるでしょうね。

Re: バランスケーブルとBTL接続
投稿者:志賀 投稿日:2010年 5月19日(水)21時00分0秒
HDさん

なるほど。探せばあるものですね。ありがとうございます。

私にいわせると、これらの製品は

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/copernican.htm#maker

ここに書いた過剰装備の典型のような気します。あえてプロ用と書いたのは、実際上不必要な装備はつけないと思うからです。しかし、メーカーも調べればすぐわかるので、ここではこれ以上コメントしないことにしておきます

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